今年も咲いた!(2017初夏) [草花(初夏)]
今年も咲いた!
元気な頃は休日は朝から夕まで庭に這いつくばっていたものでした。
でも16年前腰痛に悩むようになってからは「放っておいても年中花が見られる庭」を目指してきました。
今日は今年も咲いた初夏の草花のうち目立ったものを並べてみます。
赤いポピーはこぼれ種で勝手に育ったものです。
白い花は オルラヤ ‘ホワイトレース’(オルレア グランデフロラ) 。
Orlaya grandiflora 'White Lace'
ヨーロッパ原産のセリ科園芸品種。
本来は多年草だそうですが、ここでは1年草です。
数年前通販で取り寄せた2株が今や、庭中に広がりました。
オルラヤは放りっぱなしの庭の代表選手といえます。
優しい花と柔らかい葉に似合わぬトゲトゲの種子が出来、零れ種で繁殖します。
半日陰でもホタルブクロと一緒に育ちました。
日向では大きく育ってサルビア・グアラニチカの引き立て役。
ジャーマンアイリスの周りはニゲラが消えてここにもオルレア。
ハルザキシュウメイギク
キンポウゲ科イチリンソウ属の宿根草。アメリカ原産。
目立たないおとなしい花で、毎年木陰で静かに咲いていました。
ところが今年は日向に1株増え、花に似合わぬ大きな果実をつけていて驚きました。
花はシュウメイギクと同じ造り。
花弁の形がまちまちなのもシュウメイギクに似ています。
ペンステモン・ハスカーレッド
個性的な銅葉に柔らかいピンクの花が咲きます。
2年前 Iさんが大株を持って来て植えて下さった花です。
周りは白・青のニゲラとヒルザキツキミソウ。
10本のハナミズキの下の通路には毎秋ビオラを植えますが、5月には花が終わります。
そのあとに1年草の苗を植えても水切れで育ちにくく苦労しました。
でも今ではハルシャギク、宿根バーベナ、ホタルブクロ、カワラナデシコなどの宿根草がひとりでに咲いてくれるようになりました。
モナルダ ホワイト
シソ科の多年草。北アメリカ原産の園芸品種。
草丈 約1m。
接写すると面白い花です。
和名「タイマツバナ」は赤い品種モナルダ レッドに似合いそう。
右は薄紫のモナルダ ラベンダー。
左のモナルダ ホワイトより丈が高く1.5m以上にもなります。
5年前Mさんからいただいたダンドク。
うちで種子から育てた2世もこんなに大きくなりました。
オオバボダイジュの下の半日陰の芝生にどんどん生えてくるカワラナデシコ。
芝生が育ちにくいのでありがたい自生です。
白とピンクのミックスも好都合。
満開のナデシコが朝日に輝いています。
これを眺めるのは至福のひと時です。
窓の下の半日陰の紅白はヒメフウロとペラペラヨメナ。
野道のようで楽しい組み合わせです。
そうそう、右下にはまだクリスマスローズの花も残っています。
これからは宿根草やこぼれ種で生えてくれる植物を守っていこうと思います。
でもカタバミやツメクサ、スギナ、クローバーなどの雑草の攻勢激しく大変です。
昨夜来の改行トラブル、やっと先ほど遠隔操作のサポートを受けて直りました。 (2017.6.26.11:30)
元気な頃は休日は朝から夕まで庭に這いつくばっていたものでした。
でも16年前腰痛に悩むようになってからは「放っておいても年中花が見られる庭」を目指してきました。
今日は今年も咲いた初夏の草花のうち目立ったものを並べてみます。
赤いポピーはこぼれ種で勝手に育ったものです。
白い花は オルラヤ ‘ホワイトレース’(オルレア グランデフロラ) 。
Orlaya grandiflora 'White Lace'
ヨーロッパ原産のセリ科園芸品種。
本来は多年草だそうですが、ここでは1年草です。
数年前通販で取り寄せた2株が今や、庭中に広がりました。
オルラヤは放りっぱなしの庭の代表選手といえます。
優しい花と柔らかい葉に似合わぬトゲトゲの種子が出来、零れ種で繁殖します。
半日陰でもホタルブクロと一緒に育ちました。
日向では大きく育ってサルビア・グアラニチカの引き立て役。
ジャーマンアイリスの周りはニゲラが消えてここにもオルレア。
ハルザキシュウメイギク
キンポウゲ科イチリンソウ属の宿根草。アメリカ原産。
目立たないおとなしい花で、毎年木陰で静かに咲いていました。
ところが今年は日向に1株増え、花に似合わぬ大きな果実をつけていて驚きました。
花はシュウメイギクと同じ造り。
花弁の形がまちまちなのもシュウメイギクに似ています。
ペンステモン・ハスカーレッド
個性的な銅葉に柔らかいピンクの花が咲きます。
2年前 Iさんが大株を持って来て植えて下さった花です。
周りは白・青のニゲラとヒルザキツキミソウ。
10本のハナミズキの下の通路には毎秋ビオラを植えますが、5月には花が終わります。
そのあとに1年草の苗を植えても水切れで育ちにくく苦労しました。
でも今ではハルシャギク、宿根バーベナ、ホタルブクロ、カワラナデシコなどの宿根草がひとりでに咲いてくれるようになりました。
モナルダ ホワイト
シソ科の多年草。北アメリカ原産の園芸品種。
草丈 約1m。
接写すると面白い花です。
和名「タイマツバナ」は赤い品種モナルダ レッドに似合いそう。
右は薄紫のモナルダ ラベンダー。
左のモナルダ ホワイトより丈が高く1.5m以上にもなります。
5年前Mさんからいただいたダンドク。
うちで種子から育てた2世もこんなに大きくなりました。
オオバボダイジュの下の半日陰の芝生にどんどん生えてくるカワラナデシコ。
