コシノコバイモ [草花(春)]
コシノコバイモ
越乃小貝母
ユリ科、バイモ属の多年草
学名:Fritillaria koidzumiana
分布:主に北陸地方(新潟、富山、石川、福井)から山形、まれに岐阜・愛知・静岡
花期:3〜4月
草丈:5〜20cm
昨春セツブンソウを通販で取り寄せる時、一度は見たいと思っていたコシノコバイモを見つけ、追加してしまいました。
しかし、花はほぼ終わっていたため対面は1年待ちとなりました。
今春セツブンソウに続いて開花!
中国原産のバイモ(アミガサユリ)に比べはるかに小さく華奢な花でした。
白っぽい釣鐘状の花が一輪、茎頂から下垂して咲きます。
花の色は白色調のもの、緑色がかったもの、赤紫っぽいものなどいろいろあるようです。
花の長さは1.5cmくらい。
5枚の葉のうち、下の2枚は対生、上3枚は輪生。
花弁は6枚のように見えますが、正しくは外花被片(萼片)3枚と内花被片(花弁)3枚。
コシノコバイモの特徴は花弁の小突起です。
よく見ると小突起は内花被片の縁にあり、外花被片にはありません。
コシノコバイモの芽が出て花が咲くまでを追ってみます。
真ん中の花の芽生えです。
2月2日、5枚の幼い葉で蕾を包むように守りながら伸び出しました。
2月15日、褐色調の葉が開いて蕾が日毎に膨らんでいきます。
左にもう1芽出現!
2月19日、やっと開花。5枚の葉も緑色っぽくなり伸びやかです。
左の蕾は淡紫紅色。
2月20日、雌しべも開いたようです。
左の蕾も開花直前。
2月21日、左もついに開花。でも後ろ向きです。
花の構造を観察します。
上の花と同じく、小突起のある内花被片と突起の無い外花被片が交互に3枚づつ。
花被片内側には点状や線状の模様がにぎやかです。
雄しべは6本、未開のクリーム色の葯が清々しい(2月15日)。
葯が開いて花粉が出ています(2月20日)。
雌しべの柱頭も3裂。
花被片の内側中央にも突起が並んでいます。これは6枚に共通です。
この花では黄〜緑色の帯。蜜標でしょうか?
確認するとこの帯の部分は腺体といわれていました。
こちらの花では腺体の奥の凹みに蜜が光っています。
その奥の天蓋部分の模様は花によって様々、この花では紫褐色の斑点模様が賑やかです。
蜜の部分は外から見える花被片の膨らみと一致します。
花被片を見直すとどれも基部から1/3くらいのところに斑点があり膨らんでいます。
この内側に蜜があって昆虫を呼んでいるのですね。
また、この花では内花被片の先端まで小突起が多発しています。
4花競演(2月21日)。
初めに咲いた花から順にしぼんでいきます(2月28日)。
コバイモは日本のコバイモ類7種の総称です(朝日百科植物の世界 10-21)。
コシノコバイモ(北陸地方〜山形県、まれに静岡・愛知・岐阜県)、
ミノコバイモ(美濃=岐阜県)、カイコバイモ(甲斐=山梨県)、
トサコバイモ(土佐=高知県)、アワコバイモ(阿波=徳島県)、
イズモコバイモ(出雲=島根県)、ホソバコバイモ(九州北部、山口県、兵庫県)。
いずれも絶滅が危惧されており、種子から殖やした球根が流通しています。
このうちコシノコバイモが最も大型で個体数も多いそうです。
越乃小貝母
ユリ科、バイモ属の多年草
学名:Fritillaria koidzumiana
分布:主に北陸地方(新潟、富山、石川、福井)から山形、まれに岐阜・愛知・静岡
花期:3〜4月
草丈:5〜20cm
昨春セツブンソウを通販で取り寄せる時、一度は見たいと思っていたコシノコバイモを見つけ、追加してしまいました。
しかし、花はほぼ終わっていたため対面は1年待ちとなりました。
今春セツブンソウに続いて開花!
