マンサク(園芸品種) [花木(春)]
マンサク
満作 マンサク科マンサク属の落葉性小高木
早春の花、マンサク。
マンサクの命名は花が葉に先立って「まず咲く」からとか、花数が多いことが「豊年満作」に通じるからなどの説があるようです。
2015年3月、園芸店で「マンサク」の苗木を見つけました。
花は満開というより終盤の頃でしたが、その魅力に負けて購入してしまいました。
葉の展開に先立って咲くとは然り、まだ若芽は固い。
この年は、花の構造は来年見ましょうということで終わりました。
ところがどうしたことでしょう。
育てやすいはずのマンサクが昨年も今年も満作にならないのです。
今春も数花づつ、数カ所に咲くばかりです。
花は丈夫な萼に包まれています。
せめて今年は少ない花をよく見ることにしましょう。
3月5日、萼が開いて黄色の縮れたリボンのような花弁が展開し始めました。
4枚の萼の内側は赤褐色、小さい花のように見えます。
花弁の長さは約1.5cm。縦に筋が入っています。
花弁4枚、中央に先端が2裂した雌しべ、その周りに4本の雄しべ。
雄しべのうち、下の雄しべの葯は未開、上3本の雄しべの葯は、丸窓を開けるように両側に開いています。
上3本の雄しべの葯は全開して花粉が飛び散っていますが、まだ左下の葯は開いていません。
葯が全て開き、花粉も散り終えた花。
マンサクには花弁の内側に仮雄しべがあるようですが、なかなか見つかりません。
室内でカメラの位置を変えながら接写してみました。
その1枚に花弁の奥に緑色がかった光沢のある隆起が4つあるのを見つけました。
これが仮雄しべだと思います。蜜を分泌しているようです。
葯は全開。
花弁を4枚、雄しべを2本取り除きました。
花弁の位置に緑色の棍棒状のものが3つ見えます。
これが仮雄しべ。4本あるはずですが、もう1本は?
右の花弁の下端に付いていました!
ネット検索で見た仮雄しべはマルバマンサクは暗赤色、アテツマンサクは黄緑色でした。
園芸品種はそれぞれ仮雄しべの色が違うと楽しいですが、確認できなくて残念です。
2016年4月16日 若葉がとてもきれいでした。
やはり、同じくマンサク科のトサミズキの葉に似ています。
葉は互生し、先端がやや尖った倒卵形。
日本に分布する主なマンサク
マンサク Hamamelis japonica 本州、四国、九州に分布。
アテツマンサク 中国地方、四国に分布。萼まで黄色。
マルバマンサク 本州の日本海側から北海道に分布。葉の上半分が半円形。
この中にアカバナマンサクやニシキマンサクなどの品種あり。
シナマンサク Hamamelis mollis 中国原産。
マンサクより大きい花が枯葉が落ちずに残ったままで開花。葉も大型で毛深い。
マンサクの園芸品種 Hamamelis x intermedia
日本のマンサクとシナマンサクとの交配種。
‘アーノルド・プロミス’ Hamamelis x intermedia ‘Arnold Promise’ 濃黄色
‘パリダ’ Hamamelis mollis ‘Palida’ 濃黄色
‘ディアン’ Hamamelis x intermedia ‘Diane’ 濃赤銅花
‘エレナ’ Hamamelis x intermedia ‘Jelena’ オレンジ色
この他にもまだたくさんの園芸品種があります。
神代植物公園や武蔵丘陵森林公園 にも植えられているようです。
この庭のマンサクも園芸品種だと思われますがラベルは付いていませんでした。
来年こそは豊年満作の花が見られますように。
満作 マンサク科マンサク属の落葉性小高木
早春の花、マンサク。
マンサクの命名は花が葉に先立って「まず咲く」からとか、花数が多いことが「豊年満作」に通じるからなどの説があるようです。
2015年3月、園芸店で「マンサク」の苗木を見つけました。
花は満開というより終盤の頃でしたが、その魅力に負けて購入してしまいました。
葉の展開に先立って咲くとは然り、まだ若芽は固い。
この年は、花の構造は来年見ましょうということで終わりました。
ところがどうしたことでしょう。
育てやすいはずのマンサクが昨年も今年も満作にならないのです。
今春も数花づつ、数カ所に咲くばかりです。
花は丈夫な萼に包まれています。
せめて今年は少ない花をよく見ることにしましょう。
3月5日、萼が開いて黄色の縮れたリボンのような花弁が展開し始めました。
4枚の萼の内側は赤褐色、小さい花のように見えます。
花弁の長さは約1.5cm。縦に筋が入っています。
花弁4枚、中央に先端が2裂した雌しべ、その周りに4本の雄しべ。
雄しべのうち、下の雄しべの葯は未開、上3本の雄しべの葯は、丸窓を開けるように両側に開いています。
上3本の雄しべの葯は全開して花粉が飛び散っていますが、まだ左下の葯は開いていません。
葯が全て開き、花粉も散り終えた花。
マンサクには花弁の内側に仮雄しべがあるようですが、なかなか見つかりません。
室内でカメラの位置を変えながら接写してみました。
その1枚に花弁の奥に緑色がかった光沢のある隆起が4つあるのを見つけました。
これが仮雄しべだと思います。蜜を分泌しているようです。
葯は全開。
花弁を4枚、雄しべを2本取り除きました。
花弁の位置に緑色の棍棒状のものが3つ見えます。
これが仮雄しべ。4本あるはずですが、もう1本は?
右の花弁の下端に付いていました!
