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最後の冬 2018 [庭便り(冬)]

この冬の寒さは文字通り骨身に凍みます。
年が明けていよいよ断捨離を迫られる日々。
でもこの地の冬はこれが最後かと思うとやはり庭も気になります。
迷いつつも、最後の年の庭の様子を少しばかり写しました。

シモバシラの霜柱
体感温度は低いのに年末はこの庭のシモバシラには霜柱ができませんでした。
シモバシラの周りにクリスマスローズが増えすぎたからでしょうか。
友人から30cmもある霜柱の画像が届くと少々気になります。

1月4日、やっとこの冬初めての霜柱が形成されました(気温−1℃)。
20180104-2wb.jpg

クリスマスローズの葉を避けて、何とか接写を試みました。
まだ9時だというのにもう解け始めています。
201801040901wb2.jpg

1月12日、本格的寒波襲来、さすがに一気に氷の花が開きました(気温−3℃)。
20180112霜柱5wb.jpg

8時45分、きりりと巻いた多数の糸車。
固く凍りついて触っても崩れません。
霜柱20180112M1wb.jpg

9時過ぎると陽が差し込んできました。
普通はこのころになると解け始めますがこの日はまだ固い。
20180112R1wb.jpg

9時38分、さすがに緩んできました。
20180114-4wb.jpg

10時45分 次第に解けていきます。
こんな日だったら 10時開園の植物園でも何とか霜柱が見られますね。
20180113-1045wb2.jpg

こちらは6年前に植えたシモバシラですが一向に大きくなりません。
霜柱も小さいのですが、左のは太くたくましい。
この庭のシモバシラについては2017.1.30.「シモバシラの霜柱」の項にまとめてあります。
20180112M2wb.jpg

ニホンズイセン
殺風景な冬の庭を労無く彩ってくれるのはニホンズイセン
手間いらずで有り難いのですが雪に弱いのが難点です。
スイセンDSC_7198wb.jpg

日陰では特に花茎が長くなるため折れやすい。
スイセン満開1wb.jpg

隣地との境界フェンスの下のはまだ背が低く安定していると思っていたのですが.......
スイセン東20180124wb2.jpg

わずかな雪でダウン。
自力で再起は出来ませんから、折れたところから切り取って生け花として楽しみます。
スイセン無残2wb.jpg

10cmの積雪では地に伏すものが続出。
花が地面につくと花弁が汚れ、生け花にも使えなくなってしまいます。
中央左下の黒い実はヤブランです。
スイセン無残3wb.jpg

大雪の予報を聞いて折れた花を切り取りました。
三つに分けて二つは庭を手伝っていただくシルバーさん達に差し上げました。
まずは大きな花器に生けて、普段は暖房を入れない和室に置きます。
暖かい部屋においた花は早く咲き終えるのでここから補給するのです。
スイセン束wb.jpg
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ケヤキとの30年  [庭便り(冬)]

ケヤキとの30年

突然ですが、今秋転居することになりました。
残念ながらこの庭とも別れねばなりません。
急展開に戸惑いつつ、まずは戸棚いっぱいのアルバムの整理から始めました。
写真には40余年の間の庭の変遷も垣間見られます。
中でも今はなき「ケヤキ」が強く思い出されてここに特記することにしました。

1972年、東京都府中市へ息子の出生届を提出しました。
そこで「記念にどうぞ」と言われて5種類ほどの苗木から選んだのがケヤキでした。
府中の駅前には天然記念物の見事なケヤキ並木があり、それに因んだのです。
箸ほどの太さの苗木を鉢に植え、エレベーターのない官舎の5階のベランダに置きました。
2年後当地へ転居、高さ2mくらいになっていたケヤキも載せて来ました。

当地は元は畑で日当たり抜群、地植えにしたケヤキはどんどん大きくなりました。
4年後増築の際、居間の前庭に移植するとますます成長。
これは1982年、息子が10才の時の写真です。
ケヤキも10年でこんなに大きく育ちました。
顕ケヤキ4wb.jpg

上の写真の下方には低いコンクリートの仕切りが見えます。
後に撤去し、段差は斜面になりました。
ケヤキ最盛期wb.jpg

一方、増築に際し仕事場の前にはもう1本、クスノキが植えられました。
ケヤキとクスノキは競い合うかのように成長(中央の花はヒメコブシ)。
ケヤキ2wb2.jpg

ケヤキの木陰は涼しく、その下の芝生も何とか育っていました。
しかし、こんもり茂ったクスノキは仕事場を暗くし、下の芝生は枯れていきます。           
ケヤキとクスノキ1wb.jpg

家庭菜園を掘ればケヤキの網状の根とクスノキの樟脳の香りのする根が絡み合っていました。畑の肥料はこれら2本の大木に吸い上げられ野菜の育ちは悪くなる一方です。
2000年、遂にガーデナーに相談、クスノキを伐採するしかないと言われ、意を決して伐採撤去、代わりに花木と草花の庭が誕生しました。
一方、ケヤキとは共存したいと思い、畑へ伸びる根を切り、境界にコンクリート柵を埋めてもらいました。
そのあとは野菜の育ちもよくなりめでたしめでたし。
と思ったのも束の間、その2年後の夏、ケヤキは早々と落葉、樹皮に亀裂が現れました。
ケヤキ枯れ20020820wb.jpg

後から思えば畑に向かう主根を切ってしまったのでしょう。
ケヤキは強いと思い込み、根を半分にして成長を止めようと思ったのです。
かわいそうなことをしました。今だに心が痛みます。
ケヤキ枯れ1wb.jpg

ケヤキの幹の一番太い部分は漆工芸家さんにもらわれて行きました。
その上の幹は今も庭隅にあります。
さらにその上の分岐した部分で木工作家(はせ工房)さんが子供用の椅子4つとテーブルを作って下さいました。
ケヤキ小卓椅子1wb.jpg

ケヤキの根元にはこの庭の主だった愛犬が眠っています。
寂しくなった空間に耐えられず、翌春オオバボダイジュを植えました。
ケヤキの切り株はそのまま残しましたが、芽吹くことはなく次第に朽ちて行きました。
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