セキヤノアキチョウジ [草花(秋)]
セキヤノアキチョウジ
関屋の秋丁字
シソ科 ヤマハッカ属
花期:10月~11月(当地)
草丈:約1m 花冠の長さ:15〜20mm
関東や中部地方の山地の半日陰の場所に自生する多年草。
同属に愛知県以西の本州・四国・九州に分布するアキチョウジがあり、これと区別するため、箱根の関所の近くにたくさん自生していたことから関屋のアキチョウジと命名されたそうです。
両者の主な違いは花柄の長さで、アキチョウジの花柄は1cm未満、セキヤノアキチョウジは1.5〜2cmです。
私はこの花が好きで園芸店より購入した苗を3カ所に植えています。
一番大きい株が最も多くの花をつけたのは2006年の10月でした。
淡い青紫の花は地味ですが朝日に輝くときなど、はっとするような美しさです。
円錐型花序(2006年の10月)。
この画像は庭で育てたものの特徴として山にあるものより豪華です。
花冠はアキチョウジと同じ、長い花筒も共通ですが、細い花柄は1〜2cmあります。
上唇は4裂、下唇は舟形と表現されます。雌しべ1本、雄しべ4本。
クリックすると、左の花の雌しべの先端が2裂しているのが見えます。
また萼は5裂し、セキヤノアキチョウジでは上の3枚の萼の先が尖っているのが特徴です。
今年は猛暑だったためでしょうか、一番大きい株は花をつけませんでした。ところが他の2株の花がほぼ散った11月になって、少数ながら小さな花が咲いていて驚きました。
咲いたばかりの花はまだ小さめで花筒は1.5cm、それでも花柄は1.5cmほどありました。
今年はさらに白花の苗を見つけました。花は殆ど終わっていましたが来年が楽しみです。
もう一種、小型の花が咲く濃色アキチョウジという花が2本あります。
これは園芸店で「アキチョウジ」・「カリガネソウ」というラベルが付いているのを別々に購入したものですが、意外な花が咲き、ネット検索でやっとこの名に辿り着いたものです。
花の色は確かに濃い紫青色で、花はかなり小型です。
花冠の長さは約8mm。しかし花柄は1cm以上あります。
上唇の4裂が不明瞭で、下の舟形が幅広く、アキチョウジに比べると頭でっかちな印象です。
萼の先端も尖って見え、どちらかというとセキヤノアキチョウジに近いように思えます。
この花は一部のネット販売店では濃色アキチョウジまたは小輪濃色アキチョウジとして販売されています。
けれども「濃色アキチョウジ」でネット検索しても詳細がわかりません。
私のところへ数年前と昨年の2度も別々の園芸店から誤って来てしまったということは、かなり流通しているように思います。
世界で100種もあると言われるヤマハッカ属のどれかが輸入されたのでしょうか。
あるいはヒキオコシとセキヤノアキチョウジの交雑種?
どなたかご存知でしたら、どうぞ教えて下さい。
追記
1)この地は愛知県でも岐阜県寄りで、セキヤノアキチョウジとアキチョウジの分布から言えば境界になるはずです。できたらアキチョウジも育ててみたいのですが、まだ本物のアキチョウジの苗は入手できません。
最近近くの公園に植えられたのもセキヤノアキチョウジばかりでした。
2)3枚目の写真、山で咲くセキヤノアキチョウジのイメージとは異なるかと思い、はじめは掲載をためらいましたが、庭の記録だからこれもあり、と思い直して追加しておきます。
追 記
2012.10.10. 生産者の花喜野 さんから「濃色アキチョウジ」についてコメントをいただきました。
「濃色アキチョウジ」は自生種ではなく、セキヤノアキチョウジとクロバナヒキオコシもしくは赤花ヒキオコシとの交雑種 のようです。
花喜野 さんは「ヒメアキチョウジ」として販売されたことがあるそうです。
関屋の秋丁字
シソ科 ヤマハッカ属
花期:10月~11月(当地)
草丈:約1m 花冠の長さ:15〜20mm
関東や中部地方の山地の半日陰の場所に自生する多年草。
同属に愛知県以西の本州・四国・九州に分布するアキチョウジがあり、これと区別するため、箱根の関所の近くにたくさん自生していたことから関屋のアキチョウジと命名されたそうです。
両者の主な違いは花柄の長さで、アキチョウジの花柄は1cm未満、セキヤノアキチョウジは1.5〜2cmです。
私はこの花が好きで園芸店より購入した苗を3カ所に植えています。
一番大きい株が最も多くの花をつけたのは2006年の10月でした。
淡い青紫の花は地味ですが朝日に輝くときなど、はっとするような美しさです。
円錐型花序(2006年の10月)。
この画像は庭で育てたものの特徴として山にあるものより豪華です。
花冠はアキチョウジと同じ、長い花筒も共通ですが、細い花柄は1〜2cmあります。
上唇は4裂、下唇は舟形と表現されます。雌しべ1本、雄しべ4本。
クリックすると、左の花の雌しべの先端が2裂しているのが見えます。
また萼は5裂し、セキヤノアキチョウジでは上の3枚の萼の先が尖っているのが特徴です。
今年は猛暑だったためでしょうか、一番大きい株は花をつけませんでした。ところが他の2株の花がほぼ散った11月になって、少数ながら小さな花が咲いていて驚きました。