ネット検索で見た仮雄しべはマルバマンサクは暗赤色、アテツマンサクは黄緑色でした。
園芸品種はそれぞれ仮雄しべの色が違うと楽しいですが、確認できなくて残念です。
2016年4月16日 若葉がとてもきれいでした。
やはり、同じくマンサク科のトサミズキの葉に似ています。
葉は互生し、先端がやや尖った倒卵形。
日本に分布する主なマンサク
マンサク Hamamelis japonica 本州、四国、九州に分布。
アテツマンサク 中国地方、四国に分布。萼まで黄色。
マルバマンサク 本州の日本海側から北海道に分布。葉の上半分が半円形。
この中にアカバナマンサクやニシキマンサクなどの品種あり。
シナマンサク Hamamelis mollis 中国原産。
マンサクより大きい花が枯葉が落ちずに残ったままで開花。葉も大型で毛深い。
マンサクの園芸品種 Hamamelis x intermedia
日本のマンサクとシナマンサクとの交配種。
‘アーノルド・プロミス’ Hamamelis x intermedia ‘Arnold Promise’ 濃黄色
‘パリダ’ Hamamelis mollis ‘Palida’ 濃黄色
‘ディアン’ Hamamelis x intermedia ‘Diane’ 濃赤銅花
‘エレナ’ Hamamelis x intermedia ‘Jelena’ オレンジ色
この他にもまだたくさんの園芸品種があります。
神代植物公園や武蔵丘陵森林公園 にも植えられているようです。
この庭のマンサクも園芸品種だと思われますがラベルは付いていませんでした。
来年こそは豊年満作の花が見られますように。
2017-03-17 17:00
コメント(18)
オオチョウジガマズミ ? [花木(春)]
オオチョウジガマズミ
大丁字ガマズミ
レンプクソウ科( ←スイカズラ科)ガマズミ属の落葉低木
学名:Viburnum carlesii var. carlesii
花期:4月
分布:長崎県の対馬・済州島・朝鮮半島南部
絶滅危惧ⅠB類 (EN)
今年はオオチョウジガマズミに蕾がたくさん出来ました。
この花は2009年4月にも少し登場しましたが、もう一度取り組みたく思っていました。
ところが調べてみると、日本での分布は対馬のみに限られた絶滅危惧種であり、数種の交雑種が販売されていることもわかり、これが真のオオチョウジガマズミかどうかと悩みました。
16年前苗を購入した地元の園芸店は既に閉店し、尋ねることもできません。
悩んだ末、お教えを期待して(?)をつけての再登場とさせていただきました。
どうぞよろしくお願い申しあげます。
3月29日、赤い蕾が揃いました。
3日後には開花し始めました。
その経過を接写で見ていきます。
3月25日、赤褐色の蕾を発見。
蕾は次第に桃赤色になり花筒が伸びます。
開花直前。花筒は白く花冠はピンクに染まりました。
「げんこつ」を突き出したような蕾。
一番美しい頃です。
花冠の裏はピンク、表は白色。
花が咲くと辺りに芳香が漂います。
ぽったりした厚い花冠は5裂。
雄しべは花筒から飛び出さず、雌しべはさらに奥にあるようです。
花筒を開いて見なかったことが悔やまれます。
背面。名の如く丁の字に開いていることがよくわかります。
開花しきると白い花に見えます。
4月3日、すでに花は殆ど白くなってしまいました。
枝は上に伸びるよりゆるく垂れ下がります。
柔らかい毛に覆われた対生の葉も美しい。
今一番大きい葉は9 X 7.5cm。
オチョウジガマズミの葉はチョウジガマズミの葉に比べて円くて大きいそうです。
この葉は標準的な大きさで(6 X 6cm)で類円形。
星状毛が葉の表にも裏にも密生するため葉はしろっぽく見えます。
未だに樹高は1.2mくらい(左上はマルバノキの葉)。
今年の花もあっさり終わりました。
赤い実がなるそうですがまだ一つも見たことがありません。
オオチョウジガマズミはチョウジガマズミの基本種と言われます。
チョウジガマズミ(Viburnum carlesii var. bitchiuense)は中国地方、四国の香川県・愛媛県、九州の福岡県・朝鮮半島に分布し、葉にも違いがあるようです。
またオオチョウジガマズミには交雑種も数種あり、販売もされていますから要注意です。
この花についてご教示いただけましたら幸いです。
大丁字ガマズミ
レンプクソウ科( ←スイカズラ科)ガマズミ属の落葉低木
学名:Viburnum carlesii var. carlesii
花期:4月
分布:長崎県の対馬・済州島・朝鮮半島南部
絶滅危惧ⅠB類 (EN)
今年はオオチョウジガマズミに蕾がたくさん出来ました。
この花は2009年4月にも少し登場しましたが、もう一度取り組みたく思っていました。
ところが調べてみると、日本での分布は対馬のみに限られた絶滅危惧種であり、数種の交雑種が販売されていることもわかり、これが真のオオチョウジガマズミかどうかと悩みました。
16年前苗を購入した地元の園芸店は既に閉店し、尋ねることもできません。
悩んだ末、お教えを期待して(?)をつけての再登場とさせていただきました。
どうぞよろしくお願い申しあげます。
3月29日、赤い蕾が揃いました。
3日後には開花し始めました。
その経過を接写で見ていきます。
3月25日、赤褐色の蕾を発見。
蕾は次第に桃赤色になり花筒が伸びます。
開花直前。花筒は白く花冠はピンクに染まりました。
「げんこつ」を突き出したような蕾。
一番美しい頃です。
花冠の裏はピンク、表は白色。
花が咲くと辺りに芳香が漂います。
ぽったりした厚い花冠は5裂。
雄しべは花筒から飛び出さず、雌しべはさらに奥にあるようです。
花筒を開いて見なかったことが悔やまれます。
背面。名の如く丁の字に開いていることがよくわかります。
開花しきると白い花に見えます。
4月3日、すでに花は殆ど白くなってしまいました。
枝は上に伸びるよりゆるく垂れ下がります。
柔らかい毛に覆われた対生の葉も美しい。
今一番大きい葉は9 X 7.5cm。
オチョウジガマズミの葉はチョウジガマズミの葉に比べて円くて大きいそうです。
この葉は標準的な大きさで(6 X 6cm)で類円形。
星状毛が葉の表にも裏にも密生するため葉はしろっぽく見えます。
未だに樹高は1.2mくらい(左上はマルバノキの葉)。
今年の花もあっさり終わりました。
赤い実がなるそうですがまだ一つも見たことがありません。
オオチョウジガマズミはチョウジガマズミの基本種と言われます。
チョウジガマズミ(Viburnum carlesii var. bitchiuense)は中国地方、四国の香川県・愛媛県、九州の福岡県・朝鮮半島に分布し、葉にも違いがあるようです。
またオオチョウジガマズミには交雑種も数種あり、販売もされていますから要注意です。
この花についてご教示いただけましたら幸いです。
2016-04-30 23:21
コメント(12)
ジューンベリー [花木(春)]
ジューンベリー
バラ科ザイフリボク属の落葉小高木
学名:Amelanchier spp.
ザイフリボク属は北半球特に北アメリカに多く分布し、6月(June)頃 果実が熟すためジューンベリーと呼ばれていますが、最近販売されている苗はカナダザイフリボクAmelanchier canadensis やさらに改良された栽培種だそうです。
日本の山地にはザイフリボク(采振木、Amelanchier asiatica 別名:シデザクラ)が自生しています。采振木は花の形が采配(戦国時代に軍陣で用いられた白い紙を垂らした指揮具)に似ているとて名付けられたようです。
4月初旬、おとなしい白い花が開きます。
開かんとする蕾。やや遅れて開く若葉や萼は赤色を帯びています。
枝先に10個くらいづつまとまって花を付けます(散房状総状花序)。
多数の雄しべの未開の葯はクリーム色。一番上に突き出した雌しべが見えます。
花が一番美しい頃。
一房採って雌しべや雄しべを観察しました。
狭楕円形の花弁が5枚、花の直径は約3cm。
雄しべは17〜18本づつ。
雌しべは1本で柱頭が5個に分かれています。その下に緑色の子房が見えます。
萼片も5枚。
花粉が出尽すと葯は濃い褐色の点状になり、子房も赤褐色。
花弁が散ると子房がどんどん赤く膨らんできます。
5月下旬 果実が赤くなり始めます。
葉は互生、有柄。
若葉のときは赤褐色で特に葉裏は綿毛が目立っていましたが、緑葉になる頃には消えています。
鮮紅色ではまだ酸っぱい。
楕円形で先が尖った葉は鮮やかな緑色で赤い実を引き立てています。
黒っぽくなると完熟です。
早く食べないとヒヨドリに食べられます。
ジャムにもできるそうです。
ジューンベリーは紅葉も楽しめる木です。
年によってはこんなにきれいに紅くなることもありました。
12月17日、せっかくの紅葉も吹き飛ばされていきます。
ジューンベリーについて今年はやっとまとめることができました。
花期が短い上、春の花々が一斉に開く時期に咲くため、おとなしい花は後になってしまいました。
仕事の上でも多忙な時期になりました。
更新も訪問も遅れがちですみません。
バラ科ザイフリボク属の落葉小高木
学名:Amelanchier spp.