中国原産のバイモ(アミガサユリ)に比べはるかに小さく華奢な花でした。
白っぽい釣鐘状の花が一輪、茎頂から下垂して咲きます。
花の色は白色調のもの、緑色がかったもの、赤紫っぽいものなどいろいろあるようです。
花の長さは1.5cmくらい。
5枚の葉のうち、下の2枚は対生、上3枚は輪生。
花弁は6枚のように見えますが、正しくは外花被片(萼片)3枚と内花被片(花弁)3枚。
コシノコバイモの特徴は花弁の小突起です。
よく見ると小突起は内花被片の縁にあり、外花被片にはありません。
コシノコバイモの芽が出て花が咲くまでを追ってみます。
真ん中の花の芽生えです。
2月2日、5枚の幼い葉で蕾を包むように守りながら伸び出しました。
2月15日、褐色調の葉が開いて蕾が日毎に膨らんでいきます。
左にもう1芽出現!
2月19日、やっと開花。5枚の葉も緑色っぽくなり伸びやかです。
左の蕾は淡紫紅色。
2月20日、雌しべも開いたようです。
左の蕾も開花直前。
2月21日、左もついに開花。でも後ろ向きです。
花の構造を観察します。
上の花と同じく、小突起のある内花被片と突起の無い外花被片が交互に3枚づつ。
花被片内側には点状や線状の模様がにぎやかです。
雄しべは6本、未開のクリーム色の葯が清々しい(2月15日)。
葯が開いて花粉が出ています(2月20日)。
雌しべの柱頭も3裂。
花被片の内側中央にも突起が並んでいます。これは6枚に共通です。
この花では黄〜緑色の帯。蜜標でしょうか?
確認するとこの帯の部分は腺体といわれていました。
こちらの花では腺体の奥の凹みに蜜が光っています。
その奥の天蓋部分の模様は花によって様々、この花では紫褐色の斑点模様が賑やかです。
蜜の部分は外から見える花被片の膨らみと一致します。
花被片を見直すとどれも基部から1/3くらいのところに斑点があり膨らんでいます。
この内側に蜜があって昆虫を呼んでいるのですね。
また、この花では内花被片の先端まで小突起が多発しています。
4花競演(2月21日)。
初めに咲いた花から順にしぼんでいきます(2月28日)。
コバイモは日本のコバイモ類7種の総称です(朝日百科植物の世界 10-21)。
コシノコバイモ(北陸地方〜山形県、まれに静岡・愛知・岐阜県)、
ミノコバイモ(美濃=岐阜県)、カイコバイモ(甲斐=山梨県)、
トサコバイモ(土佐=高知県)、アワコバイモ(阿波=徳島県)、
イズモコバイモ(出雲=島根県)、ホソバコバイモ(九州北部、山口県、兵庫県)。
いずれも絶滅が危惧されており、種子から殖やした球根が流通しています。
このうちコシノコバイモが最も大型で個体数も多いそうです。
2015-03-05 23:49
コメント(12)
これは見たことがありません。可愛い花ですね。欲しくなる気持ちが良くわかります。セツブンソウくらいの大きさなんでしょうか。
by 多摩NTの住人 (2015-03-06 08:18)
まぁ~ 夕菅さんのお庭にコシノコバイモが!
ステキですね~
よく咲いてくれました
新潟で見てきました!でもそのときはなにしろ下向きに咲くし小さな花だし写すのがとっても難しかったです。
こうしてじっくり見せていただくと詳しく知ることができうれしい限りです!
