ヒルザキツキミソウの糸引く花粉 [草花(夏)]
庭のヒルザキツキミソウの花の中に花粉が飛び散っていることは少ないようです。
真ん中は今日咲いた花、左右は前日咲いた花々。いずれにも花粉はこぼれていません。
8本のおしべは健在なのに何故でしょうか?
花瓶に挿した花を照明の下で見ると、おしべに黄色いクモの巣のような糸が絡んでいるように見えます。
そしておしべの葯は花粉をまぶし付けたように「もこもこ」しています。
下の花ではおしべから右のつぼみへ黄色い糸が伸びて絡んでいます。
この糸は納豆のようにネバネバしているかに見えますが、触れてみると意外にさらっとした感じでした。
糸状のものをよく見ると、花粉がネックレスのように連なっています。
雨上がりの朝、ミツバチが蜜を求めて勇ましく花筒に飛び込んでいきました。
出てきたミツバチの頭部には糸状の花粉が絡み、後肢には花粉の塊が付いています。
そのミツバチは脚先にも糸状の花粉をぶらさげて、せわしなく飛び立って行きました。
花の中に散った花粉が少ないのは、このような形で昆虫に運び去られるからでしょう。
室内の花瓶に生けた花には昆虫が訪れないため、花粉が保存されていたのだと思いました。
黒い和紙の色紙を花の中に差し込み、軽く押すと糸状の花粉がが付着しました。
あっ! これです!
これが前の記事に書いた「ズボンの異変」の正体だったのだと分かりました。
庭の小径を一周すると、ズボンに黄色いクモの糸のようなものが付くのです。
一体どこでこんなものが付くのかとこのところいぶかしく思っていました。
顕微鏡で見ると花粉が糸で繋がって、塊や紐になっていました。
この糸は「粘着糸」というもので、ヒルザキツキミソウだけではなく、マツヨイグサの仲間やツツジにもあるそうです。
糸に焦点を合わせると、太さもいろいろ、複雑にからんでいることがわかります。
花粉を拡大すると、中央が凹んだ「テトラポッド」のような形でした。
球形よりも糸が絡まり易く見えます。
スズメガは吸蜜するだけで花粉を運ばないこともあるようです。
これに対応して粘着糸を生み出し、花粉の形も変えたのかもしれませんね。
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ニックネームの変更 ( yuusuge → 夕菅 )
一昨年、何もわからず始めたこのブログ、何故かニックネームに漢字が
入力できず、「yuusuge」としてきました。
梅雨の日曜日、画面の整理をしつつ再試すると難なく入力できました。
今後「夕菅」と表示しますのでよろしくお願いします。
真ん中は今日咲いた花、左右は前日咲いた花々。いずれにも花粉はこぼれていません。
8本のおしべは健在なのに何故でしょうか?
花瓶に挿した花を照明の下で見ると、おしべに黄色いクモの巣のような糸が絡んでいるように見えます。
そしておしべの葯は花粉をまぶし付けたように「もこもこ」しています。
下の花ではおしべから右のつぼみへ黄色い糸が伸びて絡んでいます。
この糸は納豆のようにネバネバしているかに見えますが、触れてみると意外にさらっとした感じでした。
糸状のものをよく見ると、花粉がネックレスのように連なっています。
雨上がりの朝、ミツバチが蜜を求めて勇ましく花筒に飛び込んでいきました。
出てきたミツバチの頭部には糸状の花粉が絡み、後肢には花粉の塊が付いています。
そのミツバチは脚先にも糸状の花粉をぶらさげて、せわしなく飛び立って行きました。
花の中に散った花粉が少ないのは、このような形で昆虫に運び去られるからでしょう。
室内の花瓶に生けた花には昆虫が訪れないため、花粉が保存されていたのだと思いました。
黒い和紙の色紙を花の中に差し込み、軽く押すと糸状の花粉がが付着しました。
あっ! これです!