ザイフリボク属は北半球特に北アメリカに多く分布し、6月(June)頃 果実が熟すためジューンベリーと呼ばれていますが、最近販売されている苗はカナダザイフリボクAmelanchier canadensis やさらに改良された栽培種だそうです。
日本の山地にはザイフリボク(采振木、Amelanchier asiatica 別名:シデザクラ)が自生しています。采振木は花の形が采配(戦国時代に軍陣で用いられた白い紙を垂らした指揮具)に似ているとて名付けられたようです。
4月初旬、おとなしい白い花が開きます。
開かんとする蕾。やや遅れて開く若葉や萼は赤色を帯びています。
枝先に10個くらいづつまとまって花を付けます(散房状総状花序)。
多数の雄しべの未開の葯はクリーム色。一番上に突き出した雌しべが見えます。
花が一番美しい頃。
一房採って雌しべや雄しべを観察しました。
狭楕円形の花弁が5枚、花の直径は約3cm。
雄しべは17〜18本づつ。
雌しべは1本で柱頭が5個に分かれています。その下に緑色の子房が見えます。
萼片も5枚。
花粉が出尽すと葯は濃い褐色の点状になり、子房も赤褐色。
花弁が散ると子房がどんどん赤く膨らんできます。
5月下旬 果実が赤くなり始めます。
葉は互生、有柄。
若葉のときは赤褐色で特に葉裏は綿毛が目立っていましたが、緑葉になる頃には消えています。
鮮紅色ではまだ酸っぱい。
楕円形で先が尖った葉は鮮やかな緑色で赤い実を引き立てています。
黒っぽくなると完熟です。
早く食べないとヒヨドリに食べられます。
ジャムにもできるそうです。
ジューンベリーは紅葉も楽しめる木です。
年によってはこんなにきれいに紅くなることもありました。
12月17日、せっかくの紅葉も吹き飛ばされていきます。
ジューンベリーについて今年はやっとまとめることができました。
花期が短い上、春の花々が一斉に開く時期に咲くため、おとなしい花は後になってしまいました。
仕事の上でも多忙な時期になりました。
更新も訪問も遅れがちですみません。
2015-04-19 23:57
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トサミズキとヒュウガミズキ [花木(春)]
トサミズキ
土佐水木
四国に分布する落葉性の低木~小高木。
学名:Corylopsis spicata
原産地:土佐(高知県)の蛇紋岩地に自生。
樹高:2m~4m
花期:3月〜4月
トサミズキが咲く頃はハクモクレン・ラッパスイセン・クリスマスローズなどが賑々しく満開になり、このおとなしい花は後回しになっていました。
今年は春の淡雪の下で蕾が膨らんでいるのに気付き、ヒュウガミズキと併記することにしました。
ロウバイの花が終わる頃、淡黄色のトサミズキの花が開き始めます。
葉に先立って下垂する穂状花序。
一つの花序には長さ1cmくらいの両性花が7〜10個付いています。
花からのぞく紅い葯と2本の雌しべがトサミズキの特徴です。
花柄・苞・萼には細毛が密生。
紅い未開の葯と開いて黄色の花粉を出している葯が混在。
下から見ると花数を確認しやすい。
それでも萼は見えないから1花分解しました。
花は5数性で萼片、花弁、雄蕊とも5個、雌しべは2本あることを確認。
萼片の間から覗く緑色の小片は仮雄しべです。
上の花から順に花弁が散っていきます。
葉芽は紅く先が尖ったいるものが多い。
4月半ばには若葉が出揃います。
円い葉は葉脈が窪んで彫りの深い造形となり、ほれぼれする美しさです。
ヒュウガミズキ
日向水木 マンサク科トサミズキ属の落葉低木。
学名: Corylopsis pauciflora
マンサク科トサミズキ属の落葉低木。
本州の中西部と台湾などの蛇紋岩地に自生。
樹高:2m~3m
花期:3月〜4月
トサミズキと比較したくて同じトサミズキ属のヒュウガミズキも植えました。
花序は短くさらに優しく慎ましやかな花でした。
穂状花序に付く花は1〜3個。
花の大きさはトサミズキと同じく1cmくらい。
葉芽も先が尖らず円っこい感じです。
トサミズキと比較するには並べて置くのが最もわかりやすい。
まだ葯が開かない花序。左がトサミズキ、右がヒュウガミズキ。
ヒュウガミズキの未開の葯は紅くはならず、淡黄色〜黄褐色です(この花は最も褐色調が強い方)。
左2花は花粉を出しています。右の花の葯は未開で淡黄色。
雌しべは花弁より短く、トサミズキのように突出しません。
一般には花粉に近い黄色の葯が多い。
花粉が落ちた後の葯もトサミズキ(左)の方が濃い褐色です。
昨年の4月6日のヒュウガミズキです。
花弁や雄しべがほとんど落ちて、苞の内側から若葉が広がっています。
花柄にはトサミズキに見られたような毛はありません。
葉はトサミズキの葉とそっくりですがはやり小さい。
日本にはトサミズキ属はトサミズキ、ヒュウガミズキ、キリシマミズキ、コウヤミズキの4種がが自生しているそうです。それらは1花序の花の数、葯の色、花柄などの毛、雄しべの長さ、葉の大きさなどでほぼ鑑別できるようです。
トサミズキは土佐(徳島県)に自生する花ですが、ヒュウガミズキは日向(宮崎県)にほとんど自生しません。
この命名についてはヒュウガミズキの主たる自生地の丹波(京都府と兵庫県の一部)が日向守・明智光秀の所領だったからともいわれているようです。
トサミズキとヒュウガミズキの葉や果実、できたら仮雄しべについてはまた後日記載したいと思います。
土佐水木
四国に分布する落葉性の低木~小高木。
学名:Corylopsis spicata
原産地:土佐(高知県)の蛇紋岩地に自生。
樹高:2m~4m
花期:3月〜4月
トサミズキが咲く頃はハクモクレン・ラッパスイセン・クリスマスローズなどが賑々しく満開になり、このおとなしい花は後回しになっていました。
今年は春の淡雪の下で蕾が膨らんでいるのに気付き、ヒュウガミズキと併記することにしました。
ロウバイの花が終わる頃、淡黄色のトサミズキの花が開き始めます。
葉に先立って下垂する穂状花序。
一つの花序には長さ1cmくらいの両性花が7〜10個付いています。
花からのぞく紅い葯と2本の雌しべがトサミズキの特徴です。
花柄・苞・萼には細毛が密生。
紅い未開の葯と開いて黄色の花粉を出している葯が混在。
下から見ると花数を確認しやすい。
それでも萼は見えないから1花分解しました。
花は5数性で萼片、花弁、雄蕊とも5個、雌しべは2本あることを確認。
萼片の間から覗く緑色の小片は仮雄しべです。
上の花から順に花弁が散っていきます。
葉芽は紅く先が尖ったいるものが多い。
4月半ばには若葉が出揃います。
円い葉は葉脈が窪んで彫りの深い造形となり、ほれぼれする美しさです。
ヒュウガミズキ
日向水木 マンサク科トサミズキ属の落葉低木。
学名: Corylopsis pauciflora
マンサク科トサミズキ属の落葉低木。
本州の中西部と台湾などの蛇紋岩地に自生。
樹高:2m~3m
花期:3月〜4月
トサミズキと比較したくて同じトサミズキ属のヒュウガミズキも植えました。
花序は短くさらに優しく慎ましやかな花でした。
穂状花序に付く花は1〜3個。
花の大きさはトサミズキと同じく1cmくらい。
葉芽も先が尖らず円っこい感じです。
トサミズキと比較するには並べて置くのが最もわかりやすい。
まだ葯が開かない花序。左がトサミズキ、右がヒュウガミズキ。
ヒュウガミズキの未開の葯は紅くはならず、淡黄色〜黄褐色です(この花は最も褐色調が強い方)。
左2花は花粉を出しています。右の花の葯は未開で淡黄色。
雌しべは花弁より短く、トサミズキのように突出しません。
一般には花粉に近い黄色の葯が多い。
花粉が落ちた後の葯もトサミズキ(左)の方が濃い褐色です。
昨年の4月6日のヒュウガミズキです。
花弁や雄しべがほとんど落ちて、苞の内側から若葉が広がっています。
花柄にはトサミズキに見られたような毛はありません。
葉はトサミズキの葉とそっくりですがはやり小さい。
日本にはトサミズキ属はトサミズキ、ヒュウガミズキ、キリシマミズキ、コウヤミズキの4種がが自生しているそうです。それらは1花序の花の数、葯の色、花柄などの毛、雄しべの長さ、葉の大きさなどでほぼ鑑別できるようです。
トサミズキは土佐(徳島県)に自生する花ですが、ヒュウガミズキは日向(宮崎県)にほとんど自生しません。
この命名についてはヒュウガミズキの主たる自生地の丹波(京都府と兵庫県の一部)が日向守・明智光秀の所領だったからともいわれているようです。
トサミズキとヒュウガミズキの葉や果実、できたら仮雄しべについてはまた後日記載したいと思います。
2015-03-26 12:00
コメント(10)
ハナミズキの花 [花木(春)]
ハナミズキ
花水木
ミズキ科サンシュユ属の落葉高木
学名 : Cornus florida
別名:アメリカヤマボウシ
分布:北アメリカ東部~メキシコ北東部
ハナミズキは1912年、当時の東京市がアメリカ合衆国へサクラを贈った返礼としてアメリカから贈られた樹です。
アプローチに植えたハナミズキ達が今年は特にたくさん花を付けました。
これらのハナミズキはもう3m以上もあって花はほとんど見上げる位置についています。
花の色は白・ピンク・赤。
白い花びらが4枚あるように見えますが、正しくは花びらではなく総苞です。
できるだけ低い位置の花。
赤い花はベニバナハナミズキという品種です。
さらにピンク色の品種もあります。
この花が咲くまでを追ってみましょう。
ハナミズキの果実については既に2013.11.23.「赤い実 2013(ハナミズキなど)」として記事にしました。
この紅い実が熟す頃、すでに蕾が出来ていたのです。
紅い実の左右にある帯緑色の塊が蕾です。
2014.4.17.
