ラミーカミキリ と モミジアオイ [昆虫]
ラミーカミキリとモミジアオイ
ラミーカミキリ については2017.10.29.「gカミキリムシ」の記事に書きました。
昨年6月、ウメモドキの葉にいたラミーカミキリ 。
今年は見られないかなとその辺りを注意していました。
5月27日、ウメモドキの隣のモミジアオイの葉が枯れているのに気付き、よーく見ると
いました!いました!
正しく ラミーカミキリ です!
モミジアオイはアオイ科の宿根草。
昨年はムクゲ(アオイ科)を疑いましたが、モミジアオイは注目しなかったのです。
青いパンダのような可愛い昆虫が、モミジアオイの葉をかじっています。
葉の裏側から葉脈を食べるという習性があるようです。
食事中の顔を正面から見ると.......これはかわいくはありませんね。
カメラを近づけるとさっと飛び立って隣のツルウメモドキの葉陰に隠れました。
ここしばらくは雨が降ったり、カメラを取りに行く間に逃げられたり、姿は見るものの記録できませんでした。
6月19日、もういなくなったのかなと思って念入りに見回したところ、地表近くのシュウメイギクの葉の上にいました!
それもペアーです!
コンデジを近づけて接写。
上の小さい方が ♂、下の大きいのが ♀。
黒いベストの模様が違います。雌雄の違いかと調べましたが、これは個体差のようです。
5月に取り付いていたモミジアオイはすでに枯れ果てました。
これはまだ元気なモミジアオイ。
ラミーカミキリ は幼虫のみならず成虫も同じ食草を食べます。
モミジアオイでは太い茎ではなく柔らかい葉や細い茎を好むようです。
2010年元気いっぱいのモミジアオイ。
画像のストックを見ると2011年以降のモミジアオイは東庭で写したものばかりです。
中庭に初めに植えた株は次第に株数も花数も減り、昨年は花が見られませんでした。
周りの植物が茂りすぎたためかと思っていましたが、ラミーカミキリの食草にされていたのかもしれません。
少なくとも昨年は隣のツルウメモドキに成虫を見ていますから疑いは濃厚です。
食草と昆虫の関係は花好きには悩みの種です。
今までもホトトギスとルリタテハ、すみれとツマグロヒョウモン、クチナシとオオスカシバなど昆虫と食草の鬩ぎ合いを見てきました。
しかし、かわいいとはいえラミーカミキリ もカミキリムシの仲間、食草には致命的な被害を与えるようで、ここのモミジアオイは絶滅しそうです。
.................................................................................................................................................................................................
10年ほど前からこの庭の生物について観察記録してきましたが、あと3ヶ月ほどで北関東へ移住することになりました。
当地へ来て44年、その間に集めすぎた物も多く、今断捨離の苦悩を味わっています。
そのためもう庭の観察記を書く余裕がありませんので、更新を止めることにしました。
長い間、励ましていただきまして本当にありがとうございました。
ラミーカミキリ については2017.10.29.「gカミキリムシ」の記事に書きました。
昨年6月、ウメモドキの葉にいたラミーカミキリ 。
今年は見られないかなとその辺りを注意していました。
5月27日、ウメモドキの隣のモミジアオイの葉が枯れているのに気付き、よーく見ると
いました!いました!
正しく ラミーカミキリ です!
モミジアオイはアオイ科の宿根草。
昨年はムクゲ(アオイ科)を疑いましたが、モミジアオイは注目しなかったのです。
青いパンダのような可愛い昆虫が、モミジアオイの葉をかじっています。
葉の裏側から葉脈を食べるという習性があるようです。
食事中の顔を正面から見ると.......これはかわいくはありませんね。
カメラを近づけるとさっと飛び立って隣のツルウメモドキの葉陰に隠れました。
ここしばらくは雨が降ったり、カメラを取りに行く間に逃げられたり、姿は見るものの記録できませんでした。
6月19日、もういなくなったのかなと思って念入りに見回したところ、地表近くのシュウメイギクの葉の上にいました!
それもペアーです!
コンデジを近づけて接写。
上の小さい方が ♂、下の大きいのが ♀。
黒いベストの模様が違います。雌雄の違いかと調べましたが、これは個体差のようです。
5月に取り付いていたモミジアオイはすでに枯れ果てました。
これはまだ元気なモミジアオイ。
ラミーカミキリ は幼虫のみならず成虫も同じ食草を食べます。
モミジアオイでは太い茎ではなく柔らかい葉や細い茎を好むようです。
2010年元気いっぱいのモミジアオイ。
画像のストックを見ると2011年以降のモミジアオイは東庭で写したものばかりです。
中庭に初めに植えた株は次第に株数も花数も減り、昨年は花が見られませんでした。
周りの植物が茂りすぎたためかと思っていましたが、ラミーカミキリの食草にされていたのかもしれません。
少なくとも昨年は隣のツルウメモドキに成虫を見ていますから疑いは濃厚です。
食草と昆虫の関係は花好きには悩みの種です。
今までもホトトギスとルリタテハ、すみれとツマグロヒョウモン、クチナシとオオスカシバなど昆虫と食草の鬩ぎ合いを見てきました。
しかし、かわいいとはいえラミーカミキリ もカミキリムシの仲間、食草には致命的な被害を与えるようで、ここのモミジアオイは絶滅しそうです。
.................................................................................................................................................................................................
10年ほど前からこの庭の生物について観察記録してきましたが、あと3ヶ月ほどで北関東へ移住することになりました。
当地へ来て44年、その間に集めすぎた物も多く、今断捨離の苦悩を味わっています。
そのためもう庭の観察記を書く余裕がありませんので、更新を止めることにしました。
長い間、励ましていただきまして本当にありがとうございました。
2018-06-21 11:14
コメント(24)
カミキリムシ [昆虫]
カミキリムシは甲虫目 カブトムシ亜目 カミキリムシ科 の昆虫で日本には約800種もいるそうです。
今年は新たに2種、ラミーカミキリとキボシカミキリを撮ることができました。
ラミーカミキリ
カミキリムシ科 フトカミキリ亜科の甲虫
大きさ:8-17mm
時 期:5-7月
分 布:インドシナ半島、中国、台湾、日本(関東以西)
明治初期に中国大陸から輸入されたラミー(カラムシの変種)に付いて来たようです。
食草:カラムシ・ヤブマオ(イラクサ科)、ムクゲ(アオイ科)
6月下旬、ウメモドキの葉にいるのを発見。
青・白地に黒いパンダのような模様がかわいい小型のカミキリです。
庭にはさすがにイラクサはありません。
ムクゲはありますが食害はなく、たまたま飛んできたのではないかと思います。
キボシカミキリ
カミキリムシ科 フトカミキリ亜科
大きさ:14-30mm
時 期:5-11月
分 布:本州・四国・九州・沖縄、台湾、中国。
食草:イチジク、クワ、ミカンなど
ここ数年、イチジクの木が突如枯れ、美味しいいちじくが食べられません。
植え直した木がやっと大きくなって今年こそはと期待したのに、また枝ごと枯れるので切断すると大きな空洞ができていました。
以前から、隣にあったヘデラについたテッポウムシがいるのではと疑っていました。
9月23日、枝の切り口にカミキリムシを見つけました!
キボシカミキリでした。しかも交尾中。
触覚が長く、オスでは体長の3倍、メスで2倍だそうです。
画像を拡大すると長い管状の交接器が写っていました。
黒っぽい鞘翅に黄色の斑点があります。この色や斑紋には地理的変異があるそうです。
近くに片方の触覚の短いキボシカミキリがいました。
カミキリムシは「髪切り虫」、雌争奪戦で触覚を切られたのでしょうか。
イチジクの木は幹にも大きな穴が空いていました。
間も無くまた枯れるでしょう。
今までにこの庭で写した3種のカミキリムシもまとめて再掲します。
ゴマダラカミキリ
カミキリムシ科 フトカミキリ亜科
大きさ:25-35mm
時 期:6-8月
分 布:北海道・本州・四国・九州
食 草:ミカンやイチジク、クワなどの生木
2006年、スタージャスミンにいたゴマダラカミキリです。
青みがかった光沢のある黒地に白い斑点が美しく感激して眺めたものです。
街路樹や庭木にもよく見られるそうですが、この庭ではその後見ていません。
しかし、うちのイチジクにもこのゴマダラカミキリが居ついているかもしれないと疑っていました。
ノコギリカミキリ
カミキリムシ科 ノコギリカミキリ亜科
大きさ:23-48mm
時 期:5-9月
分 布:北海道・本州・四国・九州
食 草:針葉樹やクヌギなどの朽木
2009年7月、夜の家事室にいて巨大なゴキブリかと思いました。
キザキザの太い触覚に気づいてノコギリカミキリとわかり無罪放免した後、イチジクが枯れかけたことと関係があるのかと疑われました。
しかし、調べてみると朽木を食べる夜行性のカミキリでした。
ベニカミキリ
カミキリムシ科 カミキリ亜科
大きさ:13-17mm
時 期:4−8月
分 布:北海道・本州・四国・九州
食 草:タケ類
2009年5月記事にしたベニカミキリです。
シックな紅色で前胸部には黒い模様があって美しい。
黒い模様は点状のこともあり個体差が大きいようです。
成虫は花の蜜や花粉を食べますが、幼虫はタケを食草とします。
但し健全な生立竹ではなく、弱った竹や伐採後しばらくたったタケに産卵するそうです。
2012.10.7.「テッポウムシ」の記事を書いた時、成虫が確認できませんでした。
調べてみるとカミキリムシの中で生きた木を食べるため害虫とされるのは、ゴマダラカミキリ、シロスジカミキリ、キボシカミキリなど。
日本で最も多いといわれるゴマダラカミキリはこの庭では2006年に見たきり出会いがなく、今年見つけたキボシカミキリがテッポウムシの親として有力候補になりました。
今年は新たに2種、ラミーカミキリとキボシカミキリを撮ることができました。
ラミーカミキリ
カミキリムシ科 フトカミキリ亜科の甲虫
大きさ:8-17mm
時 期:5-7月
分 布:インドシナ半島、中国、台湾、日本(関東以西)
明治初期に中国大陸から輸入されたラミー(カラムシの変種)に付いて来たようです。
食草:カラムシ・ヤブマオ(イラクサ科)、ムクゲ(アオイ科)
6月下旬、ウメモドキの葉にいるのを発見。
青・白地に黒いパンダのような模様がかわいい小型のカミキリです。
庭にはさすがにイラクサはありません。
ムクゲはありますが食害はなく、たまたま飛んできたのではないかと思います。
キボシカミキリ
カミキリムシ科 フトカミキリ亜科
大きさ:14-30mm
時 期:5-11月
分 布:本州・四国・九州・沖縄、台湾、中国。
食草:イチジク、クワ、ミカンなど
ここ数年、イチジクの木が突如枯れ、美味しいいちじくが食べられません。
植え直した木がやっと大きくなって今年こそはと期待したのに、また枝ごと枯れるので切断すると大きな空洞ができていました。
以前から、隣にあったヘデラについたテッポウムシがいるのではと疑っていました。
9月23日、枝の切り口にカミキリムシを見つけました!
