ツクシとスギナ [野草]
ツクシ 土筆
「つくし誰の子 すぎなの子 土手の土そっとあげ
つくしの坊やが のぞいたら 外はそよ風春の風」
と唄われたツクシ、でも正しくはツクシはスギナの子ではなく、スギナの胞子茎です。
スギナ 杉菜
学名:Equisetum arvense
シダ植物門トクサ綱トクサ目トクサ科トクサ属
生垣の南側は農道、その端に毎年ツクシが出ます。
ここでは春の訪れを告げるオオイヌノフグリとツクシが先陣争いをしています。

あっちにもこっちにもツクシの坊や。
ツクシは土筆と書きますが、筆先の部分は胞子嚢の集まり(胞子嚢穂)でここで胞子が作られます。

ツクシは日毎にニョキニョキ大きくなります。
胞子が成熟すると隙間から放出し、筆先の部分はカサカサになります。

以前はツクシ摘みが春の風物詩でしたが、この頃ではあまり摘む人もなくツクシは増々殖えているようです。ここでもオオイヌノフグリとの競演です。
(画像は全て画面をクリックすると大きくなります。)

ここのツクシの穂(胞子嚢穂)は色様々。
緑褐色の穂は胞子未放出、白っぽい穂は放出後です。

胞子が出た後の穂はむしろ華やかでオオイヌノフグリ・ハコベ・スギナとの取り合わせも楽しく映ります。

まだ若いツクシ達です。
土の中からはかまに包まれて出てきます。はかま(葉鞘)は葉が癒合したものだそうです。
ツクシを食べるときはこれくらい若い穂がおいしいですね。

6角形に重なった胞子嚢床の間に隙間が出来始めました。

それぞれいろんな形にひび割れます。
中に緑色の胞子が成熟しつつあります。

胞子放出中。
6角形の胞子嚢床の奥に飛び出している白い部分が胞子嚢、ここから胞子が飛び出します。
2列毎に横に隙間ができる場合が多いようです。

胞子は最上部(緑色の部分)に少し残っていますが、下部ではほとんどなくなりました。

役目を果たして花笠のように輝く穂もあります。
褐色の胞子嚢床の下にある白いレース状の部分が空になった胞子嚢です。

落ちた胞子からすぐにスギナが芽生える訳ではありません。
胞子は地面に落ちて発芽すると雌雄の配偶体(前葉体)になります。
雄の配偶体にできた精子が雌の配偶体の卵と受精するとスギナができるのだそうです。
真ん中にツクシの坊やが頭を覗かせ、周りにはスギナが芽生えています。
このツクシとスギナは地下茎で繋がっているはずです。

ここはツクシが出ず、若いスギナばかり。

石ころばかりの荒れ地にもスギナはたくさん生えています。
一般にスギナと呼ばれているのは緑色のスギナの栄養茎で光合成を行います。
一方、スギナの胞子茎であるツクシには光合成能力がありません。

栄養茎の茎の節には鮮やかな緑色の細い棒状の枝が輪生しています。
枝は上の節ほど短かく、全体を見るとスギの樹のように見えます。
草丈10〜40cm。(この画像のみ2012.3.28.写したものです。)

この道端には田の耕作者によって年2〜3回除草剤が撒かれます。
それでもスギナは絶えません。というよりさらに勢力を伸ばしているようです。
スギナは地上部が枯れても地下茎で生き延びますから、除草が難しく耕作地や庭では最も嫌われる植物です。
たしかにトクサ属は約3億年前に繁茂した化石植物の唯一の生き残りだそうですから、そのたくましさも頷けます。
次に胞子のことを書く予定でしたが長くなりましたので次回にします。
「つくし誰の子 すぎなの子 土手の土そっとあげ
つくしの坊やが のぞいたら 外はそよ風春の風」
と唄われたツクシ、でも正しくはツクシはスギナの子ではなく、スギナの胞子茎です。
スギナ 杉菜
学名:Equisetum arvense
シダ植物門トクサ綱トクサ目トクサ科トクサ属
生垣の南側は農道、その端に毎年ツクシが出ます。
ここでは春の訪れを告げるオオイヌノフグリとツクシが先陣争いをしています。