ハナミズキは花が樹を覆うように見えるため、葉は花の後で展開するように思われがちですが、蕾が開く前に既に葉が開き始めています。
冬を越した総苞は霜焼けしたように紫褐色に変っていました。
続いて総苞が開き、中から本当の花である小花の蕾が現れます。
これから4枚の総苞片が急速に大きくなって花びらのようになるのです。
あでやかに変身です。
開いて間もない白花のハナミズキ。
総苞片の内側はクリーム色、辺縁はやや赤みを帯びています。
総苞片は次第に大きく白くなります。
総苞片が長さ3〜4cmになリ平開しました。
中央には20個くらいの小花が頭状についています。
裏面を見れば種明かし。
総苞片の先端中央部の凹みの裏には褐色または赤紫色の膨らみがあります。
これが蕾を包んでいた時の総苞片に相当する部分です。
ぽってり膨らんで先端の真ん中が凹んだ総苞片の形は、同属のヤマボウシの尖った総苞片と対照的です。
中心部の小花が開き始めています。
小花は4弁花、雄しべ4本、雌しべ1本。黄色の花弁は長さ5〜6mm。
中心の花はすでに花弁が落ち、雌しべだけ見えています。
その左は満開で花粉を散らしています。未だ蕾もいくつかありますね。
ハナミズキの小花は一斉に開花せず、次々と開くのです。
総苞に守られながら長期間にわたって受粉を待つ作戦なのでしょう。
この花は総苞片が固着して開かないまま大きくなっています。
内外2枚づつ四方から畳み込まれていた紫褐色の総苞片の基部は大きく広がり、周辺は反転しています。ほぼ帯緑色、周辺がうっすら赤く染まっています。
このように総苞片が開かずそのまま大きくなると、花はメガネのようになります。
上から見ると赤紫色の総苞片が蕾のときのまま、離れずぴったりくっついていました。
やっと離れました。
総苞片が伸びないうちに右側の小花は一つ開花したようです。
これは左側の総苞片が1枚外れた紅いハナミズキです。
中の小花はまだ緑色の蕾。
ピンクの花は総苞片の大小不同、変形が目立ちます。
総苞片の長さが5cmにも達する花もあります。
さらに次々と新たな園芸品種も作られているようです。
今までハナミズキは遠くから見る花と思っていましたが、近くで見てみると知らなかったことも見えてきて親しみが増しました。
岡山理科大学植物生態研究室のホームページの「赤紫褐色であった小さくて硬い総苞は、開くにつれて色が薄くなり、薄緑色から白色(あるいは紅色)の花弁状のものへと変化していく。大きさは何十倍にもなるわけであるが、細胞分裂はしていないはずで、ただ単に細胞の大きさが大きくなることによっての変身である。」との記載を興味深く読みました。
花水木
ミズキ科サンシュユ属の落葉高木
学名 : Cornus florida
別名:アメリカヤマボウシ
分布:北アメリカ東部~メキシコ北東部
ハナミズキは1912年、当時の東京市がアメリカ合衆国へサクラを贈った返礼としてアメリカから贈られた樹です。
アプローチに植えたハナミズキ達が今年は特にたくさん花を付けました。
これらのハナミズキはもう3m以上もあって花はほとんど見上げる位置についています。
花の色は白・ピンク・赤。
白い花びらが4枚あるように見えますが、正しくは花びらではなく総苞です。
できるだけ低い位置の花。
赤い花はベニバナハナミズキという品種です。
さらにピンク色の品種もあります。
この花が咲くまでを追ってみましょう。
ハナミズキの果実については既に2013.11.23.「赤い実 2013(ハナミズキなど)」として記事にしました。
この紅い実が熟す頃、すでに蕾が出来ていたのです。
紅い実の左右にある帯緑色の塊が蕾です。
2014.4.17.
ハナミズキは花が樹を覆うように見えるため、葉は花の後で展開するように思われがちですが、蕾が開く前に既に葉が開き始めています。
冬を越した総苞は霜焼けしたように紫褐色に変っていました。
続いて総苞が開き、中から本当の花である小花の蕾が現れます。
これから4枚の総苞片が急速に大きくなって花びらのようになるのです。
あでやかに変身です。
開いて間もない白花のハナミズキ。
総苞片の内側はクリーム色、辺縁はやや赤みを帯びています。
総苞片は次第に大きく白くなります。
総苞片が長さ3〜4cmになリ平開しました。
中央には20個くらいの小花が頭状についています。
裏面を見れば種明かし。
総苞片の先端中央部の凹みの裏には褐色または赤紫色の膨らみがあります。
これが蕾を包んでいた時の総苞片に相当する部分です。
ぽってり膨らんで先端の真ん中が凹んだ総苞片の形は、同属のヤマボウシの尖った総苞片と対照的です。
中心部の小花が開き始めています。
小花は4弁花、雄しべ4本、雌しべ1本。黄色の花弁は長さ5〜6mm。
中心の花はすでに花弁が落ち、雌しべだけ見えています。
その左は満開で花粉を散らしています。未だ蕾もいくつかありますね。
ハナミズキの小花は一斉に開花せず、次々と開くのです。
総苞に守られながら長期間にわたって受粉を待つ作戦なのでしょう。
この花は総苞片が固着して開かないまま大きくなっています。
内外2枚づつ四方から畳み込まれていた紫褐色の総苞片の基部は大きく広がり、周辺は反転しています。ほぼ帯緑色、周辺がうっすら赤く染まっています。
このように総苞片が開かずそのまま大きくなると、花はメガネのようになります。
上から見ると赤紫色の総苞片が蕾のときのまま、離れずぴったりくっついていました。
やっと離れました。
総苞片が伸びないうちに右側の小花は一つ開花したようです。
これは左側の総苞片が1枚外れた紅いハナミズキです。
中の小花はまだ緑色の蕾。
ピンクの花は総苞片の大小不同、変形が目立ちます。
総苞片の長さが5cmにも達する花もあります。
さらに次々と新たな園芸品種も作られているようです。
今までハナミズキは遠くから見る花と思っていましたが、近くで見てみると知らなかったことも見えてきて親しみが増しました。
岡山理科大学植物生態研究室のホームページの「赤紫褐色であった小さくて硬い総苞は、開くにつれて色が薄くなり、薄緑色から白色(あるいは紅色)の花弁状のものへと変化していく。大きさは何十倍にもなるわけであるが、細胞分裂はしていないはずで、ただ単に細胞の大きさが大きくなることによっての変身である。」との記載を興味深く読みました。
2014-05-03 22:16
コメント(14)
シデコブシ [花木(春)]
シデコブシ
四手辛夷、四手拳、幣辛夷。
モクレン科モクレン属の落葉小高木。
別名:ヒメコブシ
学名:Magnolia stellata (M. tomentosa )
シデコブシはこの庭に植えて30年以上になりますが、あまり大きくなりません。
花はいつも蕾のうちからヒヨドリに食べられてしまい、無傷の花を見ることは稀でした。
今年は比較的ヒヨドリが少なく、久しぶりに花を撮ることが出来ました。
シデコブシは日本固有の樹木で東海3県の丘陵の湿地にのみ自生し、平成24〜25年の環境省レッドリストでは準絶滅危惧(NT)に分類されています。
一方、栽培された苗木が販売されているため各地の庭や公園に植えられています。
2014.3.29.