キボシカミキリでした。しかも交尾中。
触覚が長く、オスでは体長の3倍、メスで2倍だそうです。
画像を拡大すると長い管状の交接器が写っていました。
黒っぽい鞘翅に黄色の斑点があります。この色や斑紋には地理的変異があるそうです。
近くに片方の触覚の短いキボシカミキリがいました。
カミキリムシは「髪切り虫」、雌争奪戦で触覚を切られたのでしょうか。
イチジクの木は幹にも大きな穴が空いていました。
間も無くまた枯れるでしょう。
今までにこの庭で写した3種のカミキリムシもまとめて再掲します。
ゴマダラカミキリ
カミキリムシ科 フトカミキリ亜科
大きさ:25-35mm
時 期:6-8月
分 布:北海道・本州・四国・九州
食 草:ミカンやイチジク、クワなどの生木
2006年、スタージャスミンにいたゴマダラカミキリです。
青みがかった光沢のある黒地に白い斑点が美しく感激して眺めたものです。
街路樹や庭木にもよく見られるそうですが、この庭ではその後見ていません。
しかし、うちのイチジクにもこのゴマダラカミキリが居ついているかもしれないと疑っていました。
ノコギリカミキリ
カミキリムシ科 ノコギリカミキリ亜科
大きさ:23-48mm
時 期:5-9月
分 布:北海道・本州・四国・九州
食 草:針葉樹やクヌギなどの朽木
2009年7月、夜の家事室にいて巨大なゴキブリかと思いました。
キザキザの太い触覚に気づいてノコギリカミキリとわかり無罪放免した後、イチジクが枯れかけたことと関係があるのかと疑われました。
しかし、調べてみると朽木を食べる夜行性のカミキリでした。
ベニカミキリ
カミキリムシ科 カミキリ亜科
大きさ:13-17mm
時 期:4−8月
分 布:北海道・本州・四国・九州
食 草:タケ類
2009年5月記事にしたベニカミキリです。
シックな紅色で前胸部には黒い模様があって美しい。
黒い模様は点状のこともあり個体差が大きいようです。
成虫は花の蜜や花粉を食べますが、幼虫はタケを食草とします。
但し健全な生立竹ではなく、弱った竹や伐採後しばらくたったタケに産卵するそうです。
2012.10.7.「テッポウムシ」の記事を書いた時、成虫が確認できませんでした。
調べてみるとカミキリムシの中で生きた木を食べるため害虫とされるのは、ゴマダラカミキリ、シロスジカミキリ、キボシカミキリなど。
日本で最も多いといわれるゴマダラカミキリはこの庭では2006年に見たきり出会いがなく、今年見つけたキボシカミキリがテッポウムシの親として有力候補になりました。
2017-10-29 17:46
コメント(18)
ゴミグモ [昆虫]
ゴミグモ
塵蜘蛛 クモガタ綱 クモ目 クモ亜目 コガネグモ科のクモ
学名:Cyclosa octotuberculata
大きさ ♂ 7~8mm ・♀ 10~14mm
時 期 4-11月
分 布 本州・四国・九州・沖縄
咲き始めたオオシキンカラマツ(タリクトラム デラバイ)がたわんでいます。
右側の白い糸に引っ張られているようです。
よく見ると太い糸の他にも細い糸が何本かあるようです。
(画面をクリックすると見えます。)
その先に細い糸の蜘蛛の巣があり、ゴミのようなものがぶら下がっています。
ゴミの一番上にいるのがゴミグモの雌。
その下にリボンのようにゴミがぶら下がっていますが、この中に卵嚢が包まれています。
周りには細かい同心円状の蜘蛛の巣。
(画像はどれもクリックすると大きくなります。)
せっかく咲いたオオシキンカラマツ(タリクトラム デラバイ)の花にゴミグモが絡んではかわいそう。
やはりカットしましょう。
一番太い絹のような糸を切りました。
一番太い糸を切られたのに、ゴミグモは動きません。
毅然として巣を守っています。
一見、猫の顔のよう。
上が胴体、下に頭と脚。クモの脚は8本、左右に4本づつあります。
目のように見えるところは脅しのための模様でしょうか?
模様や色には個体差があります。
ゴミグモの巣を落とそうとつつくとクモが葉の上に飛び降りました。
体を縮めて動きません。死んだふり?
腹部の黒い模様の上に2個、尾部に6個の突起があります。
裏返しましたが動きません。まるでゴミのようです。
1分後、危険を感じたのでしょう。
突如動き出して糸を手繰りながら巣に戻ろうとしました。
でも困るのです。
せっかくのオオシキンカラマツ(タリクトラム デラバイ)の花にゴミは邪魔です。
糸を切ってしまいました。
葉の上に落ちたゴミグモの巣。
瑠璃色の昆虫の羽も付いていました(6月28日15時55分)。
翌日花を見に来て驚きました(6月29日11時5分)。
何と昨日葉の上に落としたゴミグモの巣が上のモクレンの下で輝いていたのです。
この19時間の間に、雌グモは単身で落ちた巣を引き上げ、さらに高いところへ運んで吊るし、その周りに大きなネットを編み上げたのです!
ゴミグモにとってヒトは最も怖い天敵!
しかしゴミグモには1夜で巣を再生させる能力があったのです。
この美しい巣をもう壊すことはできません。
おっと、次の瞬間、ゴミグモの姿が消えました。
天敵が怖かったのでしょうか?
網の端っこまで行ったかと思ったら、また一目散に巣に戻りました。
やっぱり卵を守るのが雌の役目?
定位置に帰りました。この間わずか2分!
翌日も定位置に鎮座。
蜘蛛の巣はまた作り変えられたようでこの日のはややこじんまりしています。
下の茶色の膨らんだ部分2個が卵嚢のようです。
この間にオオシキンカラマツ(タリクトラム デラバイ)の花も咲き進みました。
これでめでたしめでたしかと思ったのですが...................?
7月6日、ゴミグモの巣はまだありました。
でも..........クモがいません。卵嚢はそのままです!
親は次の巣を作るために移動したのでしょうか?
鳥にでも襲われたのでしょうか?
翌日も翌々日も親は戻って来ませんでした。
塵蜘蛛 クモガタ綱 クモ目 クモ亜目 コガネグモ科のクモ
学名:Cyclosa octotuberculata
大きさ ♂ 7~8mm ・♀ 10~14mm
時 期 4-11月
分 布 本州・四国・九州・沖縄
咲き始めたオオシキンカラマツ(タリクトラム デラバイ)がたわんでいます。
右側の白い糸に引っ張られているようです。
よく見ると太い糸の他にも細い糸が何本かあるようです。
(画面をクリックすると見えます。)
その先に細い糸の蜘蛛の巣があり、ゴミのようなものがぶら下がっています。
ゴミの一番上にいるのがゴミグモの雌。
その下にリボンのようにゴミがぶら下がっていますが、この中に卵嚢が包まれています。
周りには細かい同心円状の蜘蛛の巣。
(画像はどれもクリックすると大きくなります。)
せっかく咲いたオオシキンカラマツ(タリクトラム デラバイ)の花にゴミグモが絡んではかわいそう。
やはりカットしましょう。
一番太い絹のような糸を切りました。
一番太い糸を切られたのに、ゴミグモは動きません。
毅然として巣を守っています。
一見、猫の顔のよう。
上が胴体、下に頭と脚。クモの脚は8本、左右に4本づつあります。
目のように見えるところは脅しのための模様でしょうか?
