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ミツバチの盗蜜とチェリーセージの種 [昆虫]

前の記事でクマバチの盗蜜のことを書きました。
スイカズラの蜜を吸うクマバチを追っているとき、もう一匹の盗蜜者を発見しました。
それがミツバチです。

スイカズラの花筒はクマバチはもちろんですが、ミツバチでも細すぎて入れません。
そのためミツバチも花筒の横から同じように盗蜜していたのです。

クマバチはスイカズラの花が少なくなると隣のチェリーセージの蜜を吸いに来ました。
するとミツバチも追っかけてきました。この花は低いところで咲いてますから、写真を
撮るには好都合でした。

チェリーセージの花は縦の長さが2cm弱、もっと閉鎖的で蜜のある花筒の中へはよほ
ど小さな昆虫しか入れないでしょう。小さなアリが出入りしていました。

ホットリップスの構造wb.jpg

花粉が成熟するとメシベの近くの花弁の隙間がわずかに開いて花粉のついた葯が
2本現れます。
このホットリップスにはカスミカメ?と思う小さな虫が来ました。これくらいの
虫だと奥まで入れるかもしれません。
しかしメシベ・オシベは上にあります。受粉の手助けはできるのでしょうか?

カメムシwb.jpg

ミツバチは花から花へすばやく移動しながら盗蜜します。
ミツバチ盗蜜1upwb.jpg

ミツバチの口吻には苞は固すぎるのか、クマバチと違って、苞の上端部またはその上の
花弁を刺していました。
真紅のチェリーセージの蜜も吸っています。
ミツバチ盗蜜-Rupwb.jpg

数日後の夕方、このチェリーセージに2匹のミツバチを見つけました。
1匹は盗蜜中、もう1匹は両足に花粉団子をつけた姿で、花の上部をうろうろしなが
ら蜜をさがしているようです。
ミツバチ花粉玉3upwb.jpg

ついに花の上部に口吻を刺しました。ここはオシベのあるところです。
ここでは蜜は吸えません。盗蜜とは逆に受粉の介助だけをすることになりそうです。
ミツバチ花粉玉1upwb.jpg

このミツバチ達、方や盗蜜者、方や花粉媒介者?
全く対照的な2匹のミツバチを同時に見てたいへん面白く思いました。
前者はクマバチが盗蜜するのを見て学習したのでしょうか?
この写真を撮ったのは夕方の5時過ぎ、チェリーセージの花粉は少ないから他の花で
集めて来たのかもしれません。

しかしこれで種はできるのでしょうか。
紅いチェリーセージには既に苞の部分が褐色になっているがありましたので、この中
に種があるかどうか確認してみました。

種1wb.jpg

枯れた苞の中には種が1〜2個入っているのがありました。全体では充分な数です。
種2Lwb.jpg

案ずることはありませんね。このような難しい構造でも種はできていたのです。

その後はクマバチやミツバチをスイカズラにもチェリーセージにも見かけなくなり
ました。隣のニンジンボクへ移ったようです。
さて一体、チェリーセージの受粉の立役者は誰なのでしょう?
この記事はほんの偶然に見た一こまにすぎません。まだまだ奥は深くてなぞに包ま
れています。

追記 2009.7.5.
これを読んでいただいたそよかぜさんから、貴重なご指摘をいただきました。
  http://soyokaze-jp.cocolog-nifty.com/blog/07/index.html
「花粉を団子にして持ち去ればこれまた受粉の妨げ」との件について
「........花の方は 十分な量の花粉を作っています。」と。

そうなのですね。それだけの花粉団子を作るためにミツバチはいかに多くの花を
訪問し、それらの花の受粉を助けたことか。
さらにこの花粉団子は苦労して巣に持ち帰られ、子孫を残すための栄養源になる。
花も種を残すために十分な量の花粉を作って待っている。

誤りに気付きこの件、削除しました。















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