モミジアオイ [草花(夏)]
先月は「日本の観測史上、最も気温が高い7月」だったそうです。
その中で咲く真紅のモミジアオイは正しく盛夏のシンボル!
愛知の庭でも1本の苗からひとりばえで毎年増えましたが、こちらでも元気いっぱい。
白花も植えましたから紅白で花の少ない庭を彩っています。
白花は高いところで咲き、隣家の白い壁が背景になるのでアップの写真が撮りにくい。
偶々倒れかかった1本に咲く花をワレモコウと一緒に撮ることができました。
その中で咲く真紅のモミジアオイは正しく盛夏のシンボル!
愛知の庭でも1本の苗からひとりばえで毎年増えましたが、こちらでも元気いっぱい。
白花も植えましたから紅白で花の少ない庭を彩っています。
白花は高いところで咲き、隣家の白い壁が背景になるのでアップの写真が撮りにくい。
偶々倒れかかった1本に咲く花をワレモコウと一緒に撮ることができました。
2024-08-06 10:33
コメント(0)
タリクトラム デラバイ など [草花(夏)]
タリクトラム デラバイ
キンポウゲ科 / カラマツソウ属の多年草
学名: Thalictrum delavayi
別名: オオシキンカラマツ(大紫錦唐松)・ヘンシカラマツ(偏翅唐松)
原産地:中国の四川省、雲南省、チベット
この花は4年前「カラマツソウ(タリクトラム)デラバイ」として購入しました。
花はネットで見るシキンカラマツとそっくりです。
どう違うのでしょう?
先月の記事「ゴミグモ」では蜘蛛の網を張られたのがこの花。
この時は「みんなの趣味の園芸 NHK出版」に依り「オオシキンカラマツ」としました。
しかし、この名称も未だ一般的ではないようです。
今回は学名を片仮名にした「タリクトラム デラバイ」として記載することにします。
「朝日百科植物の世界」では「タリクトラム・デラウァイイ」とし、高さ60〜200センチ、花の直径2センチほどの大型の植物と書かれていますが、この庭の花は直径12mm前後です。
一方、シキンカラマツ Thalictrum rochebrunianum は福島県、群馬県、長野県にわずかに自生するとされていましたが、近年、茨城県でも確認されています。
花の直径は1cmくらいでタリクトラム デラバイよりやや小さいようです。
今年一番賑やかな頃のタリクトラム デラバイ(6月29日)。
「紫錦唐松」の名は赤紫色の萼片と黄色の雄しべにちなんだようです。
花は一気に咲かず、蕾が順に大きくなってバラバラに開花しますから花期が長い。
今年は6月20日ころから咲き始め、まだほんの少し花が見られます。
花弁のように見えるのは萼片で4〜5枚。多くは4枚です。
若い蕾から若い果実まで混在。
花の中心に雌しべ、周辺に雄しべ多数。
左は萼片と雄しべが落ちた後。子房がふくらんでいます。
大きさまちまちの痩果。
この庭では1花に10個以上結実するのは珍しい。
柔らかい葉はアジアンタムに似ています。
いつか是非シキンカラマツも見てみたいものです。
「追加」
赤城自然園のシキンカラマツの美しい画像が 花紀行2014.7.25.の記事で紹介されています。花はタリクトラム デラバイよりやや小さいようですが、茎はやや太くがっしりしているように思えます。
オミナエシ
年々大きくなるヤエザクラの下で萎縮していたオミナエシを昨年駐車場跡に移植しました。
今年は一気に大きくなって花が咲き続けています。
これも撮りにくい花ですね。
花弁5枚、雄しべ4本、雌しべ1本。
ナツズイセン
2010年記事にした時は2茎しかなかったナツズイセンが今年は9茎。
周りの花たちもそれぞれ大きくなって、一同揃っての記念撮影には剪定鋏が要りました。
葉が出るのは3〜4月。
後にコバノズイナ、直前に房咲き水仙、その周りにクリスマスローズ。
花が咲く時には葉はすでになく、突然花を見つけて歓声が上がります。
さらに2mほど離れたところにも一株増えて、ここにも6茎。
放っておいても増えるありがたい花です。
キツネノカミソリ
植える場所が悪くて日が当たりすぎて気の毒なキツネノカミソリですが、今年も咲いてくれました。
植え替えようと思ってはいても花が終わると球根の位置がわからなくなってしまうのです。
葉が出た時に植え替えた方が良さそうですね。
この花も葉が現れるのは3〜4月。
自生したオルラヤ‘ホワイトレース’の大群に囲まれていました。
暑かった8月も今日で終わり、辛うじて2記事目を滑り込ませました。
今回の花は放りっぱなしの庭の優等生達です。
キンポウゲ科 / カラマツソウ属の多年草
学名: Thalictrum delavayi
別名: オオシキンカラマツ(大紫錦唐松)・ヘンシカラマツ(偏翅唐松)
原産地:中国の四川省、雲南省、チベット
この花は4年前「カラマツソウ(タリクトラム)デラバイ」として購入しました。
花はネットで見るシキンカラマツとそっくりです。
どう違うのでしょう?
先月の記事「ゴミグモ」では蜘蛛の網を張られたのがこの花。
この時は「みんなの趣味の園芸 NHK出版」に依り「オオシキンカラマツ」としました。
しかし、この名称も未だ一般的ではないようです。
今回は学名を片仮名にした「タリクトラム デラバイ」として記載することにします。
「朝日百科植物の世界」では「タリクトラム・デラウァイイ」とし、高さ60〜200センチ、花の直径2センチほどの大型の植物と書かれていますが、この庭の花は直径12mm前後です。
一方、シキンカラマツ Thalictrum rochebrunianum は福島県、群馬県、長野県にわずかに自生するとされていましたが、近年、茨城県でも確認されています。
花の直径は1cmくらいでタリクトラム デラバイよりやや小さいようです。
今年一番賑やかな頃のタリクトラム デラバイ(6月29日)。
「紫錦唐松」の名は赤紫色の萼片と黄色の雄しべにちなんだようです。
花は一気に咲かず、蕾が順に大きくなってバラバラに開花しますから花期が長い。
今年は6月20日ころから咲き始め、まだほんの少し花が見られます。
花弁のように見えるのは萼片で4〜5枚。多くは4枚です。
若い蕾から若い果実まで混在。
花の中心に雌しべ、周辺に雄しべ多数。
左は萼片と雄しべが落ちた後。子房がふくらんでいます。
大きさまちまちの痩果。
この庭では1花に10個以上結実するのは珍しい。
柔らかい葉はアジアンタムに似ています。
いつか是非シキンカラマツも見てみたいものです。
「追加」
赤城自然園のシキンカラマツの美しい画像が 花紀行2014.7.25.の記事で紹介されています。花はタリクトラム デラバイよりやや小さいようですが、茎はやや太くがっしりしているように思えます。
オミナエシ
年々大きくなるヤエザクラの下で萎縮していたオミナエシを昨年駐車場跡に移植しました。
今年は一気に大きくなって花が咲き続けています。
これも撮りにくい花ですね。
花弁5枚、雄しべ4本、雌しべ1本。
ナツズイセン
2010年記事にした時は2茎しかなかったナツズイセンが今年は9茎。
周りの花たちもそれぞれ大きくなって、一同揃っての記念撮影には剪定鋏が要りました。
葉が出るのは3〜4月。
後にコバノズイナ、直前に房咲き水仙、その周りにクリスマスローズ。
花が咲く時には葉はすでになく、突然花を見つけて歓声が上がります。
さらに2mほど離れたところにも一株増えて、ここにも6茎。
放っておいても増えるありがたい花です。
キツネノカミソリ
植える場所が悪くて日が当たりすぎて気の毒なキツネノカミソリですが、今年も咲いてくれました。
植え替えようと思ってはいても花が終わると球根の位置がわからなくなってしまうのです。
葉が出た時に植え替えた方が良さそうですね。
この花も葉が現れるのは3〜4月。
自生したオルラヤ‘ホワイトレース’の大群に囲まれていました。
暑かった8月も今日で終わり、辛うじて2記事目を滑り込ませました。
今回の花は放りっぱなしの庭の優等生達です。
2017-08-31 23:00
コメント(23)
ヒメイワダレソウ [草花(夏)]
ヒメイワダレソウ
クマツヅラ科イワダレソウ属の多年草
学名:Lippia canescens
別名:リッピア
原産地:南アメリカのペルー(日本には昭和初期に導入)
花期:5〜10月
庭のヒメイワダレソウ、この花を初めて植えたのは12年前でした。
園芸店で苗を見つけ、駐車場周辺のグランドカバー用に購入したのです。
冬期葉は枯れますが丈夫な茎が残り、春には緑の葉が蘇って5月頃より花が咲きます。
6月、最盛期の花。
淡いピンクの花が溢れんばかりに咲きました。
雑草が生える隙間も残さぬ地披植物、その上花も美しく満足でした。
その年増設した駐車場の周囲には雑草がたくさん生えそうでした。
そのためグランドカバープランツを植えて草取りを減らしたかったのです。
踏まれても大丈夫でないと困ります。
初めに植えた「玉竜」は日が当たり過ぎたのか枯れました。
奥に植えたコバノランタナもクマツヅラ科、これはシチヘンゲ属で花も葉も一回り大きい。
その周りにもヒメイワダレソウがびっしり茂り、文字通り土が見えなくなりました。
ところが、その後ヒメイワダレソウは花壇や家庭菜園にも侵入してきたのです。
右側の通路(トレニアの右)のヒメイワダレソウは踏まれて葉も小さい。
しかし土が柔かく肥料分のある畑の葉は大きく艶も良く、菜っ葉は負けそうです。
黄色の花はこぼれ種で自生したメランポジウム、これまたたくましい園芸種です。
前の緑のふわふわはアスパラガスの苗。
それらをも覆い尽くしそうなヒメイワダレソウの勢い!
