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ふきのとうの雄花 [草花(春)]

フキ(ふきのとう)
 キク科   Petasites japonicus

ふきのとうは早春の楽しみ、庭に出ると1つ見つけた、3つになってる、あっ、ここにもと毎日数えるうちに今年は11個にまでなりました。

初めの1つは木の株の間際から。しばらくするとその右側にももう1つ小さな頭。

フキノトウ芽wb.jpg

まわりの苞が開いて花蕾が現れました。

フキノトウ2wb.jpg

ふきのとうはキク科植物フキの花ですから、キク科の花の特徴が認められます。
1つのふきのとうは多数の頭花の集まりです。
それぞれの頭花はクリーム色の蕾の集合体、周辺から開花して小さな白い花が現れます。

フキノトウ110307wb.jpg

次々と小花が開き、白くふわふわした和菓子のよう。

フキノトウ10wb.jpg

一つ一つの小花は星形をしています。

フキノトウ10-3wb.jpg

中央の小さい頭花を拡大します。周りの緑色のところが総苞。
1:小花の真ん中から雌しべの柱頭が覗いています。
  周りにある褐色の部分は合着した雄しべの葯。
2:柱頭が伸びるにつれて葯から出た花粉が付着します。
3:花粉に覆われた柱頭が伸び出たところ。

フキノトウ10-2L.jpg

めしべの花柱が伸びて柱頭がふくらんだ棍棒状になります。
花弁が5枚あるように見えますが、正しくは花冠が5裂した筒状花です。
この花には他のキク科の花に見られる舌状花は見当たりません。
   
雄しべ3wbL.jpg

フキは雌雄異株、うちの庭のフキは雄株、ふきのとうは11個とも雄花ということになります。
ふつう、雌しべと花粉を出す雄しべが揃っている花は両性花といわれます。
しかし、これらの花は形態的には両性花なのですが種子が出来ないため、機能的には雄花とされます。
雌株の雌花は細い雌しべが糸のように突き出し、受精して冠毛のついた痩果をつくり風に飛ぶそうです。
うちのフキノトウの花粉は白色ですが、ネット検索では黄色の花粉を時々見ました。

雄しべ白2wb2.jpg

また昨年のなかなかさんのブログ で「白い花粉のフキ」の記事になったフキの真っ白い花粉は不稔性かもしれないと考えられました。
「植物の世界」*には花粉の色は乳黄色か黄色と書かれています。
うちの花粉の色は画像では真っ白に見えますが、肉眼では花冠の色とほぼ同じ乳白色というかんじです。こうなるとやはり顕微鏡で見たくなります。
鏡検すると金平糖のようなトゲのある球形の花粉が確認されました。多少の大小不同はありますが、不稔性というほどではなさそうです。

花粉10wb.jpg

水を1滴落としました。

花粉6wb.jpg

拡大画像。
花粉3wb.jpg

フキの 雄株・雌株についてはなかなかさんのHP“花*花・flora”のフキ(ふきのとう)に詳しく書かれています。
うちの庭のフキは雄株で花には乳白色の花粉が付いています。
雄株には黄色い花粉を出すものと白い花粉を出すものがあるようです。
さらに白い花粉を出す雄花にも普通の花粉を出すもの、不稔性らしい花粉を出すもの、さらに花粉を出さないものがあるように思いました。但し、これは素人の私の推測にすぎません。

   *藤下典之:朝日百科 植物の世界, 朝日新聞社 1:162~164,1997
コメント(8) 

コメント 8

エフ・エム

春の風物として、なにげなくフキノトウを見たり、摘んだりしていましたが、こうして一つ一つの花を見せていただくと、フキノトウの違う姿が見えてきて、とてもおもしろいです。私もよく観察して見たいと思います。
花粉の色は黄色かと思っていましたら、白もあるのですね。稔性があるのかどうか、興味があります。
by エフ・エム (2011-03-09 08:58) 

