コフキサルノコシカケ [その他の植物]
コフキサルノコシカケ
ヒダナシタケ目マンネンタケ科
学名: Ganoderma applanatum
世界に広く分布。広葉樹の生木や枯木に発生。
多年生。大きいものでは幅50cmにも発育。
2014年 8月 3日。
モモの幹の下の方に突如生え出したきのこはサルノコシカケでしょうか?
昨年この桃の木にはテッポウムシが入りました。
業者の方に駆除してもらいましたが、サルノコシカケが着くのは枯れる前兆かと心配です。
ところでこれは本当に「サルノコシカケ」でいいのかと調べると・・・意外や意外!
サルノコシカケ科はあってもサルノコシカケという種はないと!
このきのこはコフキサルノコシカケのようです。
しかも、サルノコシカケ科ではなくマンネンタケ科!
傘の表面には灰白色から茶褐色の年輪状の環紋が波模様のように広がり、外縁は白く縁取られています。
真正面から見ると下面も真っ白で柔らかそう。
きのこの記載は初めてで用語が全くわかりません。
まず、このきのこ全体を子実体と呼びます。
傘の下の白い部分は子実層托で胞子を形成します。
子実層托は典型的には管孔状だそうですが、ヒダ状のきのこが多いためか コフキサルノコシカケは「ヒダナシタケ目」です。
9月7日。
褐色調が増して外縁の白色の部分が狭くなっています。
大きさ幅約10cm、奥行き6cm。中心部に細かい亀裂が見られます。
9月18日。
全体に褐色の濃淡になり、外縁部にまで4本の深い亀裂が入りました。
よく見ると傘の褐色の濃い部分や幹の樹皮にはココアの粉を撒いたように見える部分があります。
これがコフキサルノコシカケの特徴ですが、典型例ではもっと顕著です。
ホースで散水する時流してしまったのでしょうか? 予備知識がなかったので好機を見逃し、胞子を顕微鏡で見ることもできなかったことが悔やまれます。
9月28日。
胞子の放出も終盤のようです。それにしても傘の下で放出された胞子が傘の上にたくさん付着するのがふしぎです。
それは「放出された担子胞子が子実体と異なる極性に帯電しており、いったん空気中に放出された胞子が子実体にもう一度引き寄せられる」からだそうです。
(吹春俊光.2008.菌類のふしぎ 国立科学博物館編 58. 東海大学出版会)
10月23日。
ココア色は薄れ、再び白っぽく乾燥した感じになりました。
11月11日、さらに灰色がかってきました。
きのこは一つだけで多発しなかったから桃は枯れないかもしれませんね。
2015年 1月12日、灰色が濃くなりすっかり硬くなりました。
とんと叩いたら落ちるかと思いましたが、とんでもない! かんかんです。
下面はどうなっているのでしょう。
低くて覗けないのでコンデジで下から写しました。
管孔面は細かい穴の空いたプラスチックのように見えます。
これで「コフキサルノコシカケ」を終了しようとした時、また新たな情報を見つけました。
コフキサルノコシカケによく似た オオミノコフキタケ Ganoderma tornatum があり、むしろ平地ではこの可能性が高いというのです(丹沢大山総合調査学術報告書 (2007) )。
その鑑別にはきのこの断面を作らねばなりませんし、それでも確定できるかどうかわかりません。
今や硬くて叩いても剥がれないため鋸で挽くしかなさそうですが、このきのこがこれからどうなるのかも見たいし、桃の木も傷めたくないのでこれまでとしました。
2006年、我が家のシンボルツリーであったケヤキが枯れて伐採した後、切り株に大きなサルノコシカケのようなきのこが発生しました。
これはカイメンタケ(サルノコシカケ科カイメンタケ属)の写真と似ていますが、確定するのは難しそうです。
「コフキサルノコシカケは以前はコフキサルノコシカケ属として別種に分類されることが多かったが、現在では胞子の形状からマンネンタケ属に含めることが多い」(服部 力. 1997. 朝日百科 キノコの世界 95. 朝日新聞社)そうです。
一般に不老長寿の薬サルノコシカケといわれる生薬は大量生産ができるマンネンタケ(和名:霊芝(れいし))が主原料といわれています。
『追加』コフキサルノコシカケやサルノコシカケ科の菌は木材腐朽菌の一つで、古木や木製建造物などを腐らせることがあります。
この庭においた陶卓下面の板が腐ったときもサルノコシカケ型のきのこが多発しました。
簡単そうだと思ったこのきのこも調べるほど難しくなりたいへんでした。
誤りがありましたらお教え頂けますようお願いいたします。
ヒダナシタケ目マンネンタケ科
学名: Ganoderma applanatum
世界に広く分布。広葉樹の生木や枯木に発生。
多年生。大きいものでは幅50cmにも発育。
2014年 8月 3日。
モモの幹の下の方に突如生え出したきのこはサルノコシカケでしょうか?