家庭菜園を保つためにはヒメイワダレソウを撤去せざるを得ません。
一方、最も茂らせたかった駐車スペースでは逆にイネ科の雑草に負けました。
ここは水はけが悪いため、ヒメイワダレソウが育ちにくいのかもしれません。
ヒメイワダレソウの花にはミツバチやチョウが頻繁に訪れています。
このセイヨウミツバチは花の中央に口吻を差し込んでいます。
私も花冠をつまんで抜き、下端を舐めてみました。
かすかに甘い。やはり蜜があるようです。
穂状花序の直径は1cm強。下から順に唇形花が開いて周辺に並びます。
花冠中央に黄色の斑紋(蜜票)があり、雄しべが2つ覗いています。
後姿もなかなか美しい。
葉は対生し、やや厚目、粗い鋸歯があります。
葉は長くても2cm弱。
葉腋から長い柄のある穂状花序が立ち上がります。
一方、下へは葉腋ごとに不定根を出して匍匐増殖。
切り刻んでばらまいても増えるわけです。
一般にヒメイワダレソウは不捻性と言われていますが、種子を作る場合もあるようです。
枯れて褐色になった花冠を引き抜いてみました。
数個は子房が膨らんでいるように見えますが?
黒褐色になった穂の花がらをバラバラにしてみました。
この中に稔性のある種子があるのかどうか?
この花はポット苗やマットで販売され、種子としては流通していないようです。
この10年、増えすぎたヒメイワダレソウはこの庭の畑や花壇から抜去してきました。
しかし、さすがに強い!
縁石を乗り越え、アスファルトの上を這ってマット状に広がっていくのです。
長く横に這う枝は太くなるとロープのように強く、つまずいて転びそうになります。
温暖な地方では常緑のようですが、当地では冬は枯れますから花が終わるとカットして捨てます。
それでも春にはいつの間にか芽生えて再生。
美しい花を咲かせるグランドカバープランツ。
魅惑的なことばに飛びつきましたが、この庭では使いこなせませんでした。
法面の緑化・建物緑化・芝生の代用などにも利用が考えられたようですが結果はどうでしょうか?
なお、平成27年3月、環境省生態系被害防止外来種リスト(緊急対策外来種ではなく重点対策外来種として)に追加指定されたようです。
これを改善して種子を作らない「クラピア」という品種が作られ販売されています。
芝生の代わりに植えて柔らかく美しいグリーンを楽しまれている方の記事も読みました。
やはり従来のヒメイワダレソウの種子の発芽率が気になります。
クマツヅラ科イワダレソウ属の多年草
学名:Lippia canescens
別名:リッピア
原産地:南アメリカのペルー(日本には昭和初期に導入)
花期:5〜10月
庭のヒメイワダレソウ、この花を初めて植えたのは12年前でした。
園芸店で苗を見つけ、駐車場周辺のグランドカバー用に購入したのです。
冬期葉は枯れますが丈夫な茎が残り、春には緑の葉が蘇って5月頃より花が咲きます。
6月、最盛期の花。
淡いピンクの花が溢れんばかりに咲きました。
雑草が生える隙間も残さぬ地披植物、その上花も美しく満足でした。
その年増設した駐車場の周囲には雑草がたくさん生えそうでした。
そのためグランドカバープランツを植えて草取りを減らしたかったのです。
踏まれても大丈夫でないと困ります。
初めに植えた「玉竜」は日が当たり過ぎたのか枯れました。
奥に植えたコバノランタナもクマツヅラ科、これはシチヘンゲ属で花も葉も一回り大きい。
その周りにもヒメイワダレソウがびっしり茂り、文字通り土が見えなくなりました。
ところが、その後ヒメイワダレソウは花壇や家庭菜園にも侵入してきたのです。
右側の通路(トレニアの右)のヒメイワダレソウは踏まれて葉も小さい。
しかし土が柔かく肥料分のある畑の葉は大きく艶も良く、菜っ葉は負けそうです。
黄色の花はこぼれ種で自生したメランポジウム、これまたたくましい園芸種です。
前の緑のふわふわはアスパラガスの苗。
それらをも覆い尽くしそうなヒメイワダレソウの勢い!
家庭菜園を保つためにはヒメイワダレソウを撤去せざるを得ません。
一方、最も茂らせたかった駐車スペースでは逆にイネ科の雑草に負けました。
ここは水はけが悪いため、ヒメイワダレソウが育ちにくいのかもしれません。
ヒメイワダレソウの花にはミツバチやチョウが頻繁に訪れています。
このセイヨウミツバチは花の中央に口吻を差し込んでいます。
私も花冠をつまんで抜き、下端を舐めてみました。
かすかに甘い。やはり蜜があるようです。
穂状花序の直径は1cm強。下から順に唇形花が開いて周辺に並びます。
花冠中央に黄色の斑紋(蜜票)があり、雄しべが2つ覗いています。
後姿もなかなか美しい。
葉は対生し、やや厚目、粗い鋸歯があります。
葉は長くても2cm弱。
葉腋から長い柄のある穂状花序が立ち上がります。
一方、下へは葉腋ごとに不定根を出して匍匐増殖。
切り刻んでばらまいても増えるわけです。
一般にヒメイワダレソウは不捻性と言われていますが、種子を作る場合もあるようです。
枯れて褐色になった花冠を引き抜いてみました。
数個は子房が膨らんでいるように見えますが?
黒褐色になった穂の花がらをバラバラにしてみました。
この中に稔性のある種子があるのかどうか?
この花はポット苗やマットで販売され、種子としては流通していないようです。
この10年、増えすぎたヒメイワダレソウはこの庭の畑や花壇から抜去してきました。
しかし、さすがに強い!
縁石を乗り越え、アスファルトの上を這ってマット状に広がっていくのです。
長く横に這う枝は太くなるとロープのように強く、つまずいて転びそうになります。
温暖な地方では常緑のようですが、当地では冬は枯れますから花が終わるとカットして捨てます。
それでも春にはいつの間にか芽生えて再生。
美しい花を咲かせるグランドカバープランツ。
魅惑的なことばに飛びつきましたが、この庭では使いこなせませんでした。
法面の緑化・建物緑化・芝生の代用などにも利用が考えられたようですが結果はどうでしょうか?
なお、平成27年3月、環境省生態系被害防止外来種リスト(緊急対策外来種ではなく重点対策外来種として)に追加指定されたようです。
これを改善して種子を作らない「クラピア」という品種が作られ販売されています。
芝生の代わりに植えて柔らかく美しいグリーンを楽しまれている方の記事も読みました。
やはり従来のヒメイワダレソウの種子の発芽率が気になります。
2016-09-01 13:00
コメント(14)
フシグロセンノウ [草花(夏)]
フシグロセンノウ
節黒仙翁 ナデシコ科マンテマ属(←センノウ属)の多年草
学名:Lychnis miqueliana Rohrb.