シデコブシのシデとは四手。
四手は神事で玉串やしめ縄に垂らす木綿もしくは紙のことです。
この頃は和紙に切れ目を入れてひらひらと垂らしますね。
白い花弁が四手を連想させたのでしょう。
晴れた空に輝く満開のシデコブシ。
さかのぼって花の経過を見てみます。
3月中旬、枝に冬芽が膨らんできています。
下の大きいのは花芽、上の小さいのが葉芽です。
4月1日、いよいよ開花です。
軟毛が密生した托葉の間から花弁が弾けるように伸び出します。
シデコブシの花は白から淡いピンクさらに淡紅色まで様々ですが、この庭のは淡紅色です。
淡いピンクの花弁が開き出しました。
花弁は10〜20枚くらい。
小さい萼片もあるそうですが、確認はむつかしいようです。
咲き初めはことに美しい。
「四手辛夷」、良い名前をつけてもらったものと思います。
シデコブシはモクレンと同じく雌性先熟の両性花です。
これは雌性期。
真ん中の雌蕊のピンク色の柱頭が横に突き出し、まわりを未熟な葯が囲んでいます。
( 残念ながらピンぼけですが、画面をクリックすると少し大きくなります。)
移行期(雌性期→雄性期)。
雌しべの柱頭はもとの位置に戻って芯に張り付くようになります。
まわりのへら形の葯が大きくなって膨らんでいます。
雄性期。
へら状の葯が横に突き出し始めました。
まもなく葯の両側の隙間から花粉が出るのです。
後姿。冬芽の外側にあった鱗片葉がまだ付いています。
やっぱりヒヨドリが来て花弁を食べてしまいました。
下の方の緑色の↑を付けた所が食べられた花です。
後の太い樹は同じ頃植えられた赤花のヤマボウシ。
花の色は咲き進むにつれて淡く白っぽくなります。
これも鳥についばまれた花。太い幹から直接出た小枝に一花。
周りには花芽ではなく葉芽がニョキニョキ出ています。
4月3日。
カメラの角度が違いますが同じ幹の画像です。
花は花弁が散って幼い果実になり、葉芽は赤っぽい若葉になっていました。
4月20日。
華奢な花とは対照的に大きな毛虫かと思うほど器量の悪い果実です。
この庭ではまだ赤い実をつけた拳のような果実が出来たことはありません。
雌性優先ですから受精しにくいいのでしょうか。
牧野富太郎博士は花が淡紅色で全体に小型のものをシデコブシの変種として、ベニコブシ(紅辛夷)Magnolia stellata var. keiskei と命名されました。
この定義によればこの株はベニコブシということになります。
一般には白から淡紅色の花まで全てをシデコブシとし、販売される苗木を「ヒメコブシ」とすることが多いようです。
同じ樹に咲く花でもピンクの濃淡は様々ですし、樹形の大小を決めるのもむつかしく、やはりすべてをシデコブシと纏めた方がわかりやすそうです。
四手辛夷、四手拳、幣辛夷。
モクレン科モクレン属の落葉小高木。
別名:ヒメコブシ
学名:Magnolia stellata (M. tomentosa )
シデコブシはこの庭に植えて30年以上になりますが、あまり大きくなりません。
花はいつも蕾のうちからヒヨドリに食べられてしまい、無傷の花を見ることは稀でした。
今年は比較的ヒヨドリが少なく、久しぶりに花を撮ることが出来ました。
シデコブシは日本固有の樹木で東海3県の丘陵の湿地にのみ自生し、平成24〜25年の環境省レッドリストでは準絶滅危惧(NT)に分類されています。
一方、栽培された苗木が販売されているため各地の庭や公園に植えられています。
2014.3.29.
シデコブシのシデとは四手。
四手は神事で玉串やしめ縄に垂らす木綿もしくは紙のことです。
この頃は和紙に切れ目を入れてひらひらと垂らしますね。
白い花弁が四手を連想させたのでしょう。
晴れた空に輝く満開のシデコブシ。
さかのぼって花の経過を見てみます。
3月中旬、枝に冬芽が膨らんできています。
下の大きいのは花芽、上の小さいのが葉芽です。
4月1日、いよいよ開花です。
軟毛が密生した托葉の間から花弁が弾けるように伸び出します。
シデコブシの花は白から淡いピンクさらに淡紅色まで様々ですが、この庭のは淡紅色です。
淡いピンクの花弁が開き出しました。
花弁は10〜20枚くらい。
小さい萼片もあるそうですが、確認はむつかしいようです。
咲き初めはことに美しい。
「四手辛夷」、良い名前をつけてもらったものと思います。
シデコブシはモクレンと同じく雌性先熟の両性花です。
これは雌性期。
真ん中の雌蕊のピンク色の柱頭が横に突き出し、まわりを未熟な葯が囲んでいます。
( 残念ながらピンぼけですが、画面をクリックすると少し大きくなります。)
移行期(雌性期→雄性期)。
雌しべの柱頭はもとの位置に戻って芯に張り付くようになります。
まわりのへら形の葯が大きくなって膨らんでいます。
雄性期。
へら状の葯が横に突き出し始めました。
まもなく葯の両側の隙間から花粉が出るのです。
後姿。冬芽の外側にあった鱗片葉がまだ付いています。
やっぱりヒヨドリが来て花弁を食べてしまいました。
下の方の緑色の↑を付けた所が食べられた花です。
後の太い樹は同じ頃植えられた赤花のヤマボウシ。
花の色は咲き進むにつれて淡く白っぽくなります。
これも鳥についばまれた花。太い幹から直接出た小枝に一花。
周りには花芽ではなく葉芽がニョキニョキ出ています。
4月3日。
カメラの角度が違いますが同じ幹の画像です。
花は花弁が散って幼い果実になり、葉芽は赤っぽい若葉になっていました。
4月20日。
華奢な花とは対照的に大きな毛虫かと思うほど器量の悪い果実です。
この庭ではまだ赤い実をつけた拳のような果実が出来たことはありません。
雌性優先ですから受精しにくいいのでしょうか。
牧野富太郎博士は花が淡紅色で全体に小型のものをシデコブシの変種として、ベニコブシ(紅辛夷)Magnolia stellata var. keiskei と命名されました。
この定義によればこの株はベニコブシということになります。
一般には白から淡紅色の花まで全てをシデコブシとし、販売される苗木を「ヒメコブシ」とすることが多いようです。
同じ樹に咲く花でもピンクの濃淡は様々ですし、樹形の大小を決めるのもむつかしく、やはりすべてをシデコブシと纏めた方がわかりやすそうです。
2014-04-24 08:59
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ハクモクレンとサラサモクレン [花木(春)]
ハクモクレン
白木蓮
モクレン科モクレン属の落葉高木
学名: Magnolia heptapeta
原産地:中国南西部
今年、庭のハクモクレンはヒヨドリにもあまり食べられず、遅霜による変色もなく、たくさんの花を見せてくれました。
ハクモクレンの花についてはすでに2009.3.21.のブログに載せましたが、今年は雌しべ雄しべに注目、さらに書き足すことにしました。
3月中旬、毛皮の外套のように厚い托葉が落ちると白い花弁が現れます。
白色といっても淡いクリーム色のふんわりと優しい色合い。
花被片は萼片が3枚と花弁6枚の9枚。萼片と花弁は区別できません。