昨年この桃の木にはテッポウムシが入りました。
業者の方に駆除してもらいましたが、サルノコシカケが着くのは枯れる前兆かと心配です。
ところでこれは本当に「サルノコシカケ」でいいのかと調べると・・・意外や意外!
サルノコシカケ科はあってもサルノコシカケという種はないと!
このきのこはコフキサルノコシカケのようです。
しかも、サルノコシカケ科ではなくマンネンタケ科!
傘の表面には灰白色から茶褐色の年輪状の環紋が波模様のように広がり、外縁は白く縁取られています。
真正面から見ると下面も真っ白で柔らかそう。
きのこの記載は初めてで用語が全くわかりません。
まず、このきのこ全体を子実体と呼びます。
傘の下の白い部分は子実層托で胞子を形成します。
子実層托は典型的には管孔状だそうですが、ヒダ状のきのこが多いためか コフキサルノコシカケは「ヒダナシタケ目」です。
9月7日。
褐色調が増して外縁の白色の部分が狭くなっています。
大きさ幅約10cm、奥行き6cm。中心部に細かい亀裂が見られます。
9月18日。
全体に褐色の濃淡になり、外縁部にまで4本の深い亀裂が入りました。
よく見ると傘の褐色の濃い部分や幹の樹皮にはココアの粉を撒いたように見える部分があります。
これがコフキサルノコシカケの特徴ですが、典型例ではもっと顕著です。
ホースで散水する時流してしまったのでしょうか? 予備知識がなかったので好機を見逃し、胞子を顕微鏡で見ることもできなかったことが悔やまれます。
9月28日。
胞子の放出も終盤のようです。それにしても傘の下で放出された胞子が傘の上にたくさん付着するのがふしぎです。
それは「放出された担子胞子が子実体と異なる極性に帯電しており、いったん空気中に放出された胞子が子実体にもう一度引き寄せられる」からだそうです。
(吹春俊光.2008.菌類のふしぎ 国立科学博物館編 58. 東海大学出版会)
10月23日。
ココア色は薄れ、再び白っぽく乾燥した感じになりました。
11月11日、さらに灰色がかってきました。
きのこは一つだけで多発しなかったから桃は枯れないかもしれませんね。
2015年 1月12日、灰色が濃くなりすっかり硬くなりました。
とんと叩いたら落ちるかと思いましたが、とんでもない! かんかんです。
下面はどうなっているのでしょう。
低くて覗けないのでコンデジで下から写しました。
管孔面は細かい穴の空いたプラスチックのように見えます。
これで「コフキサルノコシカケ」を終了しようとした時、また新たな情報を見つけました。
コフキサルノコシカケによく似た オオミノコフキタケ Ganoderma tornatum があり、むしろ平地ではこの可能性が高いというのです(丹沢大山総合調査学術報告書 (2007) )。
その鑑別にはきのこの断面を作らねばなりませんし、それでも確定できるかどうかわかりません。
今や硬くて叩いても剥がれないため鋸で挽くしかなさそうですが、このきのこがこれからどうなるのかも見たいし、桃の木も傷めたくないのでこれまでとしました。
2006年、我が家のシンボルツリーであったケヤキが枯れて伐採した後、切り株に大きなサルノコシカケのようなきのこが発生しました。
これはカイメンタケ(サルノコシカケ科カイメンタケ属)の写真と似ていますが、確定するのは難しそうです。
「コフキサルノコシカケは以前はコフキサルノコシカケ属として別種に分類されることが多かったが、現在では胞子の形状からマンネンタケ属に含めることが多い」(服部 力. 1997. 朝日百科 キノコの世界 95. 朝日新聞社)そうです。
一般に不老長寿の薬サルノコシカケといわれる生薬は大量生産ができるマンネンタケ(和名:霊芝(れいし))が主原料といわれています。
『追加』コフキサルノコシカケやサルノコシカケ科の菌は木材腐朽菌の一つで、古木や木製建造物などを腐らせることがあります。
この庭においた陶卓下面の板が腐ったときもサルノコシカケ型のきのこが多発しました。