花期:7〜8月(当地)
分布:本州・四国・九州の山地の林下など(日本の固有種)
高さ:数十センチ
広葉樹の下の半日陰の庭。
タカサゴユリと白花のユーパトリウムとの間に橙色の花が見えます。
これがフシグロセンノウです。
今年の一番花。
野草らしからぬ鮮やかな朱赤色の花は1輪でも人目を引きます。
そのため各地で絶滅が危ぶまれているのです。
咲いたばかりの花。花弁は5枚。直径約5cm。
中心に5個の紫色の葯が見えます。まだ花粉は出ていません。
(これから花の経過を追いますが、以下は同じ花ではありません。)
葯が開いて花粉が出ています。
はじめに出た雄しべが役目を終える頃、さらに5個の葯が現れます。
その周りの濃い朱赤色をしたものは鱗片と呼ばれ、花弁の基部に2個ずつあります。
この花では雄しべが10本のように見えますが、外側5本の葯は花粉を出しつつ花糸が伸びて退縮中。
遅れて出た内側の5個の葯は花粉真っ盛りです。
この花では初めの雄しべは花糸を長く伸ばして後退。
二度目の雄しべが出揃った後、おもむろに雌しべが現れます。
雄性先熟ですね。
雌しべの花柱は5本、先端の曲がっているところが柱頭です。
雄しべ計10本が鱗片の後ろに倒れた頃、花柱が伸び、柱頭が熟して他花からの花粉を待つのでしょう。
接写すると柱頭はやや彎曲し白く輝いていました。
この状態では花粉が付いているようには見えません。
人工授粉してみましょう。
小筆に他花の花粉を付けてから、この柱頭を撫でました。
その後接写すると柱頭は薄い紫色を帯びて見えますが、花粉までは見分けられません。
柱頭を1個採って顕微鏡で見ると、円い花粉10余個が突起の間に付着していることを確認できました。
開花直前の蕾、萼は約3 cm、先端が5裂しています。
花は3つ並んで咲くことが多い。
フシグロセンノウとは節黒仙翁、節が黒いことから、また「仙翁」は京都嵯峨の仙翁寺にちなむ花からの命名のようです。
本当に節が黒いかどうか、確認します。
上の方の葉は小さく長さ2cmほどで対生、節は確かにやや黒ずんでいました。
葉は下部にいくほど大きく卵形になります。
しかし節の色はあまり目立たないこともありました。
この節は膨れて暗紫褐色に染まっています。
茎や葉に白い軟毛が生えているのもみえます。
さらに下の方では葉が大きくなり、長さ10cmほどの長楕円状披針形。
そのまた下に明らかに「節黒」といえる節がありました。
左の節は特に色濃く、紫黒色です。
庭にはナミアゲハなどの蝶は時々見かけますが、フシグロセンノウを訪れた昆虫は確認できませんでした。
そのためか、結実は少なく、ほとんどの花が脱落していきます。
ここでは6花中1花だけ子房が膨らんでいます。
このところ当地は37℃に達する猛暑が続いています。
昨日は外出したため、今朝見に行くと葉の一部が萎れ、まだ咲いているはずの花が既に閉じていました。
すぐたっぷり散水したところ葉は元気になりましたが、このまま実が熟すかどうか心配です。
盗掘のみでなく結実率の低さや温暖化もフシグロセンノウの絶滅に関与しているのかもしれません。
節黒仙翁 ナデシコ科マンテマ属(←センノウ属)の多年草
学名:Lychnis miqueliana Rohrb.
花期:7〜8月(当地)
分布:本州・四国・九州の山地の林下など(日本の固有種)
高さ:数十センチ
広葉樹の下の半日陰の庭。
タカサゴユリと白花のユーパトリウムとの間に橙色の花が見えます。
これがフシグロセンノウです。
今年の一番花。
野草らしからぬ鮮やかな朱赤色の花は1輪でも人目を引きます。
そのため各地で絶滅が危ぶまれているのです。
咲いたばかりの花。花弁は5枚。直径約5cm。
中心に5個の紫色の葯が見えます。まだ花粉は出ていません。
(これから花の経過を追いますが、以下は同じ花ではありません。)
葯が開いて花粉が出ています。
はじめに出た雄しべが役目を終える頃、さらに5個の葯が現れます。
その周りの濃い朱赤色をしたものは鱗片と呼ばれ、花弁の基部に2個ずつあります。
この花では雄しべが10本のように見えますが、外側5本の葯は花粉を出しつつ花糸が伸びて退縮中。
遅れて出た内側の5個の葯は花粉真っ盛りです。
この花では初めの雄しべは花糸を長く伸ばして後退。
二度目の雄しべが出揃った後、おもむろに雌しべが現れます。
雄性先熟ですね。
雌しべの花柱は5本、先端の曲がっているところが柱頭です。
雄しべ計10本が鱗片の後ろに倒れた頃、花柱が伸び、柱頭が熟して他花からの花粉を待つのでしょう。
接写すると柱頭はやや彎曲し白く輝いていました。
この状態では花粉が付いているようには見えません。
人工授粉してみましょう。
小筆に他花の花粉を付けてから、この柱頭を撫でました。
その後接写すると柱頭は薄い紫色を帯びて見えますが、花粉までは見分けられません。
柱頭を1個採って顕微鏡で見ると、円い花粉10余個が突起の間に付着していることを確認できました。
開花直前の蕾、萼は約3 cm、先端が5裂しています。
花は3つ並んで咲くことが多い。
フシグロセンノウとは節黒仙翁、節が黒いことから、また「仙翁」は京都嵯峨の仙翁寺にちなむ花からの命名のようです。
本当に節が黒いかどうか、確認します。
上の方の葉は小さく長さ2cmほどで対生、節は確かにやや黒ずんでいました。
葉は下部にいくほど大きく卵形になります。
しかし節の色はあまり目立たないこともありました。
この節は膨れて暗紫褐色に染まっています。
茎や葉に白い軟毛が生えているのもみえます。
さらに下の方では葉が大きくなり、長さ10cmほどの長楕円状披針形。
そのまた下に明らかに「節黒」といえる節がありました。
左の節は特に色濃く、紫黒色です。
庭にはナミアゲハなどの蝶は時々見かけますが、フシグロセンノウを訪れた昆虫は確認できませんでした。
そのためか、結実は少なく、ほとんどの花が脱落していきます。
ここでは6花中1花だけ子房が膨らんでいます。
このところ当地は37℃に達する猛暑が続いています。
昨日は外出したため、今朝見に行くと葉の一部が萎れ、まだ咲いているはずの花が既に閉じていました。
すぐたっぷり散水したところ葉は元気になりましたが、このまま実が熟すかどうか心配です。
盗掘のみでなく結実率の低さや温暖化もフシグロセンノウの絶滅に関与しているのかもしれません。
2016-08-09 16:03
コメント(16)
ワレモコウの水孔 [草花(夏)]
ワレモコウの水孔
ワレモコウ 吾亦紅 吾木瓜
バラ科ワレモコウ属の多年草
ワレモコウの花については2010-11-28の記事にしました。
今回はワレモコウの葉に並ぶ水玉の観察です。
雨後の朝、葉縁に水玉が並んでいました(2016.7.10.)。
拡大すると水玉は紅や緑の美しい球体でした。
葉縁の紅色や葉の緑色を写し込んでいるようです。
しかし、葉の下半分には雨滴と思われる不定形の水玉も混在しています。
ワレモコウの葉は羽状複葉。
小葉は5−9枚・長楕円形が多いようです。
葉裏は帯白色。
水玉が編笠の縁飾りのように並んでいました。
ほぼ同じ大きさの水滴がずらりと1周。
かと思えば大小様々のことも。
水玉は若い葉にできます。まだ開ききっていない葉では1列縦隊。
朝日が当たると虹色が現れることがありますが、写真には写しにくい。
ピントはずれの部分に写っていた虹色の水滴。
見事な球体。
ワレモコウの水玉は根から吸い上げた水分が過剰になったとき、葉縁にある水孔から排出されて出来ます。
水分が多い時には一夜に何回も落ちては出来るそうです。
ワレモコウの水孔は葉縁の鋸歯の先端にあります。
手前の葉縁では水孔の部分に赤い色素が多いようですね。