あっちにもこっちにもツクシの坊や。
ツクシは土筆と書きますが、筆先の部分は胞子嚢の集まり(胞子嚢穂)でここで胞子が作られます。

ツクシは日毎にニョキニョキ大きくなります。
胞子が成熟すると隙間から放出し、筆先の部分はカサカサになります。

以前はツクシ摘みが春の風物詩でしたが、この頃ではあまり摘む人もなくツクシは増々殖えているようです。ここでもオオイヌノフグリとの競演です。
(画像は全て画面をクリックすると大きくなります。)

ここのツクシの穂(胞子嚢穂)は色様々。
緑褐色の穂は胞子未放出、白っぽい穂は放出後です。

胞子が出た後の穂はむしろ華やかでオオイヌノフグリ・ハコベ・スギナとの取り合わせも楽しく映ります。

まだ若いツクシ達です。
土の中からはかまに包まれて出てきます。はかま(葉鞘)は葉が癒合したものだそうです。
ツクシを食べるときはこれくらい若い穂がおいしいですね。

6角形に重なった胞子嚢床の間に隙間が出来始めました。

それぞれいろんな形にひび割れます。
中に緑色の胞子が成熟しつつあります。

胞子放出中。
6角形の胞子嚢床の奥に飛び出している白い部分が胞子嚢、ここから胞子が飛び出します。
2列毎に横に隙間ができる場合が多いようです。

胞子は最上部(緑色の部分)に少し残っていますが、下部ではほとんどなくなりました。

役目を果たして花笠のように輝く穂もあります。
褐色の胞子嚢床の下にある白いレース状の部分が空になった胞子嚢です。

落ちた胞子からすぐにスギナが芽生える訳ではありません。
胞子は地面に落ちて発芽すると雌雄の配偶体(前葉体)になります。
雄の配偶体にできた精子が雌の配偶体の卵と受精するとスギナができるのだそうです。
真ん中にツクシの坊やが頭を覗かせ、周りにはスギナが芽生えています。
このツクシとスギナは地下茎で繋がっているはずです。

ここはツクシが出ず、若いスギナばかり。

石ころばかりの荒れ地にもスギナはたくさん生えています。
一般にスギナと呼ばれているのは緑色のスギナの栄養茎で光合成を行います。
一方、スギナの胞子茎であるツクシには光合成能力がありません。

栄養茎の茎の節には鮮やかな緑色の細い棒状の枝が輪生しています。
枝は上の節ほど短かく、全体を見るとスギの樹のように見えます。
草丈10〜40cm。(この画像のみ2012.3.28.写したものです。)

