ゼンマイ [野草]
ゼンマイ
薇 ウラボシ綱(シダ綱) ゼンマイ目 ゼンマイ科の多年生シダ植物。
学名Osmunda japonica
毎春、庭の真ん中で踏み込み難いところに、植えた覚えのない植物が出てきます。
今年も3月下旬、白っぽい若芽を見つけました。
これは何でしょう?
ワラビが毛で包まれたような形。ひょっとしてゼンマイ?
検索してみますと、やはりゼンマイでよさそうです。
大きくなると頭部の綿の間から黄緑色の若芽(?)がのぞきました。
これがゼンマイの胞子葉。
胞子葉の頭部。
赤い葉軸のまわりに黄緑色の粒々がびっしりと付いています。
これは胞子嚢です。
続いてまたニョキニョキと白い毛に包まれたワラビのようなものが生えてきました。
ゼンマイの栄養葉です。
栄養葉の若芽は赤褐色。
胞子葉が先に大きく育ちます。
胞子葉と栄養葉、どちらも食べられるのでしょうか?
ゼンマイの産地では栄養葉を「女ぜんまい」、胞子葉を「男ぜんまい」と呼び、採るのは「女ぜんまい」のみ。それも翌年のために少し残します。
左は胞子葉、右は葉が開いた栄養葉。
胞子葉の先端部を拡大します。緑色の魚の卵のよう。
さらに拡大すると胞子嚢は緑色のブドウのような球形。
ゼンマイの胞子には葉緑体が含まれているそうです。
胞子放出中。
まだ胞子が残っている胞子嚢があります。画面をクリックしてごらんください。
前回書いたトキワシノブの胞子嚢には環帯があり、ここが収縮して胞子嚢を裂開させましたが、ゼンマイには環帯がなく、厚壁細胞が一カ所に集まっているだけだそうです(Wikiwand)。
またゼンマイでは胞子嚢が一斉に熟する性質があるそうですが、この日は、煙のように胞子が飛び立つのが見られて幸いでした。
胞子を顕微鏡で見てみました。
確かに大きな胞子です。
拡大すると葉緑体が見えました。
空になった胞子嚢。
胞子葉は褐色になって退化していきます。
一方、栄養葉はたくまく葉を広げて赤褐色から緑色になりました。
2回羽状複葉。
葉脈は遊離(先で癒合して網を作らない)。これも画面をクリックすると見られます。
5月21日、崩れた胞子葉が中左寄りにわずかに見えます。
栄養葉の緑色が深まって葉が硬くなっていました。
2本切り取って長さを図りました。
80〜90cmあります。
切った葉の葉柄にまだ綿毛が残っていました。
これで2本分です。
昔はこれに真綿を足して綿糸の代用にして布を織ったり、手まりをつくったりしたそうです。
庭に自生したゼンマイを追ってみました。
山野にたくさん生えて食用にするものとは、育ち方が違うかもしれません。
この庭のゼンマイの記録です。
食用のぜんまいの作り方をYou Tubeで見ました。大変な作業ですね。
やはりワラビとゼンマイは全然違います。
薇 ウラボシ綱(シダ綱) ゼンマイ目 ゼンマイ科の多年生シダ植物。
学名Osmunda japonica
毎春、庭の真ん中で踏み込み難いところに、植えた覚えのない植物が出てきます。
今年も3月下旬、白っぽい若芽を見つけました。
これは何でしょう?
ワラビが毛で包まれたような形。ひょっとしてゼンマイ?
検索してみますと、やはりゼンマイでよさそうです。
大きくなると頭部の綿の間から黄緑色の若芽(?)がのぞきました。
これがゼンマイの胞子葉。
胞子葉の頭部。
赤い葉軸のまわりに黄緑色の粒々がびっしりと付いています。
これは胞子嚢です。
続いてまたニョキニョキと白い毛に包まれたワラビのようなものが生えてきました。
ゼンマイの栄養葉です。
栄養葉の若芽は赤褐色。
胞子葉が先に大きく育ちます。
胞子葉と栄養葉、どちらも食べられるのでしょうか?
ゼンマイの産地では栄養葉を「女ぜんまい」、胞子葉を「男ぜんまい」と呼び、採るのは「女ぜんまい」のみ。それも翌年のために少し残します。
左は胞子葉、右は葉が開いた栄養葉。
胞子葉の先端部を拡大します。緑色の魚の卵のよう。
さらに拡大すると胞子嚢は緑色のブドウのような球形。
ゼンマイの胞子には葉緑体が含まれているそうです。
胞子放出中。
まだ胞子が残っている胞子嚢があります。画面をクリックしてごらんください。
前回書いたトキワシノブの胞子嚢には環帯があり、ここが収縮して胞子嚢を裂開させましたが、ゼンマイには環帯がなく、厚壁細胞が一カ所に集まっているだけだそうです(Wikiwand)。
またゼンマイでは胞子嚢が一斉に熟する性質があるそうですが、この日は、煙のように胞子が飛び立つのが見られて幸いでした。
胞子を顕微鏡で見てみました。
確かに大きな胞子です。
拡大すると葉緑体が見えました。
空になった胞子嚢。
胞子葉は褐色になって退化していきます。
一方、栄養葉はたくまく葉を広げて赤褐色から緑色になりました。
2回羽状複葉。
葉脈は遊離(先で癒合して網を作らない)。これも画面をクリックすると見られます。
5月21日、崩れた胞子葉が中左寄りにわずかに見えます。
栄養葉の緑色が深まって葉が硬くなっていました。
2本切り取って長さを図りました。
80〜90cmあります。
切った葉の葉柄にまだ綿毛が残っていました。
これで2本分です。
昔はこれに真綿を足して綿糸の代用にして布を織ったり、手まりをつくったりしたそうです。
庭に自生したゼンマイを追ってみました。
山野にたくさん生えて食用にするものとは、育ち方が違うかもしれません。
この庭のゼンマイの記録です。
食用のぜんまいの作り方をYou Tubeで見ました。大変な作業ですね。
やはりワラビとゼンマイは全然違います。
2017-05-22 01:40
コメント(16)
クワクサ [野草]
クワクサ
桑草 クワ科 クワクサ属の一年草
学名: Fatoua villosa
分布:本州・四国・九州、中国
花期:9〜10月
高さ:数cm〜80cm
クワクサはこの庭にはびこる頑固な「雑草」の一種です。
葉がクワの葉に似ているからクワクサだろうとは思っていましたが、今回調べてみてこの草が本当にクワ科だったので驚きました。
クワクサの葉は卵形で薄く、辺縁に鈍い鋸歯があり、まばらに毛が生えています。
裏面は白っぽく葉脈が目立ちます。
葉脈の上にも微毛が生え、触れるとざらっとした感触があります。
9月、葉腋に緑色もしくは紫褐色の球状の集散花序をつけ、細かい白い花が咲きます。
クワクサは雌雄同株で、一つの花序に雄花と雌花が混在して咲きます。
この部分は雄花、薄緑色の4枚の花被片と4本の雄しべが重なって開いています。
こちらの花被片は紫褐色、中から白い葯が覗いています。
花糸が伸びて葯が開く勢いで花粉を飛ばす仕組みです。
開いた雄花、花糸が十文字に展開しています。
じゃんけんでグーからパーになったよう。
雌花はどこでしょう?
