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完全無農薬の桃 [果樹]

庭に1本の桃の木があります。
20年ほど前、キウイ、柿、リンゴなど次々と果樹を試植し、完全無農薬で育ててみました。
その結果、キウイは豊作だったものの数年後、棚が壊れてしまいました。
富有柿はイラガを手で取って大切に育てましたが、採れた柿は渋くて断念。
林檎は数年間、数個づつ収穫がありましたが、夥しい毛虫と斑点落葉病 に負けました。
桃だけは豊作不作はあるものの、何とか未だに花と実を楽しませてくれています。

4月、水仙や紫花菜などと共に桃満開。
桃満開10wb.jpg

4月10日、桜に比べると素朴な花。
桃開花080327wb.jpg

枝いっぱいに花満開。
桃花10-3wb.jpg

5月9日
緑の葉がみずみずしく繁ったのも束の間アブラムシがついて葉が縮れ(縮葉病)、奇怪な虫瘤(虫えい)が出来ていました。
ここ2〜3年、このような症状が現れますが何もしないで様子をみました。

桃病葉2wb.jpg

6月20日
何とか葉の縮れもなくなり、青い実が育っています。
縮葉病は気温が上がると消えるようです。
桃果実10-1wb.jpg

7月15日
桃の実が赤くなってきました。豊作ではありませんが少しは収穫できそう。
桃100715-1wb.jpg

でも今年は梅雨が長く、まだ桃は甘くはありません。
桃実るwb.jpg

下を見れば赤くなり始めた実がたくさん落ちています。
これもまた、例年この時期毎朝の光景です。
桃落ちるwb.jpg

落果の主な原因は灰星病やモモシンクイガのようです。
桃落ちたwb.jpg

矢印の変色部分は灰星病の初期。
桃灰星病wb.jpg

カナブンがかじったらしい痕。
桃虫食い07wb.jpg

7月17日 梅雨明け。真夏の日光を浴びて桃は甘くなります。
7月23日、朝から桃の木にスズメやヒヨドリが集まっていました。
そばヘ行くとカナブンが何匹もブンブン飛び交っています。
彼らは収穫の適期を教えてくれます。
鳥や虫が集まればもう完熟、さあ、今日は収穫しましょう。

桃完熟wb2.jpg

こうして並べるととても美味しそうな桃。
桃5個wb.jpg

でも裏を返せば殆ど皆どこかに難あり。
虫は外からかじるカナブンと中へ入り込むモモシンクイガが大敵です。
収穫が遅れるとヒヨドリやスズメがえぐり取ったように深くまで食べてしまいます。

桃病虫害Lwb.jpg

完全無農薬で桃を育てるとこういう結果になりました。
肥料は寒の頃の油粕とうちの落ち葉を積んで作った堆肥です。
最近有名になられた青森の無農薬リンゴの木村秋則さんは農薬の代わりに食酢やワサビを用いられるようですが、私の桃はこれらも無し、摘果や袋掛けも全く無しです。
もちろんこれでは市場へは出せません。宅急便で送るのも心配です。灰星病は小さな病変でも1日でわーっと広がるからです。
美味しいものほど鳥や虫に狙われます。私はこうした小さな難ありの桃も、冷蔵庫へ入れておいて傷んだところを取り除いて食べます。
味は一個一個いろいろですが、美味しいのは本当にすっきりした透明な甘さを感じます。
これは有名果実店の高価な大きな白桃にも勝ると思っています。

・・・暑さ厳しい愛知県の平地で1株の桃を約20年間、完全無農薬栽培した記録です。






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