模様や色には個体差があります。
ゴミグモの巣を落とそうとつつくとクモが葉の上に飛び降りました。
体を縮めて動きません。死んだふり?
腹部の黒い模様の上に2個、尾部に6個の突起があります。
裏返しましたが動きません。まるでゴミのようです。
1分後、危険を感じたのでしょう。
突如動き出して糸を手繰りながら巣に戻ろうとしました。
でも困るのです。
せっかくのオオシキンカラマツ(タリクトラム デラバイ)の花にゴミは邪魔です。
糸を切ってしまいました。
葉の上に落ちたゴミグモの巣。
瑠璃色の昆虫の羽も付いていました(6月28日15時55分)。
翌日花を見に来て驚きました(6月29日11時5分)。
何と昨日葉の上に落としたゴミグモの巣が上のモクレンの下で輝いていたのです。
この19時間の間に、雌グモは単身で落ちた巣を引き上げ、さらに高いところへ運んで吊るし、その周りに大きなネットを編み上げたのです!
ゴミグモにとってヒトは最も怖い天敵!
しかしゴミグモには1夜で巣を再生させる能力があったのです。
この美しい巣をもう壊すことはできません。
おっと、次の瞬間、ゴミグモの姿が消えました。
天敵が怖かったのでしょうか?
網の端っこまで行ったかと思ったら、また一目散に巣に戻りました。
やっぱり卵を守るのが雌の役目?
定位置に帰りました。この間わずか2分!
翌日も定位置に鎮座。
蜘蛛の巣はまた作り変えられたようでこの日のはややこじんまりしています。
下の茶色の膨らんだ部分2個が卵嚢のようです。
この間にオオシキンカラマツ(タリクトラム デラバイ)の花も咲き進みました。
これでめでたしめでたしかと思ったのですが...................?
7月6日、ゴミグモの巣はまだありました。
でも..........クモがいません。卵嚢はそのままです!
親は次の巣を作るために移動したのでしょうか?
鳥にでも襲われたのでしょうか?
翌日も翌々日も親は戻って来ませんでした。
2017-07-29 00:35
コメント(18)
ハナアブ [昆虫]
伊吹おろしの季節になりました。
冬枯れの庭を歩いてもブログに書きたいものが見つかりません。
思い切って未整理のファイル「ハナアブ」を開きました。
予想通りの難航の末、なんとか名前を付けて公開することにしました。
間違いがありましたら、お教えいただけましたら幸いです。
「ハナアブ」
花虻 ハエ目ハナアブ科に属する昆虫の総称
日本では89属400種は分布するのではないかと推定され、世界では188属約6000種が記載されているそうです(Wikipedia)。
庭で撮ったハナアブに名前を付けて並べてみます。
(体長は測っていませんのでネット情報から拝借しました。)
ヒメヒラタアブ♂(花はシュウメイギク)
日本のヒメヒラタアブはかってはキタヒメヒラタアブと称されていたのに、近年ミナミヒメヒラタアブと判明したそうです。
体長8〜9mm、腹部が細長くこの中では最も小さいヒラタアブです。
これは複眼が接しているので♂、♀は腹部が少し膨らんでいます。
胸部は銅黒色、周りの黄色が鮮やかです。
ホソヒラタアブ(1)♂(セアノサス)
庭で最もよくみられる小型種です。体長約11mm。
赤っぽい大きな複眼。胸部は銅金色で縦に線条が入っています。
腹部は細長く平らで黄色、そこに黒色の太い帯・細い帯が組み合わさった縞模様が鮮やかです。
ホソヒラタアブ(2)♂(シラユキゲシ)
腹部の縞模様には個体差があり、これはオレンジ色が目立ちます。
複眼が左右接しているので♂です。
花から花へホバリングしながら、蜜や花粉を求めて飛び交います。
ホソヒラタアブ(3)♀(ロニセラ・タタリカ・ロゼア)
腹部の横縞模様が多く、黄褐色・クリーム色・オレンジ色など複雑ですが、これもホソヒラタアブでしょうね?
ホソヒラタアブ(4)♀(サクラタデ)
腹部の黄色の帯の中央に黒色が入って、左右に分かれています。
ホソヒラタアブ(5)♀(葉の名前は不明)
複眼が離れているのが明瞭。
これも腹部の黄色の帯が左右に分かれています。
ホソヒラタアブ(6)(チコリ)
♀の顔。短い触覚!(役者さんの顔を連想しました。)
シマハナアブ(1)(ナバナ)
体長約12mm。
頭部に2本の灰白色の帯、腹部は一対の三角班と4本の白い横縞があリます。
シマハナアブ(2)(シュウメイギク)
上の画像に比べてずんぐりしていますが、白い横縞が鮮明ですからこれもシマハナアブでいいかと思います。
ナミハナアブ(ラッパスイセン)
体長14~16mm。
全体に黒っぽく、黄褐色の毛で覆われています。
腹部の橙色の大きな三角斑が特徴です。
ナミハナアブとの鑑別が難しいことがありますが、まずは体長がより大きい。
アシブトハナアブ?(ミズナ)
体長12−16mm。
胸部に2本の黄褐色の縦縞、腹部には1対の黄色の三角班があります。
この画像では三角班の色が薄くはっきりしませんが.......。
キゴシハナアブ(ツバキ)
体長9〜10mm。
全体に黄褐色で胸部に大胆な4本の黒い縦縞があります。
腹部第1・2節が黄色いことで黄腰と命名されたようです。
斑点のある黄色い複眼が特徴ですが、この画像では見にくいですね。
オオハナアブ(1)(メランポジウム)
体長14~16mm。
オオハナアブとはいえ、体長はナミハナアブと同じくらい。
でも全体に太くて円っこく、上半身が黒いので大きく見えます。
腹部に巾広の橙色の帯があるのが特徴です。
14 オオハナアブ(2)(シャクヤク)
真っ黒い毛むくじゃらの脚も特徴に上げてよさそうです。
複眼の模様も独特のようですが、この画像ではわかりません。
「ハナアブ」を整理しようと思い立ったのですが、昆虫は花よりなお大変でした。
花に集まるハナアブたちは送粉の役目を担う上、幼虫はアブラムシを捕食する益虫です。
花を撮るときハナアブが飛んでくると一緒に写したくなります。
しかし幼虫はやはり近縁のハエと似ていて生活排水や汚水に生息し、「オナガウジ」とも呼ばれます。
幸い(?)まだこの庭では幼虫にお目にかかっていません。
冬枯れの庭を歩いてもブログに書きたいものが見つかりません。
思い切って未整理のファイル「ハナアブ」を開きました。
予想通りの難航の末、なんとか名前を付けて公開することにしました。
間違いがありましたら、お教えいただけましたら幸いです。
「ハナアブ」
花虻 ハエ目ハナアブ科に属する昆虫の総称
日本では89属400種は分布するのではないかと推定され、世界では188属約6000種が記載されているそうです(Wikipedia)。
庭で撮ったハナアブに名前を付けて並べてみます。
(体長は測っていませんのでネット情報から拝借しました。)
ヒメヒラタアブ♂(花はシュウメイギク)
日本のヒメヒラタアブはかってはキタヒメヒラタアブと称されていたのに、近年ミナミヒメヒラタアブと判明したそうです。
体長8〜9mm、腹部が細長くこの中では最も小さいヒラタアブです。
これは複眼が接しているので♂、♀は腹部が少し膨らんでいます。
胸部は銅黒色、周りの黄色が鮮やかです。
ホソヒラタアブ(1)♂(セアノサス)
庭で最もよくみられる小型種です。体長約11mm。
赤っぽい大きな複眼。胸部は銅金色で縦に線条が入っています。
腹部は細長く平らで黄色、そこに黒色の太い帯・細い帯が組み合わさった縞模様が鮮やかです。
ホソヒラタアブ(2)♂(シラユキゲシ)
腹部の縞模様には個体差があり、これはオレンジ色が目立ちます。
複眼が左右接しているので♂です。
花から花へホバリングしながら、蜜や花粉を求めて飛び交います。
ホソヒラタアブ(3)♀(ロニセラ・タタリカ・ロゼア)
腹部の横縞模様が多く、黄褐色・クリーム色・オレンジ色など複雑ですが、これもホソヒラタアブでしょうね?
