メランポジウム [草花(夏)]
メランポジウム
キク科メランポジウム属
学名は Melampodium paludosum
北アメリカ原産
草丈 30〜60cm
メランポジウムは初夏から晩秋まで元気に咲き続ける1年草です。
この花はセルフクリーニングの性質があり、花殻が目立たないといわれます。
これはどういうことなのか、具体的に画像で追ってみたいと思います。
7月初旬。
こぼれ種で芽生えたメランポジウムが茂り、黄色い花が次々と開花します。
蕾から順に咲き進んでいきます。
下の花は花弁が11枚あるように見えますが正しくは11個の舌状花(キク科の特徴)です。
中央の帽子状の部分は筒状花の集り、まず周辺から小花が開花し始めます。
舌状花・筒状花・それらを包む総苞をまとめて頭花といいます。
頭花の大きさは2.5cmくらい、舌状花は12個前後です。
筒状花が下から順に開花していきます。
9月上旬、酷暑の中でもますます花数がふえていきます。
画像をクリックして大きくしても花殻がどこにあるのか、はっきりしません。
咲き進んだ花を見つけました。
2枚の舌状花は枯れて褐色の棒状になり、筒状花も褐色になっています。
左寄りの花では舌状花が散った後に緑色の種子が見えています。
しかしまだ4枚の舌状花は黄色を保っていますね。
右の花は褐色の種子が車輪状に並んでいます。
種子は痩果で1つの舌状花に1個ずつ作られます。まもなくほろほろと落ちるでしょう。
筒状花が落ちる瞬間は普通撮ることができません。
けれども偶々舌状花3枚と筒状花の塊がクモの糸に引かかっているのが見つかりました。
筒状花の塊は風に揺れて裏と表を見せてくれました。
種子が落ちた後は緑色の花のように見えます。
キク科ですからこれは萼ではなく、合生した5枚の総苞でしょう。
こんなふうに舌状花は枯れたものから縮んで落ち、筒状花は帽子を脱ぐかのようにさらりと散ってしまうため見苦しい花殻はほとんど見られないのです。
10月になっても花の勢いは衰えず、色鮮やかに咲き広がっています。
奥のブルーの花はサルビア・アズレアです。
自生のトレニアとの競演。
小径が塞がれて回り道したり、はみ出た部分を切って生花にしたり。
メランポジウムは庭で最も頑強な1年草かと思います。
繁り過ぎるのが欠点ですが、一度植えたらあとはこぼれ種で生え、肥料不要、病虫害殆どなく、花殻摘みも要らぬ誠に手間要らずの花です。
さすがに晩秋には葉の色もあせ、霜が降りると枯れますから抜き取って堆肥にします。
セルフクリーニングするエコの花と言えましょう。
お蔭様で酷暑の夏も庭には労せずして花々が保たれています。
追記(2011. 9. 27.)
セルフクリーニングに関してもうひとつ書き忘れたことがありますので追記します。
メランポジウムは開花するとその花の両脇の枝がどんどん伸びて葉を開き、また花を咲かせます。
花期が長いので花がみすぼらしくなる頃には同じ葉腋から次の花の茎が伸び、古い花はその葉の陰になって目立たないというわけです。
切り花にして花瓶に生けておくとどこからか種子が落ちてきて不思議に思いました。
これがきっかけで調べましたところセルフクリーニングということばを見つけたのです。
メランポジウムのセルフクリーニングは次の二つの性質によるものと考えました。
1)咲き進むと管状花は1塊となり、舌状花は縮れて容易に落下する。
2)花が古くなる頃には両腋から新しい茎が育ち、その葉の陰になって目立たない。
こういうわけで、上から見ると花殻はほとんど無く、新鮮な花と葉ばかりのように見えるのです。
キク科メランポジウム属
学名は Melampodium paludosum