花茎の上部の花序には先が尖った蕾のようなものが多く見えました。
これが、雌花でした!
雌花の隙間からは糸のようなものが1本づつ伸びています。
雄花も混在していて1花開花中、右下の白いふくらみは雄花の蕾です。
一つの花序は直径1cm前後、一つの雌花は直径1〜1.5mm。
ピンセットで雌花を一つ取って針の先で花被片を開きました。
4枚の花被片に包まれた子房が見えました。
その上に伸びているのは柱頭でしょうか? 花柱でしょうか?
検索すると柱頭とも花柱とも書かれています。とりあえず柱頭としておきます。
先端部の花序を取って1mm方眼紙の上に置きました。
柱頭を拡大。
ピンボケですが、細かい毛が密生しているのがわかります。
10月になるともこもこした紫褐色の花序が目立ちます。
この花序の中はどうなっているのでしょう。
雌花が多い紫褐色の花序を採るとピーンと白い塊が飛びました。
花被片に覆われたまま、すでに果実(痩果)が熟し、種子が圧出されたのです。
白い矢印の先に今にも落ちそうな種子がのぞいています。
役目を終えた雄花は花被片を閉じて褐色になっています。
ここでも混在していた雌花から種子が飛びました。
大きめの雌花の花被片を開いてみました。
確かに中では種子が形成されつつありました。
さらに熟すと種子の表面に白い模様が現れました。
この種子の勢い良く飛ぶような落ち方には仕掛けがあるようです。
朝日百科植物の世界では「果実内に舟形に肥厚した多汁質の外果皮があり、外果皮が膨らむ際の圧力で、種子を飛ばす」と書いてあります。
種子の下部の部分が「舟形に肥厚した多汁質の外果皮」と思われます。
飛び出した種子を集めて1mm方眼紙に載せました。
厄介な「雑草」クワクサ、さすがに少ないエネルギーで多くの種子を残す仕組みを秘めていました。
昆虫を当てにしない風媒花、そのため雌花にも雄花にも余分な装飾はなく単純な造りです。
庭では5cmほどの小さな株にも果実ができています。
蕾かと思っている頃すでに種子が飛ぶことがわかりましたから、早めの除草が必要です。
(素人の観察記です。誤りがありましたらご教示いただけますようお願いします。)
桑草 クワ科 クワクサ属の一年草
学名: Fatoua villosa
分布:本州・四国・九州、中国
花期:9〜10月
高さ:数cm〜80cm
クワクサはこの庭にはびこる頑固な「雑草」の一種です。
葉がクワの葉に似ているからクワクサだろうとは思っていましたが、今回調べてみてこの草が本当にクワ科だったので驚きました。
クワクサの葉は卵形で薄く、辺縁に鈍い鋸歯があり、まばらに毛が生えています。
裏面は白っぽく葉脈が目立ちます。
葉脈の上にも微毛が生え、触れるとざらっとした感触があります。
9月、葉腋に緑色もしくは紫褐色の球状の集散花序をつけ、細かい白い花が咲きます。
クワクサは雌雄同株で、一つの花序に雄花と雌花が混在して咲きます。
この部分は雄花、薄緑色の4枚の花被片と4本の雄しべが重なって開いています。
こちらの花被片は紫褐色、中から白い葯が覗いています。
花糸が伸びて葯が開く勢いで花粉を飛ばす仕組みです。
開いた雄花、花糸が十文字に展開しています。
じゃんけんでグーからパーになったよう。
雌花はどこでしょう?
花茎の上部の花序には先が尖った蕾のようなものが多く見えました。
これが、雌花でした!
雌花の隙間からは糸のようなものが1本づつ伸びています。
雄花も混在していて1花開花中、右下の白いふくらみは雄花の蕾です。
一つの花序は直径1cm前後、一つの雌花は直径1〜1.5mm。
ピンセットで雌花を一つ取って針の先で花被片を開きました。
4枚の花被片に包まれた子房が見えました。
その上に伸びているのは柱頭でしょうか? 花柱でしょうか?
検索すると柱頭とも花柱とも書かれています。とりあえず柱頭としておきます。
先端部の花序を取って1mm方眼紙の上に置きました。
柱頭を拡大。
ピンボケですが、細かい毛が密生しているのがわかります。
10月になるともこもこした紫褐色の花序が目立ちます。
この花序の中はどうなっているのでしょう。
雌花が多い紫褐色の花序を採るとピーンと白い塊が飛びました。
花被片に覆われたまま、すでに果実(痩果)が熟し、種子が圧出されたのです。
白い矢印の先に今にも落ちそうな種子がのぞいています。
役目を終えた雄花は花被片を閉じて褐色になっています。
ここでも混在していた雌花から種子が飛びました。
大きめの雌花の花被片を開いてみました。
確かに中では種子が形成されつつありました。
さらに熟すと種子の表面に白い模様が現れました。
この種子の勢い良く飛ぶような落ち方には仕掛けがあるようです。
朝日百科植物の世界では「果実内に舟形に肥厚した多汁質の外果皮があり、外果皮が膨らむ際の圧力で、種子を飛ばす」と書いてあります。
種子の下部の部分が「舟形に肥厚した多汁質の外果皮」と思われます。
飛び出した種子を集めて1mm方眼紙に載せました。
厄介な「雑草」クワクサ、さすがに少ないエネルギーで多くの種子を残す仕組みを秘めていました。
昆虫を当てにしない風媒花、そのため雌花にも雄花にも余分な装飾はなく単純な造りです。
庭では5cmほどの小さな株にも果実ができています。
蕾かと思っている頃すでに種子が飛ぶことがわかりましたから、早めの除草が必要です。
(素人の観察記です。誤りがありましたらご教示いただけますようお願いします。)
2015-10-13 21:56
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ツクシ(スギナ)の胞子 [野草]
ツクシ(スギナ)の胞子
(2014.3.27.「ツクシとスギナ」の続きです。)
ツクシの胞子を見るために頃合いのツクシを摘んできました。
まず胞子嚢穂を横に切りました。
タイルのように並んだ6角形の胞子嚢体にはそれぞれ6個の胞子嚢がついています。
犬の歯のように見える薄い緑色の部分が胞子嚢です。
一部は破れて緑色の胞子が出ています。
次に若い胞子嚢穂を縦に切ってみました。
きれいな緑色の胞子が詰まった胞子嚢が並んでいます。
スギナの胞子は葉緑素を含んでいるため緑色に見えるのです。
胞子を出し終えると胞子嚢は白く見えます。
今度はほとんど胞子を出し終えた穂を縦に切ってみました。
上下の端に僅かに残った胞子が見えます。
輪切りにすると少量の胞子が緑色の点状に認められました。
胞子嚢は破れて開口しています。
白い紙の上で穂をとんとんと叩いてみました。
抹茶のような粉とふわふわの埃のようなものが出てきました。
成熟したひとつの胞子嚢穂を縦に切ると予想を超えた量の胞子が出て驚きました。
ひとつの胞子嚢穂には140万から220万の胞子が入っているそうです。
検索するとツクシの胞子は面白い動きを見せることがわかりました。
やはり顕微鏡で見たくなります。
胞子の一部をスライドグラスに載せてのぞくと黒っぽい塊状のものが見えました。
次の瞬間、ひとりでに塊がほぐれて広がりました。
まるで、黒い頭の小人達が我先に逃げようとしているかのようです。
円い頭に手足が4本ついた小人達がパッパッと形を変えながら乱舞しています。
ペアーになったり一人になったり。体操したり、ダンスをしたり。
しばらくすると静かになってあまり動かなくなりました。
拡大すると手足の先にはラケットかひれのような物がついています。
両手を拡げて走っているような子もいます。
4本の手足のように見える紐状の部分は弾糸といい、実は2本の弾糸が絡んで4本に見えているのです。
弾糸は湿気を帯びると縮み、乾燥すると伸びるそうです。
スライドグラスの上の胞子群にそーっと呼気をかけて見ると、小人達は消えて黒い塊になりました。
縮んだ時は弾糸はどうなっているのでしょう?