ホソヒラタアブ(4)♀(サクラタデ)
腹部の黄色の帯の中央に黒色が入って、左右に分かれています。
ホソヒラタアブ(5)♀(葉の名前は不明)
複眼が離れているのが明瞭。
これも腹部の黄色の帯が左右に分かれています。
ホソヒラタアブ(6)(チコリ)
♀の顔。短い触覚!(役者さんの顔を連想しました。)
シマハナアブ(1)(ナバナ)
体長約12mm。
頭部に2本の灰白色の帯、腹部は一対の三角班と4本の白い横縞があリます。
シマハナアブ(2)(シュウメイギク)
上の画像に比べてずんぐりしていますが、白い横縞が鮮明ですからこれもシマハナアブでいいかと思います。
ナミハナアブ(ラッパスイセン)
体長14~16mm。
全体に黒っぽく、黄褐色の毛で覆われています。
腹部の橙色の大きな三角斑が特徴です。
ナミハナアブとの鑑別が難しいことがありますが、まずは体長がより大きい。
アシブトハナアブ?(ミズナ)
体長12−16mm。
胸部に2本の黄褐色の縦縞、腹部には1対の黄色の三角班があります。
この画像では三角班の色が薄くはっきりしませんが.......。
キゴシハナアブ(ツバキ)
体長9〜10mm。
全体に黄褐色で胸部に大胆な4本の黒い縦縞があります。
腹部第1・2節が黄色いことで黄腰と命名されたようです。
斑点のある黄色い複眼が特徴ですが、この画像では見にくいですね。
オオハナアブ(1)(メランポジウム)
体長14~16mm。
オオハナアブとはいえ、体長はナミハナアブと同じくらい。
でも全体に太くて円っこく、上半身が黒いので大きく見えます。
腹部に巾広の橙色の帯があるのが特徴です。
14 オオハナアブ(2)(シャクヤク)
真っ黒い毛むくじゃらの脚も特徴に上げてよさそうです。
複眼の模様も独特のようですが、この画像ではわかりません。
「ハナアブ」を整理しようと思い立ったのですが、昆虫は花よりなお大変でした。
花に集まるハナアブたちは送粉の役目を担う上、幼虫はアブラムシを捕食する益虫です。
花を撮るときハナアブが飛んでくると一緒に写したくなります。
しかし幼虫はやはり近縁のハエと似ていて生活排水や汚水に生息し、「オナガウジ」とも呼ばれます。
幸い(?)まだこの庭では幼虫にお目にかかっていません。
2016-12-15 23:16
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イセリアカイガラムシ (別名 ワタフキカイガラムシ) [昆虫]
イセリアカイガラムシ
(別名 ワタフキカイガラムシ)
カメムシ目ヨコバイ亜目腹吻群カイガラムシ上科ワタフキカイガラムシ科
学名:Icerya purchasi Maskell
原産地:オーストラリア 日本には明治40年代に苗木について侵入。
庭隅に自生したナンテンが同じく自生したヤツデと競い合って大きくなりました。
今年も赤い実をつけましたが、いつもヒヨドリに食べられてしまいます。
ボケた白い部分はヤツデの花です。
ナンテンの葉の一部が紅葉、茎も赤く染まっています。
そこに白く輝くのは?
..........大嫌いなカイガラムシ!!!
よく見るとあっちにもこっちにも!
大きさは数ミリ、5〜7mmくらいのものが多い。
こんなに大きいのもいました。
体長1cmくらいあります。
これは脚のような突起や長短の繊維が不規則に飛び出しています。
今までカイガラムシを見つけると小枝などでこそげ落としていました。
今日はいざ、対決!
枝ごと切ったものを室内に持ち込み、ひっくり返して腹側を見ました。
白いワックスで覆われた虫体の腹側に小さな赤い虫が3匹。
? ? ?
ネットで検索するとカイガラムシの白い部分は卵嚢(らんのう)と。
この薄気味悪い虫の内部を見るにはどうしたらいいのでしょう?
まずピンセットで後部を挟んで引っ張ってみました。
すると思いがけないことに下半身が容易に離れ、繊維の中には赤い粒々がびっしり!
ワックス製のマントの下に真綿に包まれた卵があったという感じです。
上の方を確認します。
まさしく卵です。長細い赤い卵が細かい繊維に包まれていました。
卵の長さは1mmもありません。
下の方はまるで卵に手脚が付いているかのよう。
孵化したばかりの幼虫でしょう。
1対の触覚と3対の脚が昆虫であることを証しています。
上の腹側の画像にいた赤い虫も卵嚢から出たばかりの幼虫だったのでしょう。
こんなゴミのようなものが幼虫。
白っぽい分泌物やクモの糸のような繊維が認められます。
さらに亀の甲羅のような形になります。
上からは脚は見えず、全周から白い細い繊維が突出。
幼虫は歩いて移動し、茎に固着して口吻を差し込み篩管から養分を吸います。
この時過剰な養分でワックスに覆われた卵嚢を形成。
若い成虫。
またイセリアカイガラムシは吸引した過剰の糖分を排泄します。
これは甘露と呼ばれ、アリの大好物です。
この水滴も甘露?
成熟した虫体は左側の赤っぽい部分。
眼のような丸い部分は甘露かと思われます。
右のワックスでできたスカートのような部分で産卵、孵化という雌だけの単為生殖が行われています。
稀に翅のある雄も出現するようですが日本ではほとんど観察されていないそうです。
ミカンの枝にびっしり繁殖したイセリアカイガラムシ。
この庭ではミカン、ナンテン、ハギ、ユキヤナギ、ボタンによく発生します。
今まで敬遠していたカイガラムシをやっと記事にしました。
天敵はベダリアテントウ。この導入で最近は日本のイセリアカイガラムシは減少しているそうですが、この庭ではべダリアテントウを見たこともなく、まだまだカイガラムシが多発して悩まされています。
無農薬を保つにはやはり手動で取るしかありません。
この際、ビッシリついた枝は切除。
散発の場合は袋を受けて落とし、袋のまま処分すべきですね。
虫体は口吻だけで枝と繋がっていますから、虫を潰さなくてもいいのです。
ただし葉裏の小さい幼虫は見逃し易いので要注意です。
カメムシ目ヨコバイ亜目腹吻群カイガラムシ上科ワタフキカイガラムシ科
学名:Icerya purchasi Maskell
原産地:オーストラリア 日本には明治40年代に苗木について侵入。
庭隅に自生したナンテンが同じく自生したヤツデと競い合って大きくなりました。
今年も赤い実をつけましたが、いつもヒヨドリに食べられてしまいます。
ボケた白い部分はヤツデの花です。
ナンテンの葉の一部が紅葉、茎も赤く染まっています。
そこに白く輝くのは?
..........大嫌いなカイガラムシ!!!
よく見るとあっちにもこっちにも!
大きさは数ミリ、5〜7mmくらいのものが多い。
こんなに大きいのもいました。
体長1cmくらいあります。
これは脚のような突起や長短の繊維が不規則に飛び出しています。
今までカイガラムシを見つけると小枝などでこそげ落としていました。
今日はいざ、対決!
枝ごと切ったものを室内に持ち込み、ひっくり返して腹側を見ました。
白いワックスで覆われた虫体の腹側に小さな赤い虫が3匹。
? ? ?
ネットで検索するとカイガラムシの白い部分は卵嚢(らんのう)と。
この薄気味悪い虫の内部を見るにはどうしたらいいのでしょう?
まずピンセットで後部を挟んで引っ張ってみました。
すると思いがけないことに下半身が容易に離れ、繊維の中には赤い粒々がびっしり!
ワックス製のマントの下に真綿に包まれた卵があったという感じです。
上の方を確認します。
まさしく卵です。長細い赤い卵が細かい繊維に包まれていました。
卵の長さは1mmもありません。
下の方はまるで卵に手脚が付いているかのよう。
孵化したばかりの幼虫でしょう。
1対の触覚と3対の脚が昆虫であることを証しています。
上の腹側の画像にいた赤い虫も卵嚢から出たばかりの幼虫だったのでしょう。
こんなゴミのようなものが幼虫。
白っぽい分泌物やクモの糸のような繊維が認められます。
さらに亀の甲羅のような形になります。
上からは脚は見えず、全周から白い細い繊維が突出。
幼虫は歩いて移動し、茎に固着して口吻を差し込み篩管から養分を吸います。
この時過剰な養分でワックスに覆われた卵嚢を形成。
若い成虫。
またイセリアカイガラムシは吸引した過剰の糖分を排泄します。
これは甘露と呼ばれ、アリの大好物です。
この水滴も甘露?