北アメリカ原産
草丈 30〜60cm
メランポジウムは初夏から晩秋まで元気に咲き続ける1年草です。
この花はセルフクリーニングの性質があり、花殻が目立たないといわれます。
これはどういうことなのか、具体的に画像で追ってみたいと思います。
7月初旬。
こぼれ種で芽生えたメランポジウムが茂り、黄色い花が次々と開花します。
蕾から順に咲き進んでいきます。
下の花は花弁が11枚あるように見えますが正しくは11個の舌状花(キク科の特徴)です。
中央の帽子状の部分は筒状花の集り、まず周辺から小花が開花し始めます。
舌状花・筒状花・それらを包む総苞をまとめて頭花といいます。
頭花の大きさは2.5cmくらい、舌状花は12個前後です。
筒状花が下から順に開花していきます。
9月上旬、酷暑の中でもますます花数がふえていきます。
画像をクリックして大きくしても花殻がどこにあるのか、はっきりしません。
咲き進んだ花を見つけました。
2枚の舌状花は枯れて褐色の棒状になり、筒状花も褐色になっています。
左寄りの花では舌状花が散った後に緑色の種子が見えています。
しかしまだ4枚の舌状花は黄色を保っていますね。
右の花は褐色の種子が車輪状に並んでいます。
種子は痩果で1つの舌状花に1個ずつ作られます。まもなくほろほろと落ちるでしょう。
筒状花が落ちる瞬間は普通撮ることができません。
けれども偶々舌状花3枚と筒状花の塊がクモの糸に引かかっているのが見つかりました。
筒状花の塊は風に揺れて裏と表を見せてくれました。
種子が落ちた後は緑色の花のように見えます。
キク科ですからこれは萼ではなく、合生した5枚の総苞でしょう。
こんなふうに舌状花は枯れたものから縮んで落ち、筒状花は帽子を脱ぐかのようにさらりと散ってしまうため見苦しい花殻はほとんど見られないのです。
10月になっても花の勢いは衰えず、色鮮やかに咲き広がっています。
奥のブルーの花はサルビア・アズレアです。
自生のトレニアとの競演。
小径が塞がれて回り道したり、はみ出た部分を切って生花にしたり。
メランポジウムは庭で最も頑強な1年草かと思います。
繁り過ぎるのが欠点ですが、一度植えたらあとはこぼれ種で生え、肥料不要、病虫害殆どなく、花殻摘みも要らぬ誠に手間要らずの花です。
さすがに晩秋には葉の色もあせ、霜が降りると枯れますから抜き取って堆肥にします。
セルフクリーニングするエコの花と言えましょう。
お蔭様で酷暑の夏も庭には労せずして花々が保たれています。
追記(2011. 9. 27.)
セルフクリーニングに関してもうひとつ書き忘れたことがありますので追記します。
メランポジウムは開花するとその花の両脇の枝がどんどん伸びて葉を開き、また花を咲かせます。
花期が長いので花がみすぼらしくなる頃には同じ葉腋から次の花の茎が伸び、古い花はその葉の陰になって目立たないというわけです。
切り花にして花瓶に生けておくとどこからか種子が落ちてきて不思議に思いました。
これがきっかけで調べましたところセルフクリーニングということばを見つけたのです。
メランポジウムのセルフクリーニングは次の二つの性質によるものと考えました。
1)咲き進むと管状花は1塊となり、舌状花は縮れて容易に落下する。
2)花が古くなる頃には両腋から新しい茎が育ち、その葉の陰になって目立たない。
こういうわけで、上から見ると花殻はほとんど無く、新鮮な花と葉ばかりのように見えるのです。
2011-09-17 15:58
コメント(10)
トロロアオイ(花オクラ) [草花(夏)]
この花の名は?
オクラ?
アオイ?
ハイビスカス?
いいえ。トロロアオイです。
えっ?