芝生が育ちにくいのでありがたい自生です。
白とピンクのミックスも好都合。
満開のナデシコが朝日に輝いています。
これを眺めるのは至福のひと時です。
窓の下の半日陰の紅白はヒメフウロとペラペラヨメナ。
野道のようで楽しい組み合わせです。
そうそう、右下にはまだクリスマスローズの花も残っています。
これからは宿根草やこぼれ種で生えてくれる植物を守っていこうと思います。
でもカタバミやツメクサ、スギナ、クローバーなどの雑草の攻勢激しく大変です。
昨夜来の改行トラブル、やっと先ほど遠隔操作のサポートを受けて直りました。 (2017.6.26.11:30)
2017-06-25 23:57
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ヒメフウロの果実 [草花(初夏)]
ヒメフウロの果実
ヒメフウロの花についは2014.5.25.の記事にしました。
その後、朝日百科「世界の植物」3-165の「蒴果は、成熟後に花柱嘴(かちゅうし)の裂片が1つづつはずれて、糸でぶら下がるという変わり者である」という記述を自分の眼で確認したくなりました。
毎日見に行きましたが糸でぶら下がった種子を見ることは出来ませんでした。
それは自生種だけの特徴でうちの帰化種にはみられないのでしょうか。
風雨を避けて室内で観察することにしました。
朝、果実がついた小枝を摘み、水を入れた器に挿し机の上に置きました。
午後3時、Aは萼が開いて種子が見えていました。
ところがBは4個の種子は既に飛び散ったらしく1個だけ残っていました。
( 画像は全て画面をクリックすると大きくなります。)
4個の種子はどこへ行ったのか、机の上には何もありません。
床はゴミが目立ちにくいベージュ系混色カーペット、何とか探し回って窓際まで飛んだ種子を2つ見つけました。はじき飛ばされたのでしょう。
このとき近くに釣り針のようなものも落ちていました。
これが花柱の裂片ではないでしょうか。
種子は長さ約3mm、表面に葉脈を浮き彫りにしたような模様があります。
翌朝はさらにC・Dの萼も開き、4つの果実に種子が合計16個見えました。
この日は和室の座卓にシーツを敷き、その上にヒメフウロを置きました。
下は畳ですから落ちた種子を探し易いはずです。
夕方見に行くと何とA・C・Dの果実はもう種子を飛ばした後でした。
但し、Aには種子が1個残っていましたから14個の種子が飛び散ったはずです。
←の所に釣り針のようなものが1個落ちています。
水の中に朝はなかった棒状の小片が2つ浮いていました。長さ約1cm。
取り出して昨日拾った裂片と並べて、左側に置きました。
すると見る見る弧状に曲がっていきます。
左右2個づつ同じ半円状になってしまいました。
これはまさしく花柱の裂片で、種子が熟すと乾燥して弓形に弯曲し、その勢いで種子をはじき飛ばす装置と考えられました。形状記憶合金のようですね。
拾い集め得た裂片15個と種子12個を並べました。
ABCD4つの果実から各々5つずつ、合計20個ずつ飛び散ったはずです。
裂片は1m前後の位置に落下しやすく、種子は2〜3m先まで飛んでいました。
予想を超える飛距離でした。
糸は細くてもとても丈夫で、引っ張っても外れません。
その後は種子よりこの裂片を求めて庭のヒメフウロを観察しました。
すると、あったのです!
ゲンノショウコの御神輿のような華やかなものではなく、飛び損ねて残ってしまったのではないかと思われる裂片がひとつ、イヤリングのように金色に輝いて見えました。
これは絡んで飛べなかった種子と裂片のペアーです。
翌日隣の果実も開いてにぎやかになっていました。
裂片が飛んだあとの花柱(左)と飛ぶ前の太い花柱(右)が比較できます。
萼がこんなに若々しい状態でも中の種子はすでに熟していることに驚きました。
壁に接した小枝の一部がきらりと光ったようです(黒い矢印)。
ありました! ペアーです。
裂片2個が左右にぶら下がり、種子が天辺からぶら下がっています。
糸が花柱に絡み付き飛べなかったのでしょう。
改めてヒメフウロの花柱を観察してみました。
花柱の下3分の2は子房がふくらむにつれ太くなります。
萼が開くと5個の種子が花柱のまわりに並んでいます。
熟した果実を見ると花柱は約1cmの金色の鎧のような裂片5枚に取り巻かれていました。
種子には裂片から左右に2本の白い糸が降りています。
この仕組によって果実が熟して乾燥すると、種子がはじけ飛ぶのです。
ゲンノショウコでは種子に裂片と繋がる袋があり、裂片の上部は花柱に固着しています。
しかし、ヒメフウロの種子には袋は無く裂片も固着せず、吹っ飛んでしまいます。
一度目の前の種子が瞬時に消えたことがあり、裂開と飛散は一瞬に終わることを知りました。
ヒメフウロの種子について検索しても資料が乏しかったので、この庭の帰化種のヒメフウロについて少々観察してみました。
やはり、花柱の裂片が飛び散る勢いで種子を遠くへ飛ばす仕組みでした。
蒴果は複数の心皮からなり成熟すると果皮が裂開して種子を出す果実です。
この庭のヒメフウロは5心皮からなり、5個の種子は花柱の裂片が弾けた勢いで2〜3m飛ぶことを確認しました。
しかし種子がぶら下がる像は種子についた糸が絡んで飛べなかった場合にのみ例外的に散見されました。
伊吹山などに自生するヒメフウロではどうか、興味が湧きます。
追記1 2017.7.6.