とんとん

八百屋さんで見かけるのは二枚目の状態ですね。
香りの良い新鮮な蕗のとうをたっぷり食べられるなんて、よだれがでそうです。
結構高いですもの。

フキノトウを観察できたことがないので、綺麗な小花の集まりにうっとりです。
赤い葯が映えて、やはり雄花の方が華やかですね。
花粉にも色々あるなんて面白いですね。

by とんとん (2011-03-09 21:32) 

夕菅

エフ・エム さんの近くのふきのとう、どうぞじっくりご覧になってみて下さい。
雄株か雌株か、花粉の色はどんなか、地域によって違うかもしれません。
私も今まではふきのとうの数を数えるだけで喜んでいましたが、いざブログとなると頑張ってやれ雄しべだの花粉だのと何度も見に行くことになりました(笑)。
次は雌花を見てみたいものです。
by 夕菅 (2011-03-09 21:46) 

夕菅

とんとん さん、昨年はなかなかさんのふきのとうのテレビ番組で“花*花・flora”ブログが賑やかでしたね。
昨年はまたまたややこしいことと引いてしまいましたが、今年はやはり引き込まれてしまいました。
店頭に並んでいるような幼いふきのとうは、自分の庭ではかえってまだ惜しくて採りにくいものです。特に今年は観察優先でお預けでした(笑)。
とんとん さんだったらもっといい写真が撮れますから、見つかったらまたアップして下さいね。

by 夕菅 (2011-03-09 22:06) 

わんちゃん

夕菅さん こんばんわ~~

ふきのとうは春真っ先のカンジそのものですね、
「ふきのとうの天ぷら」は春の味です。
ほろ苦いお味の美味しさがよくわかる歳になりました。

自生のふきのとうを撮ったのがあって
「これはすべて雄花ですね」って教えていただいてどこがどうなんか全くわかりませんです。
お花を詳しく撮ってないせいでもありますわ・・・

夕菅さんの撮られているお写真、
「あぁこんなに可愛いお花なんやね」ってジックリ眺めてます



by わんちゃん (2011-03-09 22:29) 

夕菅

ふきのとうのほろ苦さはやはり大人の味でしょうか。
私も天ぷらも、みそ汁も、ふきのとう味噌も大好きです。
わんちゃんのお庭にもどこかにふきのとうが出てるかもしれませんよ。
里山の方はから本当は蕾より開いた花のほうがおいしいと聞いたことがあります。試食できるといいですね。

小さな花は画像を拡大したとき初めて、今まで知らなかった美しさを発見することがありますね。

by 夕菅 (2011-03-09 23:50) 

花咲かばあさん

フキノトウを拡大すると、こんなに可愛い花だったとは驚きでした。この季節
本当に一つ二つと日ごとに数を増していくのが楽しみな植物ですね。
開花がすすまないうちにいただいたほうが美味しいと思っていました。
花を待たずに見つけるとすぐに天ぷらにしたり蕗味噌にしたりと
早春の味を楽しんでいましたが。蕾より開花したもののほうが美味しいんですか。
こんなに美しい花を見てしまったら、なんだかいただくのが
勿体ないような、、、。北西の角のせいかうちの庭はまだ一つも確認できません。収獲が早くて見つけるとすべていただくせいか、数は一向に
増えません。雌花か雄花かも確認できていません。
ことしはじっくりル-ペで楽しんでみます。
根茎には毒があるとの説明もありました。

その近い場所ではショウッジョウバカマが早、赤紫色の頭をほんの少しだけ出しました。
by 花咲かばあさん (2011-03-10 17:44) 

夕菅

花咲かおばさんとこはふきのとう遅いですね。
フキは地下茎でいくらでも増えてよさそうなのに、うちでも数年前より少な目です。どっちみち雄花ですからふきのとうは早く採っても採らなくても同じような気がするのですが........。
小花の観察はデジカメで撮って、パソコン画面で拡大した方が楽ですよ。ほんとうに小さい花ですから。
ショウッジョウバカマももう咲きかけていますか。また楽しみですね。

by 夕菅 (2011-03-11 00:11) 

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