簡単そうだと思ったこのきのこも調べるほど難しくなりたいへんでした。
誤りがありましたらお教え頂けますようお願いいたします。
2015-01-26 23:04
コメント(13)
青花ウサギゴケ [その他の植物]
新年早々、卯年に因んでウサギゴケという植物があることを知りました。
ネット検索すると、かわいい花が出てきて、何とこの寒中でも通販可能。
しかし、栽培には10度以上の気温と湿地環境を保たねばなりません。
迷った末にあきらめました。
ところが、さるべきにやありけん、翌日宅配便にて到着ということに相成りました。
但しふつうの白花は既に売り切れ、届いたのは青花ウサギゴケです。
苗は直径6cm高さ5cmのポット入り、水苔栽培品。
とりあえず、ガラス容器と有り合わせの植木鉢に入れました。
小さな花が2〜3個づつ咲いています。
小さなうさぎがスカートを広げてポーズをとっているよう。
花の大きさは縦横ともに7~8mmが多い。右は蕾です。
ウサギゴケ
タヌキモ科 タヌキモ属 ( ミミカキグサの仲間 )
学名:Utricularia sandersonii
南アフリカ原産 常緑多年草
この青花ウサギゴケは密生した葉の間から1~2cm立ち上がった花茎に1花づつ咲いています。白花種では1茎に2〜3花づつ咲くようです。
後に長い距があってしっぽのように見えますが、うさぎのしっぽは短かったですね。
左は蕾。
雄しべが覗いてます。
側面と後面。長い距が特徴です。
若草色の小さな円いへら状の葉は厚く艶やかで、糸のような茎が伸びて盛んに増殖しています。
驚いたことに、ウサギゴケは 食虫植物の仲間でした。
しかしモウセンゴケのように空中の昆虫を捕らえるのではなく、タヌキモやミミカキグサと同じく、水中の小さな生物を取りこむのだそうです。
鉢から取り出して根の部分を見ました。
白い糸のような茎が水苔の中に伸び、そこに小さな袋がたくさん付いています。
この袋は捕虫嚢と呼ばれ、水を吸い込んでその中に入ったプランクトンなどを消化するのだそうです。
表面に近い茎を取り出して観察すると1本の茎から葉と捕虫嚢の両方が出ています。
捕虫嚢を顕微鏡で見ました。水は右側の入り口から取り込まれます。
モニターの条件を変えると偶然こんな画面が得られました。
吸い込み口の毛状の突起が輝いています。
波田研HPのヒメタヌキモの項には「捕虫嚢は内部が陰圧になっており、先端には感覚毛がある。この感覚毛にプランクトンが触れると口が内側に開き、プランクトンを吸い込む仕組みである。」と書かれています。
ウサギゴケも同じような構造でしょうか。
上から圧迫して袋から水を押し出しました。
3個試しましたが、この中に動いている生物を見つけることはできませんでした。
中には藻かと思われる細い線状構造物が目立ちました。共生かもしれません。
今年の干支に因む置物のつもりで購入した青花ウサギゴケはこんなにも奥の深い植物でした。
タヌキモやミミカキグサも未だ見たことがない私はこの10日間とりこになりました(笑)。
ウサギゴケは肥料もいらず、水と気温の管理をすれば良く育つそうです。
けれども当地の酷暑の夏が越えられるかしらとまた按じられます。
追記(2011.1.30.)
ちいさんからコメントをいただいたので、今一度地下茎の伸び方を見てみました。
かなり深くまで白い地下茎が伸びて捕虫嚢も新生されています。浸水しない部分では地下茎から円くはなくて長い葉が出て光の方へ伸びています。(画面をクリックすると大きくなります。)
一部にかなり伸びた長い葉を見つけました。
これは水中で生育するタヌキモ属を思わせますが、やはり葉は水中に向かわず上に伸びていくようです。
ウサギゴケの花はとても長持ちします。もう3週間経つのにまだ耳もピンピン。世話いらずのペットです。
宿題:ちいさんからのコメントに応じて葉の一部をたっぷりの水に浸してみました。さて?
