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ヒョウスイボク(秤錘木) [庭の外]

ヒョウスイボク
   秤錘木
 エゴノキ科の落葉樹
 学名:Sinojackia xylocarpa 
 原産:中国(中国名:秤錘樹)

4月下旬、浜松フラワーパークで今まで見たことがない花に出会いました。
まだ広い公園を歩くのはままならぬ身ですが、電動車椅子を借りて孫達とこども広場へ行く途中でした。カメラは小さなコンデジのみ。
ヒョウスイボク2wb2.jpg

若葉の茂みの中に白い花を見つけました。何の花?
ヒョウスイボク名札1wb.jpg

「秤錘樹 エゴノキの仲間」と表示がありました。
とりあえず写真をとっておけば、あとで検索できます。
ところが Googleで「秤錘樹」と入力しても何も出てきません。
手持ちの図鑑でエゴノキ科を見ても絵合せ不能。
1wb.jpg

エゴノキの花と比べると、花弁が円くふくよかな印象です。
ヒョウスイボク2wb.jpg

花弁5〜7枚に見えますが、エゴノキのように花冠が深裂しているのかどうかは確認できません。
ヒョウスイボク1wb.jpg

多数の雄しべが雌しべを囲んでいます。
花糸は白色、葯は黄色。雄しべの束がくびれているのが特徴のようです。
ヒョウスイボク3wb.jpg

「秤錘樹」って何でしょう?
思い余って浜松フラワーパークへ問い合わせたところ、丁寧なお返事をいただきました。
この木は10数年前に当時の園長さんが中国雲南地方への視察の際持ち帰られたものだそうです。
「秤錘樹」の説明がある「中国高等植物図鑑」第3巻 341ページも添付して下さいました。
秤錘というのは建築の時などに垂直を決めるために用いられる(用いられた?)重りのことでした。果実がこの重りに似ていることから命名されたようです。
小石川植物園にも植栽されているそうです。

「ヒョウスイボク」と入力すると浜松フラワーパークの解説も出てきました。
  http://flowerpark.hamazo.tv/e1682401.html   (2009.4.18.)

ハクウンボク
これは同じくエゴノキ科のハクウンボクです。
つくば市の洞峰公園で初めてハクウンボクを見て撮った写真です。
ハクウンボク1wb.jpg

落花に気づいて見上げた時、大きな円い葉とその間から下垂する花に感動しました。
ハクウンボク2wb.jpg

花はエゴノキの花とよく似ていました。
ハクウンボク2wb3.jpg

エゴノキ
これは我が家のエゴノキです。
花数に圧倒されます。
エゴ20120517wb2.jpg

葉は長楕円形で先が尖っています。
エゴ20120517-1wb2.jpg

花冠は5深裂、雄しべ10本、雌しべ1本。
エゴノキ花2wb.jpg

エゴノキ属は世界に120〜130種もあるそうです。
私は今までにエゴノキとハクウンボクしか見ていませんでしたが、今回見たヒョウスイボクの花の美しさは忘れがたく、お忙しい浜松フラワーパークの学芸員さんにお尋ねしてしまいました。
秋になって果実が実る頃、今度は「秤錘」を見に行きたいものです。

追 記 - 1
「秤錘」を漢和辞典で調べようとしましたが、出ていません。
「秤」は「ショウ」と読み、禾(いね)の束を数える意から「はかる」意となったようです。でも天秤は「テンビン」と読みますね。
「ヒョウ」という読み方はどこから来たのでしょう?