コメントを頂いたので庭のヒメフウロを見に行ったら、偶々、花柱の裂片が弯曲して糸で種子を引っ張っている場面を撮ることができました。
左の裂片は折れてしまったようです。
糸が切れたり、引っかかったり、遠くへ飛ばすのはなかなかたいへんなようですね。
追記2 20170719
ヒメフウロの果実は5個の分果からなる蒴果とわかりました。
分果は隆起性の皺模様がある果皮に包まれ、果皮を破ると濃褐色の俵型の種子が現れました。
種子5個を水に浸したところ、そのうち1個は種皮が裂けて白い根と子葉が出てきました。
下の画像は種子を水から出して葉の上に乗せて撮りました(5日後)。
果皮を破らずそのまま浸した分果10個は未だ発芽が見られません(11日後)。
ヒメフウロの花についは2014.5.25.の記事にしました。
その後、朝日百科「世界の植物」3-165の「蒴果は、成熟後に花柱嘴(かちゅうし)の裂片が1つづつはずれて、糸でぶら下がるという変わり者である」という記述を自分の眼で確認したくなりました。
毎日見に行きましたが糸でぶら下がった種子を見ることは出来ませんでした。
それは自生種だけの特徴でうちの帰化種にはみられないのでしょうか。
風雨を避けて室内で観察することにしました。
朝、果実がついた小枝を摘み、水を入れた器に挿し机の上に置きました。
午後3時、Aは萼が開いて種子が見えていました。
ところがBは4個の種子は既に飛び散ったらしく1個だけ残っていました。
( 画像は全て画面をクリックすると大きくなります。)
4個の種子はどこへ行ったのか、机の上には何もありません。
床はゴミが目立ちにくいベージュ系混色カーペット、何とか探し回って窓際まで飛んだ種子を2つ見つけました。はじき飛ばされたのでしょう。
このとき近くに釣り針のようなものも落ちていました。
これが花柱の裂片ではないでしょうか。
種子は長さ約3mm、表面に葉脈を浮き彫りにしたような模様があります。
翌朝はさらにC・Dの萼も開き、4つの果実に種子が合計16個見えました。
この日は和室の座卓にシーツを敷き、その上にヒメフウロを置きました。
下は畳ですから落ちた種子を探し易いはずです。
夕方見に行くと何とA・C・Dの果実はもう種子を飛ばした後でした。
但し、Aには種子が1個残っていましたから14個の種子が飛び散ったはずです。
←の所に釣り針のようなものが1個落ちています。
水の中に朝はなかった棒状の小片が2つ浮いていました。長さ約1cm。
取り出して昨日拾った裂片と並べて、左側に置きました。
すると見る見る弧状に曲がっていきます。
左右2個づつ同じ半円状になってしまいました。
これはまさしく花柱の裂片で、種子が熟すと乾燥して弓形に弯曲し、その勢いで種子をはじき飛ばす装置と考えられました。形状記憶合金のようですね。
拾い集め得た裂片15個と種子12個を並べました。
ABCD4つの果実から各々5つずつ、合計20個ずつ飛び散ったはずです。
裂片は1m前後の位置に落下しやすく、種子は2〜3m先まで飛んでいました。
予想を超える飛距離でした。
糸は細くてもとても丈夫で、引っ張っても外れません。
その後は種子よりこの裂片を求めて庭のヒメフウロを観察しました。
すると、あったのです!
ゲンノショウコの御神輿のような華やかなものではなく、飛び損ねて残ってしまったのではないかと思われる裂片がひとつ、イヤリングのように金色に輝いて見えました。
これは絡んで飛べなかった種子と裂片のペアーです。
翌日隣の果実も開いてにぎやかになっていました。
裂片が飛んだあとの花柱(左)と飛ぶ前の太い花柱(右)が比較できます。
萼がこんなに若々しい状態でも中の種子はすでに熟していることに驚きました。
壁に接した小枝の一部がきらりと光ったようです(黒い矢印)。
ありました! ペアーです。
裂片2個が左右にぶら下がり、種子が天辺からぶら下がっています。
糸が花柱に絡み付き飛べなかったのでしょう。
改めてヒメフウロの花柱を観察してみました。
花柱の下3分の2は子房がふくらむにつれ太くなります。
萼が開くと5個の種子が花柱のまわりに並んでいます。
熟した果実を見ると花柱は約1cmの金色の鎧のような裂片5枚に取り巻かれていました。
種子には裂片から左右に2本の白い糸が降りています。
この仕組によって果実が熟して乾燥すると、種子がはじけ飛ぶのです。
ゲンノショウコでは種子に裂片と繋がる袋があり、裂片の上部は花柱に固着しています。
しかし、ヒメフウロの種子には袋は無く裂片も固着せず、吹っ飛んでしまいます。
一度目の前の種子が瞬時に消えたことがあり、裂開と飛散は一瞬に終わることを知りました。
ヒメフウロの種子について検索しても資料が乏しかったので、この庭の帰化種のヒメフウロについて少々観察してみました。
やはり、花柱の裂片が飛び散る勢いで種子を遠くへ飛ばす仕組みでした。
蒴果は複数の心皮からなり成熟すると果皮が裂開して種子を出す果実です。
この庭のヒメフウロは5心皮からなり、5個の種子は花柱の裂片が弾けた勢いで2〜3m飛ぶことを確認しました。
しかし種子がぶら下がる像は種子についた糸が絡んで飛べなかった場合にのみ例外的に散見されました。
伊吹山などに自生するヒメフウロではどうか、興味が湧きます。
追記1 2017.7.6.