水玉が合体して大きくなることも。
これは合体しすぎて破裂寸前。
ここ2〜3日は雨後の朝、期待して見に行っても雨滴のみです。
また来年のお楽しみでしょうか。
ワレモコウの水玉を知ったのは3年前NHKスペシャルで埴沙萠さんの撮られた映像を見てからです。その後うちの庭でも容易に見られて感激しました。
水孔は気孔と同じく1対の孔辺細胞に囲まれていますが、開閉はせずいつも開いているようです。
水玉の内容は単なる水ではなく、ワレモコウの組織を通ってくる間に変化した液体なのでしょう。分析すれば見事な球を形成する成分が分かりそうですが..........。
ワレモコウ 吾亦紅 吾木瓜
バラ科ワレモコウ属の多年草
ワレモコウの花については2010-11-28の記事にしました。
今回はワレモコウの葉に並ぶ水玉の観察です。
雨後の朝、葉縁に水玉が並んでいました(2016.7.10.)。
拡大すると水玉は紅や緑の美しい球体でした。
葉縁の紅色や葉の緑色を写し込んでいるようです。
しかし、葉の下半分には雨滴と思われる不定形の水玉も混在しています。
ワレモコウの葉は羽状複葉。
小葉は5−9枚・長楕円形が多いようです。
葉裏は帯白色。
水玉が編笠の縁飾りのように並んでいました。
ほぼ同じ大きさの水滴がずらりと1周。
かと思えば大小様々のことも。
水玉は若い葉にできます。まだ開ききっていない葉では1列縦隊。
朝日が当たると虹色が現れることがありますが、写真には写しにくい。
ピントはずれの部分に写っていた虹色の水滴。
見事な球体。
ワレモコウの水玉は根から吸い上げた水分が過剰になったとき、葉縁にある水孔から排出されて出来ます。
水分が多い時には一夜に何回も落ちては出来るそうです。
ワレモコウの水孔は葉縁の鋸歯の先端にあります。
手前の葉縁では水孔の部分に赤い色素が多いようですね。
水玉が合体して大きくなることも。
これは合体しすぎて破裂寸前。
ここ2〜3日は雨後の朝、期待して見に行っても雨滴のみです。
また来年のお楽しみでしょうか。
ワレモコウの水玉を知ったのは3年前NHKスペシャルで埴沙萠さんの撮られた映像を見てからです。その後うちの庭でも容易に見られて感激しました。
水孔は気孔と同じく1対の孔辺細胞に囲まれていますが、開閉はせずいつも開いているようです。
水玉の内容は単なる水ではなく、ワレモコウの組織を通ってくる間に変化した液体なのでしょう。分析すれば見事な球を形成する成分が分かりそうですが..........。
2016-07-16 21:00
コメント(21)
キャンディリリー [草花(夏)]
キャンディリリー
アヤメ科の多年草
英名: Candy lily 別名:パルダンカンダ
草丈:50cm〜1m。
花期:7〜8月
10年前に植えたこの花をヒオウギだと思っていましたが、どうも花が違います。
調べてみると「キャンディリリー」という園芸種でした。
キャンディリリーは ヒオウギとアイリスの属間交雑種。
花色は赤・黄・紫など豊富、斑点の無いもの、ツートンカラーなどもあり多種多彩。
ヒオウギ(檜扇、 Belamcanda chinensis)もアヤメ科の多年草。
分布: 本州以南の日本、朝鮮半島、中国。
朱色の花被片に赤い斑点が入るのが特徴。
初めに咲いた花。
この花は赤と黄色のツートンカラーで斑点はありません。
3枚ずつの内花被片と外花被片、3本の雄しべはアヤメ科の特徴(3数性)。
雌しべは1本ですが先端で3裂しています。
初めに植えたのは前庭ですが、生垣が茂って日当たりが悪く生育不良。
3年前、日当たり抜群の菜園の前に移植しましたところ、見違えるほど繁茂し、花の色も赤から朱色に変わりました。
今年は後ろの青じそやオクラと競うようにたくさんの花を咲かせました。
もう1株、「黄色のキャンディリリー」を見つけて植えました。
花は1日花、夜には萎んで花弁をくるくると巻き上げます。
これはヒオウギと共通の特徴です。
黄色の株は桃の木の下で半日陰のためかほっそりしています。
ツートンの株の周りにはこぼれ種で増えた2世がたくましく育っています。
剣状の葉は互生、下部では2列に並んで扇状に配列します。
この葉の姿が檜扇に似ていることからヒオウギと命名されました。
檜扇というのはヒノキの薄い板を扇形に並べて綴じた扇です。
(後ろのオレンジ色の花はキツネノカミソリ。)
若い果実(蒴果)。巻き上げた花弁が残っています。
蒴果が裂開し真っ黒で光沢のある球形の種子が現れます。
この種子はヒオウギの種子と同じように見えます。
ヒオウギの種子は「射干玉(ぬばたま)」と呼ばれ、万葉集の頃から夜や闇の枕詞にも用いられてきました。
また北米に帰化したヒオウギは種子の色からブラックベリーリリーと呼ばれています。
今年は豊作、このままでは増えすぎて困りますから射干玉ドライフラワーにしましょうか。
最後に驚きの現象!
花の後に葉が育ってきたのです。
デンドロビウム(洋ラン)の高芽と似ています。
白い根(?)も出そうです。
さらにもう花が咲いたのもありました。
これは頂芽にできたシュートなのでしょうか?
京都の祇園祭では古代悪霊を退散させたというヒオウギを飾る習慣があるそうです。
またヒオウギの根茎は射干(やかん)といわれ、漢方薬として用いられています。
黄色の花には「パルダンカンダ」のラベルがついていました。
ヒオウギにも黄花があるという情報がありますが私にはどちらか区別できません。
アヤメ科の多年草
英名: Candy lily 別名:パルダンカンダ
草丈:50cm〜1m。
花期:7〜8月
10年前に植えたこの花をヒオウギだと思っていましたが、どうも花が違います。
調べてみると「キャンディリリー」という園芸種でした。
キャンディリリーは ヒオウギとアイリスの属間交雑種。
花色は赤・黄・紫など豊富、斑点の無いもの、ツートンカラーなどもあり多種多彩。
ヒオウギ(檜扇、 Belamcanda chinensis)もアヤメ科の多年草。
分布: 本州以南の日本、朝鮮半島、中国。
朱色の花被片に赤い斑点が入るのが特徴。
初めに咲いた花。
この花は赤と黄色のツートンカラーで斑点はありません。
3枚ずつの内花被片と外花被片、3本の雄しべはアヤメ科の特徴(3数性)。
雌しべは1本ですが先端で3裂しています。
初めに植えたのは前庭ですが、生垣が茂って日当たりが悪く生育不良。
3年前、日当たり抜群の菜園の前に移植しましたところ、見違えるほど繁茂し、花の色も赤から朱色に変わりました。
今年は後ろの青じそやオクラと競うようにたくさんの花を咲かせました。
もう1株、「黄色のキャンディリリー」を見つけて植えました。
花は1日花、夜には萎んで花弁をくるくると巻き上げます。
これはヒオウギと共通の特徴です。
黄色の株は桃の木の下で半日陰のためかほっそりしています。
ツートンの株の周りにはこぼれ種で増えた2世がたくましく育っています。
剣状の葉は互生、下部では2列に並んで扇状に配列します。
この葉の姿が檜扇に似ていることからヒオウギと命名されました。
檜扇というのはヒノキの薄い板を扇形に並べて綴じた扇です。
(後ろのオレンジ色の花はキツネノカミソリ。)
若い果実(蒴果)。巻き上げた花弁が残っています。
蒴果が裂開し真っ黒で光沢のある球形の種子が現れます。
この種子はヒオウギの種子と同じように見えます。
ヒオウギの種子は「射干玉(ぬばたま)」と呼ばれ、万葉集の頃から夜や闇の枕詞にも用いられてきました。
また北米に帰化したヒオウギは種子の色からブラックベリーリリーと呼ばれています。
今年は豊作、このままでは増えすぎて困りますから射干玉ドライフラワーにしましょうか。
最後に驚きの現象!