小突起なんて全く分からなかったです
内花被片にのみあるのですね
蜜が光って見えます!内側がよく見ることができてこんなにいいことありません~
ありがとうございました♪
by とんちゃん (2015-03-06 08:30)
多摩NTの住人 さん コメントありがとうございました。
そうです!セツブンソウと同じくらいの大きさです。
セツブンソウの隣に並べていましたが、両方とも咲いて幸いでした。
絶滅危惧種なので自生地は公表しないように守られているかと思います。
by 夕菅 (2015-03-06 11:49)
とんちゃん コメントありがとうございました。
自生地で見れたら感激でしょうが、近くへは寄れないことが多いでしょうね。
今回は初めての試みでしたが花が見られて感激でした。
鉢を台の上に置くと偶々蜜がよく見えてコンデジで写せました。
でもまだ寒くて昆虫の姿は見られません。
種子ができるといいのですが...............。
by 夕菅 (2015-03-06 12:04)
コバイモはどれも見たことがありません。実に早春の花らしい可愛らしさですね。花はつつましやかに下を向いているけれど、中はたいへんな凝りよう。虫を呼ぶにはどうしたらいいか、その進化の結果をみるようです。
自生地から絶滅しないことを願っています。
by エフ・エム (2015-03-06 20:18)
実際には見たことのない花です。先回紹介していただいたセツブンソウとこのコバイモは春の来たことを教えてくれる花ですね。一年待ちのご対面、
感動が伝わってきます。花の模様が少しづつ違いがあるんですね。
種が出来て、増えていくといいですね。
この植物も薬として使われていたとか、数の減少もそれも一因かもしれないですね。どうか絶えないでほしいですね。コバイモを植えて失敗したとお話しましたが、同じユリ科バイモ属のフリチラリアメレアグリスでした。欧州でよく育てられているとか。二回試してみましたが、、、、。
by 花咲かばあば (2015-03-06 21:14)
エフ・エムさん コメントありがとうございました。
この花は種子から育てられているとはいえ、元は山で咲いていたものの子孫、後ろめたさを感じながらも山では撮りにくい内側を何とか写しました。
種子から育てると咲くまでに6〜7年かかるそうです。
コシノコバイモ以外のコバイモはさらに希少種、守りたいものです。
by 夕菅 (2015-03-06 23:28)
花咲かばあばさん コメントありがとうございました。
セツブンソウに続いてコシノコバイモも咲いてくれました!
フリチラリアメレアグリスは欧州のバイモですね。
さすがに華やかで園芸品種もあるようですが、日本では育てにくいのでしょうか。クロユリも近縁のようですね。
by 夕菅 (2015-03-06 23:56)
コシノコバイモも咲いたんですね!
だんだん山野草趣味に傾きつつ・・・・?(笑)
コバイモは友人の庭で見ますが、
こんなに間近に見ることはなかったので、花の表情がよく分かりました。
なかなか渋い色合い、趣き深い花ですね。
セツブンソウ、コバイモ、カタクリ、エンゴサク・・・・日本のスプリング・エフェメラルたち。心ときめきますね!
by 703 (2015-03-07 11:20)
703 さん コメントありがとうございました。
この時刻に? もう今日の淡路は雨でしょうか?
やはり年のせいでしょうか、山野草に惹かれます。
でも自生地に行く体力がないので実物見たさに育てました。
山路で出会っても見つからないかもしれないような、小さな地味な花ですが、接写してみると奥深さを秘めていました。
まもなくカタクリ・エゾエンゴサク・ショウジョウバカマ・イカリソウ・イワウチワ......次々咲きますね!
by 夕菅 (2015-03-07 16:33)
初めて見る花です。可愛いお花ですね。皆さんのコメントからも貴重さが伝わってきました。花たけのない小さな花の観察の大変さ伝わります。花被片の突起も珍しいですね。とにかく初めてが多いことに感動してます。これから春になり沢山の花が咲くのが楽しみです。
by りんちゃんママ (2015-03-07 23:29)
りんちゃんママさん コメントありがとうございました。
庭のバイモはよく見かけますが、コバイモは希少です。
花のお礼にできるだけ観察して記録しました。
今は種子ができるかどうか、見ています。
ラッパ水仙が咲き始めましたからこれから裏庭も賑やかになります。
by 夕菅 (2015-03-08 00:10)