追 記 - 2(2016.6.7.)
「追記-1」について花咲かおばさんからコメントをいただきました。
手元には大きな漢和辞典がありませんが、在るものでもう少し調べてみました。
「字統」によれば「はかり」の元の字は「稱」。旁(つくり)がハカリの重りを称(あ)げている形と。
「稱」から「称(ショウ)」さらに「秤」が用いられるようになったようです。
「角川漢和中辞典」には「秤」を「ショウと読むのは、称と意味がおなじところから、称の音で読んだもの」とあり、「ヒョウ」という読み方は出ていません。
しかし、今では「称」も用い方が変わってきており、「秤」も「ショウ」より旁のままの「ヒョウ」の方が通じやすそうですね。
早まって余分なことを追記したことをお詫びします。

コメント(16) 

コメント 16

デスタントドラムス

初めてのお花見せていただきありがとうございます。
エゴの木も植えてみたい花木です。
この花いっぱいの木陰下で、おちゃでも飲んでみたくなりますね。

育てやすい花木ですか。
by デスタントドラムス (2016-06-06 20:31) 

花咲かばあば

ヒョウスイボク、初めて見る木です。
花の形が、円くてかわいいですね。こうして三つの木の違いを見せていただいて似ているようですが、、、。ハクウンボクとエゴノキの表示を間違えている公園など時々見かけます。
うちの庭でも今年も沢山の花をつけましたが、カミキリムシの幼虫が根元に、1センチほどの穴をあけられ、やがて枯れてしまい、10本立ての木が半分ほどになってしまいました。実がいっぱい落ちてたくさんの芽をだします。大きくならないうちに見つけると抜いています。風にくるくると回りながら散る景は素敵ですね。
by 花咲かばあば (2016-06-06 21:03) 

夕菅

デスタントドラムス さん コメントありがとうございました。
うちのエゴノキはかなり大きな株を植えたのですが、それからもう30年以上たちました。
手間のかからない木でしたが、この数年テッポウムシの被害が出て毎年1枝2枝枯れていきます。
満開のときは見上げるとどこも真っ白。
そのあと花が落ちて白い絨毯、踏むのが惜しくて回り道です(笑)。
by 夕菅 (2016-06-06 22:08) 

エフ・エム

ヒョウスイボクを初めて知りました。確かにエゴノキの花によく似ていますが、よりスッキリとした端正な花ですね。ミズーリ植物園のホームページにちょっと詳しい説明がありました。野生の生息地は江蘇省南京近郊に限られているようですね。ごくわずかしかなく、ICUNのレッドリストに入っているとか。
http://www.missouribotanicalgarden.org/PlantFinder/PlantFinderDetails.aspx?taxonid=287283&isprofile=0&

中学生の頃、母方の祖父の家の庭に立派な木があって、ハクウンボクという名であることを祖父が教えてくれました。懐かしく思い出します。
by エフ・エム (2016-06-06 22:14) 

夕菅

花咲かばあばさん コメントありがとうございました。
ヒョウスイボク、ひょっとしたら日本には小石川植物園と浜松フラワーパークにしかないのかもしれません。
ハクウンボクとエゴノキはネット上でもまちがっていることがありますね。
やはりエゴノキはカミキリムシの被害をうけやすいのですね。
うちでは下が笹、その周りはコンクリートなので2世はみていません。
「秤錘」の読みが気になって調べたらますます???
追記に書いておきました。
by 夕菅 (2016-06-06 22:38) 

703

滅多に見ることができない花を見せていただき、ありがとうございます。
お孫さんたちと浜松フラワーパークにお出かけなさったのですね。
気候もよく、珍しい花も見られて、最高でしたね。
つい先ほど、昔の記念切手を見ていて、葉っぱの切手がありましたが、
このハクウンボクの写真を切り取ったようでした。
ハクウンボクも知りませんでしたが、花の綺麗ないい木ですね。
感動なさったのがよく分かります。
夕菅さんのお庭のエゴの木は立派ですねえ!
うちではまだひょろひょろしています。
by 703 (2016-06-06 23:49) 

夕菅

エフ・エム さん コメントと文献、ありがとうございました。
ヒョウスイボクは非常に希少な樹木だったのですね。
朝日百科によればエゴノキ科は世界に約11属150種あり、中国にはエゴノキ科の9属が知られ、6属は中国に固有とか。中国はエゴノキ科が育ち易いようです。
エフ・エムさんは中学生の頃からハクウンボクをご存知だったのですね。私は数年前初めて見たとき、感動してエゴノキよりハクウンボクを植えればよかったと思いました。
今回のヒョウスイボクの花にはまたさらに魅せられました。
(先ほど「ヒョウスイボク」の和名(?)について追記しました。)
by 夕菅 (2016-06-07 00:01) 