コメントを頂いたので庭のヒメフウロを見に行ったら、偶々、花柱の裂片が弯曲して糸で種子を引っ張っている場面を撮ることができました。
左の裂片は折れてしまったようです。
糸が切れたり、引っかかったり、遠くへ飛ばすのはなかなかたいへんなようですね。
追記2 20170719
ヒメフウロの果実は5個の分果からなる蒴果とわかりました。
分果は隆起性の皺模様がある果皮に包まれ、果皮を破ると濃褐色の俵型の種子が現れました。
種子5個を水に浸したところ、そのうち1個は種皮が裂けて白い根と子葉が出てきました。
下の画像は種子を水から出して葉の上に乗せて撮りました(5日後)。
果皮を破らずそのまま浸した分果10個は未だ発芽が見られません(11日後)。
2014-06-08 23:29
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ヒメフウロ [草花(初夏)]
ヒメフウロ
姫風露
フウロソウ科フウロソウ属の一年草または越年草
学名: Geranium robertianum L.
別名 : シオヤキソウ
昨春、花友 I さんのお庭に繁っていたヒメフウロを分けていただきました。
今年も咲いたので、「日陰に咲く花 2014」に記載するつもりでしたが、調べると次々に疑問が浮かび後回しになりました。
実はヒメフウロは日本では伊吹山、鈴鹿山脈、養老山地および四国の剣山の石灰岩山地にだけ生え、絶滅が懸念される植物だったのです。
ところが最近では同じような花が日本各地の路傍に生えて繁殖しているそうです。そしてそれらは自生のヒメフウロではなく、北半球に分布する ヒメフウロ Herb Robert が帰化したものらしいのです。
近くへ行くとほわーっと微かに独特の匂いがします。塩を焼く匂いに似ているといわれ、「シオヤキソウ」という別名があります。
花の直径は15mm前後。淡いピンクの可憐な5弁花です。
花弁にはやや濃いピンクの帯が2本づつ放線状に流れています。
雄しべは5本?
午前中の花には5個未開の葯があるものが多く見られました。
しかし雄しべは10本でした。
花弁にⅠ本づつ未開の雄しべが並び、中央には葯が開いた雄しべが5本集っています。
雌しべは確認できませんから雄性先熟といえるでしょう。
自生のヒメフウロと園芸種のヒメフウロは形態的に区別できるのでしょうか。
検索してみましたが鑑別点を明記した資料は見つかりません。
しかしwikipediaのヒメフウロの画像では伊吹山のヒメフウロには未開の雄しべ10本の中央に5裂した雌しべがあるように見えました。
追記 「そよ風のなかで」の伊吹山のヒメフウロの画像でも開花直後の画像中央に星形のメシベが見えています。リンクをお願いした際、そよ風さんもこれが自生種と帰化種とを分けるポイントかもしれないとお伝え下さいました。
伊吹山のヒメフウロの雌しべに関しては同じような画像がその他にも3枚見つかりました。
これが自生種と帰化種との違いかどうか、まずはうちの帰化種について雄しべの葯が開く前の花を確認する必要があります。
早起きして何とか10個の葯が未開の開花直後の花が撮れました。
しかし、やはり柱頭は確認できませんでした(5月24日6時44分写)。
同じ花を観察し続けるゆとりはありませんので撮り貯めた画像を順に並べてみます。
この花では3本の雄しべから花粉が出ていました(5月23日7時22分)。
午前中の観察ではこのように5本開いた花がよく見られます。
この中央の葯は未開でしょうか(14時40分)。
同じような画像がwikipediaのヒメフウロの画像にもあります。
昆虫も訪れています。
ヒメフンバエでしょうか? それともキアシフンバエ?
3本未開ですが昆虫が荒らしたのか、花粉は殆ど飛び散っています。
後1本。
葯が開くとその勢いで雄しべは中央に直立します。
雄しべ10本勢揃い。
花粉が落ちると花糸の間から雌しべが現れました。
雌しべの先端は5裂してくるりと卷いています。
雌しべが現れる頃、花弁が脱落し易いように萼が開きます。
花弁が落ちる頃には5裂した雌しべの柱頭が星印のように見えます。
花弁が落ち、花粉を付けた雌しべが君臨。
萼は特に毛深くて長い毛が生えています。
萼は再び閉じて子房を守ります。
果実は成長に伴って左のように長く伸びます(約2cm)。
5個の種子が熟した果実。
萼が開いてほぼ完熟です。
左は萼が開いて種子が飛んだ後。
朝日百科「世界の植物」3-165 にはヒメフウロについて、「蒴果は、成熟後に花柱嘴の裂片が1つづつはずれて、糸でぶら下がるという変わり者である」と書いてあります。
そのような状態を見たいと思い、翌日見に行きました。
ところが前夜の強風にあおられて脱落したのか、もう種子はありませんでした。
また脱落して行方不明にならないように熟した果実を2個採取しました。
翌日室内でその果実を見ると、種子がありません。
しかしよく見ると1果にⅠ個づつ、種子が細い糸でぶら下がっていました。
採取後、手で握ってきたつもりでしたが落としてしまったのでしょうか。
撮った画像の中に、ピンぼけながら種子が1個果実の先端についているらしい姿が写っているものが見つかりました。
ゲンノショウコの果実のような神輿像を想像しましたが、再確認しても種子がぶら下がった果実は見つかりません。
葉は対生し深く3裂していますが5裂することもあるようです。
葉と茎も細かいせん毛に覆われ、葉の端が赤みを帯びたり、紅葉することもあります。
これは本日訪れた花友1さん宅の日向の庭の1株です。
美しい紅葉に驚きました。
但しここでも糸でぶら下がった種子は見つかりませんでした。
自生種のヒメフウロと帰化種のヒメフウロの形態的違いはないのでしょうか。
これを確認したくて画像検索した結果、開花直後の花の中央に自生種では星形の雌しべが見え、帰化種では見えないように思えました。
さらに自生種の開花直後の花の雌しべの状態を自分で確認できるといいのですが、私には無理なようです。
またはじめ蒴果のぶら下がりは自生種にのみあるのかと思いましたが、ネット上では画像を確認できず、計らずもこの庭の果実2果に1個づつそれらしき種子が見つかりました。
まだ未成熟の果実がありますから続いて観察することにします。
追記1:ヒメフウロ・ヒメフウロソウの名前でErodium属の園芸種も流通しています。
ただしこの園芸種は葉が円く鑑別容易です。
しかし紛らわしいため、この庭のヒメフウロは帰化種と記載しました。
(このところパソコントラブルのためネットに接続できず更新が遅れました。)
追記2:ヒメフウロの果実について2014.6.8.の記事にしました。
http://yuusugenoniwa.blog.so-net.ne.jp/2014-06-08
姫風露
フウロソウ科フウロソウ属の一年草または越年草
学名: Geranium robertianum L.
