スズメウリ [草花(夏秋)]
スズメウリ
雀瓜 ウリ科スズメウリ属の蔓性1年草
学名:Zehneria japonica
分布:本州以南、済州島。
花期:8〜9月
庭のあちこちにスズメウリが自生します。野鳥のお土産でしょうね。
シュウメイギクの花を撮った時、隅に蕾のような円い果実が写っていました。
既にスズメウリの花の季節は過ぎ、まもなく果実も終わろうとしています。
果実が残っているうちに急いで記事を纏めたいと思います。
スズメウリの花は蔓から伸びた細い花柄の先に1つづつ咲きます。
雌雄異花、大きな子房があるのが雌花です。
野草ながら学名通り和風の雰囲気のある植物です。
ここでは蔓を伸ばしてシュウメイギクの茎に巻き付きながら花を咲かせ、実を育てています。
日陰の樹々の間でも生育良好。
この花には子房がついていないから雄花。
合弁花で花冠は5裂しています。
花の直径は6〜7mm。うーんと拡大すると.............?
真ん中に太短い雄しべが3本、葯は6個、濃い黄色の花粉が出ているのが見えました。
雄しべは本来5本、このうち1本を残し2本づつ合着し3本になるそうです
(合着雄しべ)。
間もなく開花しそうな雌花の蕾。
雌花の花冠も5裂する事が多いようです。
萼筒はカップ型、小さく細い萼片は萼歯とよばれます。
太い雌しべが3本。
雌しべの花柱はそれぞれ2つに分かれ、柱頭は6個と書かれています。
これは確認しづらいですね。
蕾の写真と比べると子房が大きい。
受粉後花冠はしぼみ、果実の形成が始まったのでしょう。
はじめ楕円体の果実は次第に膨らんで球形に近づきます。
緑色の果実はさらに成熟すると白くなります。
完熟すると直径1cmほどの白いボールのようになります。
この株はサクラタデの茎に絡んでいました。
白い果実を一粒採って真ん中を横に切りました。
なるほど、液果です。少量ながら果汁が滴りました。
内部は3室、ゼリー状の果肉に包まれた種子がそれぞれ重なっていました。
毒はないようですが味はどうでしょう?
おそるおそる口に含みました。
ほのかに甘く瓜類特有の風味がありますが美味しいとはいえません。
これを茶こしに入れてゼリー状物質を洗い流すと黒い扁平な種子が15個現れました。
大きさ4x5mm。
これなら鳥は好物のはず、果実を食べて種子を運んでくれるでしょう。
学名についてウェブ検索するといくつもの名前が出てくる事があり、素人の悩みの種でした。
この度「BG Plants 和名−学名インデックス」YList("ワイリスト”)を知り、この標準名を記載することにしました。
しかしこれも研究者により次々と更新されているようです。
今回の スズメウリについては下記のように記されていました。
( )内は原命名者、その後は命名者です。これらは省略しようと思います。
Zehneria japonica (Thunb.) H.Y.Liu スズメウリ 標準
Neoachmandra japonica (Thunb.) W.J.de Wilde et Duyfjes スズメウリ synonym
Melothria japonica (Thunb.) Maxim. ex Cogn. スズメウリ synonym
雀瓜 ウリ科スズメウリ属の蔓性1年草
学名:Zehneria japonica
分布:本州以南、済州島。
花期:8〜9月
庭のあちこちにスズメウリが自生します。野鳥のお土産でしょうね。
シュウメイギクの花を撮った時、隅に蕾のような円い果実が写っていました。
既にスズメウリの花の季節は過ぎ、まもなく果実も終わろうとしています。
果実が残っているうちに急いで記事を纏めたいと思います。
スズメウリの花は蔓から伸びた細い花柄の先に1つづつ咲きます。
雌雄異花、大きな子房があるのが雌花です。
野草ながら学名通り和風の雰囲気のある植物です。
ここでは蔓を伸ばしてシュウメイギクの茎に巻き付きながら花を咲かせ、実を育てています。
日陰の樹々の間でも生育良好。
この花には子房がついていないから雄花。
合弁花で花冠は5裂しています。
花の直径は6〜7mm。うーんと拡大すると.............?
