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ツマグロヒョウモン [昆虫]

ツマグロヒョウモン
 褄黒豹紋
 チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科
 学名: Argyreus hyperbius
 前翅長:27〜45mm (文献により区々 )
 分布:本州・四国・九州・沖縄
 幼虫の食草:スミレ類

ツマグロヒョウモンがベランダのオンシジウムに止まった一瞬。
珍しく華やかな組み合わせになりました。
これは雌? 雄? 
雌です!
昆虫は雄の方が大きく美しいことが多いのに、ツマグロヒョウモンの雌は雄よりカラフルで美しく、やや大きいのです。
雌の翅の模様は毒を持つマダラチョウの仲間、カバマダラに擬態しているといわれています。
ツマグロヒョウモン♀2wb.jpg

この数年の間に撮ったツマグロヒョウモンの写真をまとめてみます。
雄が降り立ったのはセアノサス ベルサイユ。
雄の翅の表側の模様はヒョウモンチョウ類に共通の豹柄ですが、後翅の外縁が黒く縁取られているのが特徴です。
ツマグロヒョウモン090627wb.jpg

口吻を伸ばして蜜を吸います。
ツマグロヒョウモン090627-2w.jpg

翅を開いたり閉じたり。後翅外縁の黒い帯模様がよくわかります。
ツマグロヒョウモン090627-3w.jpg

メキシコ原産のネム カリアンドラ・エマルギナタに茶褐色の蛹を発見。
調べるとツマグロヒョウモンの蛹でした。
頭部に左右5個づつの宝石か金属のように光る棘状突起があります。
幼虫を飼育しても羽化の経過はなかなか見られません。
30秒くらいで変身してしまうようです。
このまま観察することにしました。
ツマグロヒョウモン蛹wb.jpg

幼虫を飼育しても羽化の経過はなかなか見られません。
30秒くらいで変身してしまうようです。
幸いなことに4日後の朝、羽化直後の姿を見ることが出来ました。
左に抜け殻も残っています。
ツマグロヒョウモン♀羽化直後wb.jpg

3時間後、既に移動していました。
翅が乾いてもう飛翔できそうです。
ツマグロヒョウモン羽化後wb.jpg

雌のツマグロヒョウモン。
前翅の裏側の一部は紅と紺で彩られています。
ツマグロヒョウモン♀側面0.jpg

この翅の畳み方では雌雄不明です。
ツマグロヒョウモン20110626♂wb.jpg

交尾中は写真が撮り易い。翅の端の色から左が雌かと思います。
ツマグロヒョウモン交尾1wb.jpg

と思ったのですがその後は?
ツマグロヒョウモン交尾2wb.jpg

ツマグロヒョウモン交尾3wb.jpg

ツマグロヒョウモン交尾4wb.jpg

ツマグロヒョウモン交尾5wb.jpg

ツマグロヒョウモンは幼虫も派手派手です。
黒地に赤いラインとトゲ。但し刺すことはなく毒もありません。
赤色は警告色として役立っているのでしょう。
食草がスミレ類ですから、花を愛するものには嫌われ者です。
蛹になる所を探しているのでしょうか。
ツマグロヒョウモン幼虫wb.jpg

最後はサワフジバカマとツマグロヒョウモンの雌。
明るい画像で終わりましょう。
ツマグロヒョウモン♀1wb.jpg

この庭には冬も花がほしくてパンジーやビオラをたくさん植えますし、スミレ類も大好きですから、ツマグロヒョウモンの成虫も幼虫もよく見られます。
花が好き、チョウも好きという者にとってツマグロヒョウモンの幼虫は複雑な存在です。

同じことがルリタテハにもいえます。昨年はホトトギスの花がほとんど見られませんでした。ホトトギスを食草とするルリタテハの幼虫が葉や蕾を食べてしまったからです。
スミレ類はホトトギスより数も多く、咲く期間も長いのでツマグロヒョウモンの幼虫が食べても今のところ被害は目立ちません。
でもあの赤い幼虫にはやはり余り出会いたくありませんね。
コメント(10) 

コメント 10

エフ・エム

ツマグロヒョウモンの写真は鮮やかに撮れていますね。交尾している映像などなかなか見られません。
このチョウはこちらにもすっかり定着し、狭い庭先でもひらひら飛んでスミレを探しているようです。先日、ツタスミレ(パンダスミレ)の鉢の近くの地面をはっている例の幼虫を見付けました。これはあぶないと思いましたが、どこかに行ってくれればと願って、そのままにしました。それでも気になって1時間ほどのちにツタスミレの鉢を覗いたら、ちゃんと鉢に入り込んで、食事をしていました。しようがない、退治せざるを得ませんでした。
by エフ・エム (2013-09-26 14:29) 