別名 : シオヤキソウ
昨春、花友 I さんのお庭に繁っていたヒメフウロを分けていただきました。
今年も咲いたので、「日陰に咲く花 2014」に記載するつもりでしたが、調べると次々に疑問が浮かび後回しになりました。
実はヒメフウロは日本では伊吹山、鈴鹿山脈、養老山地および四国の剣山の石灰岩山地にだけ生え、絶滅が懸念される植物だったのです。
ところが最近では同じような花が日本各地の路傍に生えて繁殖しているそうです。そしてそれらは自生のヒメフウロではなく、北半球に分布する ヒメフウロ Herb Robert が帰化したものらしいのです。
近くへ行くとほわーっと微かに独特の匂いがします。塩を焼く匂いに似ているといわれ、「シオヤキソウ」という別名があります。
花の直径は15mm前後。淡いピンクの可憐な5弁花です。
花弁にはやや濃いピンクの帯が2本づつ放線状に流れています。
雄しべは5本?
午前中の花には5個未開の葯があるものが多く見られました。
しかし雄しべは10本でした。
花弁にⅠ本づつ未開の雄しべが並び、中央には葯が開いた雄しべが5本集っています。
雌しべは確認できませんから雄性先熟といえるでしょう。
自生のヒメフウロと園芸種のヒメフウロは形態的に区別できるのでしょうか。
検索してみましたが鑑別点を明記した資料は見つかりません。
しかしwikipediaのヒメフウロの画像では伊吹山のヒメフウロには未開の雄しべ10本の中央に5裂した雌しべがあるように見えました。
追記 「そよ風のなかで」の伊吹山のヒメフウロの画像でも開花直後の画像中央に星形のメシベが見えています。リンクをお願いした際、そよ風さんもこれが自生種と帰化種とを分けるポイントかもしれないとお伝え下さいました。
伊吹山のヒメフウロの雌しべに関しては同じような画像がその他にも3枚見つかりました。
これが自生種と帰化種との違いかどうか、まずはうちの帰化種について雄しべの葯が開く前の花を確認する必要があります。
早起きして何とか10個の葯が未開の開花直後の花が撮れました。
しかし、やはり柱頭は確認できませんでした(5月24日6時44分写)。
同じ花を観察し続けるゆとりはありませんので撮り貯めた画像を順に並べてみます。
この花では3本の雄しべから花粉が出ていました(5月23日7時22分)。
午前中の観察ではこのように5本開いた花がよく見られます。
この中央の葯は未開でしょうか(14時40分)。
同じような画像がwikipediaのヒメフウロの画像にもあります。
昆虫も訪れています。
ヒメフンバエでしょうか? それともキアシフンバエ?
3本未開ですが昆虫が荒らしたのか、花粉は殆ど飛び散っています。
後1本。
葯が開くとその勢いで雄しべは中央に直立します。
雄しべ10本勢揃い。
花粉が落ちると花糸の間から雌しべが現れました。
雌しべの先端は5裂してくるりと卷いています。
雌しべが現れる頃、花弁が脱落し易いように萼が開きます。
花弁が落ちる頃には5裂した雌しべの柱頭が星印のように見えます。
花弁が落ち、花粉を付けた雌しべが君臨。
萼は特に毛深くて長い毛が生えています。
萼は再び閉じて子房を守ります。
果実は成長に伴って左のように長く伸びます(約2cm)。
5個の種子が熟した果実。
萼が開いてほぼ完熟です。
左は萼が開いて種子が飛んだ後。
朝日百科「世界の植物」3-165 にはヒメフウロについて、「蒴果は、成熟後に花柱嘴の裂片が1つづつはずれて、糸でぶら下がるという変わり者である」と書いてあります。
そのような状態を見たいと思い、翌日見に行きました。
ところが前夜の強風にあおられて脱落したのか、もう種子はありませんでした。
また脱落して行方不明にならないように熟した果実を2個採取しました。
翌日室内でその果実を見ると、種子がありません。
しかしよく見ると1果にⅠ個づつ、種子が細い糸でぶら下がっていました。
採取後、手で握ってきたつもりでしたが落としてしまったのでしょうか。
撮った画像の中に、ピンぼけながら種子が1個果実の先端についているらしい姿が写っているものが見つかりました。
ゲンノショウコの果実のような神輿像を想像しましたが、再確認しても種子がぶら下がった果実は見つかりません。
葉は対生し深く3裂していますが5裂することもあるようです。
葉と茎も細かいせん毛に覆われ、葉の端が赤みを帯びたり、紅葉することもあります。
これは本日訪れた花友1さん宅の日向の庭の1株です。
美しい紅葉に驚きました。
但しここでも糸でぶら下がった種子は見つかりませんでした。
自生種のヒメフウロと帰化種のヒメフウロの形態的違いはないのでしょうか。
これを確認したくて画像検索した結果、開花直後の花の中央に自生種では星形の雌しべが見え、帰化種では見えないように思えました。
さらに自生種の開花直後の花の雌しべの状態を自分で確認できるといいのですが、私には無理なようです。
またはじめ蒴果のぶら下がりは自生種にのみあるのかと思いましたが、ネット上では画像を確認できず、計らずもこの庭の果実2果に1個づつそれらしき種子が見つかりました。
まだ未成熟の果実がありますから続いて観察することにします。
追記1:ヒメフウロ・ヒメフウロソウの名前でErodium属の園芸種も流通しています。
ただしこの園芸種は葉が円く鑑別容易です。
しかし紛らわしいため、この庭のヒメフウロは帰化種と記載しました。