この道端には田の耕作者によって年2〜3回除草剤が撒かれます。
それでもスギナは絶えません。というよりさらに勢力を伸ばしているようです。
スギナは地上部が枯れても地下茎で生き延びますから、除草が難しく耕作地や庭では最も嫌われる植物です。
たしかにトクサ属は約3億年前に繁茂した化石植物の唯一の生き残りだそうですから、そのたくましさも頷けます。
次に胞子のことを書く予定でしたが長くなりましたので次回にします。
2014-03-26 22:47
コメント(19)
こんにちは。
もうこんなにツクシやスギナが伸びているんですね。
当方ではツクシがちょっと頭を出した程度でスギナは見当たりません。
以前、ツクシとスギナが繋がっているのを、この目で確かめたこともありました。
by 多摩NTの住人 (2014-03-27 08:02)
こんにちは いつもお世話になっております。
北方町の赤塚です。
植物を中心に携帯で撮った写真ブログを立ち上げました。
よろしければお時間があるときにでも
ご覧ください。
by 赤塚久男 (2014-03-27 13:45)
華やかさはないけれど、春の野の花たちは愛らしいですよね。
私の好きな春の姿!
素敵な春便りをありがとうございます。
昨日、学童保育の子供たちがホトケノザを摘んで遊んでいました。
野の草に触れる機会が少ない都会の子供達。ホトケノザを摘んで叱られることはないでしょう。いっぱい遊ぶといいな・・・と思い眺めてきました。
トクサ属は3億年前の生き残りですか・・・ちょっと尊敬の念を持って眺めたいものです。こちらでもきっと見つかるはず!
頑張って下を見ながら歩いてみます。
by oohasi-mama (2014-03-27 13:46)
何度も失礼します
PCがあまり得意ではなく
すみません。
こちらのURLでお願いします
by 赤塚久男 (2014-03-27 13:52)
可愛い 可愛い ツクシの子
いっぱい出てきていましたね~
オオイヌノフグリもハコベも今頃が一番いいとき!
ひびわれの途中も胞子を出しているときも出し切った姿もツクシって飽きないですね
スギナも伸び方が整然として決まりごとに従ってカッコいいと思います。
この間は新聞に「ミモチスギナ」というのが載っていました。
スギナとツクシと合体した格好
まれにみられるそうですがまるで四葉のクローバーを探すような感じだと思いました。
こちらにクローバーが写っているのでヨツバとミモチがあったら幸せが倍増しそうだなんて!!!
by とんちゃん (2014-03-27 15:29)
春が来た春が来た、、、本格的な春の到来ですね。ツクシの様子、姿をじっくり観察することができました。この形が可愛くて、ウキウキ、ワクワクさせますね。子供の頃、子供と一緒の頃、そして孫と。季節がめぐってくるとそんなことを懐かしみながらツクシ探しの目になっています。
この頃はコンビニでも買えるらしいとは少々興ざめですね。
野で見つけるのはうれしいですが、庭では恐怖です。うちの庭にはスギナがあちこちに出てきてやっかいです。
つくしだれのこすぎなのこ、の歌はこういう歌だったんですね。調べてみてもわかりませんでした。ツクシの歌はいろいろありますね。
まどみちおさんの詩にもありました。
「こんなところでまってたの? みんながくるのをまってたの?
つんつんつんつんつくしんぼ おそいなーってまってたの?
せいのびしながらまってたの?」
近くのソメイヨシノが一花、二花ほころび始めました。
春爛漫ももうすぐです。
by 花咲かばあさん (2014-03-27 20:56)
ツクシとオオイヌノフグリとのツーショットが、
喜びに満ちた春の始まりの図で、見てて嬉しくなりますね。
それにしてもツクシがびっしり。
うちでも庭の端からスギナが勢力拡大しているのですが、
ブログを拝見して、ツクシなんて生えているのだろうかと
見に行ってきました。2本だけ見つけましたよ。
去年まではツクシには気づきませんでした。
by 703 (2014-03-27 21:45)
多摩NTの住人さん コメントありがとうございました。
今年初めてツクシを撮ったのは3月11日でしたが、もっと前から出ていたようです。
今ではもうツクシよりスギナが目立つようになっています。
スギナとツクシ、ほんとうに繋がっているかどうか、掘ってみたくなりますね。
by 夕菅 (2014-03-27 22:56)
赤塚久男 さん コメントありがとうございました。
ブログをはじめていらしたのですね。
え?いつから?とさかのぼっていきましたら何と昨年の2月?
