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クマバチの盗蜜(チェリーセージとスイカズラ) [昆虫]

このかわいらしい花は流通名ホットリップスというチェリーセージです。

ホットリップス5wb.jpg

チェリーセージの中で最も多く栽培されているのは真紅のサルビア・グレッギー。
チェリーセージR09wb.jpg

そこへブンブン音を立てて飛んで来たのはなんとクマバチ!
クマバチCHupwb.jpg

ホバリングしながら毛むくじゃらの脚で花を抱え込むや否や、
クマバチHL2wb.jpg

苞の上からいきなり口吻をブスリ。
クマバチHL1wb.jpg

決定的瞬間!
クマバチHL4wb.jpg
刺したあとには深い傷が残りました。

私も新しい花を引き抜いて吸ってみました。スイカズラと違ってそのままでとても
甘い! このクマバチは確かにこの部分に甘い蜜があることを知っているのです。

クマバチHL5wb.jpg

クマバチはまるまると大きく、ブーン〜ブンブン〜 と大きな羽音をたてて飛び回り
ます。花から花へあっという間に次々刺して蜜を吸っていきます。
カメラを向けている私を怖がるふうもありません。危険を感じなければ攻撃しないと
信じて私も夢中で姿を追いました。

クマバチのこの荒っぽい行為は常態なのでしょうか?
検索してみるとこのクマバチの蜜の吸い方は「盗蜜」といい、花粉を運ばず、蜜だけ
を吸い取る行動とわかりました。

素人の私がこのような観察をすることができたのはブログ上の先生、そよかぜさんの
お導きのお蔭でした。
そよかぜさんは「そよ風のなかで」というブログに身近な動物や植物の生態をきれいな
写真と共に報告されている方です。毎日更新される記事を私は感嘆しつつ愛読させてい
ただいております。

6月9日の私のブログ「スイカズラの蜜」の終わりに、まだ実を見たことがないと書き
ましたところ、そよかぜさんからスイカズラを訪れる虫たちの観察を勧められました。
スイカズラの蜜は細い花筒の奥にあります。しかし、うちの庭ではホバリングできて長
い口を持っているスズメガなどはほとんど見ません。
昼休みに見に行っても、偶然休んでいるような小さなハエやチョウがやっと見つかるく
らいでした。
ところが6月15日、朝行ってみて驚きました。勇ましい音と共に2匹のクマバチが花か
ら花へ飛び交っていたのです。クマバチの来訪は雨の日以外、1週間続きました。

クマバチ1wb.jpg

見ていると花の下部に口吻を刺しているのに気付きました。そこは先日私が調べた蜜の
あるところです。その現場写真が撮りたくても花はあちこちに散在し、クマバチの動き
が速くて私の拙いカメラ操作で焦点を合わせるのは至難の技でした。やっと撮れたのが
この1枚です。

クマバチ3upwb.jpg

しかし刺し傷はほとんどの花にしっかり残っておりました。
スイカズラの花が咲くのは夕方、クマバチは主に朝、白い花優先に蜜を吸います。
昼間黄色っぽくなった花はもう吸い殻でした。

ミツ吸い跡upwb.jpg

クマバチの来訪について私はすぐにそよかぜさんに報告しました。
それをもとにそよかぜさんは「スイカズラの受粉とクマバチの盗蜜」の項を追加して
わかりやすく説明して下さいました。

さらにもうひとつ、私が疑問に思っているのはメシベの花粉のことです。
メシベの柱頭をよく見ると、咲いたばかりの花にはなかった花粉が、昼過ぎの花にはたくさんついていました。

花粉・盗蜜upwb.jpg
柱頭の花粉wb1.jpg

クマバチが盗蜜する際、ホバリングしながら長く突出したシベに触れ、計らずも送粉者となっているのではとも思えてきたのです。
果たしてクマバチは単なる蜜泥棒なのでしょうか? あるいは受粉を手助けしているのでしょうか?

もうスイカズラの花も少なくなり、梅雨の雨は花粉を流してしまいます。
この続きは来年のお楽しみとしましょう。




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コメント 4

sapporo-mama

クマバチの盗蜜。 今まで全く知らずにいました。
藤の花にやってくる黒くて大きな「ちょっと怖いヤツ」と言うイメージ。
蜜を吸い、花粉を集める・・・とばかり思っていました。
勉強になりました。

ホバリングによって、受粉できたところに実が付くと良いですね。
これからがまた楽しみです。

近年、ミツバチが激減しているとかで
果物農家など、受粉に苦労しているとニュースで聞きましたが、
植物と虫たちの関係は、持ちつ持たれつ・・・であることを
感じることが多いですね。
人間もちょっとそのあたりの寛容さを思い出す必要がある?
等と、偉そうに言えませんが、
自分自身の中の問題として、そんな気持ちを持っていたいな・・・て
思います。

さて、クマバチに主役をとられてしまった感ですが、
チェリーセージのかわいらしいこと。
無邪気な明るい笑顔を振りまいてくれる・・・
そんなイメージを持ちましたが、実物はいかがでしょうか?
香りはしますか?
実物をこの目で見てみたくなります。

こちらは、今、薔薇の季節です。
今年はどのお庭の薔薇も枝がしなってしまうほど
たくさんの花をつけていて、それはそれは見事です。
種類も多く、色も様々。華やかなものから可憐なものまで。
豊かな香りが風に乗って広がっています。

我が家には庭がないので、こうやってよそ様のお庭を
勝手に見させて貰って 楽しんでいる毎日です。




by sapporo-mama (2009-06-30 09:42) 

yuusuge

札幌は薔薇満開ですか。華やかでしょうね。
クマバチの盗蜜については私もこの時まで全く知りませんでした。
何気なくいつも見ていても気付かなかったことが、疑問をもって観ると急に見えてくることがあるのですね。
そしてじっと見ているとクマバチは人を恐れず襲わず、なかなか愛嬌者だと思えてきましたよ。

チェリーセージ ホットリップスは純白から真紅までいろいろ咲きます。
花はわずか2cm弱ですから、1枚目の写真はマクロマジックもあると思いますが........。
チェリーセージはどれもハーブの香りがします。香りは花より葉に強く感じます。公園にあったらそっと触れてみて下さい。


by yuusuge (2009-06-30 22:32) 

わんちゃん

そよかぜさんのところから夕菅さんをクリックしてもずっと、
こちらの方へ来れませんでした(なんでやろ?ってずっと・・・)
ところが最近になってやっと、お伺いできるようになって、こうして過去の記事も読ませていただいてホッ!!です。

クマバチはウチの庭の白藤の咲くころいつも会いに来てます、
ぶ~ん・ぶんとタイヘン、
こんなにジックリ観察したことないです。
ジックリもいいかもね。

チェリーセージは赤いのが咲いてます
3月ごろから冬の初めまでスゴ~ク頑張って咲いてます。
そばを通る時、しって、服を枝にこすって通ってますね。


by わんちゃん (2010-06-26 23:21) 

夕菅

わんちゃん
先程、この記事をリンクし見直した時、ここにもコメントをいただいていたことを知りました。どうして気付かなかったのでしょう。
失礼お許し下さい。

クマバチって毛むくじゃらで初めは怖いかなと思ったのですが、愛嬌があって逃げないので、もう3度目は慣れて近づいて写真を撮らせてもらいました。
彼(?)も賢そうだから学習して私を警戒しなくなったのかしら。
by 夕菅 (2010-08-29 23:54) 

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