(このところパソコントラブルのためネットに接続できず更新が遅れました。)
追記2:ヒメフウロの果実について2014.6.8.の記事にしました。
http://yuusugenoniwa.blog.so-net.ne.jp/2014-06-08
2014-05-25 23:42
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ギンパイソウ [草花(初夏)]
ギンパイソウ
銀盃草(銀杯草)
ナス科アマモドキ属の多年草
学名:Nierembergia repens
原産地:アルゼンチン、チリ。日本へは明治時代の末期に渡来。
5月下旬、庭隅が突如明るくなりました。
ギンパイソウです!
放りっぱなしなのに今年もまた咲いてくれました。
ギンパイソウ、銀の盃とは美しい名前を賜ったものです。
こんなに群生した年もありました。
大抵はレンガの隙間に並んで出てきます。
カップ状の花冠の中央に黄色いスポットがあるだけの至ってシンプルな花です。
花の大きさは約2〜3cm.。
草丈5〜10cmくらい。
葉は柔らかく、へら状。花は葉よりも一段上に上を向いて開きます。
ロート状の花冠は5裂し、それぞれに3条のしわが底面まで流れています。
底面の黄色のスポットの中央に蕊柱が突出。
柱頭の下に5本の雄しべが花柱を取り囲んで合着しています。
清潔感あふれる花に見えますが、この花の最大の欠点は花がらが見苦しいこと。
花は3日ほど咲いた後、萎びて倒れこのまま枯れるのです。
雨が降れば花がらはさらにみすぼらしくなります。
この花は花柄の頂上に咲いているものと思っていたのですが、花柄なら花冠が散っても萎れないはずです。一体どういうことでしょう?
花の根元をかき分けて見ました。
何と、花柄かと思った管は地面すれすれの所にある萼(?)に接続していました!
花柄ではなくて花冠から続く花の一部である花筒だったのです。
花筒は5cmほどもあって細い管状でした。
花冠が枯れる時は筒部まで枯れたわけがわかりました。
萼は先の方が5裂した筒型です。
開くとこれまたシンプル、子房の部分は黄緑色を帯びていますが、膨らみは認められません。
萼の下に花柄はほとんどなく、萼も葉と同じく茎から直接出ているように見えます。
茎は立ち上がらず走出枝を出して地表を這い、分枝して広がり、さらに根を出して殖えていくようです。学名の repens は「匐行性の」と言う意味です。
少し膨らんだ萼がありました。
その一つを採って開いてみました。若い萼より毛が目立ちます。
花筒の残りを外すと膨らんだ子房が現れました。果実が育っていたのです。
上から見ると果実らしい物は見当たらないので、ギンパイソウは種子をつくらず、根茎のみで殖えていく植物かと誤解するところでした。
「ギンパイソウ」をネット検索しても詳細な情報がありません。
しかし確かに蒴果をつくるとは記載されていました。
もうひとつ、「雄しべは5個、うち1個は仮雄しべ」との情報があります。
「仮雄しべ」はどこにあるのでしょうか。
花冠の一部を除いて雌しべ・雄しべが合着した蕊柱を見てみました。
柱頭の下に花粉を出している葯が5つありました。
柱頭はくびれて2つに分かれているようです。
この花では前に小さな葯がひとつ、後の葯はまだ開いていません。
この花にもやや低い位置に小さい葯がひとつ、その上に大きめの葯が4つありました。
よく見るとどの花の雄しべも同じように上段に大きい葯が4つ、下段に小さい葯が1つという配列のようです。ということはこの小さい葯が仮雄しべでしょうか?
5つの葯を採って並べました。真ん中が小さい葯です。
小さい葯が花粉を出していなければ、これをすぐに仮雄しべと言えるでしょう。
でも肉眼ではこの小さな葯も花粉を出しているように見えます。
顕微鏡で確認しようと、まづは大きい葯の花粉を見ました。
驚いたことにギンパイソウの花粉は以前見たトレニアの花粉とは大違いで、数が少なく、大きさも形も不揃いでした。
種子が出来難いのは花粉にも問題があるかもしれません。
しかし仮雄しべかと思った小さめの葯にもやはり同じような花粉を認めました。
仮雄しべには例外があって、ツユクサの仮雄しべは少数ながら花粉を出しているそうです。
しかしその花粉からは花粉管は出ない、ということは雄性機能はないと言うことです。
追記:
このツユクサの仮雄しべについては“花*花・flora”に詳細な報告があります。
ところが更に「ツユクサの庭」さんはツユクサの中には、X型仮雄しべにも稔性
があり交配して種子ができるものがあることを確認されました。
ギンパイソウに仮雄しべの記載があるということはすでにそれを研究した方がいらっしゃるということでしょうが、この小さな雄しべが仮雄しべかどうか、私はもうこれ以上調べることができません。
Nierembergiaには他にも園芸種がありますが、種子が出来難い品種もあるそうです。
またうちの庭のシモバシラでは雄しべが退化していることがわかり一昨年ブログに書きました。
ギンパイソウについてもそのような例外株かもしれないことも考慮すべきですね。
間違いなどありましたらどうぞお教え下さいますよう、お願いします。
銀盃草(銀杯草)
ナス科アマモドキ属の多年草
学名:Nierembergia repens
原産地:アルゼンチン、チリ。日本へは明治時代の末期に渡来。
5月下旬、庭隅が突如明るくなりました。
ギンパイソウです!