真ん中に太短い雄しべが3本、葯は6個、濃い黄色の花粉が出ているのが見えました。
雄しべは本来5本、このうち1本を残し2本づつ合着し3本になるそうです
(合着雄しべ)。
間もなく開花しそうな雌花の蕾。
雌花の花冠も5裂する事が多いようです。
萼筒はカップ型、小さく細い萼片は萼歯とよばれます。
太い雌しべが3本。
雌しべの花柱はそれぞれ2つに分かれ、柱頭は6個と書かれています。
これは確認しづらいですね。
蕾の写真と比べると子房が大きい。
受粉後花冠はしぼみ、果実の形成が始まったのでしょう。
はじめ楕円体の果実は次第に膨らんで球形に近づきます。
緑色の果実はさらに成熟すると白くなります。
完熟すると直径1cmほどの白いボールのようになります。
この株はサクラタデの茎に絡んでいました。
白い果実を一粒採って真ん中を横に切りました。
なるほど、液果です。少量ながら果汁が滴りました。
内部は3室、ゼリー状の果肉に包まれた種子がそれぞれ重なっていました。
毒はないようですが味はどうでしょう?
おそるおそる口に含みました。
ほのかに甘く瓜類特有の風味がありますが美味しいとはいえません。
これを茶こしに入れてゼリー状物質を洗い流すと黒い扁平な種子が15個現れました。
大きさ4x5mm。
これなら鳥は好物のはず、果実を食べて種子を運んでくれるでしょう。
学名についてウェブ検索するといくつもの名前が出てくる事があり、素人の悩みの種でした。
この度「BG Plants 和名−学名インデックス」YList("ワイリスト”)を知り、この標準名を記載することにしました。
しかしこれも研究者により次々と更新されているようです。
今回の スズメウリについては下記のように記されていました。
( )内は原命名者、その後は命名者です。これらは省略しようと思います。
Zehneria japonica (Thunb.) H.Y.Liu スズメウリ 標準
Neoachmandra japonica (Thunb.) W.J.de Wilde et Duyfjes スズメウリ synonym
Melothria japonica (Thunb.) Maxim. ex Cogn. スズメウリ synonym
2014-11-13 21:10
コメント(15)
こんにちは。
小さな花の研究レポートを興味深く拝見いたしました。
私も雌雄の花を何度か撮りましたが、雄蕊や雌蕊の数までは確認できていませんでした。
とても参考になりました。
by 多摩NTの住人 (2014-11-14 07:48)
スズメウリの花ですね!
小さくてとても手におえないと思うのにはっきり写っているので素晴らしいと思いました
雄花も雌花も写すのはとても大変
初めて間近で見ることができた!!!という感想です~
夕菅さんのお蔭です
果実の中味まで! ゼリー状の果肉に包まれて味見もされたのですね
勇気あります!私もいつだったか中を確かめたことがありますが味見まではとてもできなかったです
可愛らしいのでスズメウリは大好き!白い色がいいと思っています
by とんちゃん (2014-11-14 11:00)
多摩NTの住人 さん コメントありがとうございました。
研究レポートではありませんが、過去に撮ってあった写真に雄蕊や雌蕊を追加しました。
こういう写真は苦手ですのに、つい細部まで知りたくなってしまう、いやな性分です。
by 夕菅 (2014-11-14 12:40)
とんちゃん コメントありがとうございました。
スズメウリは花紀行にも何度も登場していますね。
特に2011年11月23日 大町自然観察園の豊作画像は圧巻でした。
雄花は上向きに咲いているのもありますが、雌花は俯いて咲きますから撮り難いですね。
ここの雌花の写真は花を持ち上げて隣の葉っぱの上に載せて撮りました。
腕もカメラも上等ではないのでやっとここまでです。
味見は確かにこわごわですが、毒性がないことだけは下調べします。
by 夕菅 (2014-11-14 18:02)
小鳥からこんなうれしいプレゼントをいただけるなんて素敵ですね。
野ではときどき見かけます。白い可愛い実になって初めて気がつきますが、花からこんな風に実になっていく様子を見せていただきました。
細部まで追求される夕菅さんのおかげで楽しいこと楽しいこと。
味見はいつものことながら,勇気ありますね。
カラスウリより小さいからスズメウリ,命名も面白い。
庭で風に揺れるスズメウリが鑑賞できるとはうらやましいこと。
先日いただいたオキナワスズメウリもこの仲間でしょうか。絵具で描いたようなきれいな実には毒があるそうですね。
by 花咲かばあば (2014-11-14 19:42)
花咲かばあばさん コメントありがとうございました。
お庭にはスズメウリは生えなかったのでしょうか?