トロロアオイ
アオイ科トロロアオイ属
別名 黄蜀葵、 花オクラ
中国原産の1年草。草丈 1〜2m。
左はオクラ、右2株がトロロアオイ。
(7月14日撮影。現在では倍くらいに成長しています。)
トロロアオイの葉はオクラの葉より細く深裂、モミジアオイの葉に似ています。
花径はオクラの2倍くらい(10〜20cm)あります。
柔らかい淡黄色の花弁が5枚、半分重なるように開きます。
大輪が一度にたくさん咲いても色静かで美しいのですが、はかない一日花です。
底部は暗赤色、そこからやや濃い黄色の線状が放射状に伸びてちりめんのような細かい凹凸模様をつくり、花弁に趣を添えています。
底部中央から花粉をまとった蕊柱が伸び、先端に5個の柱頭が風車状に開いています。
このつくりはハイビスカスに似ていますね。
オクラでは5本の花柱は見えず、柱頭が5個密着していました。
夕方、柱頭はくるりと下垂して自家受粉の構えです(モミジアオイと同じ)。
9月に入ってもまだ蕾がたくさんあります。
明日咲く蕾が膨らんでいます。モミジアオイのような副萼片はありません。
右下はすでに花弁が落ちたあと、子房が見えています。
その左は小さな果実、次第に左下のように子房が膨らんでいきます。
果実は5稜、5枚の萼に囲まれ、白く硬い毛で覆われています。
茎にはさらに硬い毛があり、触れると痛い。
黒く乾いた果実の先端に隙間が出来ていました。
裂くと黒い種子がこぼれ落ちました。
トロロアオイは花オクラといわれるように花が美しいのですが、果実は毛に覆われ硬くて食べられません。花は酢の物や天ぷらにもいいそうです。
根は黄蜀葵根(おうしょっきこん)といい、中国では胃炎や胃潰瘍に用いられます。
また根から得られる粘液物質はネリといわれて和紙を漉く時に利用されてきました。
オクラもトロロアオイ属に分類されますが、原産はアフリカ北東部、日本で普及したのは昭和50年代からのことだそうです。
一方トロロアオイは近頃はあまり見掛けませんが、古くから栽培されてきたようです。
土田麦僊(1887〜1936)はこの花を好み、昭和7年に描いた「黄蜀葵(おうしょっき)」は足立美術館に収蔵されています。
http://www.adachi-museum.or.jp/ja/c_bakusen.html
オクラ?
アオイ?
ハイビスカス?
いいえ。トロロアオイです。
えっ?
トロロアオイ
アオイ科トロロアオイ属
別名 黄蜀葵、 花オクラ
中国原産の1年草。草丈 1〜2m。
左はオクラ、右2株がトロロアオイ。
(7月14日撮影。現在では倍くらいに成長しています。)
トロロアオイの葉はオクラの葉より細く深裂、モミジアオイの葉に似ています。
花径はオクラの2倍くらい(10〜20cm)あります。
柔らかい淡黄色の花弁が5枚、半分重なるように開きます。
大輪が一度にたくさん咲いても色静かで美しいのですが、はかない一日花です。
底部は暗赤色、そこからやや濃い黄色の線状が放射状に伸びてちりめんのような細かい凹凸模様をつくり、花弁に趣を添えています。
底部中央から花粉をまとった蕊柱が伸び、先端に5個の柱頭が風車状に開いています。
このつくりはハイビスカスに似ていますね。
オクラでは5本の花柱は見えず、柱頭が5個密着していました。
夕方、柱頭はくるりと下垂して自家受粉の構えです(モミジアオイと同じ)。
9月に入ってもまだ蕾がたくさんあります。
明日咲く蕾が膨らんでいます。モミジアオイのような副萼片はありません。
右下はすでに花弁が落ちたあと、子房が見えています。
その左は小さな果実、次第に左下のように子房が膨らんでいきます。
果実は5稜、5枚の萼に囲まれ、白く硬い毛で覆われています。
茎にはさらに硬い毛があり、触れると痛い。
黒く乾いた果実の先端に隙間が出来ていました。
裂くと黒い種子がこぼれ落ちました。
トロロアオイは花オクラといわれるように花が美しいのですが、果実は毛に覆われ硬くて食べられません。花は酢の物や天ぷらにもいいそうです。
根は黄蜀葵根(おうしょっきこん)といい、中国では胃炎や胃潰瘍に用いられます。
また根から得られる粘液物質はネリといわれて和紙を漉く時に利用されてきました。
オクラもトロロアオイ属に分類されますが、原産はアフリカ北東部、日本で普及したのは昭和50年代からのことだそうです。
一方トロロアオイは近頃はあまり見掛けませんが、古くから栽培されてきたようです。
土田麦僊(1887〜1936)はこの花を好み、昭和7年に描いた「黄蜀葵(おうしょっき)」は足立美術館に収蔵されています。
http://www.adachi-museum.or.jp/ja/c_bakusen.html