放りっぱなしなのに今年もまた咲いてくれました。
ギンパイソウ、銀の盃とは美しい名前を賜ったものです。
こんなに群生した年もありました。
大抵はレンガの隙間に並んで出てきます。
カップ状の花冠の中央に黄色いスポットがあるだけの至ってシンプルな花です。
花の大きさは約2〜3cm.。
草丈5〜10cmくらい。
葉は柔らかく、へら状。花は葉よりも一段上に上を向いて開きます。
ロート状の花冠は5裂し、それぞれに3条のしわが底面まで流れています。
底面の黄色のスポットの中央に蕊柱が突出。
柱頭の下に5本の雄しべが花柱を取り囲んで合着しています。
清潔感あふれる花に見えますが、この花の最大の欠点は花がらが見苦しいこと。
花は3日ほど咲いた後、萎びて倒れこのまま枯れるのです。
雨が降れば花がらはさらにみすぼらしくなります。
この花は花柄の頂上に咲いているものと思っていたのですが、花柄なら花冠が散っても萎れないはずです。一体どういうことでしょう?
花の根元をかき分けて見ました。
何と、花柄かと思った管は地面すれすれの所にある萼(?)に接続していました!
花柄ではなくて花冠から続く花の一部である花筒だったのです。
花筒は5cmほどもあって細い管状でした。
花冠が枯れる時は筒部まで枯れたわけがわかりました。
萼は先の方が5裂した筒型です。
開くとこれまたシンプル、子房の部分は黄緑色を帯びていますが、膨らみは認められません。
萼の下に花柄はほとんどなく、萼も葉と同じく茎から直接出ているように見えます。
茎は立ち上がらず走出枝を出して地表を這い、分枝して広がり、さらに根を出して殖えていくようです。学名の repens は「匐行性の」と言う意味です。
少し膨らんだ萼がありました。
その一つを採って開いてみました。若い萼より毛が目立ちます。
花筒の残りを外すと膨らんだ子房が現れました。果実が育っていたのです。
上から見ると果実らしい物は見当たらないので、ギンパイソウは種子をつくらず、根茎のみで殖えていく植物かと誤解するところでした。
「ギンパイソウ」をネット検索しても詳細な情報がありません。
しかし確かに蒴果をつくるとは記載されていました。
もうひとつ、「雄しべは5個、うち1個は仮雄しべ」との情報があります。
「仮雄しべ」はどこにあるのでしょうか。
花冠の一部を除いて雌しべ・雄しべが合着した蕊柱を見てみました。
柱頭の下に花粉を出している葯が5つありました。
柱頭はくびれて2つに分かれているようです。
この花では前に小さな葯がひとつ、後の葯はまだ開いていません。
この花にもやや低い位置に小さい葯がひとつ、その上に大きめの葯が4つありました。
よく見るとどの花の雄しべも同じように上段に大きい葯が4つ、下段に小さい葯が1つという配列のようです。ということはこの小さい葯が仮雄しべでしょうか?
5つの葯を採って並べました。真ん中が小さい葯です。
小さい葯が花粉を出していなければ、これをすぐに仮雄しべと言えるでしょう。
でも肉眼ではこの小さな葯も花粉を出しているように見えます。
顕微鏡で確認しようと、まづは大きい葯の花粉を見ました。
驚いたことにギンパイソウの花粉は以前見たトレニアの花粉とは大違いで、数が少なく、大きさも形も不揃いでした。
種子が出来難いのは花粉にも問題があるかもしれません。
しかし仮雄しべかと思った小さめの葯にもやはり同じような花粉を認めました。
仮雄しべには例外があって、ツユクサの仮雄しべは少数ながら花粉を出しているそうです。
しかしその花粉からは花粉管は出ない、ということは雄性機能はないと言うことです。
追記:
このツユクサの仮雄しべについては“花*花・flora”に詳細な報告があります。
ところが更に「ツユクサの庭」さんはツユクサの中には、X型仮雄しべにも稔性
があり交配して種子ができるものがあることを確認されました。
ギンパイソウに仮雄しべの記載があるということはすでにそれを研究した方がいらっしゃるということでしょうが、この小さな雄しべが仮雄しべかどうか、私はもうこれ以上調べることができません。
Nierembergiaには他にも園芸種がありますが、種子が出来難い品種もあるそうです。
またうちの庭のシモバシラでは雄しべが退化していることがわかり一昨年ブログに書きました。
ギンパイソウについてもそのような例外株かもしれないことも考慮すべきですね。
間違いなどありましたらどうぞお教え下さいますよう、お願いします。
2013-06-22 22:29
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チリアヤメ [草花(初夏)]
チリアヤメ
チリ菖蒲
アヤメ科チリアヤメ属の多年草(秋植え球根)
原産地:チリ、アルゼンチン(チリアヤメの「チリ」はこの国名に由来)。
日本へは大正時代に渡来。
学名:Herbertia amoena
5月頃開花、草丈 5〜18cm、花の大きさ3〜4cm。
5月23日、1株で9花も咲きました。
薄紫色のプロペラのような花がいっぱい、重なり合うように咲いています。
5月29日。
剣状の線形の葉が数枚出たあと、花茎が伸びて先端に花が一つ咲きます。
