トレニアの不思議(1) [草花(夏)]
トレニア
ゴマノハグサ科(旧分類) 新分類ではアゼナ科
別名:ナツスミレ、 ハナウリクサ
酷暑の夏、トレニアはこぼれ種からどんどん生え、草丈20〜30cm の華奢な
小花ながらたくましく茂って夏から秋にかけて花壇を彩ってくれます。
長年見なれた花ですが、よく見ると意外にも面白い特性がありました。
身をかがめて花をのぞき込んでみます。
「はい、お口開けて。あーん。」…….という感じですね。
でも普通のメシベ・オシベは見えず、構造がよくわかりません。
検索してみましたところ、面白いことがわかりました。
花の真ん中にメシベがあって、ここを触れると閉じるというのです。
探すとメシベがよく見える花が見つかりました(写真左)。花の中央に幅2mm
くらいの唇状の白いメシベが上下に開いています。
早速その表面を葉柄でつついてみました。
すると見る見る唇が閉じてきました(写真右)。
→
しかしオシベはどこにあるのでしょう。
左写真は咲いて間もない花です。中央に閉じたメシベが見えます。
右写真ではメシベの下にオシベが2組開いています。
2対のオシベの花糸がメシベの上と下にアーチ状に伸び、それぞれの葯が
合体したように見えます。花粉も成熟しています。
メシベは開いていましたが、この写真はつついてしっかり閉じたところです。
しばらくするとまた開き、再び触れると閉じました。
唇のように二枚に開いたメシベの柱頭が触れると閉じるという反応は
柱頭運動といわれ、振動性傾性運動の一種だそうです。花粉の取り込
みを確かにするためといわれています。
見なれた花の中にこのような営みを発見してまた楽しみがふえました。
しかしこの花にはさらなる特性があって、植物の神秘に迫る研究に用い
られていたのです。これは次の記事にしましょう。
追記(2010. 9.18.)
本日、エフ・エム先生のマイ・ボタニカル・ノートのトレニアの小さな花壇よりを拝読して、トレニアについてまたいろいろ教わりました。
マイ・ボタニカル・ノートは専門知識に基づく格調高いブログです。
それによりますと、トレニアは古くから遺伝子の研究に用いられ、今なお育種に関連した最先端の研究に役立っているということです。
また分類学上トレニアは旧分類ではゴマノハグサ科でしたが、DNAの塩基配列による新分類ではアゼナ科 (Linderniaceae) に属しているそうです。
私は分類に関しては全くわかりませんので、その他の植物に関しても同じような事があるかと思います。どうぞ懐疑的に見て頂けますようお願いいたします。
本日酷暑に耐えた花木達 にコメントをいただきましたエフ・エム先生に深く感謝します。
ゴマノハグサ科(旧分類) 新分類ではアゼナ科
別名:ナツスミレ、 ハナウリクサ
酷暑の夏、トレニアはこぼれ種からどんどん生え、草丈20〜30cm の華奢な
小花ながらたくましく茂って夏から秋にかけて花壇を彩ってくれます。
長年見なれた花ですが、よく見ると意外にも面白い特性がありました。
身をかがめて花をのぞき込んでみます。
「はい、お口開けて。あーん。」…….という感じですね。
でも普通のメシベ・オシベは見えず、構造がよくわかりません。
検索してみましたところ、面白いことがわかりました。
花の真ん中にメシベがあって、ここを触れると閉じるというのです。
探すとメシベがよく見える花が見つかりました(写真左)。花の中央に幅2mm
くらいの唇状の白いメシベが上下に開いています。
早速その表面を葉柄でつついてみました。
すると見る見る唇が閉じてきました(写真右)。
→
しかしオシベはどこにあるのでしょう。
左写真は咲いて間もない花です。中央に閉じたメシベが見えます。
右写真ではメシベの下にオシベが2組開いています。
2対のオシベの花糸がメシベの上と下にアーチ状に伸び、それぞれの葯が
合体したように見えます。花粉も成熟しています。
メシベは開いていましたが、この写真はつついてしっかり閉じたところです。
しばらくするとまた開き、再び触れると閉じました。
唇のように二枚に開いたメシベの柱頭が触れると閉じるという反応は
柱頭運動といわれ、振動性傾性運動の一種だそうです。花粉の取り込
みを確かにするためといわれています。
見なれた花の中にこのような営みを発見してまた楽しみがふえました。
しかしこの花にはさらなる特性があって、植物の神秘に迫る研究に用い
られていたのです。これは次の記事にしましょう。
追記(2010. 9.18.)
本日、エフ・エム先生のマイ・ボタニカル・ノートのトレニアの小さな花壇よりを拝読して、トレニアについてまたいろいろ教わりました。
マイ・ボタニカル・ノートは専門知識に基づく格調高いブログです。
それによりますと、トレニアは古くから遺伝子の研究に用いられ、今なお育種に関連した最先端の研究に役立っているということです。
また分類学上トレニアは旧分類ではゴマノハグサ科でしたが、DNAの塩基配列による新分類ではアゼナ科 (Linderniaceae) に属しているそうです。
私は分類に関しては全くわかりませんので、その他の植物に関しても同じような事があるかと思います。どうぞ懐疑的に見て頂けますようお願いいたします。
本日酷暑に耐えた花木達 にコメントをいただきましたエフ・エム先生に深く感謝します。
2009-10-15 00:00
コメント(4)
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yuusugeさん おはようございます
雌しべの柱頭が閉じる反応は面白いですよね。 アクティブでどこか動物的な感じがします。
トレニアの不思議、次回は誘因物質の話でしょうか、とても楽しみです。
by なかなか (2009-10-17 07:32)
なかなかさん コメントありがとうございました。
思ったより素早い反応が面白くて、枯れ葉の柄だけではなく、花粉を付けたり、水滴を落としたりして楽しんでいます。
確かにこの反応、動物的ですね。
でも今、後悔しています。これだけにしておけば良かったと。
トレニアといえばすぐ誘因物質と直結できる理科先生にお読みいただけるとは思わなかったのです。このブログの読者は少数で、私と同じく助細胞どころか、胚珠も胚のうもわからないレベルと想定していました。
どうぞ難しいことはなかなかさんのHPでまた教えて下さい。悩みつつ。
by yuusuge (2009-10-17 16:38)
まあ、おもしろい!
あとで実験してみますね。
小雨が降ってるから晴れ出ないとうまくいかないかな?
私はもともとあっつた紫いろに白のトレニアにみせられて、
ずいぶん長い間このこぼれ種で、花壇づくりしてきました。
根が浅くて水切れしやすいのですが
夏の涼を感じるお気に入りの花です。
お花研究家夕菅さん、1つ教えていただきたいのですが
栄養系といわれるトレニアってどうやって作られたのでしょう。
ほかにも栄養系品種が最近増えていますが
増殖には挿し木で簡単に増えて便利だけれど
生態系には悪影響はないのかな?
by デスタントドラムス (2016-07-17 06:36)
デスタントドラムス さん コメントありがとうございました。
私の庭もかっては冬〜春はビオラ、夏〜秋はトレニアをたくさん植え込んだものでした。
お尋ねの件ですが、私はお花研究家ではなく素人ですから、ブログを作るときはいつも参考書やネットで調べます。
デスタントドラムス さんも是非そうなさってください。
栄養系品種は種子からではなく、挿し木やクローン培養などによって作られた品種と思っていますが詳細は知りません。
by 夕菅 (2016-07-17 15:39)