花の後に葉が育ってきたのです。
デンドロビウム(洋ラン)の高芽と似ています。
白い根(?)も出そうです。
さらにもう花が咲いたのもありました。
これは頂芽にできたシュートなのでしょうか?
京都の祇園祭では古代悪霊を退散させたというヒオウギを飾る習慣があるそうです。
またヒオウギの根茎は射干(やかん)といわれ、漢方薬として用いられています。
黄色の花には「パルダンカンダ」のラベルがついていました。
ヒオウギにも黄花があるという情報がありますが私にはどちらか区別できません。
2015-09-02 22:51
コメント(12)
ツキミソウ [草花(夏)]
ツキミソウ
月見草
アカバナ科マツヨイグサ属に属する2年草または多年草
(2016.10.2. 追記:この庭では1年草でした。)
学名:Oenothera tetraptera
別名:つきみぐさ、白花夜咲月見草
原産:メキシコ
花期:5〜9月
月見草というと一般には黄色い花が咲くマツヨイグサ(待宵草)を思い浮かべます。
しかし標準和名ツキミソウは夜、白い花が咲くマツヨイグサ属の一種です。
そのツキミソウは江戸時代、マツヨイグサと同じ頃に園芸植物として渡来したものの、繁殖力や適応性が弱いため野生化せず、また園芸植物としても普及しませんでした。
しかし愛好家の間では大切に育てられてきたらしく、今年はその貴重な種子をいただくことができました。
粉末かと思うほど細かい種子でした。
春分の頃種を蒔き、発芽はしたもののなかなか大きくならず心配しました。
5月24日、はじめて大きな蕾を発見!
紅い縁取りのある萼片が蕾を包み込んでいました。
続く萼筒の下の子房は細かい毛に覆われています。
夕方6時半、萼片の隙間から白い花弁が伸び出してきました。
7時少し前、花弁がゆっくり開き始めました。
蕾にカメラを向けている最中、突然むくむくと花弁が広がり始めました。
慌ててパシャリ。
7時過ぎると小さなヘッドライト(LED 電灯色)を点けて撮ります。
後ろのピンクの花は零れ種から広がったモモイロヒルザキツキミソウです。
ツキミソウの葉の方がやや幅広く明るい緑色です。
明るすぎて虫喰いの穴まで見えます。ハムシ(?)にしっかり食べられています。
2花揃って開花。
左はモモイロヒルザキツキミソウ。
ツキミソウの花はモモイロヒルザキツキミソウより少し大きく直径7〜8cmあります。
9時頃、全開の花弁は輝くような純白。
4枚の花弁、大きく4裂した薄黄緑色の柱頭、クリーム色の雄しべ8本。
11時半、深夜の花。
花弁が大きくなり包み込む気配です。柔和な白色。
5月28日、1株5花の豪華版。
虫喰いの葉が被さったのが残念でした。
朝はどうなっているのでしょう。
7時、白かった花はすでにピンクに変わっていました。
花弁は閉じて萼が反転、スカーフを結んだよう。左はヒルザキツキミソウの花です。
8時頃、朝日が当たって逆光に輝くヒルザキツキミソウ。
草丈はヒルザキツキミソウの方が大きく、ツキミソウの倍くらいあります。
一番下の萎んだ2花がツキミソウ。
花は何時頃ピンクに変わるのでしょう。
自庭とはいえ深夜何度も庭に出るのはあまり気持ちの良いものではありません。
ベランダのプランターに1株移植して観察することにしました。
こうすると居間から写真が撮れます。
6時、夕暮れとともに蕾が解け始めました。
6時半、半開。
萼片も反転しかかっています。
開花直後の花、花粉はヒルザキツキミソウと同じように糸を引いていますが少な目です。
(画面をクリックすると見やすくなります。)
9時頃、開いた花を真横から見ると雌しべが高く突き出て4裂していることがわかります。
右のぼけた塊は3日前に咲いた花の子房、もうかなり大きくなっています。
1時頃、花弁は淡いピンクに染まり内へ巻き始めているように見えます。
2時、花弁の色は辺縁がやや濃くなり張りが失われつつありますが、まだ柱頭には艶があり、花粉も糸を引いています(画面をクリックすると大きくなります)。
徹夜はしません。もうこれでおやすみなさい。
朝7時、まだ開いているような花もありました。
朝9時、そろそろお別れ、ピンクが濃くなり花は萎れていきます。
萼片のスカーフが粋ですね。
小さなポットに蒔いた種が芽生えたもののなかなか大きくならなかったため、花壇に植えました。
するとたちまち大きく育って美しい花を見ることができました。
初花が咲いてから今日でちょうど1週間、ツキミソウに取り憑かれて朝な夕なに、いえ深夜まで花壇を行ったり来たり。
仕事の多忙さと相俟っていささか疲れましたのでここで小休止としました(笑)。
これからできる種子はまたモモイロヒルザキツキミソウのように雨滴散布しそうです。
また一緒に見ているとモモイロヒルザキツキミソウとの比較もしたくなりました。
またのお楽しみとさせていただきます。
月見草
アカバナ科マツヨイグサ属に属する2年草または多年草
(2016.10.2. 追記:この庭では1年草でした。)
学名:Oenothera tetraptera
別名:つきみぐさ、白花夜咲月見草
原産:メキシコ
花期:5〜9月
月見草というと一般には黄色い花が咲くマツヨイグサ(待宵草)を思い浮かべます。
しかし標準和名ツキミソウは夜、白い花が咲くマツヨイグサ属の一種です。
そのツキミソウは江戸時代、マツヨイグサと同じ頃に園芸植物として渡来したものの、繁殖力や適応性が弱いため野生化せず、また園芸植物としても普及しませんでした。
しかし愛好家の間では大切に育てられてきたらしく、今年はその貴重な種子をいただくことができました。
粉末かと思うほど細かい種子でした。
春分の頃種を蒔き、発芽はしたもののなかなか大きくならず心配しました。
5月24日、はじめて大きな蕾を発見!
紅い縁取りのある萼片が蕾を包み込んでいました。
続く萼筒の下の子房は細かい毛に覆われています。
夕方6時半、萼片の隙間から白い花弁が伸び出してきました。
7時少し前、花弁がゆっくり開き始めました。
蕾にカメラを向けている最中、突然むくむくと花弁が広がり始めました。
慌ててパシャリ。
7時過ぎると小さなヘッドライト(LED 電灯色)を点けて撮ります。
後ろのピンクの花は零れ種から広がったモモイロヒルザキツキミソウです。
ツキミソウの葉の方がやや幅広く明るい緑色です。
明るすぎて虫喰いの穴まで見えます。ハムシ(?)にしっかり食べられています。
2花揃って開花。
左はモモイロヒルザキツキミソウ。
ツキミソウの花はモモイロヒルザキツキミソウより少し大きく直径7〜8cmあります。
9時頃、全開の花弁は輝くような純白。
4枚の花弁、大きく4裂した薄黄緑色の柱頭、クリーム色の雄しべ8本。
11時半、深夜の花。
花弁が大きくなり包み込む気配です。柔和な白色。
5月28日、1株5花の豪華版。
虫喰いの葉が被さったのが残念でした。
朝はどうなっているのでしょう。
7時、白かった花はすでにピンクに変わっていました。
花弁は閉じて萼が反転、スカーフを結んだよう。左はヒルザキツキミソウの花です。
8時頃、朝日が当たって逆光に輝くヒルザキツキミソウ。
草丈はヒルザキツキミソウの方が大きく、ツキミソウの倍くらいあります。
一番下の萎んだ2花がツキミソウ。
花は何時頃ピンクに変わるのでしょう。
自庭とはいえ深夜何度も庭に出るのはあまり気持ちの良いものではありません。
ベランダのプランターに1株移植して観察することにしました。
こうすると居間から写真が撮れます。
6時、夕暮れとともに蕾が解け始めました。
6時半、半開。
萼片も反転しかかっています。
開花直後の花、花粉はヒルザキツキミソウと同じように糸を引いていますが少な目です。
(画面をクリックすると見やすくなります。)
9時頃、開いた花を真横から見ると雌しべが高く突き出て4裂していることがわかります。
右のぼけた塊は3日前に咲いた花の子房、もうかなり大きくなっています。
1時頃、花弁は淡いピンクに染まり内へ巻き始めているように見えます。
2時、花弁の色は辺縁がやや濃くなり張りが失われつつありますが、まだ柱頭には艶があり、花粉も糸を引いています(画面をクリックすると大きくなります)。
徹夜はしません。もうこれでおやすみなさい。
朝7時、まだ開いているような花もありました。
朝9時、そろそろお別れ、ピンクが濃くなり花は萎れていきます。
萼片のスカーフが粋ですね。
小さなポットに蒔いた種が芽生えたもののなかなか大きくならなかったため、花壇に植えました。
するとたちまち大きく育って美しい花を見ることができました。
初花が咲いてから今日でちょうど1週間、ツキミソウに取り憑かれて朝な夕なに、いえ深夜まで花壇を行ったり来たり。
仕事の多忙さと相俟っていささか疲れましたのでここで小休止としました(笑)。
これからできる種子はまたモモイロヒルザキツキミソウのように雨滴散布しそうです。
また一緒に見ているとモモイロヒルザキツキミソウとの比較もしたくなりました。
またのお楽しみとさせていただきます。
2015-05-31 21:24
コメント(16)
コマツヨイグサ [草花(夏)]
コマツヨイグサ
小待宵草
アカバナ科マツヨイグサ属
学名:Oenothera laciniata
別名:キレハマツヨイグサ
原産地:北アメリカ
7月21日、休日の楽しみに庭をゆっくり見て回っている時、隣の田んぼとの境界に見覚えのない花を見つけました。
いつのまにか這うように大きく広がってオレンジ色の花を付けています。
マツヨイグサの仲間?