夕菅

703 さん コメントありがとうございました。
浜松フラワーパークではフジが満開で、沢山の花が咲いていました。
けれども私の心に残ったのは場末のこの花。
名前を教えていただいたので、コンデジ写真では申し訳ないのですが、記事にしてしまいました。
ハクウンボクは日本に自生する木ですから、どこかで会えるといいですね。
エゴノキは株立ちなので、テッポウムシの被害を受けた部分を切っても、今年もまだまだ多すぎるくらいの花をつけました。

by 夕菅 (2016-06-07 00:28) 

花咲かばあば

「秤」という文字を検索してみました。「ショウ」「ビン」との読みでしたが、
こんな言葉も紹介されていました。
「浮秤」の読みには、「ウキバカリ」「フヒョウ」と。
「秤量」は「ヒョウリョウ」と。性格の読みは、「ショウリョウ」とも書かれていました。
文字の作りを見ると、左側の作りが「平」ですので、「ヒョウ」の読みの
ほうが、、、、とも思ってしまいます。
花の話から、いろいろな方向に、、楽しみが広がります。
ありがとうございました。
by 花咲かばあば (2016-06-07 07:15) 

とんちゃん

ヒョウスイボクですか!小石川植物園にもあるのですか!
そう言われると行ってみたくなります
エゴノキと比べると丸みのある優しい花を咲かせますね
中国からやってきたのですね
中国にははっと思うような植物が豊富にありそうでそれを日本で目にできるって幸せに思えます。
「平」という文字が入るので読みは「ひょう」がしっくりくるような・・・
by とんちゃん (2016-06-07 08:08) 

夕菅

花咲かばあばさん 再度のコメントありがとうございました。
確かに「秤」を「ショウ」と読むほうが難しく、つくり(旁)は「平」ですから「ヒョウ」と読んだほうが素直ですね。
これについてはもう一度本文に追加しましたので、お読みいただければ幸いです。
一緒に考えていただけるのはブログの醍醐味、またいろいろ教えてくださいね。ありがとうございました。

by 夕菅 (2016-06-07 10:49) 

夕菅

とんちゃん コメントありがとうございました。
実はヒョウスイボクが小石川植物園にもあることがわかってから、「花紀行」も検索させていただきましたが見つかりませんでした。
小石川植物園の木はネットで見るとかなり大きな木で果実もたくさんできるようです。7〜9月頃熟し、10〜11月頃には落果が拾えるかもしれません。見つかるといいですね。
「秤」の読みについてはまた「追記-2」を加えました。
やはり「ヒョウ」の方が今風ですね。ありがとうございました。

by 夕菅 (2016-06-07 11:06) 

多摩NTの住人

ヒョウスイボクは初めて知りました。とても興味深い記事でした。小石川植物園は遠くではないですが、なかなか行く機会がありません。
by 多摩NTの住人 (2016-06-07 21:13) 

夕菅

多摩NTの住人 さん コメントありがとうございました。
浜松で見たヒョウスイボクは花も名前も忘れがたいものとなりました。
絶滅危惧種のようですが、立派な果実ができるようですから発芽して育つといいですね。



by 夕菅 (2016-06-07 21:57) 

とんちゃん

夕菅さん、小石川でヒョウスイボクを見てきました。
場所は入り口で聞いてからまっすぐその場所に!
名札の付いた木の様子は小石川と同じような感じです。
そのときのことをブログにしたいのですがこちらをリンクさせていただきたいと思ってそのお願いです。
今年は果実ができるのかどうかを確認したいし来年には花が見られたらいいと楽しみにしています。
by とんちゃん (2016-06-14 07:37) 

夕菅

とんちゃん うれしいコメントありがとうございました。
ヒョウスイボクが小石川植物園にあることが分かった時、今後はとんちゃんにお任せできたらと思っていました。
浜松では距離があり、カメラもコンデジでしたから、花の写真も不出来でした。
リンクはこちらからお願いしたいほどです。楽しみにしています。
by 夕菅 (2016-06-14 08:12) 

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