2011-09-01 23:42
コメント(8)
カワラナデシコ [草花(夏)]
カワラナデシコ
ナデシコ科
和名 河原撫子
別名 ナデシコ・ヤマトナデシコ
本州・四国・九州および朝鮮半島・中国・台湾に生育する多年草。
花期 7〜9月(園芸種は5〜7月)
すでに万葉集にも登場する「なでしこ」、日本女性を讃えた「大和撫子」さらに秋の七草の「なでしこ」は皆、このカワラナデシコのことです。
カワラナデシコ10輪(ウリハムシ1匹付き)。画面は全てクリックすると大きくなります。
咲いて間もない花。花弁は5枚、雌しべ2本・雄しべ10本。
白花もあります。
あでやかな1輪。すでに雄しべはほとんど消えかかっています。
草丈30〜80cm. 対生の細長い葉や円い茎は白っぽい青緑色。
長さ3〜4mの萼筒の先から花弁が出てきて平開します。
花弁が枯れた後は萼筒に包まれたまま蒴果(→)となり、多数の黒い種子が出来ます。
陽を受けて元気に。
雨の日も明るく。
10年ほど前、カワラナデシコに惹かれて庭に数株の苗を植えました。
ホタルブクロやマルバストラムの隣に咲くピンクと白のカワラナデシコ。
以来種子を採取することもなく、ただ成り行きに任せて花を楽しんできました。
2007年5月28日。
シュウメイギク(右下)やビオラ(左上)と競って茂り、今や花の盛り。
2008年6月23日。
カワラナデシコの名のごとく河原のような日向が好きかと思っていましたのに、やや日陰のボダイジュの下に自生してきました。
ここは昨年の群生地(すぐ上の写真)から2~3m東側、西風で種子が飛んだのでしょう。
昨年は見事に2色が共演しました。2010年6月22日。
しかし残念ながら今年はちょっと貧弱でした。
昨朝「なでしこJAPAN ワールドカップ優勝」! 快挙、おめでとう!
ふだんはスポーツに縁がない暮らしでしたが、今回はお祝いの心を込めて宿題にしてあったカワラナデシコを大急ぎでアップしました。
秋の七草に数えられるカワラナデシコ(なでしこ)、今回数年分の写真を見直しましたが、ほとんど6月に撮られたものでした。
今年の庭のカワラナデシコは今はもう花も終わり、果実が目立ちます。
昨年の秋も花はほとんど見られませんでした。
買ってきた苗はカワラナデシコの早咲きの園芸品種ということになるのでしょうか?。
野に咲く原種は秋まで咲くのでしょうか?
ナデシコ科
和名 河原撫子
別名 ナデシコ・ヤマトナデシコ
本州・四国・九州および朝鮮半島・中国・台湾に生育する多年草。
花期 7〜9月(園芸種は5〜7月)
すでに万葉集にも登場する「なでしこ」、日本女性を讃えた「大和撫子」さらに秋の七草の「なでしこ」は皆、このカワラナデシコのことです。
カワラナデシコ10輪(ウリハムシ1匹付き)。画面は全てクリックすると大きくなります。
咲いて間もない花。花弁は5枚、雌しべ2本・雄しべ10本。
白花もあります。
あでやかな1輪。すでに雄しべはほとんど消えかかっています。
草丈30〜80cm. 対生の細長い葉や円い茎は白っぽい青緑色。
長さ3〜4mの萼筒の先から花弁が出てきて平開します。
花弁が枯れた後は萼筒に包まれたまま蒴果(→)となり、多数の黒い種子が出来ます。
陽を受けて元気に。
雨の日も明るく。
10年ほど前、カワラナデシコに惹かれて庭に数株の苗を植えました。
ホタルブクロやマルバストラムの隣に咲くピンクと白のカワラナデシコ。
以来種子を採取することもなく、ただ成り行きに任せて花を楽しんできました。
2007年5月28日。
シュウメイギク(右下)やビオラ(左上)と競って茂り、今や花の盛り。
2008年6月23日。
カワラナデシコの名のごとく河原のような日向が好きかと思っていましたのに、やや日陰のボダイジュの下に自生してきました。
ここは昨年の群生地(すぐ上の写真)から2~3m東側、西風で種子が飛んだのでしょう。
昨年は見事に2色が共演しました。2010年6月22日。
しかし残念ながら今年はちょっと貧弱でした。
昨朝「なでしこJAPAN ワールドカップ優勝」! 快挙、おめでとう!
ふだんはスポーツに縁がない暮らしでしたが、今回はお祝いの心を込めて宿題にしてあったカワラナデシコを大急ぎでアップしました。
秋の七草に数えられるカワラナデシコ(なでしこ)、今回数年分の写真を見直しましたが、ほとんど6月に撮られたものでした。
今年の庭のカワラナデシコは今はもう花も終わり、果実が目立ちます。
昨年の秋も花はほとんど見られませんでした。
買ってきた苗はカワラナデシコの早咲きの園芸品種ということになるのでしょうか?。
野に咲く原種は秋まで咲くのでしょうか?
