SSブログ

ハグロトンボ  [昆虫]

ハグロトンボ (羽黒蜻蛉)
 イトトンボ亜目 カワトンボ科 
 成虫の体長 53-68mm  
 分布:本州・四国・九州

あっ! 黒いトンボ!
ひらひらと黒い羽が蝶のように花壇に舞う、思わずカメラを構えます。
夢中でシャッターを切るのですが飛んでいる姿を撮るのは至難の業です。
ヤノネボンテンカの葉に停まりました。
4枚の羽を開いたり閉じたりします。
辛うじて写った画像を拡大しました。

ハグロトンボ1♂wb2.jpg

翅を閉じた姿です。
黒い翅と金属のように輝く緑〜青色の長い腹部。
腹部には金色の節があり、細工された釣り竿のようです。
腹節は10個あり、腹部を第1から第10までの節に区切ります。

このトンボはハグロトンボの♂と判明しました。

ハグロトンボ3♂wb.jpg

画像を拡大して明るくします。
黒い複眼と短い触覚が1対づつ。
6本の脚には多数の長いとげが出ていました。

ハグロトンボ3♂@wb2.jpg

追記 このとげ、何のためにあるのでしょう? 気になっていろいろ考えました。
   その結果、トンボは空中を飛びながら、このとげの生えた6本の脚を組み合わ
   せて昆虫などを捕り、餌とするのであろうと思い至りました。
   優美な姿に魅せられ、チョウとは異なるトンボの食性を忘れるところでした。

ハグロトンボの♀は翅が褐色です。
ボケていますが昨年撮った♀の写真です。

ハグロトンボ4♀wb.jpg

ハグロトンボに似たカワトンボにアオハダトンボという希少種がいることが分かりました。
アオハダトンボは清流にしか棲まないといわれ、ハグロトンボよりやや小型ですが、翅は鮮やかな藍色、前胸部も金緑色でさらに美しいそうです。
この近くを木曽川が流れ、周囲にはまだ水田が残っています。
アオハダトンボを望むことは出来ませんが、ハグロトンボが訪れてくれる環境を保っていきたいものです。

コメント(10) 

コメント 10

エフ・エム

ハグロトンボにはよく出会うのですが、用心深いトンボで、なかなか写真を撮らせてくれません。飛んでいるところなどとてもとても。
尻尾の節がおもしろい。節間を長くして、バランスが最適になるように進化したのですね。昆虫に見る形態の多様性には感心させられます。
by エフ・エム (2011-07-31 09:11) 

夕菅

エフ・エムさん コメントありがとうございました。
本当にトンボは動きが早いですね〜。
今までアップできるような写真が撮れずあきらめていましたが、今度初めて半開場面が撮れたのでそれだけでもう嬉しくなって披露しまし(笑)。
でも記事にしようとして下調べすると日本蜻蛉学会という学会もあって、これまた奥の深さに圧倒されました。
トンボの10個の腹節はそれぞれの長さが微妙に異なっているのですね。
by 夕菅 (2011-07-31 16:30) 

satton

用心深いトンボをよくもまあ鮮明に撮りましたね。細長い胴体のグラデーションのような色調まで捕らえて凄いです。北海道にはいないようで、出合ったことがありません。
by satton (2011-07-31 21:31) 

夕菅

satton さん コメントありがとうございました。
これはたまたま、目の前に停まって翅をぱたぱたしてくれたという偶然に過ぎません。後から思うと連続撮影すればよかったんですね。
確かに北海道にはいないようです。
by 夕菅 (2011-07-31 23:21) 

とんとん

ハグロトンボは糸トンボのうちで大きな方だったかしら。
翅の黒と胴体の青の取り合わせが神秘的で惹かれます♪
水辺や池の近くの林などに行かないと中々見られませんが、生き物の神秘に出会えると一気に元気になれますね。

短い触角が良く見えて、目から鱗です。
脚の毛もホントに長くて驚きます。
by とんとん (2011-08-02 08:50) 

夕菅

とんとん さんもハグロトンボに出会えると元気になられるんですね。
私も、ひらひらと舞う姿を眺められた時はもうそれだけで幸運と思えます。
ハグロトンボは普通見られるイトトンボの中では一番大きいようで見映えがしますね。
こんなに長い脚のとげ、何の役に立つのでしょうか?

by 夕菅 (2011-08-02 12:25) 

わんちゃん

夕菅さん こんばんわ~~

トンボたちはなかなか写真を撮らせてくれません
じっとしてる姿を撮れただけでもウレシイわんちゃんです。
ハグロトンボに出合ったとき、ちょっと先ちょっと先に飛び立ってしまいます、そ~っと近づいてやっと・・・ということがありました。

オスはきれいですね。
それにしてもスゴイとげとげですね。

今年の夏、珍しく散歩道でハグロトンボに出合いました
1~2匹でしたが嬉しかったです
ヒラヒラ飛び交うのを追うように眺めてました。
by わんちゃん (2011-08-02 22:07) 

夕菅

わんちゃんでさえトンボの写真は撮りにくいのですか。
私なぞこれだけ撮れただけでも幸運という他ありませんね。
今夜脚のとげについてまた考えてみました。
トンボの優美な姿に惑わされて、トンボが肉食性だということを忘れていました。トンボが飛びながら獲物を捕るとき、またはそれを食べるまで、とげの生えた脚で囲んで逃げられないようにするのでしょうね。
by 夕菅 (2011-08-03 00:25) 

itotonbosan

ハグロトンボ雄もミヤマカワトンボ雄と同じく
腹部が青緑色に光るので暫く見とれてしまいました。
雌には偽縁紋がありませんが,腹部が褐色なので辛うじて分かります。
口元には牙らしいものが見え怖そうです。

by itotonbosan (2014-02-05 17:04) 

夕菅

itotonbosan さん コメントありがとうございました。
トンボの記事はこのハグロトンボが初めてで、金緑色に光る画像がうれしくて急いで書いたもののようです。
お恥ずかしいことに「♀のハグロトンボには偽縁紋がなく、アオハダトンボの♀には白い偽縁紋があるので鑑別できる」ことも今まで知りませんでした。
そしてまた♀の写真は大ボケ。画像を入れ替えて書き直したくなりました、
ご教授、ありがとうございました。

by 夕菅 (2014-02-06 17:23) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。