SSブログ
庭便り(夏秋) ブログトップ

転居 [庭便り(夏秋)]

2018年9月27日 茨城県つくば市へ転居しました。

43年間仕事場兼住居であったこの土地を離れることは大きな決断でした。
「夕菅の庭」にも今だに思いが残っています。

このブログは私の備忘録としても残しておこうと思います。
一方、新しい土地ではまた気楽なブログを始めることにしました。

「夕菅の日記」https://yuusuget-tsukuba.hatenadiary.com

長い間、ご訪問いただきまして本当にありがとうございました。

ユウスゲ20120712wb.jpg
コメント(4) 

黒い実4種  [庭便り(夏秋)]

黒い実4種

今日はクイズです。
この真っ黒な実 4種、何の実でしょう?
夕菅の庭にこの季節に実っていたものばかりです。

黒い実wb2.jpg

採取した時の画像です。これならわかりますか?
順に種明かししましょう。
黒い実3wb2.jpg

1 第一問です。
直径6mmの球形。鈍い光沢があります。
1つの蒴果の中に黒い種子が8〜12個入っていることが多いようです。
さあ、何でしょう? 
ダンドク実1017ー1wb.jpg
答は ダンドク(カンナの原種)。
ダンドクは 2012.10.14.ダンドクの記事にしました。
硬い弾丸のような種子です。
初めはナイフでこわごわ傷をつけて水に浸してから丁寧に種まきしました。
その後零れ種で自然に育っている苗を見つけ、そのまま埋めたところ、無事発芽。
防寒しなくても大株に育っています。
ダンドク実1020wb2.jpg

カンナに比べて小さな花ですが、この朱赤色は何度見ても飽きません。
ダンドク2015-1wb.jpg

2 次の 1個だけの種子は何でしょう? 
大きさ 6x6x7mm。
8月17日、アジサイの葉陰に激しい赤と黒の造形を見つけました。
ヤマシャクヤク果実2wb2.jpg

何とこれはヤマシャクヤクの袋果です!
清純無垢な花を咲かせるヤマシャクヤクとは信じがたい派手な姿です。
ヤマシャクヤク201404010-2wb.jpg

花から実へどのように変わっていくのか、過去の写真から辿ってみましょう。
(以下は同一の花ではありません。)
花は満開、花粉が出尽くす頃、3本の雌しべが目立っています。
ヤマシャクヤク2016-4wb2.jpg

花弁と雄しべが散り、雌しべの子房が膨らんでバナナのような形になってきました。
ヤマシャクヤク果実赤wb.jpg

袋果に割れ目ができました。
ヤマシャクヤクの果実wb.jpg

割れて赤いザクロのような偽種が出現。
この赤い種子は不稔です。
ヤマシャクヤクの種wb.jpg

3個の袋果が全開したところです。
ここには完熟した黒い種子は見つかりません。
この庭でヤマシャクヤクの花が10個くらい咲きましたが、種子を見るのは初めてです。
ヤマシャクヤク果実2016-2wb.jpg

3 第3問です。
大きさ6x7x8mm。
1花に3〜4個の光沢ある黒い実が出来ています。
シロヤマブキの実5wb.jpg

そうです!シロヤマブキ(バラ科シロヤマブキ属)です。
黒い実は花が咲く4月になってもまだ多数残っています。
「みのひとつだになきぞ悲しき」のヤマブキは八重の黄色の花を咲かせるヤマブキ属。
シロヤマブキはしっかり実を作ります。
シロヤマブキ20150412wb2.jpg

葉は対生で葉脈の掘りが深い。
シロヤマブキ花1wb.jpg

花は花弁4枚、萼4枚。雌しべ4本。黒い実は痩果。
花弁の形がそれぞれ少しづつ異なり、趣があります。
(まだこのブログには登場していません。)
シロヤマブキ11wb2.jpg

4 最後の真っ黒な実です。
これぞ、射干玉(ぬばたま)。5x5x6mm。
ヌバタマ2wb2.jpg

種子の形はヒオウギと同じだと思いますが、この庭にあるのはヒオウギの園芸種。
キャンディリリーとして2015.9.2.記事にしました。
種皮は意外に柔らかく、押すと凹みます。
ヒオウギ実2017-1wb.jpg