ネット検索すると、かわいい花が出てきて、何とこの寒中でも通販可能。
しかし、栽培には10度以上の気温と湿地環境を保たねばなりません。
迷った末にあきらめました。
ところが、さるべきにやありけん、翌日宅配便にて到着ということに相成りました。
但しふつうの白花は既に売り切れ、届いたのは青花ウサギゴケです。
苗は直径6cm高さ5cmのポット入り、水苔栽培品。
とりあえず、ガラス容器と有り合わせの植木鉢に入れました。
小さな花が2〜3個づつ咲いています。
小さなうさぎがスカートを広げてポーズをとっているよう。
花の大きさは縦横ともに7~8mmが多い。右は蕾です。
ウサギゴケ
タヌキモ科 タヌキモ属 ( ミミカキグサの仲間 )
学名:Utricularia sandersonii
南アフリカ原産 常緑多年草
この青花ウサギゴケは密生した葉の間から1~2cm立ち上がった花茎に1花づつ咲いています。白花種では1茎に2〜3花づつ咲くようです。
後に長い距があってしっぽのように見えますが、うさぎのしっぽは短かったですね。
左は蕾。
雄しべが覗いてます。
側面と後面。長い距が特徴です。
若草色の小さな円いへら状の葉は厚く艶やかで、糸のような茎が伸びて盛んに増殖しています。
驚いたことに、ウサギゴケは 食虫植物の仲間でした。
しかしモウセンゴケのように空中の昆虫を捕らえるのではなく、タヌキモやミミカキグサと同じく、水中の小さな生物を取りこむのだそうです。
鉢から取り出して根の部分を見ました。
白い糸のような茎が水苔の中に伸び、そこに小さな袋がたくさん付いています。
この袋は捕虫嚢と呼ばれ、水を吸い込んでその中に入ったプランクトンなどを消化するのだそうです。
表面に近い茎を取り出して観察すると1本の茎から葉と捕虫嚢の両方が出ています。
捕虫嚢を顕微鏡で見ました。水は右側の入り口から取り込まれます。
モニターの条件を変えると偶然こんな画面が得られました。
吸い込み口の毛状の突起が輝いています。
波田研HPのヒメタヌキモの項には「捕虫嚢は内部が陰圧になっており、先端には感覚毛がある。この感覚毛にプランクトンが触れると口が内側に開き、プランクトンを吸い込む仕組みである。」と書かれています。
ウサギゴケも同じような構造でしょうか。
上から圧迫して袋から水を押し出しました。
3個試しましたが、この中に動いている生物を見つけることはできませんでした。
中には藻かと思われる細い線状構造物が目立ちました。共生かもしれません。
今年の干支に因む置物のつもりで購入した青花ウサギゴケはこんなにも奥の深い植物でした。
タヌキモやミミカキグサも未だ見たことがない私はこの10日間とりこになりました(笑)。
ウサギゴケは肥料もいらず、水と気温の管理をすれば良く育つそうです。
けれども当地の酷暑の夏が越えられるかしらとまた按じられます。
追記(2011.1.30.)
ちいさんからコメントをいただいたので、今一度地下茎の伸び方を見てみました。
かなり深くまで白い地下茎が伸びて捕虫嚢も新生されています。浸水しない部分では地下茎から円くはなくて長い葉が出て光の方へ伸びています。(画面をクリックすると大きくなります。)
一部にかなり伸びた長い葉を見つけました。
これは水中で生育するタヌキモ属を思わせますが、やはり葉は水中に向かわず上に伸びていくようです。
ウサギゴケの花はとても長持ちします。もう3週間経つのにまだ耳もピンピン。世話いらずのペットです。
宿題:ちいさんからのコメントに応じて葉の一部をたっぷりの水に浸してみました。さて?
2011-01-16 17:47
コメント(22)
ナタマメ [その他の植物]
ナタマメ
マメ科 ナタマメ属
和名:鉈豆 中国名:刀豆 英名:sword bean
学名:Canavalia gladiata
熱帯アジア原産
先日、花*花・Flora の Blog ハマナタマメにナタマメのことをコメントしたのが縁で、ナタマメの古い写真を並べることになりました。
5年前、コマーシャル入りの軽い缶詰を一つもらいました。
缶を開け、水を入れて窓辺に置くと発芽し、商品名が入った大きな豆が現れ、どんどん葉が出て蔓が延びていきます。これがナタマメの苗だったのです。
物は試しと庭のニンジンボクの根元に植えました。
するとたちまち2m、3mと蔓が伸びてニンジンボクに絡み、大きな実をぶら下げました。
2005年10月28日。
「ジャックと豆の木」のヒントになったというのも頷ける成長ぶりです。
この写真に大小5本の果実があるのですがわかりますか?