2011-07-19 18:47
コメント(16)
ニゲラ・ダマスケナ (クロタネソウ) [草花(夏)]
ニゲラ・ダマスケナ Nigella damascena
キンポウゲ科 の1年草
和名 クロタネソウ(黒種草)
原産 南ヨーロッパ
草丈 40〜80cm
一般にニゲラとして栽培されているのはニゲラ・ダマスケナの園芸種です。
昨秋植えたニゲラの苗が大きく育って5月下旬からたくさんの花を咲かせました。
これらは八重咲きで花の色は青・白・ピンクの3色でした。
開花開始の青花。
花弁に見えるのは萼片、周りの糸状の葉のようなものは5枚の総苞です。
花径は3〜4cm. 真ん中に延び出た雌しべの周りを雄しべが取り囲んでいます。
羽状に深裂した葉はそれぞれがまた糸のように細く尖って特異的です。
開花直後の白い花。まだ雄しべの葯から花粉が出ていません。
雌しべが怪しげに踊り出ています。雄しべの花粉も塾しています。
一重の原種には紫色の蜜標の基部に花弁が変形した蜜腺状の鱗片があるそうですが、八重の花にはありません。
花弁(萼片)が散り始める頃には雌しべが広がり子房が膨らんでいます。
緑色の風船のように膨らんだ果実。
果実は帯状に赤紫色に彩られます。
膨らんだ果実を指で挟むとぺしゃんこに凹みました。
緑色の風船のように膨らんだ果実。
紙風船のような果実のてっぺんに隙間が出来て黒い種子が覗いています。
この果実では隙間が大きく開いて中の種子は殆ど残っていませんでした。
風に揺れつつ種子を周りにまき散らしたのでしょう。
果実を4つ採取。右の3個はすでに種子はかなり減っているようですから、左端の完熟前の果実の中を見てみることにしました。
中は5室に分かれ、褐色ないし黒色の種子がびっしり詰まっていました。
種子を数えると約130個。
完熟した果実でまだ隙間が出来ていないものを探し、1個を裂いて種子を出しました。
小型の黒胡麻のような真っ黒な種子が113個出てきました。
ニゲラの語源となった niger はラテン語で 「黒色の」という意味です。
そういえば一般に種子は褐色が多くて黒色は稀少なのですね。
検索上、ニゲラの種子はハーブとして利用されるという記載が見られましたが、今回採取した種子には香りは感じられませんでした。
種をスパイスとして利用できるのは Nigella sativa という品種で、Nigella damascena の種子にはアルカロイド(ダマニセン)や揮発油(ニゲルエール)が含まれるそうですからご注意下さい。
またニゲラ・ダマスケナはイギリスでは Love-in-a-Mist(霧の中の愛人)、アメリカでは Devil-in-a-bush(茂みの中の悪魔)ともいわれるそうです。
たしかに何か不思議な魅力とちょっぴり魔性を感じる花ですね。
キンポウゲ科 の1年草
和名 クロタネソウ(黒種草)
原産 南ヨーロッパ
草丈 40〜80cm
一般にニゲラとして栽培されているのはニゲラ・ダマスケナの園芸種です。
昨秋植えたニゲラの苗が大きく育って5月下旬からたくさんの花を咲かせました。
これらは八重咲きで花の色は青・白・ピンクの3色でした。
開花開始の青花。
花弁に見えるのは萼片、周りの糸状の葉のようなものは5枚の総苞です。
花径は3〜4cm. 真ん中に延び出た雌しべの周りを雄しべが取り囲んでいます。
羽状に深裂した葉はそれぞれがまた糸のように細く尖って特異的です。
開花直後の白い花。まだ雄しべの葯から花粉が出ていません。
雌しべが怪しげに踊り出ています。雄しべの花粉も塾しています。
一重の原種には紫色の蜜標の基部に花弁が変形した蜜腺状の鱗片があるそうですが、八重の花にはありません。
花弁(萼片)が散り始める頃には雌しべが広がり子房が膨らんでいます。
緑色の風船のように膨らんだ果実。
果実は帯状に赤紫色に彩られます。
膨らんだ果実を指で挟むとぺしゃんこに凹みました。
緑色の風船のように膨らんだ果実。
紙風船のような果実のてっぺんに隙間が出来て黒い種子が覗いています。
この果実では隙間が大きく開いて中の種子は殆ど残っていませんでした。
風に揺れつつ種子を周りにまき散らしたのでしょう。
果実を4つ採取。右の3個はすでに種子はかなり減っているようですから、左端の完熟前の果実の中を見てみることにしました。