図鑑を見るとやはりマツヨイグサ属のコマツヨイグサにぴったりです。
日本には明治時代末期に渡来し、本州~九州に分布しているそうです。
時すでに11時、花はしぼんでオレンジ色。
萼が反り返っています。
翌朝8時、仕事の前に見に行きました。
花はみな萎みかけていますが、まだ黄色のものもありました。
葉腋から花柄なく直接花がつきます。
一番下から子房、ついで蜜をためる長い花床筒(かしょうとう)、萼、花弁の順です。
花床筒の下部を切って圧すとたしかに甘い蜜が垂れてきました。
葉は互生し無柄、粗い鋸歯があります。
こんなしどけない姿の花もありました。
こうなると夜の花姿も見たくなります。
ヘッドライトを付けて見に行きました。
おー、眩しい程の満開です(22時29分)。
直径約3cmのクリーム色の花が同じ方向に向いて開いています。
まだ蕾の状態のものもありました。小さなクモが絡んでいます。
開花すると萼は反転。
花弁は4枚。雌しべ雄しべはやや濃い黄色。
柱頭のまわりをおしべが囲んでいます。
1時間後もう一度見に行きました(23時28分)。
柱頭が開いています。
蜜は長い花床筒の底にたまりますから、ススメガのように長い口吻をもったガに適した花かと思われますが、昆虫の訪問はほとんどないようでした。
柱頭は4裂、雄しべの花粉はやはりヒルザキツキミソウと同じく糸を引いています。
庭の一部とはいえ道路からも隣家からも見えるので、深夜懐中電灯で照らしながらの観察は不審者と間違えられないよう早々に切り上げました。
花がしおれて花床筒が落ちると、子房が長く太くなります。約3cm。
果実の上部が褐色に変わり、縦に裂け目が出来始めました。
2014.7.23.記事にしたモモイロヒルザキツキミソウのように種子は雨滴散布するのでしょうか?
そうではありませんでした。
子房は深く4裂して種子はそのままこぼれてしまいます。
中心軸のまわりにあったはずの種子は殆ど落ちてしまったらしく、下の方に僅かに残っているだけです。
同じアカバナ科マツヨイグサ属でも果実の形態はヒルザキツキミソウとは異なるものでした。
まだ種子がこぼれていない果実をひとつ採取し、子房を裂いて種子を確認します。
中心軸についていた種子を紙の上に落としました。
種子はモモイロヒルザキツキミソウとよく似ています。
昆虫があまり来てなかったのに結実率はよいということは、花を閉じながら自家受粉しているのでしょうね。
初めに見てからもう2か月になりますが、今朝も花はまだ残っていました。
実はこのコマツヨイグサは要注意外来生物に指定されています。
繁殖力旺盛のようですから来春は幼苗の管理が要りそうです。
7月から書きかけてあったコマツヨイグサ、やっと記事にできました。
今年は秋が早くもうシュウメイギクやホトトギスが咲いています。
パソコンに向かえる時間が少なくなって花に追われるばかりです。
[追加] 2020.10.16.
蕾の画像がなかったようです。室内で撮った写真を拡大して添付しておきます。
小待宵草
アカバナ科マツヨイグサ属
学名:Oenothera laciniata
別名:キレハマツヨイグサ
原産地:北アメリカ
7月21日、休日の楽しみに庭をゆっくり見て回っている時、隣の田んぼとの境界に見覚えのない花を見つけました。
いつのまにか這うように大きく広がってオレンジ色の花を付けています。
マツヨイグサの仲間?
図鑑を見るとやはりマツヨイグサ属のコマツヨイグサにぴったりです。
日本には明治時代末期に渡来し、本州~九州に分布しているそうです。
時すでに11時、花はしぼんでオレンジ色。
萼が反り返っています。
翌朝8時、仕事の前に見に行きました。
花はみな萎みかけていますが、まだ黄色のものもありました。
葉腋から花柄なく直接花がつきます。
一番下から子房、ついで蜜をためる長い花床筒(かしょうとう)、萼、花弁の順です。
花床筒の下部を切って圧すとたしかに甘い蜜が垂れてきました。
葉は互生し無柄、粗い鋸歯があります。
こんなしどけない姿の花もありました。
こうなると夜の花姿も見たくなります。
ヘッドライトを付けて見に行きました。
おー、眩しい程の満開です(22時29分)。
直径約3cmのクリーム色の花が同じ方向に向いて開いています。
まだ蕾の状態のものもありました。小さなクモが絡んでいます。
開花すると萼は反転。
花弁は4枚。雌しべ雄しべはやや濃い黄色。
柱頭のまわりをおしべが囲んでいます。
1時間後もう一度見に行きました(23時28分)。
柱頭が開いています。
蜜は長い花床筒の底にたまりますから、ススメガのように長い口吻をもったガに適した花かと思われますが、昆虫の訪問はほとんどないようでした。
柱頭は4裂、雄しべの花粉はやはりヒルザキツキミソウと同じく糸を引いています。
庭の一部とはいえ道路からも隣家からも見えるので、深夜懐中電灯で照らしながらの観察は不審者と間違えられないよう早々に切り上げました。
花がしおれて花床筒が落ちると、子房が長く太くなります。約3cm。
果実の上部が褐色に変わり、縦に裂け目が出来始めました。
2014.7.23.記事にしたモモイロヒルザキツキミソウのように種子は雨滴散布するのでしょうか?
そうではありませんでした。
子房は深く4裂して種子はそのままこぼれてしまいます。
中心軸のまわりにあったはずの種子は殆ど落ちてしまったらしく、下の方に僅かに残っているだけです。
同じアカバナ科マツヨイグサ属でも果実の形態はヒルザキツキミソウとは異なるものでした。
まだ種子がこぼれていない果実をひとつ採取し、子房を裂いて種子を確認します。
中心軸についていた種子を紙の上に落としました。
種子はモモイロヒルザキツキミソウとよく似ています。
昆虫があまり来てなかったのに結実率はよいということは、花を閉じながら自家受粉しているのでしょうね。
初めに見てからもう2か月になりますが、今朝も花はまだ残っていました。
実はこのコマツヨイグサは要注意外来生物に指定されています。
繁殖力旺盛のようですから来春は幼苗の管理が要りそうです。
7月から書きかけてあったコマツヨイグサ、やっと記事にできました。
今年は秋が早くもうシュウメイギクやホトトギスが咲いています。
パソコンに向かえる時間が少なくなって花に追われるばかりです。
[追加] 2020.10.16.
