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シュウメイギク [草花(秋)]

シュウメイギク
 秋明菊
 キンポウゲ科イチリンソウ属
 学名:Anemone hupehensis var.japonica
 別名:貴船菊

シュウメイギクは庭のああちこちに自然に殖え、身の丈1.5mほどの痩身が
風に揺らいでいます。この花が咲くといかにも秋本番の風情です。

花いろいろwb.jpg
直立する白花。

ピンク09-1wb.jpg
しなだれやすいピンクの花。ピンクでも直立する品種もあります。

花いろいろ1wb.jpg 白0910wb3.jpg
白い秋明菊の直径は7cmくらい。花びらは6〜8枚でその形は多様です。

この花の拡大写真を撮ろうと近くで見ますと、オシベはたくさんありますが、
なんとメシベが見当たらないのです。
秋明菊という名前からはまずキク科が浮かびますが、キク科の花にはメシベ
があります。
調べてみると意外にもシュウメイギクはキンポウゲ科イチリンソウ属。
これらの不揃いの花びらはガクが変化したものだったのです。
ピンクの秋明菊は背面が美しい。ここに明らかなガクはありません。ガクは
花びらに変化したことがよくわかります。

ピンク-ガクwb.jpg

ツボミは3枚のガク片で包まれています。開花後、その3枚のガク片も
凹みが浅くなり、白っぽく花弁状になっていきます。
ツボミ開くwb.jpg 背面Wwb2.jpg

中央の球状の塊、これがメシベの集合体だったのです。
左は咲いて間もない花、メシベは未成熟で表面はのっぺりしています。
まだオシベの葯から花粉も出ていません。
右はすでに花粉が出て、メシベも成熟してたくさんの突起として認めら
れます。下方のメシベには白い花粉が付いているのが見えます。

若いメシベwb2.jpg 花粉受粉wb3.jpg

花弁が散るとツボミと同じ位の大きさの球状のまま残ります(集合果)。
メシベの集合体wb.jpg ツボミ3wbL.jpg

被子植物の中でキク科は最も進化した植物とされるのに対し、キンポウゲ科
は古い形態を残したまま進化した植物なのだそうです。
蜜は産生しませんが多くの花粉を出すため、虫は花粉を食べに来て受粉を助
けているようです。ミツバチの他にこんな虫たちにも出会いました。
ホソヒラタアブ3wb.jpg 花粉虫1wb2.jpg
 ホソヒラタアブ              ツマグロキンバエ

日が暮れ始めると秋明菊の花弁は静かに閉じ翌朝再び開きます。
閉じた花もまた趣があるものです。
090930夕闇wb.jpg
                             2009.9.29.18時
夕閉花W3wb.jpg 夕閉花P3wb.jpg

白い花はサルビア アズレアの青とよく合います。
秋明菊アズレア07wb.jpg

2年前はこんなに咲きました。これほどにぎやかに咲くと秋明菊らしくあ
りませんね。
秋明菊07-3wb.jpg

秋明菊は中国原産で古い時代に日本に伝わって帰化し、特に京都の貴船に
多く自生したので貴船菊ともよばれました。
しかしその貴船菊はこれまた意外にも八重の濃いピンクの花で種子をつく
らず、現在普及している一重の花は中国原産の一重の花からの園芸品種と
いわれています。
これら園芸品種には綿のような種が出来るそうです。これまで花が咲き終
わると無用な長い茎は切リ捨てていました。
今年は茎を保存してその綿のような種子を見てみたいと思っています。

















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コメント 4

sapporo-mama

リクエストに早速答えていただき、ありがとうございます
秋明菊 本当にみごと。綺麗です。

札幌ではこの花の見ごろも終わり
そろそろ秋の紅葉が加速していきそうです。

さて、今回の秋明菊。
菊と呼ばれながらも キク科ではなく、キンポウゲ科なんですね。
ガクが花びらのように見える花
北海道の野草の中に、結構あります。
イチリンソウ属とあるだけあって
イチリンソウもニリンソウもイチゲもリュウキンカもそうだったような・・・
私の好きな花ばかり・・・・
なにやら、自分の好みの特徴を知った感じで楽しくなりました。
また、被子植物の中でもキク科は、最も進化した植物で、
キンポウゲ科は、古い形態を残しながら進化した植物というあたりも、
なんだか自分の好みに合っている様な・・・
と、勝手な解釈をして楽しんでします。

色々な情報をありがとうございました。

勢力の強い台風が日本列島に近づいてきた様子。
明日明け方には東海地方も心配な予報が出ていますね。
心配です。
日本各地に大きな被害が出ませんように・・・・
そして、yuusugeさんのお庭の花達も
雨風で痛みませんように・・・  祈っています。













by sapporo-mama (2009-10-08 00:57) 

花咲かばあさん

秋明菊もまた素晴らしいですね。一年、花の絶えることなく次々とバトンタッチされていますね。キンポウゲ科アネモネ属なんですね。
キンポウゲ科といわれれば、葉の形で納得ですね。
キンポウゲ科は有毒なものが多いと聞きますが、秋明菊は調べてもそれはなさそうですね。
anemoneは風の意味とか、本当にこの花は秋風が似合いますね。
うちの庭の秋明菊は夏の間,下葉が枯れ、倒れたものも沢山でしたが
このところの雨と涼しさでまた元気を取り戻し、花を咲かせ始めました。
大型台風がやってくるとのことで、無残な姿になるのは可愛そうと
切花にして楽しみましょうと花瓶に。小さな蕾まで開花するのは無理かと
思うと残念です。
いつも咲き終わると花柄をつんでいましたが、去年はなまくらをして
ほったらかしていたら、12月に沢山の綿毛をつけました。
けしつぶ程の種が強風にも飛ばされないでくっついていました。
なまけぐせも時にはお恵みがあるようです。
残った花でなんとか今年も綿毛をみたいものです。
台風は大事にもならずほっと一安心です。
by 花咲かばあさん (2009-10-08 11:24) 

yuusuge

sapporo-mamaさん。
もう北海道では秋明菊は終わりなんですね。
遅い春と短い秋、そして長い冬。でも雪の楽しみも。

こちらの秋明菊は今まさに満開。そこへこの台風、この辺りでは予報よりは軽かったものの、華奢な秋明菊は倒れたり、折れたり、うなだれたりしたものもありました。
応急処置をしましたのでもう少しは咲きそうですが残念ですね。

そう、イチリンソウもニリンソウもイチゲもリュウキンカもキンポウゲ科なんですね。春に撮ったニリンソウの写真をその目で見るとたしかによく似た雰囲気です。でもニリンソウはあまりに小さくてなかなかいい写真が撮れません。
sapporo-mamaさんもこういう花たちがお好きなよう、うれしくなります。人も花もいろいろですねー。
by yuusuge (2009-10-08 17:37) 

yuusuge

花咲かおばさん
もう去年、綿毛ごらんになったのですね。
ゴマのような黒いぶつぶつがついた綿毛、私も今年は是非見たいものと楽しみにしています。
喜んで綿毛を風に吹かせていると、翌年庭中に秋明菊が生えてしまったり?(笑)。
秋明菊の学名は Anemonehupehensis var. japonicaと。
アネモネ?って初めとまどいました。あの色鮮やかな背の低い球根植物?
でもやはり園芸種のアネモネも綿毛の種ができるそうです。
植物の進化もはかりしれず複雑なんですね。
またいろいろ教えて下さい。
by yuusuge (2009-10-08 21:35) 

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