(画面をクリックすると大きくなります。)
大きい果実は30cmにもなりました。やや弯曲した扁平な豆果です。
12月18日、葉が霜で変色してから収穫しました。
完熟した豆果の鞘は硬く、ずしりと重かった覚えです。
ナタマメとはよく名付けたものです。本当に鉈(なた)のようです。
鞘を開けると白い綿のような膜に包まれた種子が12個も並んでいました。
右の3個は膜を取り除いたところです。光沢のある淡紅色の大きな豆でした。
下の赤いものは、完熟のシシトウです。
きれいな赤い豆、おいしそう!
いえいえ、ダメです!缶に「食べられません」と書いてあったはずです。
このナタ1本、缶を頂いた方にさしあげました。
すると翌年また2缶いただいてしまいました。
今度は垣根に絡ますことにしました。垣根の高さは1.8m。
2006年 8月26日。
左の赤い花はニオイニンドウ。真ん中がナタマメ2株。
右下はスイカズラです。
クリックして拡大しますと花や果実が見えます。
花はほのかなピンク色。
花の拡大像。
若い豆果。
今年は他人の目に入る場所なので名札を付けました。
「 な た ま め
(たべられません) 」
2006年10月15日。
肥料っ気の少ない土に植えたはずですが、果実がたくさん出来ています。
2006年11月 9日。
左の円い果実はこぼれ種で生えたフウセンカズラ。
ナタマメは良く熟して黄色っぽくなってきました。
2006年12月21日。 収穫。
2株で30本。大収穫なのに食べられなくて残念。
(真ん中にあるのはキウイフルーツ。)
ナタマメについて調べますと日本では江戸時代初期に中国から渡来し、今なお九州や中国地方の一部では商業栽培も続けられています。
ナタマメの利用法として最もよく知られているのは、福神漬け。
福神漬けの中にあるプラナリアのような形のものがスライスした若いナタマメの果実です。
「なた豆茶」・生薬(刀豆)・白餡などにも活用されています。
若い果実は薄く切って炒めたり、茹でたりしても食べられるそうです。
ナタマメで問題になるのはその毒性についてです。
それは花や種子の色によって異なるようですので下記にまとめてみます。
近縁種のタチナタマメ(Canavalia ensiformis)についても併記します。
ナタマメ
アカナタマメ 赤い豆 赤い花 毒性:完熟種子に僅かにあり。
シロナタマメ 白い豆 白い花 毒性:無し
近縁種
タチナタマメ 白い豆 淡紫色の花 毒性: 完熟種子に強い毒性あり。
ナタマメの毒性物質には溶血作用のあるサポニン、青酸配糖体 、有毒性アミノ酸のカナバニン ・コンカナバリンA があげられ、中毒は主に胃腸症状として現れるようです。
赤いナタマメも水にさらしたり、煮たり、煎ったり、醗酵させたりして無毒化する方法があり、商品としても利用されています。毒にも薬にもなり得るといえます。
近年この赤花種の種子にレーザーで文字を彫り「缶入りメッセージ豆」として玩具メーカーから発売され、宣伝用にも用いられたので、その毒性が問題になりましたね。
アカナタマメを育てて若い果実を調理・試食した方もあるようです。
私はまた機会があれば今度は安全な白ナタマメを栽培し、どんな味か試してみたくなりました。
『余話』
世界で一番大きい豆 モダマ(藻玉)。
ずっーと前に園芸店の片隅で見つけて購入した私の宝物です。
長さ72cm。豆の直径 4.5cm。木質化して彫物のよう。
右端は中の豆が見えるように鞘を外したところです。
東南アジア原産。大きい物は1.5mにもなるそうです。
マメ科 ナタマメ属
和名:鉈豆 中国名:刀豆 英名:sword bean
学名:Canavalia gladiata
熱帯アジア原産
先日、花*花・Flora の Blog ハマナタマメにナタマメのことをコメントしたのが縁で、ナタマメの古い写真を並べることになりました。
5年前、コマーシャル入りの軽い缶詰を一つもらいました。
缶を開け、水を入れて窓辺に置くと発芽し、商品名が入った大きな豆が現れ、どんどん葉が出て蔓が延びていきます。これがナタマメの苗だったのです。
物は試しと庭のニンジンボクの根元に植えました。
するとたちまち2m、3mと蔓が伸びてニンジンボクに絡み、大きな実をぶら下げました。
2005年10月28日。
「ジャックと豆の木」のヒントになったというのも頷ける成長ぶりです。
この写真に大小5本の果実があるのですがわかりますか?