成熟した虫体は左側の赤っぽい部分。
眼のような丸い部分は甘露かと思われます。
右のワックスでできたスカートのような部分で産卵、孵化という雌だけの単為生殖が行われています。
稀に翅のある雄も出現するようですが日本ではほとんど観察されていないそうです。
ミカンの枝にびっしり繁殖したイセリアカイガラムシ。
この庭ではミカン、ナンテン、ハギ、ユキヤナギ、ボタンによく発生します。
今まで敬遠していたカイガラムシをやっと記事にしました。
天敵はベダリアテントウ。この導入で最近は日本のイセリアカイガラムシは減少しているそうですが、この庭ではべダリアテントウを見たこともなく、まだまだカイガラムシが多発して悩まされています。
無農薬を保つにはやはり手動で取るしかありません。
この際、ビッシリついた枝は切除。
散発の場合は袋を受けて落とし、袋のまま処分すべきですね。
虫体は口吻だけで枝と繋がっていますから、虫を潰さなくてもいいのです。
ただし葉裏の小さい幼虫は見逃し易いので要注意です。
2016-11-21 23:35
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スズメバチ [昆虫]
スズメバチ
雀蜂 ハチ目スズメバチ科スズメバチ亜科(Vespinae)に属するものの総称。
日本のスズメバチ亜科は次のの3属に分類されます。
スズメバチ属、クロスズメバチ属、ホオナガスズメバチ属
このうち本州に生息するスズメバチ属は次の6種です。
オオスズメバチ, キイロスズメバチ, コガタスズメバチ,
ヒメスズメバチ, モンスズメバチ, チャイロスズメバチ。
毎年、7月と12月に大きな庭木の剪定をプロに頼んでいます。
今年は3メートルを超えるボウガシの剪定の際、スズメバチの巣が見つかりました。
庭師さんに呼ばれて行った時にはもう処理が終わっていました。
こんなに細い枝に巣が造られていたのです。
すでに巣の一部を壊して殺虫スプレーが撒かれた後で、成虫は1匹もいません。
しかし、まだ巣の中はそっくり残っていました。
巣の形はコガタスズメバチまたはキイロスズメバチの巣のようです。
コガタスズメバチの巣は初めはとっくり型ですが、7月になるととっくりの先の部分がなくなり、キイロスズメバチの巣と見分けがつきにくくなるそうです。
巣は約10x12cm。
6角形の育房が整然と並んで巣盤を形成します。
育房の中には卵・幼虫・蛹が1つづつ入っています。
左下方に見えるのは新たに出来つつある巣盤。4〜5段まで造られることもあるそうです。
この巣は何段だったか、壊して確認すればよかったのですがこのまま処分してしまい残念です。
最も外側に卵、次に幼虫そして蛹。
殺虫剤が効いたらしく幼虫ももう動きません。
綿帽子のような蛹の殻を6個、ピンセットで剥ぎ取りました。
殻は薄くても手作り和紙のように強靭です。
すでに顔の造りが出来かかっているものもあります。
穴の開いたところは羽化して飛び立った跡。
次に←の黒っぽい殻を2個破りました。
羽化直前だったのでしょう、顔もすでにオレンジ色を帯びています。
これは3年前に庭のイチジクに来たスズメバチです。
こわごわ接写しました。
両脇の黒い勾玉様の部分が複眼、額中央の黒点部が単眼。
同定できないでしょうか。
上記スズメバチ属6種のうち、尾部が黄色なのはコガタスズメバチとオオスズメバチです。
また、オオスズメバチは上から2本目の縞模様が細いそうですがこれは太い。
触覚の下にある中央の頭楯(とうじゅん)の形でも両者を鑑別できるようですが、上の画像では確定できません。
オオスズメバチは攻撃性大、コガタスズメバチは最も攻撃性が少ないといわれます。
多分これはコガタスズメバチでしょう。
感心するのはこの巣の美しさです。
一般にコガタスズメバチの巣の方がキイロスズメバチの巣より濃色だそうです。
この巣もやはりコガタスズメバチの巣かもしれません。
モダンアートの大家の作品といっても通る様なすばらしい造形美です。
複雑な色と縞模様にただただ感嘆!
「スズメバチ」の由来は雀の様に大きい蜂とか、巣の模様が雀の羽の模様に似ているからとも言われています。
比較のためにアシナガバチの写真を追加します。
やはりアシナガバチにも種類があって、これはセグロアシナガバチのようです。
アシナガバチの巣は素朴です。
これはまだ小さな巣、上部の育房の中に卵が1個、見えます。
大きなアシナガバチの巣。
中は空っぽの古い巣でした。
この庭にスズメバチの巣があるとは思ってもみませんでした。
しかし、これを機にスズメバチのことを調べると一般にスズメバチと言われているものに6種あり、それぞれ巣の形や場所、性質や捕獲方法なども異なることを知りました。
最も凶暴なのはオオスズメバチ、次がキイロスズメバチ。
オオスズメバチは主に土の中に大きな巣を作り、近寄ると攻撃してくるそうです。
コガタスズメバチやヒメスズメバチは攻撃性弱く、巣の場所によっては駆除しなくてもいいようです。
アシナガバチはヒトが攻撃しなければ刺しませんし、毛虫を退治してくれる益虫とも言えます。
でもこの日庭師さんが一人、剪定中にアシナガバチに刺されました。
私も病葉を取ろうとした時、アシナガバチに刺されたことがあります。
スズメバチやアシナガバチと共存すべきか否か、なかなか悩ましい問題です。
雀蜂 ハチ目スズメバチ科スズメバチ亜科(Vespinae)に属するものの総称。
日本のスズメバチ亜科は次のの3属に分類されます。
スズメバチ属、クロスズメバチ属、ホオナガスズメバチ属
このうち本州に生息するスズメバチ属は次の6種です。
オオスズメバチ, キイロスズメバチ, コガタスズメバチ,
ヒメスズメバチ, モンスズメバチ, チャイロスズメバチ。
毎年、7月と12月に大きな庭木の剪定をプロに頼んでいます。
今年は3メートルを超えるボウガシの剪定の際、スズメバチの巣が見つかりました。
庭師さんに呼ばれて行った時にはもう処理が終わっていました。
こんなに細い枝に巣が造られていたのです。
すでに巣の一部を壊して殺虫スプレーが撒かれた後で、成虫は1匹もいません。
しかし、まだ巣の中はそっくり残っていました。
巣の形はコガタスズメバチまたはキイロスズメバチの巣のようです。
コガタスズメバチの巣は初めはとっくり型ですが、7月になるととっくりの先の部分がなくなり、キイロスズメバチの巣と見分けがつきにくくなるそうです。
巣は約10x12cm。
6角形の育房が整然と並んで巣盤を形成します。
育房の中には卵・幼虫・蛹が1つづつ入っています。
左下方に見えるのは新たに出来つつある巣盤。4〜5段まで造られることもあるそうです。
この巣は何段だったか、壊して確認すればよかったのですがこのまま処分してしまい残念です。
最も外側に卵、次に幼虫そして蛹。
殺虫剤が効いたらしく幼虫ももう動きません。
綿帽子のような蛹の殻を6個、ピンセットで剥ぎ取りました。
殻は薄くても手作り和紙のように強靭です。
すでに顔の造りが出来かかっているものもあります。
穴の開いたところは羽化して飛び立った跡。
次に←の黒っぽい殻を2個破りました。
羽化直前だったのでしょう、顔もすでにオレンジ色を帯びています。
これは3年前に庭のイチジクに来たスズメバチです。
こわごわ接写しました。
両脇の黒い勾玉様の部分が複眼、額中央の黒点部が単眼。
同定できないでしょうか。
上記スズメバチ属6種のうち、尾部が黄色なのはコガタスズメバチとオオスズメバチです。
また、オオスズメバチは上から2本目の縞模様が細いそうですがこれは太い。
触覚の下にある中央の頭楯(とうじゅん)の形でも両者を鑑別できるようですが、上の画像では確定できません。
オオスズメバチは攻撃性大、コガタスズメバチは最も攻撃性が少ないといわれます。
多分これはコガタスズメバチでしょう。
感心するのはこの巣の美しさです。
一般にコガタスズメバチの巣の方がキイロスズメバチの巣より濃色だそうです。
この巣もやはりコガタスズメバチの巣かもしれません。
モダンアートの大家の作品といっても通る様なすばらしい造形美です。
複雑な色と縞模様にただただ感嘆!
「スズメバチ」の由来は雀の様に大きい蜂とか、巣の模様が雀の羽の模様に似ているからとも言われています。
比較のためにアシナガバチの写真を追加します。
やはりアシナガバチにも種類があって、これはセグロアシナガバチのようです。
アシナガバチの巣は素朴です。
これはまだ小さな巣、上部の育房の中に卵が1個、見えます。
大きなアシナガバチの巣。
中は空っぽの古い巣でした。
この庭にスズメバチの巣があるとは思ってもみませんでした。
しかし、これを機にスズメバチのことを調べると一般にスズメバチと言われているものに6種あり、それぞれ巣の形や場所、性質や捕獲方法なども異なることを知りました。
最も凶暴なのはオオスズメバチ、次がキイロスズメバチ。
オオスズメバチは主に土の中に大きな巣を作り、近寄ると攻撃してくるそうです。
コガタスズメバチやヒメスズメバチは攻撃性弱く、巣の場所によっては駆除しなくてもいいようです。
アシナガバチはヒトが攻撃しなければ刺しませんし、毛虫を退治してくれる益虫とも言えます。
でもこの日庭師さんが一人、剪定中にアシナガバチに刺されました。
私も病葉を取ろうとした時、アシナガバチに刺されたことがあります。
スズメバチやアシナガバチと共存すべきか否か、なかなか悩ましい問題です。
2016-08-20 23:15
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クロアゲハ [昆虫]
クロアゲハ
黒揚羽 チョウ目・アゲハチョウ科
学名 : Papilio protenor
大きさ(前翅長):45-70mm
分布:台湾・中国・日本(本州以南)
食草:柑橘類の葉
裏庭に黒い蝶が舞っています。
部屋に戻ってカメラを持ってくる頃にはもういない? いつもその繰り返しです。
ところがこの日はゼラニウムの花の上で待っていてくれました。
またナガサキアゲハかと思ったのですが、短い尾状突起がありました。
まだ一度も写真を撮ったことがない「クロアゲハ」のようです。
一瞬、両翅を開いてくれました。
雄は後翅前縁に白い帯があるそうです。これにはないから雌でしょう。
白花に移動。橙赤色の斑紋が美しい。これも雌の方が明瞭と。
そして尾状突起がくっきりみえました。ナガサキアゲハには尾状突起がありません。
もう少し長いのはオナガアゲハ、さらに長いのがカラスアゲハ、一番長いのがジャコウアゲハ。これら3種はまだ見たことがありません。
クロアゲハには赤い花が似合いそう。
でも今満開のモミジアオイには寄ってきてくれません。
モミジアオイの花はあっけらかんとしていて、蜜が出ているように見えません。
アオイ科の花には蜜がないのでしょうか?
確かに表からは見えませんが、萼片の付け根(下の画像の蕾では↑の辺り)から蜜が浸み出すようです(花外蜜腺)。
そういえばオクラも同じでしたね。
今までに撮ったモミジアオイの写真を見直してみました。
萎れた花に憩う(?)ナミアゲハ。
この黒いアゲハは?