つぼんでいるのは昨日の花。
一日花といわれますが、昼過ぎにはもう萎んでいることがあります。
朝からの経過を見てみましょう。
午前7時20分。
もう、つぼみが膨らんでいます。
(以下の画像は同一の花の経過を追ったものではありません。)
上からそっと覗くと3枚の花弁に囲まれて雌しべと雄しべがあるようです。
花が開いてきました(7時40分)。
アヤメ科は3数性。
薄紫いろの外花被片3枚、濃い紫色の小さな内花被片3枚。
全開です(8時32分)。
中央に黄色い雄しべの葯、その中に柱頭が2裂した雌しべがそれぞれ3組。
立ち上がっ葯が開き外側に花粉が出始めました(8時57分)。
葯の先が内に弯曲、黄色い花粉がこぼれそうです(9時51分)。
花粉があふれました(12時35分)。
しかし訪れる昆虫は多いとは思われず、ヒラタアブの仲間を見たくらいでした。
柱頭にも花粉がついています(13時20分)。
葯はさらに弯曲して中央に集りまることもあります(12時25分)。
14時30分、すでに閉じていました。
花が閉じる時刻は個々ずれがあるようですが、1時から2時までの間が多いようです。
横からの画像でもう一度みてみます。
7時20分 蕾が膨らんできました。
順に外花被片が開いていきます(8時3分)。
満開(8時32分)。
14時30分、4花ともすでにしぼんでいました。
開花はほんの数時間です。
翌朝は拳のようにきっちりしぼんでいます。
花後の見苦しさは見せません。
ほとんど全部の花が結実したようです。
確認のため果実を一つ採って真ん中で切ってみました。
すでに瑞々しい種子が宿っています。
芝生の縁にはこぼれ種で2世が誕生、最少単位で今年花を咲かせました。
チリアヤメは一日花と言われていますが、午後2時頃見に行くとたいていしぼんでいます。
ところが結実率の高さは驚くほどです。
先月記事にしたジャーマンアイリスは同じアヤメ科ですが、花は3日咲くものの人工授粉しないと果実はできなかったのです。
小さなチリアヤメと大きなジャーマンアイリス、種子の出来方まで正反対でした。
チリアヤメは南米生まれながら日本の厳しい冬にも耐え、この繁殖力で公園の芝生の中などにも逸出しているそうです。
チリ菖蒲
アヤメ科チリアヤメ属の多年草(秋植え球根)
原産地:チリ、アルゼンチン(チリアヤメの「チリ」はこの国名に由来)。
日本へは大正時代に渡来。
学名:Herbertia amoena
5月頃開花、草丈 5〜18cm、花の大きさ3〜4cm。
5月23日、1株で9花も咲きました。
薄紫色のプロペラのような花がいっぱい、重なり合うように咲いています。
5月29日。
剣状の線形の葉が数枚出たあと、花茎が伸びて先端に花が一つ咲きます。
つぼんでいるのは昨日の花。
一日花といわれますが、昼過ぎにはもう萎んでいることがあります。
朝からの経過を見てみましょう。
午前7時20分。
もう、つぼみが膨らんでいます。
(以下の画像は同一の花の経過を追ったものではありません。)
上からそっと覗くと3枚の花弁に囲まれて雌しべと雄しべがあるようです。
花が開いてきました(7時40分)。
アヤメ科は3数性。
薄紫いろの外花被片3枚、濃い紫色の小さな内花被片3枚。
全開です(8時32分)。
中央に黄色い雄しべの葯、その中に柱頭が2裂した雌しべがそれぞれ3組。
立ち上がっ葯が開き外側に花粉が出始めました(8時57分)。
葯の先が内に弯曲、黄色い花粉がこぼれそうです(9時51分)。
花粉があふれました(12時35分)。
しかし訪れる昆虫は多いとは思われず、ヒラタアブの仲間を見たくらいでした。
柱頭にも花粉がついています(13時20分)。
葯はさらに弯曲して中央に集りまることもあります(12時25分)。
14時30分、すでに閉じていました。
花が閉じる時刻は個々ずれがあるようですが、1時から2時までの間が多いようです。
横からの画像でもう一度みてみます。
7時20分 蕾が膨らんできました。
順に外花被片が開いていきます(8時3分)。
満開(8時32分)。
14時30分、4花ともすでにしぼんでいました。
開花はほんの数時間です。
翌朝は拳のようにきっちりしぼんでいます。
花後の見苦しさは見せません。
ほとんど全部の花が結実したようです。
確認のため果実を一つ採って真ん中で切ってみました。
すでに瑞々しい種子が宿っています。
芝生の縁にはこぼれ種で2世が誕生、最少単位で今年花を咲かせました。
チリアヤメは一日花と言われていますが、午後2時頃見に行くとたいていしぼんでいます。
ところが結実率の高さは驚くほどです。
先月記事にしたジャーマンアイリスは同じアヤメ科ですが、花は3日咲くものの人工授粉しないと果実はできなかったのです。
小さなチリアヤメと大きなジャーマンアイリス、種子の出来方まで正反対でした。
チリアヤメは南米生まれながら日本の厳しい冬にも耐え、この繁殖力で公園の芝生の中などにも逸出しているそうです。
2013-06-13 23:57
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