中は5室に分かれ、褐色ないし黒色の種子がびっしり詰まっていました。
種子を数えると約130個。
完熟した果実でまだ隙間が出来ていないものを探し、1個を裂いて種子を出しました。
小型の黒胡麻のような真っ黒な種子が113個出てきました。
ニゲラの語源となった niger はラテン語で 「黒色の」という意味です。
そういえば一般に種子は褐色が多くて黒色は稀少なのですね。
検索上、ニゲラの種子はハーブとして利用されるという記載が見られましたが、今回採取した種子には香りは感じられませんでした。
種をスパイスとして利用できるのは Nigella sativa という品種で、Nigella damascena の種子にはアルカロイド(ダマニセン)や揮発油(ニゲルエール)が含まれるそうですからご注意下さい。
またニゲラ・ダマスケナはイギリスでは Love-in-a-Mist(霧の中の愛人)、アメリカでは Devil-in-a-bush(茂みの中の悪魔)ともいわれるそうです。
たしかに何か不思議な魅力とちょっぴり魔性を感じる花ですね。
2011-07-11 22:08
コメント(10)
クロホオズキ [草花(夏)]
クロホオズキ
黒鬼灯・黒酸漿
学名:Nicandra physalodes Violacea
ナス科オオセンナリ属の一年草。
オオセンナリ(大千成、学名:Nicandra physaloides) の園芸品種。
花期 7〜9月。草丈50〜120cm。
昨年、花友達から「クロホオズキ」の苗をいただきました。
たちまちすくすく育って淡青紫色のさわやかな花が咲きました。
花の大きさは2.5cmくらい。
オオセンナリ(大千成)はペルー原産で日本には江戸時代に渡来した外来植物です。
ではこの園芸種のクロホオズキとどこが違うのでしょうか。
ネット検索すると、かなり混同されていますが、鑑別点をわかり易く説明した資料を見つけました。
http://www.kagiken.co.jp/new/kojimachi/hana-kurohohzuki_large.html
葉をみれば鑑別できるようです。
クロホオズキの葉には小さな黒い点があります。この黒点は点状突起として触れますが痛くはありません(画面をクリックすると大きくなります)。
次にオオセンナリは花の基部が白いそうです。残念ながら私はオオセンナリの実物を見たことはありませんが、ネット上の写真では確かに白っぽく見えます。
クロホオズキには花の中央に濃紫色の模様があり、萼も茎も黒ずんでいます。
クロホオズキの蕾を見ると、大きく発達した5枚の萼に囲まれています。
この萼がほおずきの袋になるのです。
萼や花弁の裏側にも紫色〜黒色の小さい点が多数認められます(画面をクリックすると大きくなります)。
花と若い果実の萼を2枚づつ取り外しました。
花冠の外側は紫色の色素を吹き付けたよう、基部は濃紫色です。
オオセンナリではここが白いのでしょう。
さらに若い実はなんと黒っぽい球形でした。
若い果実を1果、採取して萼を2枚外しました。
まさしく黒いホオズキです。
果実は初めは黒っぽく、次に緑色になり、最後に褐色になります。
萼は黒っぽい緑色から褐色になり、最後は葉脈だけのこって白くなります。
秋が深まると透けて、実った果実が見えるようになりました。
10月下旬、確かに千成りといいたくなる程たくさんの果実が、ドライフラワーのようになっています。
緑から褐色になった果実は乾燥し、崩れて種子が散布されます。
大きな果実1個からは100個以上の扁平な種子が出てきました。
昨年の種子がこぼれて、今春たくさんの2世が誕生しました。
小さくても葉には黒点があって他の雑草と区別できます。
来年もまた庭のあちこちにクロホオズキが育つでしょう。
オオセンナリには毒性があると書かれていますので味見は控えました。
公開後、裏庭の1株にまだ花が少し残っているのを見つけ、花の基部の写真と、3色の果実の写真を追加し記事を少々改めました。
黒鬼灯・黒酸漿
学名:Nicandra physalodes Violacea
ナス科オオセンナリ属の一年草。
オオセンナリ(大千成、学名:Nicandra physaloides) の園芸品種。
花期 7〜9月。草丈50〜120cm。