尾状突起がないようですからナガサキアゲハでしょうね。
黒い大きなアゲハが飛んでいるのを見ると嬉しくなります。
今回はやっとクロアゲハが撮れました。
ナガサキアゲハ、モンキアゲハに続いて3番目です。
カラスアゲハやジャコウアゲハまでは無理でしょうね。
ミカンの木はありますが、昨年いただいたウマノスズクサ(ジャコウアゲハの食草)の苗はまだなかなか大きくなりません。
黒揚羽 チョウ目・アゲハチョウ科
学名 : Papilio protenor
大きさ(前翅長):45-70mm
分布:台湾・中国・日本(本州以南)
食草:柑橘類の葉
裏庭に黒い蝶が舞っています。
部屋に戻ってカメラを持ってくる頃にはもういない? いつもその繰り返しです。
ところがこの日はゼラニウムの花の上で待っていてくれました。
またナガサキアゲハかと思ったのですが、短い尾状突起がありました。
まだ一度も写真を撮ったことがない「クロアゲハ」のようです。
一瞬、両翅を開いてくれました。
雄は後翅前縁に白い帯があるそうです。これにはないから雌でしょう。
白花に移動。橙赤色の斑紋が美しい。これも雌の方が明瞭と。
そして尾状突起がくっきりみえました。ナガサキアゲハには尾状突起がありません。
もう少し長いのはオナガアゲハ、さらに長いのがカラスアゲハ、一番長いのがジャコウアゲハ。これら3種はまだ見たことがありません。
クロアゲハには赤い花が似合いそう。
でも今満開のモミジアオイには寄ってきてくれません。
モミジアオイの花はあっけらかんとしていて、蜜が出ているように見えません。
アオイ科の花には蜜がないのでしょうか?
確かに表からは見えませんが、萼片の付け根(下の画像の蕾では↑の辺り)から蜜が浸み出すようです(花外蜜腺)。
そういえばオクラも同じでしたね。
今までに撮ったモミジアオイの写真を見直してみました。
萎れた花に憩う(?)ナミアゲハ。
この黒いアゲハは?
尾状突起がないようですからナガサキアゲハでしょうね。
黒い大きなアゲハが飛んでいるのを見ると嬉しくなります。
今回はやっとクロアゲハが撮れました。
ナガサキアゲハ、モンキアゲハに続いて3番目です。
カラスアゲハやジャコウアゲハまでは無理でしょうね。
ミカンの木はありますが、昨年いただいたウマノスズクサ(ジャコウアゲハの食草)の苗はまだなかなか大きくなりません。
2016-07-28 22:57
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クサカゲロウとキスゲフクレアブラムシ−2 [昆虫]
キスゲフクレアブラムシ
昨年ユウスゲに付いたキスゲフクレアブラムシを記事にしました。
ところが、今年はさらに被害が大きく、特に中庭のユウスゲ2世は蕾も大きくならず立ち枯れする茎もありました(画像追加1)。
昨年同様、下に袋を受けてアブラムシを擦り落とそうとしたのですが、敵もさるもの、気配を感じるとぱらぱらとこぼれ落ち、翌日は元の木阿弥。
大小の幼虫がどこからともなく這い上がってきます。
しかし昨年は有翅型の成虫を確認できなかったため今年は是非見たいと思っていました。
これを見るまではユウスゲとキスゲフクレアブラムシとが共存して欲しい。
誠に身勝手な願いです。
大きなお腹! 無翅成虫でしょうか?
あ、翅です!
羽化したてでしょうか? まだ翅が伸びていないようです。
これがキスゲフクレアブラムシの有翅型の成虫です!
有翅型の成虫が続々誕生。蕾が枯れかけています。
見るべきものを見たら、今度はユウスゲを助けねばなりません。
とりあえず、センニンソウのキイロハバチに用いた室内用殺虫スプレーを一吹き!
驚くべき効果でした。アブラムシは忽ち黄変し動かなくなりました。
クサカゲロウ
草蜻蛉 (草蜉蝣)・ 臭蜻蛉(臭蜉蝣)
英名 Green lacewing
有翅昆虫亜綱アミメカゲロウ目アミメカゲロウ亜目クサカゲロウ科
殺虫剤の使用はできるだけ少なくしたい、そう思って遠慮がちに吹きかけていた時、倒れかかったユウスゲの茎に白い点々を見つけました(2016. 6.20.)。
もしや?
やはり前から見たかったクサカゲロウの卵です。
これはウドンゲ(優曇華)とも呼ばれています(画像追加2)。
実はクサカゲロウはアブラムシの天敵なのです。
クサカゲロウの幼虫のためには餌となるアブラムシを残してやらなければなりません。
ややこしいことになってきました(2016. 6.22.)。
1週後1個は孵化したよう、3個は孵化間近なのか黒っぽくなっていました。
クサカゲロウの幼虫はアブラムシを食べてその殻を背に乗せる習性があるそうです。
しかし、その後それらしい幼虫の姿は見つかりませんでした(2016. 6.29.)。
クサカゲロウの成虫には以前に2回出会っていました。
これは2011.8.11. スイフヨウの葉の上。
クサカゲロウとは正しくはクサカゲロウ科に属する昆虫の総称で、日本だけでも40種もいるそうです。
夜行性のため昼間はあまり見かけません。
画像を拡大すると顔の黒点が現れました。とするとヨツボシクサカゲロウでしょうか?
左の触覚は折れてしまったようです。
もう1枚は太郎庵椿の花にいたクサカゲロウです(2008.11.15.)。
ピンボケで顔が全く見えませんが、緑色の羽模様が美しい。
和名は草のような色だから草蜻蛉かと思ったら、触れると臭い匂いを出す種があるから臭蜻蛉という説もありました(この項一部訂正)。
裏庭に移植したユウスゲ2世です。(2016. 6.15. 17:29)
こちらにはまだキスゲフクレアブラムシが着いていません。
日当たりも風通しも良いところで次々と開花しています。
後ろの白い花はモナルダ・ホワイト。
「夕菅の庭」と名付けたもののたった一株では絶滅が心配になり、2009年人工授粉して2世を育てました。
その後、中庭では1世も2世もキスゲフクレアブラムシに襲われましたが、この裏庭の2世だけは今年も元気に開花中です。
ユウスゲに産み付けられた期待の天敵・クサカゲロウは今年は無力のまま消えました。
キスゲフクレアブラムシの勢いに焦って殺虫剤をかけてしまいましたが、後でアブラムシの駆除には牛乳を試すはずだったことを思い出しました。また出てきたら是非試してみたいと思います。
#パソコン上で行方不明になっていた画像が見つかり、2枚追加しました(2016.7.13.)。
昨年ユウスゲに付いたキスゲフクレアブラムシを記事にしました。
ところが、今年はさらに被害が大きく、特に中庭のユウスゲ2世は蕾も大きくならず立ち枯れする茎もありました(画像追加1)。
昨年同様、下に袋を受けてアブラムシを擦り落とそうとしたのですが、敵もさるもの、気配を感じるとぱらぱらとこぼれ落ち、翌日は元の木阿弥。
大小の幼虫がどこからともなく這い上がってきます。
しかし昨年は有翅型の成虫を確認できなかったため今年は是非見たいと思っていました。
これを見るまではユウスゲとキスゲフクレアブラムシとが共存して欲しい。
誠に身勝手な願いです。
大きなお腹! 無翅成虫でしょうか?
あ、翅です!
羽化したてでしょうか? まだ翅が伸びていないようです。
これがキスゲフクレアブラムシの有翅型の成虫です!
有翅型の成虫が続々誕生。蕾が枯れかけています。
見るべきものを見たら、今度はユウスゲを助けねばなりません。
とりあえず、センニンソウのキイロハバチに用いた室内用殺虫スプレーを一吹き!
驚くべき効果でした。アブラムシは忽ち黄変し動かなくなりました。
クサカゲロウ
草蜻蛉 (草蜉蝣)・ 臭蜻蛉(臭蜉蝣)
英名 Green lacewing
有翅昆虫亜綱アミメカゲロウ目アミメカゲロウ亜目クサカゲロウ科
殺虫剤の使用はできるだけ少なくしたい、そう思って遠慮がちに吹きかけていた時、倒れかかったユウスゲの茎に白い点々を見つけました(2016. 6.20.)。
もしや?
やはり前から見たかったクサカゲロウの卵です。
これはウドンゲ(優曇華)とも呼ばれています(画像追加2)。
実はクサカゲロウはアブラムシの天敵なのです。
クサカゲロウの幼虫のためには餌となるアブラムシを残してやらなければなりません。
ややこしいことになってきました(2016. 6.22.)。
1週後1個は孵化したよう、3個は孵化間近なのか黒っぽくなっていました。
クサカゲロウの幼虫はアブラムシを食べてその殻を背に乗せる習性があるそうです。
しかし、その後それらしい幼虫の姿は見つかりませんでした(2016. 6.29.)。
クサカゲロウの成虫には以前に2回出会っていました。
これは2011.8.11. スイフヨウの葉の上。
クサカゲロウとは正しくはクサカゲロウ科に属する昆虫の総称で、日本だけでも40種もいるそうです。
夜行性のため昼間はあまり見かけません。
画像を拡大すると顔の黒点が現れました。とするとヨツボシクサカゲロウでしょうか?