中央に多数の雌しべ、周りに多数の雄しべが並んでいるようです。
きれいに開花した1輪。
上の花の雌しべと少し違うようです。拡大してみましょう。
真っすぐ上を向いていた雌しべがくるりと前屈しています。
モクレンでは花柱全体の腹側が柱頭面だそうです。
柱頭に花粉を受ける体勢です。
モクレンは雌性先熟の両性花。
雌しべは受粉後反転してもとの位置に戻ります。
そのあとに雄しべが花粉を出し始めます。
自家受粉を避ける仕組みです。
雄しべはへら形で葯は側面にあります。
この花では左側の雄しべ達の側面に細長い葯から線状に花粉が出ています。
右下の雄しべ達の葯はまだ開いていません。
花被片・雌しべ・雄しべが螺旋状に配列していることがモクレンの特徴のひとつです。
追加:螺旋状の配列は植物の古い形質を表わす基本といわれます。
モクレンが被子植物の中で最も原始的な植物といわれるのはこの特徴があるからです。
役目を終えた雌しべと雄しべ。花被片はすでに散りました。
花床(花托)から多数の雄しべ、花軸から多数の雌しべが出ていることがわかります。
満開の頃。ハクチョウを連想します。
見上げる花は後姿。
まだ托葉を付けている花もあります。
5月、美しい緑色の葉と若い果実。
10月、部分的に膨らんだ赤い果実。
膨らみが割れてオレンジ色の種子が覗いています。
サラサモクレン
シモクレン Magnolia quinquepeta の園芸品種
古い日本の庭に見る紫赤色のシモクレンに比べ、明るく軽い感じです。
この苗はT種苗の通販で購入したものでラベルの表示は「レッドラッキー」でした。
2009.3.22.のブログには「レッドラッキー」として載せました。
しかし今回調べてみてこれはハクモクレンとシモクレンの雑種サラサモクレンの一品種とした方がよさそうな気がしました。
花はハクモクレンより数日遅れて咲きます。
咲き初めの頃。花弁の内側が白っぽい。
満開の頃。
シモクレンは9枚の花被片のうち萼に由来する3枚が小さいそうですが、この雑種もそういえば外側の3枚は少しl短いようです。
まだ半開の花をのぞくと雌しべはすでに柱頭面を見せて前屈していました。
雌性期後半。
雌しべは中央の花軸に接するように戻っていきます。
雄性期。
花弁の一部を取り除くと雄しべ側面の葯の縁に線状に花粉が付いているのが見えました。
右上部の葯は未開のようです。
雌しべは細くなって花軸にまとい付いています。
何年もモクレンの花を見てきたのに、ふと「モクレンの花粉は?」と自問。
今までその目で見てこなかったことに気付きました。
すでにハクモクレンは散ってしまい、サラサモクレンも満開を過ぎていました。
文献を調べて、過去の画像を拡大したり、サラサモクレンの花弁を写した写真を追加したりして自分ではおおよそ納得できました。
へら状の雄しべはカンナと同じです。
こんな奥の方に花粉が出ているとは気付きませんでした。
(文中托葉など下線部は 「朝日百科植物の世界モクレン科」の用語を引用しました。)
白木蓮
モクレン科モクレン属の落葉高木
学名: Magnolia heptapeta
原産地:中国南西部
今年、庭のハクモクレンはヒヨドリにもあまり食べられず、遅霜による変色もなく、たくさんの花を見せてくれました。
ハクモクレンの花についてはすでに2009.3.21.のブログに載せましたが、今年は雌しべ雄しべに注目、さらに書き足すことにしました。
3月中旬、毛皮の外套のように厚い托葉が落ちると白い花弁が現れます。
白色といっても淡いクリーム色のふんわりと優しい色合い。
花被片は萼片が3枚と花弁6枚の9枚。萼片と花弁は区別できません。
中央に多数の雌しべ、周りに多数の雄しべが並んでいるようです。
きれいに開花した1輪。
上の花の雌しべと少し違うようです。拡大してみましょう。
真っすぐ上を向いていた雌しべがくるりと前屈しています。
モクレンでは花柱全体の腹側が柱頭面だそうです。
柱頭に花粉を受ける体勢です。
モクレンは雌性先熟の両性花。
雌しべは受粉後反転してもとの位置に戻ります。
そのあとに雄しべが花粉を出し始めます。
自家受粉を避ける仕組みです。
雄しべはへら形で葯は側面にあります。
この花では左側の雄しべ達の側面に細長い葯から線状に花粉が出ています。
右下の雄しべ達の葯はまだ開いていません。
花被片・雌しべ・雄しべが螺旋状に配列していることがモクレンの特徴のひとつです。
追加:螺旋状の配列は植物の古い形質を表わす基本といわれます。
モクレンが被子植物の中で最も原始的な植物といわれるのはこの特徴があるからです。
役目を終えた雌しべと雄しべ。花被片はすでに散りました。
花床(花托)から多数の雄しべ、花軸から多数の雌しべが出ていることがわかります。
満開の頃。ハクチョウを連想します。
見上げる花は後姿。
まだ托葉を付けている花もあります。
5月、美しい緑色の葉と若い果実。
10月、部分的に膨らんだ赤い果実。
膨らみが割れてオレンジ色の種子が覗いています。
サラサモクレン
シモクレン Magnolia quinquepeta の園芸品種
古い日本の庭に見る紫赤色のシモクレンに比べ、明るく軽い感じです。
この苗はT種苗の通販で購入したものでラベルの表示は「レッドラッキー」でした。
2009.3.22.のブログには「レッドラッキー」として載せました。
しかし今回調べてみてこれはハクモクレンとシモクレンの雑種サラサモクレンの一品種とした方がよさそうな気がしました。
花はハクモクレンより数日遅れて咲きます。
咲き初めの頃。花弁の内側が白っぽい。
満開の頃。
シモクレンは9枚の花被片のうち萼に由来する3枚が小さいそうですが、この雑種もそういえば外側の3枚は少しl短いようです。
まだ半開の花をのぞくと雌しべはすでに柱頭面を見せて前屈していました。
雌性期後半。
雌しべは中央の花軸に接するように戻っていきます。
雄性期。
花弁の一部を取り除くと雄しべ側面の葯の縁に線状に花粉が付いているのが見えました。
右上部の葯は未開のようです。
雌しべは細くなって花軸にまとい付いています。
何年もモクレンの花を見てきたのに、ふと「モクレンの花粉は?」と自問。
今までその目で見てこなかったことに気付きました。
すでにハクモクレンは散ってしまい、サラサモクレンも満開を過ぎていました。
文献を調べて、過去の画像を拡大したり、サラサモクレンの花弁を写した写真を追加したりして自分ではおおよそ納得できました。
へら状の雄しべはカンナと同じです。
こんな奥の方に花粉が出ているとは気付きませんでした。
(文中托葉など下線部は 「朝日百科植物の世界モクレン科」の用語を引用しました。)
2013-04-03 18:00
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サンシュユ [花木(春)]
サンシュユ
山茱萸 ミズキ目ミズキ科の落葉小高木。
学名:Cornus officinalis
別名:ハルコガネバナ、アキサンゴ、ヤマグミ
原産地:中国及び朝鮮半島
早春の花、サンシュユ。