すぐにまた弾糸を伸ばしてしまうため、拡大画像はなかなか撮れません。
あっという間にまた小人達が現れて広がりました。
収縮をくり返すうちに胞子と弾糸が離れてしまいます。
しかしこれを見ると弾糸は2本で1組だったことがわかります。
顕微鏡に載せた胞子をそのまま放置して翌日再見すると、また同じような動きを見ることができました。
この胞子と弾糸の動きは肉眼では見ることができません。
しかし初めに見た大量の緑色の胞子群に肉眼的変化はないのでしょうか?
1mmの方眼紙の上に胞子群を載せました。
中央部は濃い緑の粉末状、辺縁部はやや薄い緑色の綿埃のように見えます。
何故まだらに見えるのでしょう?
見ていると中央部も次第にもやもやの綿埃状にふくれ上がってきました。
そして濃い緑色の部分は消えてしまったのです。
これは上の写真を撮ってからわずか4分後の画像です。
画面を出来るだけ拡大してみるとやや濃い緑色の点と繊維状の構造が絡まっているように見えました。
これが顕微鏡で見たのびのび弾糸を拡げた姿でしょう。
乾燥した室内は好条件、風が吹けば胞子は弾糸のひれをはばたかせてできるだけ遠くへ飛ぶ体勢かと思います。
ツクシの胞子の動きについてはネット上できれいな動画が公開されています。
あわせてご覧になれば楽しいでしょう。
道端にひっそり並んだツクシ達は食べられるだけではなく、こんな楽しみも提供してくれました。
(2014.3.27.「ツクシとスギナ」の続きです。)
ツクシの胞子を見るために頃合いのツクシを摘んできました。
まず胞子嚢穂を横に切りました。
タイルのように並んだ6角形の胞子嚢体にはそれぞれ6個の胞子嚢がついています。
犬の歯のように見える薄い緑色の部分が胞子嚢です。
一部は破れて緑色の胞子が出ています。
次に若い胞子嚢穂を縦に切ってみました。
きれいな緑色の胞子が詰まった胞子嚢が並んでいます。
スギナの胞子は葉緑素を含んでいるため緑色に見えるのです。
胞子を出し終えると胞子嚢は白く見えます。
今度はほとんど胞子を出し終えた穂を縦に切ってみました。
上下の端に僅かに残った胞子が見えます。
輪切りにすると少量の胞子が緑色の点状に認められました。
胞子嚢は破れて開口しています。
白い紙の上で穂をとんとんと叩いてみました。
抹茶のような粉とふわふわの埃のようなものが出てきました。
成熟したひとつの胞子嚢穂を縦に切ると予想を超えた量の胞子が出て驚きました。
ひとつの胞子嚢穂には140万から220万の胞子が入っているそうです。
検索するとツクシの胞子は面白い動きを見せることがわかりました。
やはり顕微鏡で見たくなります。
胞子の一部をスライドグラスに載せてのぞくと黒っぽい塊状のものが見えました。
次の瞬間、ひとりでに塊がほぐれて広がりました。
まるで、黒い頭の小人達が我先に逃げようとしているかのようです。
円い頭に手足が4本ついた小人達がパッパッと形を変えながら乱舞しています。
ペアーになったり一人になったり。体操したり、ダンスをしたり。
しばらくすると静かになってあまり動かなくなりました。
拡大すると手足の先にはラケットかひれのような物がついています。
両手を拡げて走っているような子もいます。
4本の手足のように見える紐状の部分は弾糸といい、実は2本の弾糸が絡んで4本に見えているのです。
弾糸は湿気を帯びると縮み、乾燥すると伸びるそうです。
スライドグラスの上の胞子群にそーっと呼気をかけて見ると、小人達は消えて黒い塊になりました。
縮んだ時は弾糸はどうなっているのでしょう?
すぐにまた弾糸を伸ばしてしまうため、拡大画像はなかなか撮れません。
あっという間にまた小人達が現れて広がりました。
収縮をくり返すうちに胞子と弾糸が離れてしまいます。
しかしこれを見ると弾糸は2本で1組だったことがわかります。
顕微鏡に載せた胞子をそのまま放置して翌日再見すると、また同じような動きを見ることができました。
この胞子と弾糸の動きは肉眼では見ることができません。
しかし初めに見た大量の緑色の胞子群に肉眼的変化はないのでしょうか?
1mmの方眼紙の上に胞子群を載せました。
中央部は濃い緑の粉末状、辺縁部はやや薄い緑色の綿埃のように見えます。
何故まだらに見えるのでしょう?