とんちゃん

ツマグロヒョウモンって表翅がきれいなのがメスなのですね!
オスと比べると随分違います。
両方共ツマグロヒョウモンですよ!と言われてどっちがオスなのか聞かれたら間違える自信があります。
幼虫を見ると毒を持っているのかと思えるほどの色をしていますね。
蛹からの観察をされて羽化直後の色も見ることができました。
蝶々も花もどっちも愛してやまない身にとっては複雑な思いもありますね。
あまり被害が出ないのだったら潔く提供してあげてる!というおおらかな気持ちになれていいのかなと思いました。
美しいツマグロヒョウモンに撮れているので私も狙ってみたくなりました。
by とんちゃん (2013-09-26 14:35) 

夕菅

エフ・エムさん コメントありがとうございました。
交尾画像は全て2009年6月23日のものですから同じ個体だろうと思います。それ以外に見たことはありませんが今回思いきってまとめて公開しました。
幼虫の紅色は警戒色なのでしょうか。
カバマダラの幼虫も同じかと検索しますとクリーム色と黒の横縞でした。
やはり花を守らんとすれば幼虫駆除はやむを得ませんね。
今年大量発生したうちのルリタテハの幼虫もそうなりました。

by 夕菅 (2013-09-26 18:00) 

夕菅

とんちゃん コメントありがとうございました。
ツマグロヒョウモンの表翅は一目で分かりますが、裏翅はわかり難くはじめ8枚目は雄か雌か迷いました。
調べたら雌は表翅も裏翅も華やか、雄は共に地味な豹柄とわかりました。
かってルリタテハの幼虫を飼いましたが、ツマグロヒョウモンの幼虫はどうもその気にはなれません(笑)。
とんちゃん ならもっときれいにツマグロヒョウモンが撮れますよ。
by 夕菅 (2013-09-26 18:16) 

703

見たことがあるような、ないような蝶です。
羽化したばかりのは、見たことない自信(?)があります。
絶えず観察していないと、こうタイミングよくは撮れないですよね。
いつもながらの丁寧な観察と、美しい写真に感服。
昆虫図鑑に採用されそうですね!
by 703 (2013-09-26 22:16) 

花咲かばあさん

蝶の羽は本当に美しい。美しい写真を撮りたいです。音も立てずにひらひらと静かに舞い降りる姿は好ましいですが、花を育てているとやっかいな昆虫ですね。野生のスミレが茎を残して丸坊主、園芸種のスミレまでも食するということは、どんどん数を増やすはずですね。豹柄だから豹紋蝶というんですね。
このツマグロヒョウモンは冬を除いて長い期間見られますね。
幼虫は毒虫のように見えますがそうではないのですね。
蛹に付けたダイアモンドが光っています。
可愛そうですが、見つけたら退治しています。
とても幼虫を飼う気にはなりません。
by 花咲かばあさん (2013-09-26 22:21) 

夕菅

703さんのお庭にもきっと訪れていると思います。
でも雄だとキタテハなどの豹紋蝶と区別し難いかもしれません。
雌は表を見せてくれたらすぐわかります。
蝶を撮るのはむつかしいですね。これらはただ幸運によるものです。
by 夕菅 (2013-09-26 22:51) 

夕菅

花咲かおばさん とこでも常連さんなのですね。
たしかにツマグロヒョウモンは年に4〜5回も発生(多化性)し、活動期は4〜11月と長いようです。
きっとチャンスが訪れますから逃さず良い写真を撮って下さい。
ツマグロヒョウモンも次世代には褄なんて知らない人が増えて妻(雌)黒と誤解されるかもしれません。
幼虫には毒はないとは言ってもスミレを坊主にされてはたまりませんね。
by 夕菅 (2013-09-27 00:10) 

ミセスサニー

写真一挙大放出ですね!
このサナギの金色に光る点点はどこになる部分で
なぜ金色なのか昔から疑問でした。
どう思われますか?
http://ssgardenroom.web.fc2.com/l-tsumaguro.html
わたしのHPではこんな写真になりました。
昆虫の世界も楽しいけれど不思議がいっぱいですね。

by ミセスサニー (2013-09-27 21:13) 

夕菅

ミセスサニーさんのところもツマグロヒョウモンがいっぱいのようですね。ご紹介ありがとうございました。
幼虫の脚とトゲのアップ、圧巻ですね。
サナギの金色に光る鋲のような部分はトゲに合致するようですが成虫では何になっているのでしょう。
花も昆虫も私にとっては謎に満ち満ちています。






























































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































ツマグロヒョウモン
あの金色の鋲、どうも気になりますね。

by 夕菅 (2013-09-27 23:22) 

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