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ヒメイワダレソウ [草花(夏)]

ヒメイワダレソウ
クマツヅラ科イワダレソウ属の多年草
学名:Lippia canescens
別名:リッピア
原産地:南アメリカのペルー(日本には昭和初期に導入)
花期:5〜10月

庭のヒメイワダレソウ、この花を初めて植えたのは12年前でした。
園芸店で苗を見つけ、駐車場周辺のグランドカバー用に購入したのです。
冬期葉は枯れますが丈夫な茎が残り、春には緑の葉が蘇って5月頃より花が咲きます。
ヒメイワダレソウ060821wb.jpg

6月、最盛期の花。
淡いピンクの花が溢れんばかりに咲きました。
雑草が生える隙間も残さぬ地披植物、その上花も美しく満足でした。
ヒメイワダレソウ全面wb.jpg

その年増設した駐車場の周囲には雑草がたくさん生えそうでした。
そのためグランドカバープランツを植えて草取りを減らしたかったのです。
踏まれても大丈夫でないと困ります。
初めに植えた「玉竜」は日が当たり過ぎたのか枯れました。
奥に植えたコバノランタナもクマツヅラ科、これはシチヘンゲ属で花も葉も一回り大きい。
その周りにもヒメイワダレソウがびっしり茂り、文字通り土が見えなくなりました。
コバノランタナwb2.jpg

ところが、その後ヒメイワダレソウは花壇や家庭菜園にも侵入してきたのです。
右側の通路(トレニアの右)のヒメイワダレソウは踏まれて葉も小さい。
しかし土が柔かく肥料分のある畑の葉は大きく艶も良く、菜っ葉は負けそうです。
イワダレソウ05.10.−2wb.jpg

黄色の花はこぼれ種で自生したメランポジウム、これまたたくましい園芸種です。
前の緑のふわふわはアスパラガスの苗。
それらをも覆い尽くしそうなヒメイワダレソウの勢い!
家庭菜園を保つためにはヒメイワダレソウを撤去せざるを得ません。
イワダレソウ一面060831wb.jpg

一方、最も茂らせたかった駐車スペースでは逆にイネ科の雑草に負けました。
ここは水はけが悪いため、ヒメイワダレソウが育ちにくいのかもしれません。
ヒメイワダレソウ鬩ぎ合いwb.jpg

ヒメイワダレソウの花にはミツバチやチョウが頻繁に訪れています。
ミツバチと花wb.jpg

このセイヨウミツバチは花の中央に口吻を差し込んでいます。
私も花冠をつまんで抜き、下端を舐めてみました。
かすかに甘い。やはり蜜があるようです。
ミツバチ口吻wb.jpg

穂状花序の直径は1cm強。下から順に唇形花が開いて周辺に並びます。
花冠中央に黄色の斑紋(蜜票)があり、雄しべが2つ覗いています。
花弁・雄しべ3wb.jpg

後姿もなかなか美しい。
苞wb.jpg

葉は対生し、やや厚目、粗い鋸歯があります。
葉は長くても2cm弱。
花と葉wb.jpg

葉腋から長い柄のある穂状花序が立ち上がります。
一方、下へは葉腋ごとに不定根を出して匍匐増殖。
切り刻んでばらまいても増えるわけです。
根1wb.jpg

一般にヒメイワダレソウは不捻性と言われていますが、種子を作る場合もあるようです。
枯れて褐色になった花冠を引き抜いてみました。
数個は子房が膨らんでいるように見えますが?
若い種子wb.jpg

黒褐色になった穂の花がらをバラバラにしてみました。
この中に稔性のある種子があるのかどうか?
この花はポット苗やマットで販売され、種子としては流通していないようです。
種子wb.jpg

この10年、増えすぎたヒメイワダレソウはこの庭の畑や花壇から抜去してきました。
しかし、さすがに強い!
縁石を乗り越え、アスファルトの上を這ってマット状に広がっていくのです。
ヒメイワダレソウ伸展wb.jpg

長く横に這う枝は太くなるとロープのように強く、つまずいて転びそうになります。
温暖な地方では常緑のようですが、当地では冬は枯れますから花が終わるとカットして捨てます。
それでも春にはいつの間にか芽生えて再生。
ヒメイワダレソウ伸展3wb.jpg

美しい花を咲かせるグランドカバープランツ。
魅惑的なことばに飛びつきましたが、この庭では使いこなせませんでした。
法面の緑化・建物緑化・芝生の代用などにも利用が考えられたようですが結果はどうでしょうか?
なお、平成27年3月、環境省生態系被害防止外来種リスト(緊急対策外来種ではなく重点対策外来種として)に追加指定されたようです。
これを改善して種子を作らない「クラピア」という品種が作られ販売されています。
芝生の代わりに植えて柔らかく美しいグリーンを楽しまれている方の記事も読みました。
やはり従来のヒメイワダレソウの種子の発芽率が気になります。
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