(画面をクリックすると大きくなります。)
大きい果実は30cmにもなりました。やや弯曲した扁平な豆果です。
12月18日、葉が霜で変色してから収穫しました。
完熟した豆果の鞘は硬く、ずしりと重かった覚えです。
ナタマメとはよく名付けたものです。本当に鉈(なた)のようです。
鞘を開けると白い綿のような膜に包まれた種子が12個も並んでいました。
右の3個は膜を取り除いたところです。光沢のある淡紅色の大きな豆でした。
下の赤いものは、完熟のシシトウです。
きれいな赤い豆、おいしそう!
いえいえ、ダメです!缶に「食べられません」と書いてあったはずです。
このナタ1本、缶を頂いた方にさしあげました。
すると翌年また2缶いただいてしまいました。
今度は垣根に絡ますことにしました。垣根の高さは1.8m。
2006年 8月26日。
左の赤い花はニオイニンドウ。真ん中がナタマメ2株。
右下はスイカズラです。
クリックして拡大しますと花や果実が見えます。
花はほのかなピンク色。
花の拡大像。
若い豆果。
今年は他人の目に入る場所なので名札を付けました。
「 な た ま め
(たべられません) 」
2006年10月15日。
肥料っ気の少ない土に植えたはずですが、果実がたくさん出来ています。
2006年11月 9日。
左の円い果実はこぼれ種で生えたフウセンカズラ。
ナタマメは良く熟して黄色っぽくなってきました。
2006年12月21日。 収穫。
2株で30本。大収穫なのに食べられなくて残念。
(真ん中にあるのはキウイフルーツ。)
ナタマメについて調べますと日本では江戸時代初期に中国から渡来し、今なお九州や中国地方の一部では商業栽培も続けられています。
ナタマメの利用法として最もよく知られているのは、福神漬け。
福神漬けの中にあるプラナリアのような形のものがスライスした若いナタマメの果実です。
「なた豆茶」・生薬(刀豆)・白餡などにも活用されています。
若い果実は薄く切って炒めたり、茹でたりしても食べられるそうです。
ナタマメで問題になるのはその毒性についてです。
それは花や種子の色によって異なるようですので下記にまとめてみます。
近縁種のタチナタマメ(Canavalia ensiformis)についても併記します。
ナタマメ
アカナタマメ 赤い豆 赤い花 毒性:完熟種子に僅かにあり。
シロナタマメ 白い豆 白い花 毒性:無し
近縁種
タチナタマメ 白い豆 淡紫色の花 毒性: 完熟種子に強い毒性あり。
ナタマメの毒性物質には溶血作用のあるサポニン、青酸配糖体 、有毒性アミノ酸のカナバニン ・コンカナバリンA があげられ、中毒は主に胃腸症状として現れるようです。
赤いナタマメも水にさらしたり、煮たり、煎ったり、醗酵させたりして無毒化する方法があり、商品としても利用されています。毒にも薬にもなり得るといえます。
近年この赤花種の種子にレーザーで文字を彫り「缶入りメッセージ豆」として玩具メーカーから発売され、宣伝用にも用いられたので、その毒性が問題になりましたね。
アカナタマメを育てて若い果実を調理・試食した方もあるようです。
私はまた機会があれば今度は安全な白ナタマメを栽培し、どんな味か試してみたくなりました。
『余話』
世界で一番大きい豆 モダマ(藻玉)。
ずっーと前に園芸店の片隅で見つけて購入した私の宝物です。
長さ72cm。豆の直径 4.5cm。木質化して彫物のよう。
右端は中の豆が見えるように鞘を外したところです。
東南アジア原産。大きい物は1.5mにもなるそうです。
2010-09-24 23:41
コメント(10)