左の触覚は折れてしまったようです。
もう1枚は太郎庵椿の花にいたクサカゲロウです(2008.11.15.)。
ピンボケで顔が全く見えませんが、緑色の羽模様が美しい。
和名は草のような色だから草蜻蛉かと思ったら、触れると臭い匂いを出す種があるから臭蜻蛉という説もありました(この項一部訂正)。
裏庭に移植したユウスゲ2世です。(2016. 6.15. 17:29)
こちらにはまだキスゲフクレアブラムシが着いていません。
日当たりも風通しも良いところで次々と開花しています。
後ろの白い花はモナルダ・ホワイト。
「夕菅の庭」と名付けたもののたった一株では絶滅が心配になり、2009年人工授粉して2世を育てました。
その後、中庭では1世も2世もキスゲフクレアブラムシに襲われましたが、この裏庭の2世だけは今年も元気に開花中です。
ユウスゲに産み付けられた期待の天敵・クサカゲロウは今年は無力のまま消えました。
キスゲフクレアブラムシの勢いに焦って殺虫剤をかけてしまいましたが、後でアブラムシの駆除には牛乳を試すはずだったことを思い出しました。また出てきたら是非試してみたいと思います。
#パソコン上で行方不明になっていた画像が見つかり、2枚追加しました(2016.7.13.)。
2016-07-09 23:43
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アケビコノハの蛹と成虫 [昆虫]
アケビコノハの成虫
通草木葉蛾 チョウ目ヤガ科の昆虫
学名: Eudocima tyrannus
開帳:9〜10cm
9月の記事にしたアケビコノハの幼虫は10月初旬には見えなくなりました。
どこかで蛹になっているはずと思って見ると、アケビの葉が枯葉と絡まっているような所がありました。
何気なく触れると葉の塊がバタバターっと暴れてびっくり仰天。
多分アケビコノハが前蛹の状態で入っているのでしょう。
その目で見ると怪しい箇所がいくつか見つかりました。そっと触れても動かない。
成虫を一目見たくて蛹を小枝ごと切って羽化を観察することにしました。
こちらは、隙間から覗くと大きな目玉模様!
まだ繭未完成の生々しい前蛹でした!
こちらは枯葉を横に巻いています。
縦二つ折り。枯葉の方に繭がありそうです。
隣にあるツタの葉のおくるみ。
手に乗せれば葉1枚とは思えぬ重さを感じます。
採取した葉を1枚の紙の上に集めてステンドグラスのハウスを被せました。
これは6年前ルリタテハの幼虫の飼育に用いたものです。
今後はもう何も食べないからただ羽化を待つのみ。
10月16日、成虫1頭目を発見。このハウスの右上の黒い影です!
後のガラスの汚れは羽化後に成虫が排泄した液。
本当に1枚の枯葉のよう、見事な擬態です。
このままじっと動きません(下が頭部)。
空になった蛹を探し出しました。
葉の隙間をこじ開けると、強い繊維に包まれた黒褐色の蛹の殻が出てきました。
自ら糸を吐き出して繭を作っていたのです。
その後羽化した蛹。
この個体では繊維が少なく蛹がきれいに取り出せました。
しかし尾部は葉にしっかり固定されていて外せません。
こちらはツタの葉を左右からくるりと巻いて固定しただけ。
蛹は頭部がポコッと開いて出たようです。
どれも尾部は葉に固く結ばれています。
このハウスから1週間に5頭のアケビコノハが羽化しました。
羽化は全て夜間に行われ、翌朝、静止した成虫を見ることになりました。
この個体の場合は夕食前には何事もなかったのに、日付が変わった頃にはすでに羽化完了。
ストロボに照らされて目が赤く光っています。
夜行性のためか、翌日は昼になっても自ら羽ばたくこともなく、じっとしています。
このアケビコノハは1組の脚でぶら下がっているようです。
ひょっとして脚が隙間に入って死んでしまったのでしょうか?
脚を外して救出しようとして翅に触れるとぽとりと落ちました。
触覚も収められ、木の葉のごとく動きません。やはり死んでしまったのでしょうか?
追記:
下顎部に突き出しているのは下唇鬚(かしんしゅ)またはパルピと呼ばれ、口吻を保護する器官です。これで果実などに差し込んで吸汁する口吻を守っているのでしょう。
パルピはテングチョウにもありました。
ところが、紙ですくって外へ出そうとしたその瞬間、ぱっとオレンジ色が見えました。
一気に起き上がって、居間のガラス戸の最上部まで飛んで行ってしまったのです。
木の葉のように見せる擬態は死んだふり(擬死)もあったのですね。
そのあと羽化した個体で試しましたが、死んだふりをしたのは合わせて2頭、残り3頭は触れるとバタバタと暴れました。
ハウスの出口がわかると光を感知するのか、ガラス戸に直進しでバタバタと翅を開閉させますが、すぐに木の葉になって動かなくなります。
辛うじて撮れた半開帳の姿。
前翅には緑色の葉脈模様が浮き出ています。
後翅の鮮やかなオレンジ色がのぞき、ここにも黒い目玉模様がありました。
1頭はわずかに開いているガラス戸の隙間からまっしぐらに飛び立ってしまいました。
幸いにも低い位置に静止してくれた個体だけはカメラに収まりました。
翅の色には個体差があります。
これは最も濃い例で黒紫。前翅長 約5cm。
この個体の前翅はやや明るい灰褐色、頭部は褐色。
脚の腿節や触覚の基部に小白点が見えます。
真上から見ると意外にスリム。
裏翅が見えるのは飛翔のほんの一瞬。
ステンドガラス越しでボケボケですが、翅の裏側は全てオレンジ色で大胆な黒色模様がありました。
これはハウスから出ようと羽ばたいたところです。
普通は見えない腹側が撮れました。
頭部中央はパルピで、下部の裂け目から口吻が出るそうです。
「早くここから出して」と恨めしそうに見えます。
「はい、どうぞ」。
ハウスを出て飛翔、高く飛んで欄間の方で羽ばたいたとき、偶然、ガラスが鏡のようになって鏡像が撮れました。
しかし、ほとんどの写真はこのようにピンボケ。
オレンジ色がかろうじて写るのみでした。
ガラス戸の隙間を見つけて、あっけなく空に消えました。
アケビコノハは桃などの果実に被害をもたらす害虫ですが、このあたりには果樹園はなく、この庭のアケビについたのも初めてでしたからそのまま放ちました。
アケビコノハの幼虫を見つけてから成虫を見送るまで、約1ヶ月間のお付き合いでした。
いろんな姿を見せてくれてありがとう!
きれいな写真が撮れなくて残念ですが、おおよそわかったつもりでさようなら。
通草木葉蛾 チョウ目ヤガ科の昆虫
学名: Eudocima tyrannus
開帳:9〜10cm
9月の記事にしたアケビコノハの幼虫は10月初旬には見えなくなりました。
どこかで蛹になっているはずと思って見ると、アケビの葉が枯葉と絡まっているような所がありました。
何気なく触れると葉の塊がバタバターっと暴れてびっくり仰天。
多分アケビコノハが前蛹の状態で入っているのでしょう。
その目で見ると怪しい箇所がいくつか見つかりました。そっと触れても動かない。
成虫を一目見たくて蛹を小枝ごと切って羽化を観察することにしました。
こちらは、隙間から覗くと大きな目玉模様!
まだ繭未完成の生々しい前蛹でした!
こちらは枯葉を横に巻いています。
縦二つ折り。枯葉の方に繭がありそうです。
隣にあるツタの葉のおくるみ。
手に乗せれば葉1枚とは思えぬ重さを感じます。
採取した葉を1枚の紙の上に集めてステンドグラスのハウスを被せました。
これは6年前ルリタテハの幼虫の飼育に用いたものです。
今後はもう何も食べないからただ羽化を待つのみ。
10月16日、成虫1頭目を発見。このハウスの右上の黒い影です!
後のガラスの汚れは羽化後に成虫が排泄した液。
本当に1枚の枯葉のよう、見事な擬態です。
このままじっと動きません(下が頭部)。
空になった蛹を探し出しました。
葉の隙間をこじ開けると、強い繊維に包まれた黒褐色の蛹の殻が出てきました。
自ら糸を吐き出して繭を作っていたのです。
その後羽化した蛹。
この個体では繊維が少なく蛹がきれいに取り出せました。
しかし尾部は葉にしっかり固定されていて外せません。
こちらはツタの葉を左右からくるりと巻いて固定しただけ。
蛹は頭部がポコッと開いて出たようです。
どれも尾部は葉に固く結ばれています。
このハウスから1週間に5頭のアケビコノハが羽化しました。
羽化は全て夜間に行われ、翌朝、静止した成虫を見ることになりました。
この個体の場合は夕食前には何事もなかったのに、日付が変わった頃にはすでに羽化完了。
ストロボに照らされて目が赤く光っています。
夜行性のためか、翌日は昼になっても自ら羽ばたくこともなく、じっとしています。
このアケビコノハは1組の脚でぶら下がっているようです。
ひょっとして脚が隙間に入って死んでしまったのでしょうか?
脚を外して救出しようとして翅に触れるとぽとりと落ちました。
触覚も収められ、木の葉のごとく動きません。やはり死んでしまったのでしょうか?