これが前の記事に書いた「ズボンの異変」の正体だったのだと分かりました。
庭の小径を一周すると、ズボンに黄色いクモの糸のようなものが付くのです。
一体どこでこんなものが付くのかとこのところいぶかしく思っていました。
顕微鏡で見ると花粉が糸で繋がって、塊や紐になっていました。
この糸は「粘着糸」というもので、ヒルザキツキミソウだけではなく、マツヨイグサの仲間やツツジにもあるそうです。
糸に焦点を合わせると、太さもいろいろ、複雑にからんでいることがわかります。
花粉を拡大すると、中央が凹んだ「テトラポッド」のような形でした。
球形よりも糸が絡まり易く見えます。
スズメガは吸蜜するだけで花粉を運ばないこともあるようです。
これに対応して粘着糸を生み出し、花粉の形も変えたのかもしれませんね。
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一昨年、何もわからず始めたこのブログ、何故かニックネームに漢字が
入力できず、「yuusuge」としてきました。
梅雨の日曜日、画面の整理をしつつ再試すると難なく入力できました。
今後「夕菅」と表示しますのでよろしくお願いします。
2010-06-25 21:59
コメント(6)
顕微鏡で見ると花粉に細かい糸がいっぱいついていますね。はじめて見ました。訪れる昆虫の特性に合った適応の形なのだろうか。
by satton (2010-06-26 18:06)
satton さん ありがとうございます。
黄色いクモの糸の詳細が知りたくて顕微鏡に載せ、また拙い写真を撮ってしまいました。
何年もこぼれ種のままに咲かせていたヒルザキツキミソウ、こんな花粉の仕組みがあったことを今年初めて知りました。
そして偶然にも訪れたスズメガが長い口吻で蜜だけ吸っている場面や、ミツバチが長い糸状の花粉を垂らしながら飛び交う姿を目撃できました。名前の分からない小さな昆虫もたくさん出入りしていましたよ。
効率よく種子を残すために植物も考えてきたのかしらと思いたくなるような現象でした。
by yuusuge (2010-06-26 22:16)
夕菅さん、こんばんは。
先日はコメントくださって、本当にありがとうございますね。
コメントの確認が遅くなってしまって、本当に申し訳ございませんでした。
ほんとにごめんなさいね。
実家のほうでいろいろなことがあり、法事のことや、叔母が入院したり、
いろいろなことが重なり、ブログの管理ができていなくて。
アップしかせず、コメントは次の日にやろうと思っていたのですが
そのまま、出来ずに、どんどん日が経ってしまいました。
本当にごめんなさい。
いつも素敵なコメントをくださって、夕菅さんには感謝しています。
ありがとうございますね。
ヒルザキツキミソウ、夕菅さんのお庭で優しいピンク色で彩って
とても綺麗ですね。
いつか手にしてみたいと思いました。
雄蕊の花粉の糸、初めてみました。大発見ですね。
花粉の顕微鏡での姿も、初めて見させていただきました。
テトラポットのような形なんて、想像もしていなかった!
それにしても、毎回、すごくお調べになっていて、
毎回の充実ぶり、ほんとに勉強になり、すごいなって思います。
いつも素晴らしいお花のお話を、ありがとうございますね。
by えっちゃん (2010-06-27 21:27)
えっちゃん
お忙しいのにご丁重なコメント、幾重にもいただいて恐縮です。
ありがとうございました。
私が願ってもできない宿根草ガーデン、それも私の好きな色の花を集めて綿密な植栽図を描いて管理なさっているお庭、そのブログを汚す迷惑コメントが気になって、つい、お知らせしたまでです。
花粉の写真が上手に撮れないので、また顕微鏡に頼ってしまいました。でもこれも専門的なものではありませんからお恥ずかしいような画像です。
北国ではまだ花の季節が続きますね。
こちらではもうナツツバキが満開、そう、夕菅も1花咲きましたよ。
by 夕菅 (2010-06-27 22:56)
黄色いクモの糸・・・・おもしろい。
近頃、テレビ番組にも動植物の不思議を紹介する番組が増えましたが、
夕菅さんのブログでは、より身近な空間での不思議がいっぱい。
本当に、ドキドキ、ワクワクします。
お庭を愛し、いつもいつも観察されておられるからこそ の発見と
お仕事柄か?原因追求の研究者肌だからこそ、
こういった不思議発見の素敵なブログが書けるんでしょうね。
わが夫は 近頃我が子の頭を文科系、理科系、体育会系?と
表現して 笑い話にしていますが、
同じ物を見ても 感じ方、関心の持ち方が人それぞれちがいますよね。
けれど、捉え方は違っても、
あるものが見えなければ どんな世界は広がりません。
何かが心に届く時を大切にしたいな・・・と思います。
私は子ども相手の仕事を今もまだ少しやっていますが
身近な不思議を感じられる子どもに・・・と思い、
理科の実験や動植物の不思議の話をレッスンの合間にしています。
ドキドキ、ワクワク・・・心が動いた時がチャンス。
芽が出るか、どうかはわかりませんが、
少しでも種まきができれば・・・と思います。
by ebisu-mama (2010-06-30 11:38)
ebisu-mamaさんはすばらしい先生ですね。
そういう先生に巡り合えたお子さんは幸せです。
どうぞどんどん種蒔きしてあげて下さい。
私は子育て中は忙しくて子どもに顕微鏡を見せたこともなかったの
ではと思います。
今になって、傍に好奇心いっぱいの子どもがいたら、そして一緒に
花や昆虫を観察できたらどんなに楽しいだろうと思います。
私の方がドキドキ、ワクワクかもしれません(笑)。
by 夕菅 (2010-06-30 22:10)