咲いたばかりの花はまだ小さめで花筒は1.5cm、それでも花柄は1.5cmほどありました。
今年はさらに白花の苗を見つけました。花は殆ど終わっていましたが来年が楽しみです。
もう一種、小型の花が咲く濃色アキチョウジという花が2本あります。
これは園芸店で「アキチョウジ」・「カリガネソウ」というラベルが付いているのを別々に購入したものですが、意外な花が咲き、ネット検索でやっとこの名に辿り着いたものです。
花の色は確かに濃い紫青色で、花はかなり小型です。
花冠の長さは約8mm。しかし花柄は1cm以上あります。
上唇の4裂が不明瞭で、下の舟形が幅広く、アキチョウジに比べると頭でっかちな印象です。
萼の先端も尖って見え、どちらかというとセキヤノアキチョウジに近いように思えます。
この花は一部のネット販売店では濃色アキチョウジまたは小輪濃色アキチョウジとして販売されています。
けれども「濃色アキチョウジ」でネット検索しても詳細がわかりません。
私のところへ数年前と昨年の2度も別々の園芸店から誤って来てしまったということは、かなり流通しているように思います。
世界で100種もあると言われるヤマハッカ属のどれかが輸入されたのでしょうか。
あるいはヒキオコシとセキヤノアキチョウジの交雑種?
どなたかご存知でしたら、どうぞ教えて下さい。
追記
1)この地は愛知県でも岐阜県寄りで、セキヤノアキチョウジとアキチョウジの分布から言えば境界になるはずです。できたらアキチョウジも育ててみたいのですが、まだ本物のアキチョウジの苗は入手できません。
最近近くの公園に植えられたのもセキヤノアキチョウジばかりでした。
2)3枚目の写真、山で咲くセキヤノアキチョウジのイメージとは異なるかと思い、はじめは掲載をためらいましたが、庭の記録だからこれもあり、と思い直して追加しておきます。
追 記
2012.10.10. 生産者の花喜野 さんから「濃色アキチョウジ」についてコメントをいただきました。
「濃色アキチョウジ」は自生種ではなく、セキヤノアキチョウジとクロバナヒキオコシもしくは赤花ヒキオコシとの交雑種 のようです。
花喜野 さんは「ヒメアキチョウジ」として販売されたことがあるそうです。
2010-11-07 23:35
コメント(10)
久しぶりにコメント一番に書かせていただきます (笑)
こちらも紅葉し始めた木々も少しずつ見られるようになり
体感温度以外にも 秋を感じられる頃になってきました。
さて、今回のセキヤノアキチョウジ 初めて知る花です
なんて秋らしい可憐な花でしょう。
なぜ、秋らしいと感じるのかしら?
色・・・
萩のちょっと雰囲気が似ている・・・
ちょっと寂しさが漂うような風情・・・
余りにも感覚的なコメントですね。
お許し下さい。
でも 写真を見て 瞬時に私の好きな花の仲間と感じました。
いつか 実物を見せてもらいたいものです。
夏は 暑さ+室外機の熱風+愛情不足?で
ベランダの植物を枯らせてしまったけれど
懲りずに、昨日 ビオラを寄せ植えしました。
これから春まで・・と思うとワクワクします。
雪に埋もれず・・・楽しめるのは幸せなことですね。
by ebisu-mama (2010-11-08 09:49)
ebisu-mamaさん ようこそ。
セキヤノアキチョウジ、小さな花ですが、おっしゃる通り、寂しさを漂わせつつも凛とした美しさがあって魅せられています。
ebisu-mamaさんにも好きな花に加えていただいてうれしくなりました。
園芸店には今、パンジーやビオラの苗がいっぱい出ていますね。
この間、苗を選ぶ時つい真っ先にアキチョウジ色を選んでしまうことに気付きました(笑)。
そういえば北海道ではベランダも雪に覆われてしまうのですね。
今年はしっかりビオラを楽しんで下さい。
by 夕菅 (2010-11-08 22:25)
紫の花が咲き乱れ、晩秋の寂しさの中にも華やかさがあります。いつもながら美しい写真ですね。
セキヤノアキチョウジという名も風情がありますね。関屋というと源氏物語にも出て来る逢阪の関を連想していたのですが、これは箱根の関なのですね。少しイメージが変わりましたが、箱根の咲くアキチョウジも趣があると思います。
by エフ・エム (2010-11-09 08:50)
エフ・エムさん
いつも心温かいコメントをいただき、本当にうれしく思っております。
今回は関屋から遡って源氏物語の逢阪の関へ誘っていただきまして、アキチョウジ達も格が上がりました。
今も箱根の関所跡の近くにはセキヤノアキチョウジが咲くそうですが、逢阪ではアキチョウジが咲いているかもしれませんね。
写真を見比べますと、アキチョウジはすっきりして男性的、セキヤノアキチョウジはたおやかで女性的な感じがします。
by 夕菅 (2010-11-09 17:54)
セキヤノアキチョウジ、はじめて見ました。青紫の花が綺麗ですね。北海道で春に咲くエゾエンゴサクに花のつき方や形が似ている感じがします。
by satton (2010-11-10 13:02)
satton さん そうです! そうです!