蕾の画像がなかったようです。室内で撮った写真を拡大して添付しておきます。
2014-09-20 23:52
コメント(14)
ゼフィランサスの果実 [草花(夏)]
ゼフィランサスの果実
ゼフィランサス・カリナタ
学名:Zephyranthes carinata
和名:サフランモドキ
英名:Pink rain lily
原産地:朝日百科植物の世界10-52によれば
「グアテマラに自生し、南アフリカを含む温暖な地域に帰化」。
植物図鑑 Weblio辞書によれば
「中央アメリカから西インド諸島。わが国へは江戸時代の終わりに渡来」。
花期:6〜9月(この庭では7〜8月)
「タマスダレとゼフィランサス」については既に2009年9月29日記事にしました。
この記事について先月ドン・ボルニャーゴの公国のがとさんよりご質問のコメントをいただきました。
これを機に果実について追記してみます。
この庭のゼフィランサス・カリナタは2007年 T社から10球購入したものです。
今ではこの通りまわりの植物達と競いながらたくましく育っています。
花は花弁6枚に見えますがうち3枚は外花被片、内側3枚が内花被です。
雄しべは6本、鮮やかな黄色の葯が目立ちます。
雌しべは1本で白色の花柱が長く突出し柱頭は3裂しています。
今年8月、駐車場脇の花壇にアプリコット色のゼフィランシス サンアントーネや白いタマスダレと競って咲きました(8月13日写)。
3種とも夏は37℃、冬は−5〜6℃にもなるこの地で放りっ放しでも毎年咲いてくれます。
周りの黄色い花は自生のメランポジウム、その前に広がるのはヒメイワダレソウです。
8月下旬、花は終盤、果実が出来ていました。
上記「がとさん」のコメントは結実についての質問でした。
「このブログ記事のゼフィランサス カリナタ(サフランモドキ)はかなりの確率で実がなっているようにみえるのですが、どうですか? そうだとしたらかなり珍しいものだと思うのですが(普通はめったに実ができません)」と。
今まで何も疑問に感じなかったのですが、見直してみるとうちの3種のゼフィランサスの中で最も多く果実が出きるのはカリナタ、少しだけはサンアントーネ、タマスダレはほとんど結実していません。
この上下の画像はたぶんカリナタの果実と思われます。
3つの塊をくっつけたような緑色の蒴果は熟すと上部に裂け目ができます。
これを「胞背裂開」というようです(朝日百科植物の世界10-51)。
中に皺のある黒い種子が数個づつ詰まっています。
果実は大きく開き、種子はたちまち落下します。
果実を数えると未熟のも含めると40個はありました。
種子をがとさんにお送りすることにしました。
交配させて新品種をつくるのにお役に立てば幸いです。
3日後、果実が完熟したかどうか見に行きました。
ところがどうでしょう! 果実はほんの少ししか無いのです!
一体どこへ消えたのでしょう?
果実に変って白黒模様の芋虫がたくさんいました。
ハマオモトヨトウ これが犯人でした!
まるまる太った成虫です。
3日前タマスダレにいたのを見たのですが駆除しなかったので、タマスダレを食べ尽くして移動してきたのでしょう。
茎の中へも侵入して食べ尽くしています。
虫体が透けて見えます。
果実まで食べてしまうのですね! この日は25匹逮捕しました。
そんなわけで採種できた種子は数十個。
しかし種子の半分以上がぺしゃんこでした。これは不稔でしょうね。
これらは全部捨てました。
あとの膨らんだ種子だけお送りしました。
隣のゼフィランサス サンアントーネの花はやさしい色で大好きです。
これは園芸品種です。
結実率はカリタより低くいようですが、同じような果実ができます。
この果実には7個の種子が入っていました。種子は艶があってふっくらしてます。
芽が出るかどうか私も蒔いてみようかと思いました。
ところが翌日見るとこの7個の種子はみなぺしゃんこ!
乾燥すると薄くなるのですね。
ということは不捻性かと思って捨ててしまったカリナタの種子の中にも使えるものがあったかもしれません。
また失敗の卷でした! 知らないことばかりです。
......................................................................................................................................................................................................
お久し振りです。
この8月は私にとって魔の月でした。
次々と予期せぬことが続き、さらにパソコンまで壊れてしまいました。
その後パソコンはかなり修復でき、花の写真は残りましたが、過去のメールは全て消失。
今後、今まで通りに仕事とブログを両立するのは無理なようです。
いっそブログを終了しようかとも思いました。
でもまた画像1枚づつでも続けようかとも迷います。
今回はこの間にコメントをいただいたゼフィランサスについて簡単に追記するつもりでしたが、やはりまた長くなってしまいました。
とりあえずの近況報告です。
ゼフィランサス・カリナタ
学名:Zephyranthes carinata
和名:サフランモドキ
英名:Pink rain lily
原産地:朝日百科植物の世界10-52によれば
「グアテマラに自生し、南アフリカを含む温暖な地域に帰化」。
植物図鑑 Weblio辞書によれば
「中央アメリカから西インド諸島。わが国へは江戸時代の終わりに渡来」。
花期:6〜9月(この庭では7〜8月)
「タマスダレとゼフィランサス」については既に2009年9月29日記事にしました。
この記事について先月ドン・ボルニャーゴの公国のがとさんよりご質問のコメントをいただきました。
これを機に果実について追記してみます。
この庭のゼフィランサス・カリナタは2007年 T社から10球購入したものです。
今ではこの通りまわりの植物達と競いながらたくましく育っています。
花は花弁6枚に見えますがうち3枚は外花被片、内側3枚が内花被です。
雄しべは6本、鮮やかな黄色の葯が目立ちます。
雌しべは1本で白色の花柱が長く突出し柱頭は3裂しています。
今年8月、駐車場脇の花壇にアプリコット色のゼフィランシス サンアントーネや白いタマスダレと競って咲きました(8月13日写)。
3種とも夏は37℃、冬は−5〜6℃にもなるこの地で放りっ放しでも毎年咲いてくれます。
周りの黄色い花は自生のメランポジウム、その前に広がるのはヒメイワダレソウです。
8月下旬、花は終盤、果実が出来ていました。
上記「がとさん」のコメントは結実についての質問でした。
「このブログ記事のゼフィランサス カリナタ(サフランモドキ)はかなりの確率で実がなっているようにみえるのですが、どうですか? そうだとしたらかなり珍しいものだと思うのですが(普通はめったに実ができません)」と。
今まで何も疑問に感じなかったのですが、見直してみるとうちの3種のゼフィランサスの中で最も多く果実が出きるのはカリナタ、少しだけはサンアントーネ、タマスダレはほとんど結実していません。
この上下の画像はたぶんカリナタの果実と思われます。
3つの塊をくっつけたような緑色の蒴果は熟すと上部に裂け目ができます。
これを「胞背裂開」というようです(朝日百科植物の世界10-51)。
中に皺のある黒い種子が数個づつ詰まっています。
果実は大きく開き、種子はたちまち落下します。
果実を数えると未熟のも含めると40個はありました。
種子をがとさんにお送りすることにしました。
交配させて新品種をつくるのにお役に立てば幸いです。
3日後、果実が完熟したかどうか見に行きました。
ところがどうでしょう! 果実はほんの少ししか無いのです!
一体どこへ消えたのでしょう?
果実に変って白黒模様の芋虫がたくさんいました。
ハマオモトヨトウ これが犯人でした!
まるまる太った成虫です。
3日前タマスダレにいたのを見たのですが駆除しなかったので、タマスダレを食べ尽くして移動してきたのでしょう。
茎の中へも侵入して食べ尽くしています。
虫体が透けて見えます。
果実まで食べてしまうのですね! この日は25匹逮捕しました。
そんなわけで採種できた種子は数十個。
しかし種子の半分以上がぺしゃんこでした。これは不稔でしょうね。
これらは全部捨てました。
あとの膨らんだ種子だけお送りしました。
隣のゼフィランサス サンアントーネの花はやさしい色で大好きです。
これは園芸品種です。
結実率はカリタより低くいようですが、同じような果実ができます。
この果実には7個の種子が入っていました。種子は艶があってふっくらしてます。
芽が出るかどうか私も蒔いてみようかと思いました。
ところが翌日見るとこの7個の種子はみなぺしゃんこ!
乾燥すると薄くなるのですね。
ということは不捻性かと思って捨ててしまったカリナタの種子の中にも使えるものがあったかもしれません。
また失敗の卷でした! 知らないことばかりです。
......................................................................................................................................................................................................