この写真は昨年最も花が多かった時に写したものです。
ヒオウギ1-2016wb.jpg

キャンディリリーの花にはヒオウギのような斑点がありません。
ヒオウギ1花wb.jpg

お疲れ様でした。
ヤマシャクヤクの黒い種子、発芽するかどうか試してみます。
コメント(16) 

センニンソウとキイロハバチ  [庭便り(夏秋)]

センニンソウ
 仙人草
 キンポウゲ科センニンソウ属の木性つる植物
 学名: Clematis terniflora
 分布:日本各地・朝鮮半島南部・中国・台湾

10年ほど前にセンニンソウの苗を植えました。
花は咲いたのですが、花後のひげを見るには至らず枯れてしまいました。
3年前に再び苗を購入、これはこの時開花した花です。
センニンソウ2012wb.jpg

直径約3cmの白い花がたくさん集まって上むきに咲いています。
でもこの花もひげや果実は見られずみすぼらしく終わりました。
センニンソウ20080923wb.jpg

その後は昨年も一昨年も花が咲く前に蕾も葉も全部虫に食べられ、もう諦めようかと思ったほどでした。
それでも枯れはせず、今年はまた花が咲き始めました。
センニンソウ花2wb.jpg

ところがその数日後、この惨状に愕然!
上の方の花や葉はほとんど食べられてしまいました。
センニンソウ虫害wb.jpg

犯人は何者? 
これです! やや白っぽい緑色の1cmほどの幼虫!
検索により虫の名は「キイロハバチ」と判明。
キイロハバチの弱齢幼虫wb.jpg

キイロハバチ
原色草花・野菜病害虫図鑑(保育社)によれば:
「成虫は長さ7〜8mm、全体橙黄色で頭部は黒色、翅は暗色を帯びる。」
「寄生植物:アネモネ・センニンソウ。」
しかしそれらしき橙黄色の昆虫を見たことがありません。

大小3頭の幼虫。大きい幼虫は1.5cmほど。
頭部は褐色で1対の大型黒色斑紋があります。
キイロハバチ5wb1.jpg

大きな幼虫は薄緑色で白っぽく見えます。
上の図鑑によれば:
「老熟幼虫は長さ15mm、全体緑〜黄緑色であるが、白色のろう状物質を分泌するため白色に見える」。
拡大すると白い細かい横縞模様のようです。
キイロハバチ幼虫2wb2.jpg

太い葉脈のみ残してすべて食べ尽くした幼虫。
今までこの庭にはできるだけ農薬や殺虫剤を使わず、害虫は手で取っていました。
でも今回はもう無理、殺虫用スプレイを用いました。
キイロハバチ2wb.jpg

さすがに効果てき面、たくさんの幼虫がぼとぼと落ちました。
センニンソウの花や葉には変化なく、むしろ元気になって次々と開花し始めました。
花は房のようにたくさん咲きます。
「朝日百科植物の世界8」のセンニンソウの解説には「3出集散状の花序」と書いてあります。
センニンソウ3出wb.jpg

真ん中に数個の雌しべ、その周りに多数の雄しべがあります.
センニンソウ雌しべ4wb2.jpg

「がく片は縁に白い毛を密集する」とありましたが、これは肉眼では確認できません。
花の裏面を拡大しました。
センニンソウ萼裏wb.jpg

さらに接写して拡大したら辛うじて細い繊維のような毛が見えました。
萼片は織物で造られたような感じです(画面をクリックすると大きくなります)。
センニンソウ萼の毛wb.jpg

葉は対生、5つの小葉からなる羽状複葉。
センニンソウの葉2wb.jpg


これは10年ほど前、別の場所に植えた初代のセンニンソウの花です。
こんなに花が咲いたのに何故か実らずに枯れてしまいました。
センニンソウ09wb1.jpg

センニンソウ(仙人草)の名は花の後に花柱に密生する銀白色の長毛を仙人の髭に見立てて付けられたのではないかともいわれています。
この髭を今年こそは見たいものです。
センニンソウはプロトアネモニンを含む有毒植物とされ、生薬としても用いられているそうです。

コメント(10) 
庭便り(夏秋) ブログトップ