見ていると中央部も次第にもやもやの綿埃状にふくれ上がってきました。
そして濃い緑色の部分は消えてしまったのです。
これは上の写真を撮ってからわずか4分後の画像です。
画面を出来るだけ拡大してみるとやや濃い緑色の点と繊維状の構造が絡まっているように見えました。
これが顕微鏡で見たのびのび弾糸を拡げた姿でしょう。
乾燥した室内は好条件、風が吹けば胞子は弾糸のひれをはばたかせてできるだけ遠くへ飛ぶ体勢かと思います。
ツクシの胞子の動きについてはネット上できれいな動画が公開されています。
あわせてご覧になれば楽しいでしょう。
道端にひっそり並んだツクシ達は食べられるだけではなく、こんな楽しみも提供してくれました。
2014-03-31 23:50
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ツクシとスギナ [野草]
ツクシ 土筆
「つくし誰の子 すぎなの子 土手の土そっとあげ
つくしの坊やが のぞいたら 外はそよ風春の風」
と唄われたツクシ、でも正しくはツクシはスギナの子ではなく、スギナの胞子茎です。
スギナ 杉菜
学名:Equisetum arvense
シダ植物門トクサ綱トクサ目トクサ科トクサ属
生垣の南側は農道、その端に毎年ツクシが出ます。
ここでは春の訪れを告げるオオイヌノフグリとツクシが先陣争いをしています。
あっちにもこっちにもツクシの坊や。
ツクシは土筆と書きますが、筆先の部分は胞子嚢の集まり(胞子嚢穂)でここで胞子が作られます。
ツクシは日毎にニョキニョキ大きくなります。
胞子が成熟すると隙間から放出し、筆先の部分はカサカサになります。
以前はツクシ摘みが春の風物詩でしたが、この頃ではあまり摘む人もなくツクシは増々殖えているようです。ここでもオオイヌノフグリとの競演です。
(画像は全て画面をクリックすると大きくなります。)
ここのツクシの穂(胞子嚢穂)は色様々。
緑褐色の穂は胞子未放出、白っぽい穂は放出後です。
胞子が出た後の穂はむしろ華やかでオオイヌノフグリ・ハコベ・スギナとの取り合わせも楽しく映ります。
まだ若いツクシ達です。
土の中からはかまに包まれて出てきます。はかま(葉鞘)は葉が癒合したものだそうです。
ツクシを食べるときはこれくらい若い穂がおいしいですね。
6角形に重なった胞子嚢床の間に隙間が出来始めました。
それぞれいろんな形にひび割れます。
中に緑色の胞子が成熟しつつあります。
胞子放出中。
6角形の胞子嚢床の奥に飛び出している白い部分が胞子嚢、ここから胞子が飛び出します。
2列毎に横に隙間ができる場合が多いようです。
胞子は最上部(緑色の部分)に少し残っていますが、下部ではほとんどなくなりました。
役目を果たして花笠のように輝く穂もあります。
褐色の胞子嚢床の下にある白いレース状の部分が空になった胞子嚢です。
落ちた胞子からすぐにスギナが芽生える訳ではありません。
胞子は地面に落ちて発芽すると雌雄の配偶体(前葉体)になります。
雄の配偶体にできた精子が雌の配偶体の卵と受精するとスギナができるのだそうです。
真ん中にツクシの坊やが頭を覗かせ、周りにはスギナが芽生えています。
このツクシとスギナは地下茎で繋がっているはずです。
ここはツクシが出ず、若いスギナばかり。
石ころばかりの荒れ地にもスギナはたくさん生えています。
一般にスギナと呼ばれているのは緑色のスギナの栄養茎で光合成を行います。
一方、スギナの胞子茎であるツクシには光合成能力がありません。
栄養茎の茎の節には鮮やかな緑色の細い棒状の枝が輪生しています。
枝は上の節ほど短かく、全体を見るとスギの樹のように見えます。
草丈10〜40cm。(この画像のみ2012.3.28.写したものです。)
この道端には田の耕作者によって年2〜3回除草剤が撒かれます。
それでもスギナは絶えません。というよりさらに勢力を伸ばしているようです。
スギナは地上部が枯れても地下茎で生き延びますから、除草が難しく耕作地や庭では最も嫌われる植物です。
たしかにトクサ属は約3億年前に繁茂した化石植物の唯一の生き残りだそうですから、そのたくましさも頷けます。
次に胞子のことを書く予定でしたが長くなりましたので次回にします。
「つくし誰の子 すぎなの子 土手の土そっとあげ
つくしの坊やが のぞいたら 外はそよ風春の風」
と唄われたツクシ、でも正しくはツクシはスギナの子ではなく、スギナの胞子茎です。
スギナ 杉菜
学名:Equisetum arvense
シダ植物門トクサ綱トクサ目トクサ科トクサ属
生垣の南側は農道、その端に毎年ツクシが出ます。
ここでは春の訪れを告げるオオイヌノフグリとツクシが先陣争いをしています。
あっちにもこっちにもツクシの坊や。
ツクシは土筆と書きますが、筆先の部分は胞子嚢の集まり(胞子嚢穂)でここで胞子が作られます。
ツクシは日毎にニョキニョキ大きくなります。
胞子が成熟すると隙間から放出し、筆先の部分はカサカサになります。
以前はツクシ摘みが春の風物詩でしたが、この頃ではあまり摘む人もなくツクシは増々殖えているようです。ここでもオオイヌノフグリとの競演です。
(画像は全て画面をクリックすると大きくなります。)
ここのツクシの穂(胞子嚢穂)は色様々。
緑褐色の穂は胞子未放出、白っぽい穂は放出後です。
胞子が出た後の穂はむしろ華やかでオオイヌノフグリ・ハコベ・スギナとの取り合わせも楽しく映ります。
まだ若いツクシ達です。
土の中からはかまに包まれて出てきます。はかま(葉鞘)は葉が癒合したものだそうです。
ツクシを食べるときはこれくらい若い穂がおいしいですね。
6角形に重なった胞子嚢床の間に隙間が出来始めました。
それぞれいろんな形にひび割れます。
中に緑色の胞子が成熟しつつあります。
胞子放出中。
6角形の胞子嚢床の奥に飛び出している白い部分が胞子嚢、ここから胞子が飛び出します。
2列毎に横に隙間ができる場合が多いようです。
胞子は最上部(緑色の部分)に少し残っていますが、下部ではほとんどなくなりました。
役目を果たして花笠のように輝く穂もあります。
褐色の胞子嚢床の下にある白いレース状の部分が空になった胞子嚢です。
落ちた胞子からすぐにスギナが芽生える訳ではありません。
胞子は地面に落ちて発芽すると雌雄の配偶体(前葉体)になります。
雄の配偶体にできた精子が雌の配偶体の卵と受精するとスギナができるのだそうです。
真ん中にツクシの坊やが頭を覗かせ、周りにはスギナが芽生えています。
このツクシとスギナは地下茎で繋がっているはずです。
ここはツクシが出ず、若いスギナばかり。
石ころばかりの荒れ地にもスギナはたくさん生えています。
一般にスギナと呼ばれているのは緑色のスギナの栄養茎で光合成を行います。
一方、スギナの胞子茎であるツクシには光合成能力がありません。
栄養茎の茎の節には鮮やかな緑色の細い棒状の枝が輪生しています。
枝は上の節ほど短かく、全体を見るとスギの樹のように見えます。
草丈10〜40cm。(この画像のみ2012.3.28.写したものです。)
この道端には田の耕作者によって年2〜3回除草剤が撒かれます。
それでもスギナは絶えません。というよりさらに勢力を伸ばしているようです。
スギナは地上部が枯れても地下茎で生き延びますから、除草が難しく耕作地や庭では最も嫌われる植物です。
たしかにトクサ属は約3億年前に繁茂した化石植物の唯一の生き残りだそうですから、そのたくましさも頷けます。
次に胞子のことを書く予定でしたが長くなりましたので次回にします。
2014-03-26 22:47
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アイノコセンダングサ [野草]
アイノコセンダングサ
合の子栴檀草
キク科 センダングサ属 の1年草
Bidens pilosa var. intermedia
庭の生垣の南側にある農道の端に毎年たくさんの引っ付き虫の種子をつける草が生えます。
何年か前、種子の形からコセンダングサと覚えました。
この日、モンシロチョウやキチョウなどが飛び交っているのに誘われて近くへ行ってみました。
一般にキク科の花は多数の小花の集合体(頭花)で、小花には中心部の筒状花と周辺にあって花弁のように見える舌状花があります。
しかしコセンダングサには舌状花がなく全てが筒状花です。
花の大きさは約1cm、キクの花の中心部だけのような花です。
しかし、キチョウが停まった花には白い小花が見えました。
上の画像もその目で見直すと右下と左上に白っぽい小花があるようです。
改めて周りの花々を見ると、多くの花には外側に白い小花が5つあります。
ではこの花はコセンダングサではないのでしょうか?