伸びやかに育った枝に黄色い花をどっさりつけて春の到来を告げます。
若い枝は天まで届けと屋根をこえる勢いです。
葉が出る前に黄色の花が一斉に咲きます。
陽を受けて輝く花を見ると、ハルコガネバナと名付けられたのも頷けます。
褐色の総苞片が逆光で赤く見えます。
4枚の総苞片に囲まれて20〜30個の小花が散形花序に付きます。
小花は両性花。花弁4枚、雄しべ4本。
細い花柄が放射状に伸びています。
反り返った花弁の中央に花盤があり、蜜を出しています。
この構造、どこかで見たことがありますね。
ヤツデです。但しヤツデは花弁5枚、雄しべも5本。
ヤツデは セリ目ウコギ科。植物にも「他人のそら似」があるようです。
花盤がある花は構造が似るのでしょう。
花も花盤も黄色で撮り難いサンシュユの花。
花盤の中央に花柱がⅠ本づつ立ち上がっています。
今年は蕾を見過ごしました。
これは昨年3月1日の画像、4枚の総苞に包まれて黄色の蕾が覗いています。
樹皮は比較的若い幹でも剥がれ易く、太い幹ではと灰黒褐色と淡褐色のまだら模様になっているものもあります。
サンシュユの株元は程よい日陰をつくり、クリスマスローズ・シャガ・フタリシズカなどが順に花開きます。ただ今クリスマスローズ開花中。
サンシュユの名は山茱萸の音読みです。
漢方薬の山茱萸はサンシュユの完熟果実を乾燥させたもので、徳川時代から日本でも用いられていたそうです。
サンシュユは別名アキサンゴと言われるように秋には赤く美しい果実が下垂します。
しかし、しかし、この夕菅の庭のサンシュユには果実がほとんど見られません。
昨年は一つも実らず、今まで多かった年でも5個以内です。
こんなにたくさんの花が咲くのに、一体どうしたことでしょう。
山茱萸 ミズキ目ミズキ科の落葉小高木。
学名:Cornus officinalis
別名:ハルコガネバナ、アキサンゴ、ヤマグミ
原産地:中国及び朝鮮半島
早春の花、サンシュユ。
伸びやかに育った枝に黄色い花をどっさりつけて春の到来を告げます。
若い枝は天まで届けと屋根をこえる勢いです。
葉が出る前に黄色の花が一斉に咲きます。
陽を受けて輝く花を見ると、ハルコガネバナと名付けられたのも頷けます。
褐色の総苞片が逆光で赤く見えます。
4枚の総苞片に囲まれて20〜30個の小花が散形花序に付きます。
小花は両性花。花弁4枚、雄しべ4本。
細い花柄が放射状に伸びています。
反り返った花弁の中央に花盤があり、蜜を出しています。
この構造、どこかで見たことがありますね。
ヤツデです。但しヤツデは花弁5枚、雄しべも5本。
ヤツデは セリ目ウコギ科。植物にも「他人のそら似」があるようです。
花盤がある花は構造が似るのでしょう。
花も花盤も黄色で撮り難いサンシュユの花。
花盤の中央に花柱がⅠ本づつ立ち上がっています。
今年は蕾を見過ごしました。
これは昨年3月1日の画像、4枚の総苞に包まれて黄色の蕾が覗いています。
樹皮は比較的若い幹でも剥がれ易く、太い幹ではと灰黒褐色と淡褐色のまだら模様になっているものもあります。
サンシュユの株元は程よい日陰をつくり、クリスマスローズ・シャガ・フタリシズカなどが順に花開きます。ただ今クリスマスローズ開花中。
サンシュユの名は山茱萸の音読みです。
漢方薬の山茱萸はサンシュユの完熟果実を乾燥させたもので、徳川時代から日本でも用いられていたそうです。
サンシュユは別名アキサンゴと言われるように秋には赤く美しい果実が下垂します。
しかし、しかし、この夕菅の庭のサンシュユには果実がほとんど見られません。
昨年は一つも実らず、今まで多かった年でも5個以内です。
こんなにたくさんの花が咲くのに、一体どうしたことでしょう。
2013-03-25 22:52
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ツバキいろいろ [花木(春)]
ツバキ Camellia
ツバキ科の常緑低木〜高木
サクラが日本の花木のうち落葉樹の代表だとすれば、ツバキは常緑樹の代表かと思います。
花の少ない晩秋から早春にかけてツバキが庭の彩りを保ってくれます。
花期が長いのは関戸太郎庵椿、11月に咲き始めて3月まで次々と開花し続けます。
花は半開のまま散るため、奥床しい花としても茶人にも好まれてきました。
淡いピンクの花弁がふくよかに重なっています。
多数の雄しべは基部で花糸が合着し、お行儀よく筒状になって中央の雌しべを囲みます。
葯にはたっぷりの花粉が出来ています。
同じく花期が長く日本で親しまれてきた品種「侘助」の白花。
植えて20年余、大木になりました。
侘助についてはすでにツバキ「侘助」として記載しましたが、雄しべが退化して花粉を作らないのが特徴です。このため花器に活けても花粉は散らず花は長持ちしますが、蜜は分泌されます。
蜜1滴、今にも落ちそうです。
同じ時に植えたピンクの侘助、満開の頃です。
退化した葯の間から太い雌しべが1本伸びています。
花粉の出ない花は何となく侘しそうです。
侘助にもいろいろ園芸品種があります。これは「数寄屋」。
整った花弁は開ききらず上品です。
ヤブツバキ。
やや日陰を好むヤブツバキは隣にクスノキがあった頃はもっと葉の色が濃く、花の色もきれいでした。今は日照過多で葉が焼けてしまいます。
遠くから見ると赤い花が美しいのですが、近くへ寄るとヒヨドリが花弁を突ついたり、花粉が飛び散っていたりして、接写できる花を探すのに苦労します。
これはやっと見つけた無傷の花。もう花粉が落ち始めています。
この花は「実生の初嵐」として叔母にいただいた小さな苗が育ったものです。
初嵐は白い花ですから期待は外れましたが、自然交配した初嵐の雑種でしょうか。
この花が咲いた時には叔母はすでに亡く詳細不明です。
ヤブツバキと比べて端正な花と葉。
「こがねゆり」
金花茶(黄色の椿)との交配種。クリーム色の筒咲き(4月13日)。
4月になってから咲くことが多く、今年はまだ蕾です。
細長い葉も艶やかで美しく気品のある花です。
雌しべは3本に分かれています。
おやおや、こんな所にクサカゲロウが休んでいました(4月5日)。
香り椿
今は蕾の状態です。品種名:不明。
例年3月下旬頃から咲き始めます。
いかにも洋風な軽いかんじの椿で名のごとく良い香りがあります。
この花も柱頭は3本ですね。
ツバキはサザンカと異なり、花弁と雄しべが1塊となってポトリと落ちます。
その後は萼片の包みから太い雌しべが1本覗いています(太郎庵)。
柱頭が3裂(初嵐の雑種)。
秋になると球状の固い果実がが出来ます。
12月4日、果実は枯れて3つに割れ、種子がこぼれ落ちていました。
朝日百科植物の世界7-130によれば、ツバキの「雌しべは1本で3(まれに2)〜5(まれに10)枚の心皮からなり、花柱は離生するものから合生して1本になったものまである」そうです。
1本の太い雌しべは花柱が合生していたのですね。
実生のツバキはどんな色の花が咲くのか楽しみですが、花が見られるのは数年先になります。
ツバキ科の常緑低木〜高木
サクラが日本の花木のうち落葉樹の代表だとすれば、ツバキは常緑樹の代表かと思います。