また見せて頂きますね。
by 夕菅 (2014-03-27 22:58)
oohasi-mama さんコメントありがとうございました。
ホトケノザで遊ぶ子ども達、思いっきり遊ばせてあげたいですね。
子どもの頃、このスギナの節を抜いてまたそっと差し込み、「どこつーないだ?」と言う遊びをしたことを思い出しました。
最近は都内にはツクシは殆ど見当たらず、抜いたツクシを植木鉢に植えて販売されることもあるそうです。
古典的植物たるスギナの緑はいい色!と思うのですが畑に生えるとやはり必死で抜かざるを得ません。
by 夕菅 (2014-03-27 23:14)
とんちゃん コメントありがとうございました。
ツクシを見るとなぜか郷愁や詩情を感じますね。
「ミモチスギナ」というのは知りませんでした。
調べてみたら長良川の土手にもあるようです。ということは近くの木曽川にもあるかもしれませんので、また注意してみようと思います。
四葉のクローバー探しもあまり得意ではありませんが......。
by 夕菅 (2014-03-27 23:31)
花咲かばあさん コメントありがとうございました。
いつかツクシも書きたいと思っていましたが、この1週間はつくばへ行ったり、仕事も忙しかったりで疲れてブログの更新が遅れました。
ツクシはまだ続きもありますのに、もう庭には春の花達が押し掛けてきていて焦ります。
まどみちおさんのつくしの歌知りませんでした。ありがとうございました。
ツクシ、コンビニでも売っているのですか。驚きますね〜。
by 夕菅 (2014-03-27 23:50)
703 さんコメントありがとうございました。
ここのツクシは農道の端にありますので気楽に眺めていられますが、スギナの勢いは恐ろしいですね。
私はまだ畑ではツクシは見たことが無いのです。どうぞど用心を!
今うちの庭ではラッパスイセンがツクシのような勢いで咲き誇っています。春は焦りますね〜。
by 夕菅 (2014-03-28 00:17)
ツクシが密集して生えていますね。私もツクシを撮りたくて、土手などの辺りを歩き回っているのですが、まばらにしか生えていないので、写真にしてもどうも迫力が出ません。スギナはまだ出ていませんので、まだチャンスはあるかなと思っています。
by エフ・エム (2014-03-29 10:45)
我が家の芝生の中にも土筆とすぎなが生えています。身じかなので今回は良く観察できました。このところケリ、ジョウビタキ、ヒヨドリ等にも出会え発見の喜びを感じつつ春本番のウキウキ気分です。この歳になりみじかな自然に興味を持たせて頂き感謝しています。主人を巻き込み双眼鏡を二人で覗いています。
by リンちゃんママ (2014-03-29 16:48)
エフ・エム さん コメントありがとうございました。
やはりツクシは群生していないと迫力がありませんね。
ツクシばかり生える所とスギナがびっしりでツクシは殆どない所があって、何か条件があるようなのですが、特定できません。
うちの畑に生えるときはツクシは殆どなくスギナばっかりです。
ツクシは関東の方が遅れているようですからまだこれからでしょうね。
by 夕菅 (2014-03-29 17:14)
リンちゃんママ さん コメントありがとうございました。
芝生の中のスギナは取るのがたいへんでしょうね。
駐車場には芝生の代わりにスギナでもいいかと思ったこともありますが、きれいには生え揃わず花壇にも蔓延し始めたのでやはり除去することになりました。
このブログが野鳥や野草に興味をもたれるきっかけになったようで嬉しく思います。お互いに情報交換するのもいいですね。
by 夕菅 (2014-03-29 17:27)
ツクシの観察は夢ですが、今年も叶いませんでした。
実家の庭にツクシが出てスギナもいっぱい繁っていたのですが、今年は見当たりません。
ツクシの形も可愛らしくて、胞子の仕組みも面白いですね。
手足のように動かして生き物のような様子も観察なさったのでしょうね。
楽しみです。
by とんとん (2014-03-30 20:45)
とんとん さん コメントありがとうございました。
関東地方にはツクシはあまり生えなくなってしまったのでしょうか。
こんなに強い植物が激減するとは一体何が作用しているのでしょう?
とはいえ、あまりにもありきたりで、スギナは嫌われ者、というわけで私も最近までスギナの奥深さを知らずに過ごしてきました。
今年は胞子も見ましたよ!体操したりダンスしたり賑やかでした。
by 夕菅 (2014-03-30 21:18)