調べてみるとコセンダングサの亜種にコシロノセンダングサBidens pilosa L. var. minor など数種があり、それらには舌状花があるそうです。
さらに調べるとコセンダングサとコシロノセンダングサの中間型と思われるものが「アイノコセンダングサ 」として記載されていました。
アイノコセンダングサは辺縁に白い筒状花が数個あるほかは、コセンダングサと同じ形態だそうです。
とすると、ここに生えているのは「アイノコセンダングサ」でしょうか。
小花は周辺から開花していきます。
最外側は5個の白花。中に雌しべが認められます。
茶色の部分は集約雄蕊と呼ばれ、5本の雄しべが癒合して筒をつくり雌しべを囲んでいます。
周辺の雌しべはすでに伸び出して2裂しています(ブラシのような毛のある部分)。
目立たない黄色の花も白色の小花が加わると少し華やかになります。
筒状花の花冠は5裂していますが、白花も5裂し、2裂した雌しべも見えています。
上の方では未開の葯筒がロケット状に突き出ています。
蕾を見ると総苞片には外側1列の小片と蕾を囲むやや長い半膜様のものとがあるようです。
雌しべはブラシのような毛で葯筒の中の花粉を擦り取りながら花柱が伸び出し、花粉を押し出します。
葯筒の中では2枚が合わさっていた雌しべ上部の内面が柱頭。
花粉を押し出してから2裂して柱頭部を開きますから雄性先熟の仕組みです。
この花では白花の花冠が舌状花かと思われるほど大きいのですが、右の花に見られるように雌しべ雄しべを有し、変形した筒状花と考えられます。
一般に舌状花は雌しべのみの雌花、または雄しべ雌しべとも退化した中性花です。
未開の蕾では短い総苞片が8枚見えます。
外側の総苞片は7〜8枚が多いようです。
草丈1mくらい。
葉は対生で3枚または5枚の羽状複葉、縁には丸い鋸歯があります。
葉腋からなた側枝が伸び出す。
花冠が散ると引っ付き虫になる痩果ができます。
放射状に配列する痩果は花に比べて大きく、直径3cmほどにもなります。
痩果には芒(のぎ)状の冠毛が2〜3本付き、これが棘になります。
さらに冠毛には逆向きの小さなとげが密生しています。
(画面をクリックすると大きく見えます。)
黒色になった痩果の先端に黄色の芒(刺)が2~3個、フォーク状に伸びています。
完熟間際はこのように芒が輝いて花より目立っています。
拡大すると芒に逆向きの小刺が密生しているのが見えます。
これがあるため衣服や動物の毛についた痩果は容易には脱落せず遠くへ運ばれます。
完熟したトゲトゲの痩果が動物が近寄るのを待っています。
カメラを覗きながらつい近寄り過ぎたようです。
ちくちくすると思ったら引っ付き虫がこんなにたくさんついていました。
引っ張って抜いもまだ再利用できそうな丈夫な棘です。
配列に応じて長さまちまち、やや弯曲した小さいフォークは工芸品のように美しい。
花期が長いため水路脇に芽を出した2世がもう花を咲かせ初めました。
コセンダングサだと思って蝶と花とを載せようと思って書き始めましたが、例によって難航しました。
アイノコセンダングサはコセンダングサとコシロノセンダングサの種間雑種と推定されていますが、疑問視される方もあるようです。
さらにコシロノセンダングサなどの変種とコセンダングサとの異同についても疑問があるようですから、これを「アイノコセンダングサ」とするのが正しいかどうか、私にはわかりません。
DNA解析が進めば判明するのでしょうか。
追記:
コセンダングサは北米原産でやはり要注意外来生物です。
かっては畦はきれいに除草され、大豆が育っている所もありました。
大型機械による稲作が進み、除草も農薬に頼り、こうした強い植物がはびこっていくのを淋しく思います。
合の子栴檀草
キク科 センダングサ属 の1年草
Bidens pilosa var. intermedia
庭の生垣の南側にある農道の端に毎年たくさんの引っ付き虫の種子をつける草が生えます。
何年か前、種子の形からコセンダングサと覚えました。
この日、モンシロチョウやキチョウなどが飛び交っているのに誘われて近くへ行ってみました。
一般にキク科の花は多数の小花の集合体(頭花)で、小花には中心部の筒状花と周辺にあって花弁のように見える舌状花があります。
しかしコセンダングサには舌状花がなく全てが筒状花です。
花の大きさは約1cm、キクの花の中心部だけのような花です。
しかし、キチョウが停まった花には白い小花が見えました。
上の画像もその目で見直すと右下と左上に白っぽい小花があるようです。
改めて周りの花々を見ると、多くの花には外側に白い小花が5つあります。
ではこの花はコセンダングサではないのでしょうか?
調べてみるとコセンダングサの亜種にコシロノセンダングサBidens pilosa L. var. minor など数種があり、それらには舌状花があるそうです。
さらに調べるとコセンダングサとコシロノセンダングサの中間型と思われるものが「アイノコセンダングサ 」として記載されていました。
アイノコセンダングサは辺縁に白い筒状花が数個あるほかは、コセンダングサと同じ形態だそうです。
とすると、ここに生えているのは「アイノコセンダングサ」でしょうか。
小花は周辺から開花していきます。
最外側は5個の白花。中に雌しべが認められます。
茶色の部分は集約雄蕊と呼ばれ、5本の雄しべが癒合して筒をつくり雌しべを囲んでいます。
周辺の雌しべはすでに伸び出して2裂しています(ブラシのような毛のある部分)。
目立たない黄色の花も白色の小花が加わると少し華やかになります。
筒状花の花冠は5裂していますが、白花も5裂し、2裂した雌しべも見えています。
上の方では未開の葯筒がロケット状に突き出ています。
蕾を見ると総苞片には外側1列の小片と蕾を囲むやや長い半膜様のものとがあるようです。
雌しべはブラシのような毛で葯筒の中の花粉を擦り取りながら花柱が伸び出し、花粉を押し出します。
葯筒の中では2枚が合わさっていた雌しべ上部の内面が柱頭。
花粉を押し出してから2裂して柱頭部を開きますから雄性先熟の仕組みです。
この花では白花の花冠が舌状花かと思われるほど大きいのですが、右の花に見られるように雌しべ雄しべを有し、変形した筒状花と考えられます。
一般に舌状花は雌しべのみの雌花、または雄しべ雌しべとも退化した中性花です。
未開の蕾では短い総苞片が8枚見えます。
外側の総苞片は7〜8枚が多いようです。
草丈1mくらい。
葉は対生で3枚または5枚の羽状複葉、縁には丸い鋸歯があります。
葉腋からなた側枝が伸び出す。
花冠が散ると引っ付き虫になる痩果ができます。
放射状に配列する痩果は花に比べて大きく、直径3cmほどにもなります。
痩果には芒(のぎ)状の冠毛が2〜3本付き、これが棘になります。
さらに冠毛には逆向きの小さなとげが密生しています。
(画面をクリックすると大きく見えます。)
黒色になった痩果の先端に黄色の芒(刺)が2~3個、フォーク状に伸びています。
完熟間際はこのように芒が輝いて花より目立っています。
拡大すると芒に逆向きの小刺が密生しているのが見えます。
これがあるため衣服や動物の毛についた痩果は容易には脱落せず遠くへ運ばれます。
完熟したトゲトゲの痩果が動物が近寄るのを待っています。
カメラを覗きながらつい近寄り過ぎたようです。
ちくちくすると思ったら引っ付き虫がこんなにたくさんついていました。
引っ張って抜いもまだ再利用できそうな丈夫な棘です。
配列に応じて長さまちまち、やや弯曲した小さいフォークは工芸品のように美しい。
花期が長いため水路脇に芽を出した2世がもう花を咲かせ初めました。
コセンダングサだと思って蝶と花とを載せようと思って書き始めましたが、例によって難航しました。
アイノコセンダングサはコセンダングサとコシロノセンダングサの種間雑種と推定されていますが、疑問視される方もあるようです。
さらにコシロノセンダングサなどの変種とコセンダングサとの異同についても疑問があるようですから、これを「アイノコセンダングサ」とするのが正しいかどうか、私にはわかりません。
DNA解析が進めば判明するのでしょうか。
追記:
コセンダングサは北米原産でやはり要注意外来生物です。
かっては畦はきれいに除草され、大豆が育っている所もありました。
大型機械による稲作が進み、除草も農薬に頼り、こうした強い植物がはびこっていくのを淋しく思います。
2013-11-10 12:09
コメント(16)
ヒレタゴボウ(アメリカミズキンバイ) (2) [野草]
ヒレタゴボウ(アメリカミズキンバイ) (2)
10月2日、ヒレタゴボウ(アメリカミズキンバイ)(1)を公開しました。
しかし、隣地のヒレタゴボウが急に刈り取られてしまったため、雄しべの数など未確認のままの記事になり、何となく心残りでした。
ところが、垣根の切れ目からふと西方の稲田を見ると少し離れた休耕田に黄色の点々が見えました。
ひょっとしてこれもヒレタゴボウでしょうか?