花の少ない晩秋から早春にかけてツバキが庭の彩りを保ってくれます。
花期が長いのは関戸太郎庵椿、11月に咲き始めて3月まで次々と開花し続けます。
花は半開のまま散るため、奥床しい花としても茶人にも好まれてきました。
淡いピンクの花弁がふくよかに重なっています。
多数の雄しべは基部で花糸が合着し、お行儀よく筒状になって中央の雌しべを囲みます。
葯にはたっぷりの花粉が出来ています。
同じく花期が長く日本で親しまれてきた品種「侘助」の白花。
植えて20年余、大木になりました。
侘助についてはすでにツバキ「侘助」として記載しましたが、雄しべが退化して花粉を作らないのが特徴です。このため花器に活けても花粉は散らず花は長持ちしますが、蜜は分泌されます。
蜜1滴、今にも落ちそうです。
同じ時に植えたピンクの侘助、満開の頃です。
退化した葯の間から太い雌しべが1本伸びています。
花粉の出ない花は何となく侘しそうです。
侘助にもいろいろ園芸品種があります。これは「数寄屋」。
整った花弁は開ききらず上品です。
ヤブツバキ。
やや日陰を好むヤブツバキは隣にクスノキがあった頃はもっと葉の色が濃く、花の色もきれいでした。今は日照過多で葉が焼けてしまいます。
遠くから見ると赤い花が美しいのですが、近くへ寄るとヒヨドリが花弁を突ついたり、花粉が飛び散っていたりして、接写できる花を探すのに苦労します。
これはやっと見つけた無傷の花。もう花粉が落ち始めています。
この花は「実生の初嵐」として叔母にいただいた小さな苗が育ったものです。
初嵐は白い花ですから期待は外れましたが、自然交配した初嵐の雑種でしょうか。
この花が咲いた時には叔母はすでに亡く詳細不明です。
ヤブツバキと比べて端正な花と葉。
「こがねゆり」
金花茶(黄色の椿)との交配種。クリーム色の筒咲き(4月13日)。
4月になってから咲くことが多く、今年はまだ蕾です。
細長い葉も艶やかで美しく気品のある花です。
雌しべは3本に分かれています。
おやおや、こんな所にクサカゲロウが休んでいました(4月5日)。
香り椿
今は蕾の状態です。品種名:不明。
例年3月下旬頃から咲き始めます。
いかにも洋風な軽いかんじの椿で名のごとく良い香りがあります。
この花も柱頭は3本ですね。
ツバキはサザンカと異なり、花弁と雄しべが1塊となってポトリと落ちます。
その後は萼片の包みから太い雌しべが1本覗いています(太郎庵)。
柱頭が3裂(初嵐の雑種)。
秋になると球状の固い果実がが出来ます。
12月4日、果実は枯れて3つに割れ、種子がこぼれ落ちていました。
朝日百科植物の世界7-130によれば、ツバキの「雌しべは1本で3(まれに2)〜5(まれに10)枚の心皮からなり、花柱は離生するものから合生して1本になったものまである」そうです。
1本の太い雌しべは花柱が合生していたのですね。
実生のツバキはどんな色の花が咲くのか楽しみですが、花が見られるのは数年先になります。
2013-03-16 17:00
コメント(14)
エゴノキ [花木(春)]
エゴノキ
エゴノキ科の落葉高木
学名:Styrax japonica 別名:ロクロギ、チシャノキ、チサノキ
分布:北海道~九州・沖縄・中国・朝鮮半島
5月19日、見上げるエゴノキは無数の白い花で覆われていました。
(画像は全て画面をクリックすると大きくなります。)
樹高は4mくらいありそう。左はナツツバキ、右はハナミズキです。
上方の枝を拡大してみます。
清楚な花が下垂して揺れています。
幹から小枝が出て葉と花が1セット。
5花、下垂する総状花序についています。萼は筒状、花冠は5裂。
かわいい卵形の蕾も下垂しています。
満開の花々。雄しべ10本が雌しべ1本を囲っています。
花冠と雄しべはあっけなく散り、萼筒と長い雌しべだけが残ります(右側)。
5月22日、一斉に花が散り始めました。
6年前、今までで一番激しく散った朝。
降り積もった雪のようでした。
花の後、今はもう若い果実が下垂しています。
よく見ると雌しべの花柱がまだ残っているのがあります。
花柱が黒くなって落ちる間際のものもありました。
エゴノキの名は果皮が苦くてえぐいからと書かれていますので、ちょっと味見をしてみました。
中に大きな固い種子があって少ししか齧れません。確かに刺激的でえぐい感じでしたが予想ほどではありませんでした(笑)。まだ若い実だからかもしれません。
果実の長さ1.8cm。
5月、今年もエゴノキを記事にし損ねました。
最近この樹にエゴノネコアシを見つけ、遅ればせながらまずはエゴノキからと相成った次第です。
追記(2012. 7. 18.)
コメントに「最後の写真の内部の緑の層と中心の白い部分は何なのか」とのご質問がありましたので、2010年11月23日に撮った果実の写真を追加しておきます。
この部分は胚乳と胚であろうと考えています。これはヤマガラの好物のようです。
今秋、果実が完熟する頃「エゴノキの果実」として記事にしたいと思っています。
エゴノキ科の落葉高木
学名:Styrax japonica 別名:ロクロギ、チシャノキ、チサノキ
分布:北海道~九州・沖縄・中国・朝鮮半島
5月19日、見上げるエゴノキは無数の白い花で覆われていました。
(画像は全て画面をクリックすると大きくなります。)
樹高は4mくらいありそう。左はナツツバキ、右はハナミズキです。
上方の枝を拡大してみます。
清楚な花が下垂して揺れています。
幹から小枝が出て葉と花が1セット。
5花、下垂する総状花序についています。萼は筒状、花冠は5裂。
かわいい卵形の蕾も下垂しています。
満開の花々。雄しべ10本が雌しべ1本を囲っています。
花冠と雄しべはあっけなく散り、萼筒と長い雌しべだけが残ります(右側)。
5月22日、一斉に花が散り始めました。
6年前、今までで一番激しく散った朝。
降り積もった雪のようでした。
花の後、今はもう若い果実が下垂しています。
よく見ると雌しべの花柱がまだ残っているのがあります。
花柱が黒くなって落ちる間際のものもありました。
エゴノキの名は果皮が苦くてえぐいからと書かれていますので、ちょっと味見をしてみました。
中に大きな固い種子があって少ししか齧れません。確かに刺激的でえぐい感じでしたが予想ほどではありませんでした(笑)。まだ若い実だからかもしれません。
果実の長さ1.8cm。
5月、今年もエゴノキを記事にし損ねました。
最近この樹にエゴノネコアシを見つけ、遅ればせながらまずはエゴノキからと相成った次第です。
追記(2012. 7. 18.)
コメントに「最後の写真の内部の緑の層と中心の白い部分は何なのか」とのご質問がありましたので、2010年11月23日に撮った果実の写真を追加しておきます。
この部分は胚乳と胚であろうと考えています。これはヤマガラの好物のようです。
今秋、果実が完熟する頃「エゴノキの果実」として記事にしたいと思っています。
2012-07-15 23:48
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