エゾエンゴサクにもこの花と同じような色のものがありますね。
そして下垂する長い花筒。どちらかと言えば花柄の短いアキチョウジの方が似ていますが、草丈と葉が全く違います。
エゾエンゴサクはこちらでは見られず、六甲高山植物園で初対面、一目惚れしてせめてもと園芸品種のコリダス・チャイナブルーを買って植えています。
satton さんにコメントをいただくと、日本の北の方と真ん中との違いがわかって興味深いです。いつもありがとうございます。
もう1枚、3枚目に華やかな画像を追加しましたのでごらんいただければ幸いです。
言い訳は 追加2)に。
by 夕菅 (2010-11-10 15:49)
夕菅さん こんばんわ~~
お好きなお花を自由自在に育ててはる夕菅さん、ステキですね
そういうワケにはなかなかいかない、わんちゃんです。
いつの間にか居なくなったりして・・・
小さな小川の川原でアキチョウジに出合ったことがあります。
その写真と夕菅さんのこのセキヤノアキチョウジとを行ったり来たりしながら眺めてます
セキヤノアキチョウジ濃い紫青色(この色がここまできれいに撮れてるなんて素晴らしいです、写真には難しい色ですよね)可愛いですね
お庭にいっぱい咲いているなんて良いなぁ・・・・・
by わんちゃん (2010-11-10 22:22)
わんちゃん
お忙しい中、お訪ね下さってありがとうございます。
いえいえ、自由自在になんてとんでもありません。うちのも消えてしまったり、増え過ぎてしまったり、試行錯誤の連続です。
写真の色は自分の見た色と一致しないことも屢々ですね。
光が問題のようですが、カメラもろくに操れず、偶然まかせなんです。
セキヤノアキチョウジの青はやはりむつかしく、一枚毎に色が変わってますねー。
by 夕菅 (2010-11-10 23:56)
濃色アキチョウジで販売されているのはクロバナヒキオコシもしくはクロバナヒキオコシの色変わり赤花ヒキオコシとの交雑種と思っています。
10年以上前に群馬の中央植物園さんより購入した赤花ヒキオコシポット内の実生を植え出したところこのタイプの花が咲き、ヒメアキチョウジで出荷しました。姫と言っても花が小さいだけで、草丈は変わりません。その後他の生産者の圃場でも同じタイプが実生で出てきていろんな名前で流通しています。
ちなみに白花やピンク花も出ています。それほど人気ありませんでしたので
現在は生産していませんし、白とピンクは親も残っていないと思います。
去年はピンクのアキチョウジの実生からこれと同じタイプの花が咲きました。
クロバナヒキオコシは栽培していますがヒキオコシは持っていません。
by 花喜野 (2012-10-10 22:59)
花喜野 さん 貴重なコメントをありがとうございました。
この花については2006年にずいぶん悩んでブログ検索をしたり、植物名問い合わせ掲示板に投稿したりしました。
その時もクロバナヒキオコシが候補に出ましたが、花の大きさや色が合致せず決定できずに終わりました。
そのあと「アキチョウジ」の名札で購入したものがまた同じ花で、自分ではセキヤノアキチョウジとクロバナヒキオコシとの交雑種?と考えて保留にしていました。
やはり生産現場ではいろいろな交雑種が出来て、それぞれ流通名をつけて販売されているのですね。
お蔭様で納得できました。ありがとうございました。
by 夕菅 (2012-10-11 00:20)