ウリ科の花の観察は初めてでとまどいました。こんな小さな花でしなくてもよかったのにね。
書き落としましたがスズメウリの由来は果実がカラスウリより小さいことからというのが一般的なようですね。
果実がスズメの卵に似ているからとの説もあるようですが、スズメの卵は球形ではないし斑点もあるのであまり似ていない気がします。
オキナワスズメウリはスズメウリ属ではなくてオキナワスズメウリ属です。オキナワカラスウリといいたくなる大きさや雰囲気ですね(実際に間違えましたね)。
by 夕菅 (2014-11-14 23:54)
カラスウリやスズメウリの置き土産があると、かなり嬉しいですね。
我が家ではセンリョウ、マンリョウ止まりです。
スズメウリの実がこんなにたくさんなっているところはまだ見たことがありません。
まんまるで可愛いくて白くて綺麗ですから、クリスマスの飾り付けにも使えそうです。
花は昼間開いているのでしょうか。
初めから大きな子房が付いているのですね、これなら何となく安心です。
実の中の汁をお味見した勇気に、拍手です。
by とんとん (2014-11-15 22:02)
カラスウリは山で見たことがありますが、
スズメウリは記憶にありません。
カラスウリは目立つ色だけど、
スズメウリは白が完熟と書いておられることからすると、
小さくて色も目立たないのでしょうか。
鳥が可愛いプレゼントを運んでくれましたね。
by 703 (2014-11-15 23:04)
とんとん さん コメントありがとうございました。
庭のスズメウリは毎年どこかに生えますが、抜かずに放置してあります。
花は多くは半開下向きのようでしたから、早朝咲いてすぐ萎むのかと思いましたが、今回写したのは14時頃で全開でした。
今はもう果実もほとんどありません。鳥がねらっていたのでしょうね。
クリスマスの飾り付け用ならオキナワスズメウリの方が賑やかでいいかもしれません。
by 夕菅 (2014-11-16 17:32)
703さんコメントありがとうございました。
これは花壇には「雑草」ですが、偶々生えてしまったのでそのままにしています。
本当はカラスウリも生えてほしいのですが未だ見られません。
スズメウリの花は殆ど目立ちませんが葉をみればわかります。
緑色や白色の玉がかわいいので抜く気になれません。
オキナワスズメウリは遊び心で植えると楽しいですよ。
by 夕菅 (2014-11-16 17:48)
ラグビーボール型の実がまん丸になるのが不思議です、ウリ類はたいてい子房の形が成熟しても保たれているようですが。色の変化もいいですね。
スズメウリの花は9月始め頃ブログにしましたが、あれ以来というか、その前からいまだにスランプ続きです。
by エフ・エム (2014-11-17 15:17)
エフ・エム さん コメントありがとうございました。
9月9日のエフ・エム さんの記事「スズメウリの花」を見せていただいた後、花を探したところまだ蕾がありました。
しかし日陰に咲く事が多く、俯いて咲く白い小さい雌花は本当に撮り難く、何度も失敗しました。でもたまたま日中咲いていた花を見つけ、隣の葉の上に載せて何とか撮る事ができました。
エフ・エム さんの記事からヒントをいただいたお蔭です。
ありがとうございました。
果実の形や色が次第に変るのもおもしろいですね。
私も時々スランプに陥り止めたくなることがあります。
ゆっくりでよろしいからまたお書きいただけますよう、お待ちしています。
by 夕菅 (2014-11-17 18:29)
私もスズメウリを育ててみたいのですが、なかなか入手できません。どうしたら入手出来るのか教えていただけるとありがたいのですが。
by 山野草人 (2019-11-04 20:46)
山野草人さんへ
申し訳ありませんが昨年転居、庭もすでに名義が変わりましたので種子を採ることができません。
雑草ですから散歩の折などに偶然の出会いがあるかもしれません。
白い小さなボールがぶら下がっていないか、注意してご覧になってください。
by 夕菅 (2019-11-04 21:49)
夕菅さんありがとうございました。散歩などの折、注意して探してみます。
by 山野草人 (2019-11-05 09:38)