10月6日(日)、確認に行きました。
道端のセイタカアワダチソウと競うがごとくに伸び伸びと育ったヒレタゴボウの群れ。
茎や葉の一部はは紅葉しています。
今まで隣地で見ていたヒレタゴボウは草丈1mを越えず、緑っぽいやさしい印象でした。
しかしここでは150cm以上ありそうで、別の植物のようにも思えるほどたくましい姿です。
田んぼには入れませんが、ヒレタゴボウには間違いなさそうです。
水路の脇ではセイタカアワダチソウと並んでいますが、ひけをとらない育ちっぷりです。
一方、足元の側溝に沿う畦にはもろもろの野草の中に黄色く目立つ花。
これも地面を這うように広がったヒレタゴボウの花です。花も小さめで1.5cmほど。
休耕田の大きなヒレタゴボウと畦の小さなヒレタゴボウ。
この対比は衝撃的でした!
まわりは一面に黄色く染まった稲田。
その1画だけが暗褐色に霞んでいます。
近づいてみると紅葉したヒレタゴボウが稲の間から枝を拡げていました。
その勢い、休耕田にも勝っています。稲の肥料を吸ったのでしょう。
田んぼの東北部はとくに密集していて稲は穂も出さずに枯れかかっています。
草丈170cmくらいありそうなヒレタゴボウが覆い被さっているのです。。
前の記事にエフエムさんからいただいたコメントに紹介されていたアメリカの文献では、草丈3〜6フィ−ト(90〜180cm)と書かれていました。
日本でも養分がある水田ではこのように大きくなるのですね。
境界のコンクリート柵に境された東隣の田んぼにはヒレタゴボウは全く見られません。
除草さえすれば防げるのでしょう。
たくさん実が出来ています。
一粒の種子から生えたヒレタゴボウが、いくつ種子を残すのか、空恐ろしい感じです。
ヒレタゴボウのひれはなかなか理解しづらいようです。
断面を撮ればよかったのではと反省していました。
畦に倒れ込んだ1本をいただきました。
ひれが紅葉してよく目立ちます。
断面を作るために包丁ですぱっと切ろうと思いましたが、固くて切れません。
やはり剪定鋏で力を入れてがじっと切りました。
紅いひれが3枚、張り出しています。
中心部は上記の文献に書かれていたように半ば木質化しているといえます
花の裏面も撮り忘れていましたので追加します。
葉腋から短い花柄が出て倒四角錐型の長い子房、4枚の萼と続きます。
花の中央に丸い柱頭、その周りに雄しべが4本あるかに見えます。
しかし諸文献では8本となっています。
雄しべ8本を確認しようとしましたが、これが思いの外難しいことでした。
例外的に未開の葯が撮れました。
オレンジ色の葯が2本1組で4組あるようです。
ふつうは花粉を出していない雄しべが見られるのは朝だけのようです。
7時頃見に行きましたがもう葯は開いていました。
この画像では前方に花糸が4本見えます。
2本1組になった葯から花粉が出始めるところです。
雄しべが8本に分かれて数えられる画像はなかなか得られません。
やっと撮れたかと思ったら、小さな虫がたくさん写っていました。
このお邪魔虫はアザミウマでしょうか。
白っぽい花粉が出て散乱しています。
花粉には粘着性があり、ますます隣と1塊のように見え易くなるようです。
午後になると花弁はさらりと落ちます。
続いて花粉を出し終えた雄しべも散り、花殻を残しません。
前回、ヒレタゴボウを田んぼの隅に咲く美しい野草として記事にしました。
ところがその後に知ったヒレタゴボウの逞しい繁殖力と荒々しい侵略性。
どうしてもこれを併記しておかないと誤解を生みそうです。
辺りの田んぼを見てみましたが、ここまで甚だしい被害が出ているのはこのⅠ区画だけのようでした。
ゴボウのような根は抜き易いので、ポンポンアザミのようにはならないかもしれませんが、イネの有害雑草として蔓延を防ぐべきと考えます。
10月2日、ヒレタゴボウ(アメリカミズキンバイ)(1)を公開しました。
しかし、隣地のヒレタゴボウが急に刈り取られてしまったため、雄しべの数など未確認のままの記事になり、何となく心残りでした。
ところが、垣根の切れ目からふと西方の稲田を見ると少し離れた休耕田に黄色の点々が見えました。
ひょっとしてこれもヒレタゴボウでしょうか?
10月6日(日)、確認に行きました。
道端のセイタカアワダチソウと競うがごとくに伸び伸びと育ったヒレタゴボウの群れ。
茎や葉の一部はは紅葉しています。
今まで隣地で見ていたヒレタゴボウは草丈1mを越えず、緑っぽいやさしい印象でした。
しかしここでは150cm以上ありそうで、別の植物のようにも思えるほどたくましい姿です。
田んぼには入れませんが、ヒレタゴボウには間違いなさそうです。
水路の脇ではセイタカアワダチソウと並んでいますが、ひけをとらない育ちっぷりです。
一方、足元の側溝に沿う畦にはもろもろの野草の中に黄色く目立つ花。
これも地面を這うように広がったヒレタゴボウの花です。花も小さめで1.5cmほど。
休耕田の大きなヒレタゴボウと畦の小さなヒレタゴボウ。
この対比は衝撃的でした!