お久し振りです。
この8月は私にとって魔の月でした。
次々と予期せぬことが続き、さらにパソコンまで壊れてしまいました。
その後パソコンはかなり修復でき、花の写真は残りましたが、過去のメールは全て消失。
今後、今まで通りに仕事とブログを両立するのは無理なようです。
いっそブログを終了しようかとも思いました。
でもまた画像1枚づつでも続けようかとも迷います。
今回はこの間にコメントをいただいたゼフィランサスについて簡単に追記するつもりでしたが、やはりまた長くなってしまいました。
とりあえずの近況報告です。
2014-09-06 20:33
コメント(16)
モモイロヒルザキツキミソウの雨滴散布 [草花(夏)]
モモイロヒルザキツキミソウの雨滴散布
今月初め多摩NTの住人さんのブログで「アカバナユウゲショウの雨滴散布」を知りました。雨水散布とは雨が降ると果実が開いて種子を散布する仕組です。
雨の代わりに水をかければいつでも実験できるそうです。
うちの庭にはまだモモイロヒルザキツキミソウが少しだけ花を咲かせています。
ユウゲショウとヒルザキツキミソウは同じくアカバナ科マツヨイグサ属。
同じく雨滴散布するかどうか確認したくなりました。
7月3日。
ぷっくりふくらんだモモイロヒルザキツキミソウ(以後ヒルザキツキミソウと略記)の果実。どれが完熟しているのでしょう。
如雨露(じょうろ)で水を掛けてみました。
大きい緑色・えんじ色のストライプの果実と小さい黄褐色・濃褐色の果実は?
10分ほどすると下の果実が開き始めました。
大きくても緑色の果実は未熟らしくまだ開きません。
20分後。
予想通り、ヒルザキツキミソウも水を含むと果実が開きました!
まるで4枚の花弁のある褐色の花のようです。
本物の雨が降った後が見たいと思いましたが、梅雨のはずなのに今年は雨が少なく、タイミングが合いません。
7月13日、やっと雨の止み間に観察することができました。
さすがに水をかけた時よりたくさん褐色の花があります!
下から順に熟した果実が開き、3個目は半開になりました。
一番下の果実の種子は雨が降ればあふれてこぼれるでしょう。
勢いよく落ちた雨滴でははじき飛ばされそうです。
けれども陽が射して乾いてくるとまた閉じます。
上から撮ると一番若い果実はもうきっちり閉まっていました。
この黄色い部分に弾力性があって曲げたり反ったりできるようです。
まだ種子がこぼれていない新しい果実を探しました。
種子が子房の中心軸の周りにピラミッド型に積み上がっています!
ヒルザキツキミソウの果実は4つの心皮からなる蒴果(さくか)です。
いつまで開閉をくり返すのでしょう?
こんな枯れ色になったらもうお終いでしょうか?
また雨が降ってきました。傘をさしての撮影です。
いえいえ10分程で開き始めました。
小雨20分後まだたくさん種子が残っています。
翌朝再確認、種子はかなり減りましたがまだまだあります。
こちらは雨のため種子があふれて落ちていくところです。
白ごまのような種子。
さらさらと流れ過ぎないように粘着性のある膜があるようです。
ほぼ空になった蒴果、もう種子の残りは数個です。
子房の中心軸が残っています。
それでも晴れるとまた閉じるのです。
あ、中心軸がはみだしていますよ。
こちらは外側に種子が落ちずに張り付いています。
黒くなった古い果実は固くて割れません。一つ採って真2つに切ってみました。
中にまだ3個の種子が残っていました。
やはり8稜のうち4稜には開閉するための支柱が入っていますね。
追加
続いて多摩NTの住人さんのブログでヒルザキツキミソウの花の紅いストライプのスカーフが紹介されていました。
その目で見ると、撮り置きの画像にピンぼけながら同じような模様が見つかりました!
もう7月も中旬、庭の花はごく僅かですがうっすらと萼片の辺縁が紅い花がありました。
スカーフは赤ばかりではなく緑色の無地も。
これは案山子卷きとでもいうのでしょうか。
ヒルザキツキミソウはもうお終いと思っていましたが、またまたの登場です。
今回調べ直すと「ヒルザキツキミソウは日本では結実しない」とする文献があるようです。
確かに結実率は帰化植物としては少なく、ほとんど果実を見ない株が多くあります。
むしろ、1枚目の画像のようにたくさん結実している株は例外です。
お蔭様で身近に雨滴散布を確認できる材料があって楽しい観察ができました。
梅雨が明けて猛暑が続きそうです。
蒴果の中に残されたヒルザキツキミソウの種子はどうなるのかと気になります。
今月初め多摩NTの住人さんのブログで「アカバナユウゲショウの雨滴散布」を知りました。雨水散布とは雨が降ると果実が開いて種子を散布する仕組です。
雨の代わりに水をかければいつでも実験できるそうです。
うちの庭にはまだモモイロヒルザキツキミソウが少しだけ花を咲かせています。
ユウゲショウとヒルザキツキミソウは同じくアカバナ科マツヨイグサ属。
同じく雨滴散布するかどうか確認したくなりました。
7月3日。
ぷっくりふくらんだモモイロヒルザキツキミソウ(以後ヒルザキツキミソウと略記)の果実。どれが完熟しているのでしょう。
如雨露(じょうろ)で水を掛けてみました。
大きい緑色・えんじ色のストライプの果実と小さい黄褐色・濃褐色の果実は?
10分ほどすると下の果実が開き始めました。
大きくても緑色の果実は未熟らしくまだ開きません。
20分後。
予想通り、ヒルザキツキミソウも水を含むと果実が開きました!
まるで4枚の花弁のある褐色の花のようです。
本物の雨が降った後が見たいと思いましたが、梅雨のはずなのに今年は雨が少なく、タイミングが合いません。
7月13日、やっと雨の止み間に観察することができました。
さすがに水をかけた時よりたくさん褐色の花があります!
下から順に熟した果実が開き、3個目は半開になりました。
一番下の果実の種子は雨が降ればあふれてこぼれるでしょう。
勢いよく落ちた雨滴でははじき飛ばされそうです。
けれども陽が射して乾いてくるとまた閉じます。
上から撮ると一番若い果実はもうきっちり閉まっていました。
この黄色い部分に弾力性があって曲げたり反ったりできるようです。
まだ種子がこぼれていない新しい果実を探しました。
種子が子房の中心軸の周りにピラミッド型に積み上がっています!
ヒルザキツキミソウの果実は4つの心皮からなる蒴果(さくか)です。
いつまで開閉をくり返すのでしょう?
こんな枯れ色になったらもうお終いでしょうか?
また雨が降ってきました。傘をさしての撮影です。
いえいえ10分程で開き始めました。
小雨20分後まだたくさん種子が残っています。
翌朝再確認、種子はかなり減りましたがまだまだあります。
こちらは雨のため種子があふれて落ちていくところです。
白ごまのような種子。
さらさらと流れ過ぎないように粘着性のある膜があるようです。
ほぼ空になった蒴果、もう種子の残りは数個です。
子房の中心軸が残っています。
それでも晴れるとまた閉じるのです。
あ、中心軸がはみだしていますよ。
こちらは外側に種子が落ちずに張り付いています。
黒くなった古い果実は固くて割れません。一つ採って真2つに切ってみました。
中にまだ3個の種子が残っていました。
やはり8稜のうち4稜には開閉するための支柱が入っていますね。
追加
続いて多摩NTの住人さんのブログでヒルザキツキミソウの花の紅いストライプのスカーフが紹介されていました。
その目で見ると、撮り置きの画像にピンぼけながら同じような模様が見つかりました!
もう7月も中旬、庭の花はごく僅かですがうっすらと萼片の辺縁が紅い花がありました。
スカーフは赤ばかりではなく緑色の無地も。
これは案山子卷きとでもいうのでしょうか。
ヒルザキツキミソウはもうお終いと思っていましたが、またまたの登場です。
今回調べ直すと「ヒルザキツキミソウは日本では結実しない」とする文献があるようです。
確かに結実率は帰化植物としては少なく、ほとんど果実を見ない株が多くあります。
むしろ、1枚目の画像のようにたくさん結実している株は例外です。
お蔭様で身近に雨滴散布を確認できる材料があって楽しい観察ができました。
梅雨が明けて猛暑が続きそうです。
蒴果の中に残されたヒルザキツキミソウの種子はどうなるのかと気になります。
2014-07-23 23:44
コメント(18)