追記:
下顎部に突き出しているのは下唇鬚(かしんしゅ)またはパルピと呼ばれ、口吻を保護する器官です。これで果実などに差し込んで吸汁する口吻を守っているのでしょう。
パルピはテングチョウにもありました。
ところが、紙ですくって外へ出そうとしたその瞬間、ぱっとオレンジ色が見えました。
一気に起き上がって、居間のガラス戸の最上部まで飛んで行ってしまったのです。
木の葉のように見せる擬態は死んだふり(擬死)もあったのですね。
そのあと羽化した個体で試しましたが、死んだふりをしたのは合わせて2頭、残り3頭は触れるとバタバタと暴れました。
ハウスの出口がわかると光を感知するのか、ガラス戸に直進しでバタバタと翅を開閉させますが、すぐに木の葉になって動かなくなります。
辛うじて撮れた半開帳の姿。
前翅には緑色の葉脈模様が浮き出ています。
後翅の鮮やかなオレンジ色がのぞき、ここにも黒い目玉模様がありました。
1頭はわずかに開いているガラス戸の隙間からまっしぐらに飛び立ってしまいました。
幸いにも低い位置に静止してくれた個体だけはカメラに収まりました。
翅の色には個体差があります。
これは最も濃い例で黒紫。前翅長 約5cm。
この個体の前翅はやや明るい灰褐色、頭部は褐色。
脚の腿節や触覚の基部に小白点が見えます。
真上から見ると意外にスリム。
裏翅が見えるのは飛翔のほんの一瞬。
ステンドガラス越しでボケボケですが、翅の裏側は全てオレンジ色で大胆な黒色模様がありました。
これはハウスから出ようと羽ばたいたところです。
普通は見えない腹側が撮れました。
頭部中央はパルピで、下部の裂け目から口吻が出るそうです。
「早くここから出して」と恨めしそうに見えます。
「はい、どうぞ」。
ハウスを出て飛翔、高く飛んで欄間の方で羽ばたいたとき、偶然、ガラスが鏡のようになって鏡像が撮れました。
しかし、ほとんどの写真はこのようにピンボケ。
オレンジ色がかろうじて写るのみでした。
ガラス戸の隙間を見つけて、あっけなく空に消えました。
アケビコノハは桃などの果実に被害をもたらす害虫ですが、このあたりには果樹園はなく、この庭のアケビについたのも初めてでしたからそのまま放ちました。
アケビコノハの幼虫を見つけてから成虫を見送るまで、約1ヶ月間のお付き合いでした。
いろんな姿を見せてくれてありがとう!
きれいな写真が撮れなくて残念ですが、おおよそわかったつもりでさようなら。
2015-11-01 22:07
コメント(14)
アケビコノハの幼虫 [昆虫]
アケビコノハ
チョウ目ヤガ科エグリバ類の昆虫
学名: Eudocima tyrannus
分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄・中国 ・アムール地方など
食草:アケビ・ムベ・ヒイラギナンテン・カキなど
庭の通路に落ち葉が目立つ季節になりました。
おや、何か黒っぽい木の実のようなものが散乱してます!
また大きな芋虫がいるのかな? きっとその落し物です。
見上げたブロック塀にはツタとアケビが絡んでいます。
そのアケビの蔓にいました!!!!!
アケビコノハの幼虫です!
上が頭、黒褐色の地に大きな目玉模様。
下腹部には帯状に白い模様、全身に青っぽい小斑点が散在しています。
一度見たら忘れられない姿形です。
幼虫には黒色調のものと緑色調のものとがあるそうです。
特徴は2対の眼状班。
これは威嚇のポーズでしょうか? 尾脚の吸盤がよく見えます。
2頭が蔓の先端で揺れています。
大きい方は普段見えない下半身の腹側を見せています。
北側に回って逆光で撮影。
これが芋虫とは思えませんね。奇怪な生物です!
しかし脚はふつうの芋虫と同じく、胸脚3対、腹脚4対、尾脚1対。
腹脚4対のうち一番上は小さく3脚のように見えることがあります。
壁に残った葉を見上げるとここにも2頭います。
若い葉を求めて蔓の先端まで食べ尽くしてしまいました。
腹脚の吸盤で蔓にぶら下がりながらの綱渡り。
まっすぐに伸びるとやはり芋虫型。
長さは6〜7cmありそうです。
蔓を登っていきます(上が頭)。
伸び縮みしながら上へ上へと移動中。
なんとか顔を写しました。蔓の先端を齧っています。
枝を揺すられて威嚇・護身のポーズです。
体を膨らまし、頭を隠して目玉と尾部で抗戦する構えでしょうか。
アケビ
木通、通草 アケビ科の蔓性落葉低木
学名:Akebia quinata
分布:本州、四国、九州、朝鮮半島、中国、インドネシア
花期:3〜4月
このアケビは知らぬ間に庭のわずかな隙間に自生したものです。
葉は掌状複葉、小葉はふつう5枚で長楕円形、長さ3〜5cm。
右側に覗いているのは雄花。
雌雄同株ですが雌雄異花。
葉の間から総状花序が下垂し、数個の雄花と0〜3個の雌花が開きます。
花は雌雄とも花弁が無く、3枚の萼片が花弁のように見えます。
左上は雌花、中央下部が雄花。
雄花の萼片は淡紫色、6本の雄しべは濃い紫紅色。
これが雌花。
雌花は大きく直径3cmくらいあり、萼片は淡い紫紅色、雌しべは6本、濃い紫紅色。
このアケビの果実はまだ一つも確認していません。
20年ほど前、ヒイラギナンテンについたアケビコノハの幼虫に驚いたことがありました。
今回はその時より数も多く近くで見ることができました。
検索して見る成虫は枯れた木の葉にそっくりです。
幼虫を飼育する気にはなれませんが、蛹なら保管すれば成虫がみられるかもしれませんね。
但し成虫は熟した果実の甘い汁を吸う害虫として嫌われます。
追記:
11月1日、このアケビコノハの蛹と成虫を観察した記事を公開しました。
「アケビコノハの蛹と成虫」
チョウ目ヤガ科エグリバ類の昆虫
学名: Eudocima tyrannus
分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄・中国 ・アムール地方など
食草:アケビ・ムベ・ヒイラギナンテン・カキなど
庭の通路に落ち葉が目立つ季節になりました。
おや、何か黒っぽい木の実のようなものが散乱してます!
また大きな芋虫がいるのかな? きっとその落し物です。
見上げたブロック塀にはツタとアケビが絡んでいます。
そのアケビの蔓にいました!!!!!
アケビコノハの幼虫です!
上が頭、黒褐色の地に大きな目玉模様。
下腹部には帯状に白い模様、全身に青っぽい小斑点が散在しています。
一度見たら忘れられない姿形です。
幼虫には黒色調のものと緑色調のものとがあるそうです。
特徴は2対の眼状班。
これは威嚇のポーズでしょうか? 尾脚の吸盤がよく見えます。
2頭が蔓の先端で揺れています。
大きい方は普段見えない下半身の腹側を見せています。
北側に回って逆光で撮影。
これが芋虫とは思えませんね。奇怪な生物です!
しかし脚はふつうの芋虫と同じく、胸脚3対、腹脚4対、尾脚1対。
腹脚4対のうち一番上は小さく3脚のように見えることがあります。
壁に残った葉を見上げるとここにも2頭います。
若い葉を求めて蔓の先端まで食べ尽くしてしまいました。
腹脚の吸盤で蔓にぶら下がりながらの綱渡り。
まっすぐに伸びるとやはり芋虫型。
長さは6〜7cmありそうです。
蔓を登っていきます(上が頭)。
伸び縮みしながら上へ上へと移動中。
なんとか顔を写しました。蔓の先端を齧っています。
枝を揺すられて威嚇・護身のポーズです。
体を膨らまし、頭を隠して目玉と尾部で抗戦する構えでしょうか。
アケビ
木通、通草 アケビ科の蔓性落葉低木
学名:Akebia quinata
分布:本州、四国、九州、朝鮮半島、中国、インドネシア
花期:3〜4月
このアケビは知らぬ間に庭のわずかな隙間に自生したものです。
葉は掌状複葉、小葉はふつう5枚で長楕円形、長さ3〜5cm。
右側に覗いているのは雄花。
雌雄同株ですが雌雄異花。
葉の間から総状花序が下垂し、数個の雄花と0〜3個の雌花が開きます。
花は雌雄とも花弁が無く、3枚の萼片が花弁のように見えます。
左上は雌花、中央下部が雄花。
雄花の萼片は淡紫色、6本の雄しべは濃い紫紅色。
これが雌花。
雌花は大きく直径3cmくらいあり、萼片は淡い紫紅色、雌しべは6本、濃い紫紅色。
このアケビの果実はまだ一つも確認していません。
20年ほど前、ヒイラギナンテンについたアケビコノハの幼虫に驚いたことがありました。
今回はその時より数も多く近くで見ることができました。
検索して見る成虫は枯れた木の葉にそっくりです。
幼虫を飼育する気にはなれませんが、蛹なら保管すれば成虫がみられるかもしれませんね。
但し成虫は熟した果実の甘い汁を吸う害虫として嫌われます。
追記:
11月1日、このアケビコノハの蛹と成虫を観察した記事を公開しました。
「アケビコノハの蛹と成虫」
2015-09-30 17:53
コメント(16)