まわりは一面に黄色く染まった稲田。
その1画だけが暗褐色に霞んでいます。
近づいてみると紅葉したヒレタゴボウが稲の間から枝を拡げていました。
その勢い、休耕田にも勝っています。稲の肥料を吸ったのでしょう。
田んぼの東北部はとくに密集していて稲は穂も出さずに枯れかかっています。
草丈170cmくらいありそうなヒレタゴボウが覆い被さっているのです。。
前の記事にエフエムさんからいただいたコメントに紹介されていたアメリカの文献では、草丈3〜6フィ−ト(90〜180cm)と書かれていました。
日本でも養分がある水田ではこのように大きくなるのですね。
境界のコンクリート柵に境された東隣の田んぼにはヒレタゴボウは全く見られません。
除草さえすれば防げるのでしょう。
たくさん実が出来ています。
一粒の種子から生えたヒレタゴボウが、いくつ種子を残すのか、空恐ろしい感じです。
ヒレタゴボウのひれはなかなか理解しづらいようです。
断面を撮ればよかったのではと反省していました。
畦に倒れ込んだ1本をいただきました。
ひれが紅葉してよく目立ちます。
断面を作るために包丁ですぱっと切ろうと思いましたが、固くて切れません。
やはり剪定鋏で力を入れてがじっと切りました。
紅いひれが3枚、張り出しています。
中心部は上記の文献に書かれていたように半ば木質化しているといえます
花の裏面も撮り忘れていましたので追加します。
葉腋から短い花柄が出て倒四角錐型の長い子房、4枚の萼と続きます。
花の中央に丸い柱頭、その周りに雄しべが4本あるかに見えます。
しかし諸文献では8本となっています。
雄しべ8本を確認しようとしましたが、これが思いの外難しいことでした。
例外的に未開の葯が撮れました。
オレンジ色の葯が2本1組で4組あるようです。
ふつうは花粉を出していない雄しべが見られるのは朝だけのようです。
7時頃見に行きましたがもう葯は開いていました。
この画像では前方に花糸が4本見えます。
2本1組になった葯から花粉が出始めるところです。
雄しべが8本に分かれて数えられる画像はなかなか得られません。
やっと撮れたかと思ったら、小さな虫がたくさん写っていました。
このお邪魔虫はアザミウマでしょうか。
白っぽい花粉が出て散乱しています。
花粉には粘着性があり、ますます隣と1塊のように見え易くなるようです。
午後になると花弁はさらりと落ちます。
続いて花粉を出し終えた雄しべも散り、花殻を残しません。
前回、ヒレタゴボウを田んぼの隅に咲く美しい野草として記事にしました。
ところがその後に知ったヒレタゴボウの逞しい繁殖力と荒々しい侵略性。
どうしてもこれを併記しておかないと誤解を生みそうです。
辺りの田んぼを見てみましたが、ここまで甚だしい被害が出ているのはこのⅠ区画だけのようでした。
ゴボウのような根は抜き易いので、ポンポンアザミのようにはならないかもしれませんが、イネの有害雑草として蔓延を防ぐべきと考えます。
2013-10-10 21:00
コメント(14)
ヒレタゴボウ(アメリカミズキンバイ)(1) [野草]
ヒレタゴボウ
鰭田牛蒡
アカバナ科チョウジタデ属の一年草。
学名:Ludwigia decurrens
別名:アメリカミズキンバイ
原産地:熱帯アメリカ
花期:8〜9月
隣接する田んぼの辺縁に咲くヒレタゴボウ、稲の緑を背景に真黄色に輝いています。
花の大きさは2〜3cm。
葉脈のような筋が入った卵形の花弁が4枚、隣とは隙間を作って十文字に開きます。
1955年に愛媛県で見いだされた後、水田雑草として各地に拡大、今や北九州から関東地方にまで広がっているようです。
草丈:50〜150cm →20〜170cmに訂正。
葉は広線形、ほとんど無柄で互生。
水田の外縁部、日当りや風通しの良いところに群生しています。
この辺りのイネは「初霜」、この花が咲く頃ヒレタゴボウも満開です(2013.9.15.写)。
葉は赤っぽくなることもあります。
4枚の萼片と4枚の花弁。
チョウジタデの花とよく似た形ですが、花の大きさから区別できそうです。
ヒレタゴボウの花は2〜3cm。チョウジタデは1cm未満。
中央に逆さ電球状の柱頭があり、花糸の短い雄しべに囲まれています。
雄しべは8本だそうですが、この画像では花粉が多くて数えられません。
上は蕾。下は若い果実。共に葉腋にひとつづつ。
蕾を包んでいた4枚の萼は花弁が散ってからもしばらく残ります。
花弁が散った後に白い模様が4つ、最後に残っていた柱頭もポロリと落ちた直後です。
若い果実は赤色や紫黒色を帯びた4角柱形。
果実は熟すと萼が脱落し、帯緑色から褐色になります。
更に莢が乾いて薄くなり、破れた所から細かい種子が飛び散ります。
黄色い小粒は種子。右はまだ若い果実を2つに切ったもの。
既に黄色い種子の粒がびっしり詰まっていました。
種子の大きさは0.5mm。
ヒレタゴボウは鰭のあるタゴボウ。
鰭を見ようと思っても茎の上部でははっきりしません。
しかし下部の茎には巾広い翼が認められました。
横から見た所です。鰭(翼)は稜線部が隆起したかんじです。
やや上部の茎の鰭です。
日本帰化植物写真図鑑1-206には「葉の基部は茎に流れて稜につながって翼となる」と表現されていました。
ヒレタゴボウはゴボウに似ているかどうか、根を調べたくなります。
引っこ抜いて、根を取り巻いていた土を洗い流しました。
細かい根がたくさんありますが、一番太いところは若いゴボウの根に似ているようです。
9月29日(日曜日)朝。
ヒレタゴボウを記事にするために、もう少し写真を追加したいと思い現地へ行きましたところ、なんと刈られた直後でした。
稲刈り前の除草だったのでしょう。
でもよく見たら、境界の土留め部分(うちの土地)には鎌が届かなかったらしく、1本残っていました。
引き抜くと下の方の茎に翼もあり、根の部分もついてきました。
ぎりぎりで辛うじてセーフ、根を見ることができたのです!
追記 2013.10.10.
ヒレタゴボウ(アメリカミズキンバイ)(2)を追加しました。
是非、併せてお読み下さい。
鰭田牛蒡
アカバナ科チョウジタデ属の一年草。
学名:Ludwigia decurrens
別名:アメリカミズキンバイ
原産地:熱帯アメリカ
花期:8〜9月
隣接する田んぼの辺縁に咲くヒレタゴボウ、稲の緑を背景に真黄色に輝いています。
花の大きさは2〜3cm。
葉脈のような筋が入った卵形の花弁が4枚、隣とは隙間を作って十文字に開きます。
1955年に愛媛県で見いだされた後、水田雑草として各地に拡大、今や北九州から関東地方にまで広がっているようです。
草丈:50〜150cm →20〜170cmに訂正。
葉は広線形、ほとんど無柄で互生。
水田の外縁部、日当りや風通しの良いところに群生しています。
この辺りのイネは「初霜」、この花が咲く頃ヒレタゴボウも満開です(2013.9.15.写)。
葉は赤っぽくなることもあります。
4枚の萼片と4枚の花弁。
チョウジタデの花とよく似た形ですが、花の大きさから区別できそうです。
ヒレタゴボウの花は2〜3cm。チョウジタデは1cm未満。
中央に逆さ電球状の柱頭があり、花糸の短い雄しべに囲まれています。
雄しべは8本だそうですが、この画像では花粉が多くて数えられません。
上は蕾。下は若い果実。共に葉腋にひとつづつ。
蕾を包んでいた4枚の萼は花弁が散ってからもしばらく残ります。
花弁が散った後に白い模様が4つ、最後に残っていた柱頭もポロリと落ちた直後です。
若い果実は赤色や紫黒色を帯びた4角柱形。
果実は熟すと萼が脱落し、帯緑色から褐色になります。
更に莢が乾いて薄くなり、破れた所から細かい種子が飛び散ります。
黄色い小粒は種子。右はまだ若い果実を2つに切ったもの。
既に黄色い種子の粒がびっしり詰まっていました。
種子の大きさは0.5mm。
ヒレタゴボウは鰭のあるタゴボウ。
鰭を見ようと思っても茎の上部でははっきりしません。
しかし下部の茎には巾広い翼が認められました。
横から見た所です。鰭(翼)は稜線部が隆起したかんじです。
やや上部の茎の鰭です。
日本帰化植物写真図鑑1-206には「葉の基部は茎に流れて稜につながって翼となる」と表現されていました。
ヒレタゴボウはゴボウに似ているかどうか、根を調べたくなります。
引っこ抜いて、根を取り巻いていた土を洗い流しました。
細かい根がたくさんありますが、一番太いところは若いゴボウの根に似ているようです。
9月29日(日曜日)朝。
ヒレタゴボウを記事にするために、もう少し写真を追加したいと思い現地へ行きましたところ、なんと刈られた直後でした。
稲刈り前の除草だったのでしょう。
でもよく見たら、境界の土留め部分(うちの土地)には鎌が届かなかったらしく、1本残っていました。
引き抜くと下の方の茎に翼もあり、根の部分もついてきました。
ぎりぎりで辛うじてセーフ、根を見ることができたのです!
追記 2013.10.10.
ヒレタゴボウ(アメリカミズキンバイ)(2)を追加しました。
是非、併せてお読み下さい。
2013-10-02 23:00
コメント(20)
ガガイモの果実 [野草]
2009年10月12日。
西の駐車場のカイヅカイブキに自生したフウセンカズラが這い上がっています。
その隣に大きな緑色の果実が二つ下垂しているのを見つけました。
縦10cmくらい、先が尖った披針型で表面はごつごつした袋果です。
ひょっとしてこれが「ガガイモ」?
一昨年それらしい葉を見つけてから、多少の期待感がありましたが見るのは初めてです。
この果実から種子が飛び出すところが見たくて、日参が始まりました。
11月8日。
緑色だった果実に縦の裂け目ができました。右の果実は萎びて黒ずんでいます。
11月19日。
ついにぱっくり裂け目が開いて中に真っ白い羽毛か絹糸かのようなものが見えました。
茶色の扁平な種子に一束の繊維がついています。
この綿毛を種髪(しゅはつ)といい、種子を遠くに飛ばす役割を担っています。
見とれている間もなく種子は微風にも反応してさらさらと飛び散っていきます。
種髪と種子が外れてしまうこともあります。
種子のついてない種髪がふわふわと漂っています。
風があって写真が撮れません。
種子付き種髪を一つ確保して室内に入り、やっとこの1枚を残しました。
でも種子はすぐ無くなって、種髪だけがゆら〜り、ゆら〜り。
ガガイモ
ガガイモ科 ガガイモ属
つる性の多年草。花期 8〜9月。
2010年9月2日。
今年はガガイモの花と果実をそろえて記事にしたいと思っていました。
しかし、今年はカイズカイブキの北側のドクダミの間に貧弱な蔓しか見えません。
やっと咲いたガガイモの花は小さくて、長いハート型の葉の間から顔をのぞかせていました。
暑い季節に不釣り合いな、厚いフェルトで作ったような花弁でした。
蜜が豊富なのか、アリの訪来多く、左の花にはアリのおしり、右の花には脚が写っています。
ガガイモの花は複雑な構造で、雄しべはなく花粉塊というものがあります。
数少ない花もアリに占拠されたものが多く、私の腕とメカでこの微細構造を撮るのはたいへんむつかしいことがわかりました。
見ればまた野芝の間にガガイモの若苗が育っています。またの宿題にしましょう。
追記 1
ガガイモの花については、せめて花粉塊のきれいな写真が撮れてから追加記事をと思っていましたが、コメントの返信を書くにあたってここにすばらしいHPの記事とその基になった論文を紹介させていただきます。
ガガイモの両性花と雄花
http://www.juno.dti.ne.jp/~skknari/gagaimo.htm
ガガイモの学術論文
http://homepage3.nifty.com/o-kita/ga/gaga_betu1.html
追記 2 (2013. 9.16.)
やっとガガイモの花の記事が書けました。
http://yuusugenoniwa.blog.so-net.ne.jp/2013-09-16
西の駐車場のカイヅカイブキに自生したフウセンカズラが這い上がっています。
その隣に大きな緑色の果実が二つ下垂しているのを見つけました。
縦10cmくらい、先が尖った披針型で表面はごつごつした袋果です。
ひょっとしてこれが「ガガイモ」?
一昨年それらしい葉を見つけてから、多少の期待感がありましたが見るのは初めてです。
この果実から種子が飛び出すところが見たくて、日参が始まりました。
11月8日。
緑色だった果実に縦の裂け目ができました。右の果実は萎びて黒ずんでいます。
11月19日。
ついにぱっくり裂け目が開いて中に真っ白い羽毛か絹糸かのようなものが見えました。
茶色の扁平な種子に一束の繊維がついています。
この綿毛を種髪(しゅはつ)といい、種子を遠くに飛ばす役割を担っています。
見とれている間もなく種子は微風にも反応してさらさらと飛び散っていきます。
種髪と種子が外れてしまうこともあります。
種子のついてない種髪がふわふわと漂っています。
風があって写真が撮れません。
種子付き種髪を一つ確保して室内に入り、やっとこの1枚を残しました。
でも種子はすぐ無くなって、種髪だけがゆら〜り、ゆら〜り。
ガガイモ
ガガイモ科 ガガイモ属
つる性の多年草。花期 8〜9月。
2010年9月2日。
今年はガガイモの花と果実をそろえて記事にしたいと思っていました。
しかし、今年はカイズカイブキの北側のドクダミの間に貧弱な蔓しか見えません。
やっと咲いたガガイモの花は小さくて、長いハート型の葉の間から顔をのぞかせていました。
暑い季節に不釣り合いな、厚いフェルトで作ったような花弁でした。
蜜が豊富なのか、アリの訪来多く、左の花にはアリのおしり、右の花には脚が写っています。
ガガイモの花は複雑な構造で、雄しべはなく花粉塊というものがあります。
数少ない花もアリに占拠されたものが多く、私の腕とメカでこの微細構造を撮るのはたいへんむつかしいことがわかりました。
見ればまた野芝の間にガガイモの若苗が育っています。またの宿題にしましょう。
追記 1
ガガイモの花については、せめて花粉塊のきれいな写真が撮れてから追加記事をと思っていましたが、コメントの返信を書くにあたってここにすばらしいHPの記事とその基になった論文を紹介させていただきます。
ガガイモの両性花と雄花
http://www.juno.dti.ne.jp/~skknari/gagaimo.htm
ガガイモの学術論文
http://homepage3.nifty.com/o-kita/ga/gaga_betu1.html
追記 2 (2013. 9.16.)
やっとガガイモの花の記事が書けました。
http://yuusugenoniwa.blog.so-net.ne.jp/2013-09-16
2010-11-21 12:03
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