昨年、花友達から「クロホオズキ」の苗をいただきました。
たちまちすくすく育って淡青紫色のさわやかな花が咲きました。
花の大きさは2.5cmくらい。
オオセンナリ(大千成)はペルー原産で日本には江戸時代に渡来した外来植物です。
ではこの園芸種のクロホオズキとどこが違うのでしょうか。
ネット検索すると、かなり混同されていますが、鑑別点をわかり易く説明した資料を見つけました。
http://www.kagiken.co.jp/new/kojimachi/hana-kurohohzuki_large.html
葉をみれば鑑別できるようです。
クロホオズキの葉には小さな黒い点があります。この黒点は点状突起として触れますが痛くはありません(画面をクリックすると大きくなります)。
次にオオセンナリは花の基部が白いそうです。残念ながら私はオオセンナリの実物を見たことはありませんが、ネット上の写真では確かに白っぽく見えます。
クロホオズキには花の中央に濃紫色の模様があり、萼も茎も黒ずんでいます。
クロホオズキの蕾を見ると、大きく発達した5枚の萼に囲まれています。
この萼がほおずきの袋になるのです。
萼や花弁の裏側にも紫色〜黒色の小さい点が多数認められます(画面をクリックすると大きくなります)。
花と若い果実の萼を2枚づつ取り外しました。
花冠の外側は紫色の色素を吹き付けたよう、基部は濃紫色です。
オオセンナリではここが白いのでしょう。
さらに若い実はなんと黒っぽい球形でした。
若い果実を1果、採取して萼を2枚外しました。
まさしく黒いホオズキです。
果実は初めは黒っぽく、次に緑色になり、最後に褐色になります。
萼は黒っぽい緑色から褐色になり、最後は葉脈だけのこって白くなります。
秋が深まると透けて、実った果実が見えるようになりました。
10月下旬、確かに千成りといいたくなる程たくさんの果実が、ドライフラワーのようになっています。
緑から褐色になった果実は乾燥し、崩れて種子が散布されます。
大きな果実1個からは100個以上の扁平な種子が出てきました。
昨年の種子がこぼれて、今春たくさんの2世が誕生しました。
小さくても葉には黒点があって他の雑草と区別できます。
来年もまた庭のあちこちにクロホオズキが育つでしょう。
オオセンナリには毒性があると書かれていますので味見は控えました。
公開後、裏庭の1株にまだ花が少し残っているのを見つけ、花の基部の写真と、3色の果実の写真を追加し記事を少々改めました。
2010-10-24 23:25
コメント(6)
トレニアの花粉管 [草花(夏)]
昨年10月、トレニアの不思議(2)に名古屋大学の東山哲也教授をご紹介しました。
公開直後、やはり東山教授にもお知らせすべきかなとおそるおそるご報告しましたところ、思いがけなくご丁寧な返信メールをいただき感激しました。
その際、「気温が25度ぐらいありましたら、受粉後12時間ほどたちますと、花粉管が到達して受精が起こります。胚嚢(はいのう)に花粉管が突き刺さった状態で観察できます。」とお教えいただきました。
しかしその時は花粉管を確認できず、私の道具立てでは無理かとあきらめてしまいました。
最近、オクラの記事のために撮った花粉の写真にきれいに花粉管が現れ、花粉管は苛性カリをかけても壊れないことを知りました。
私の庭には今なおトレニアが数えきれないほど咲いています。
やはり、宿願のトレニアの花粉管をもう一度試すことにしました。
トレニアの花。
真ん中の白い唇のようなものが雌しべの柱頭。ここに花粉が付きます。
上下のアーチ状のものが雄しべです。
花弁はそうっと引っ張ればスポッと抜けます。
花弁の前半分を切り取ると、2組の雄しべが癒着していました。
萼も半分切り取ると、雌しべが現れました。柱頭から子房まで約2cmです。
この柱頭についた花粉が卵細胞まで達するまでを追ってみます。
まず雄しべを取り出しました。
上下2対づつ、8個の葯から白い花粉がこぼれています。
これをスライドグラスにスタンプしました(右)。
そのまま顕微鏡で見ると、花粉はコーヒー豆そっくりです。
ここに15%苛性カリ(消毒用アルコールも可)をかけると花粉は球形になります。
この花粉の中には、精細胞のもととなる雄原細胞と、花粉管をつくる細胞の花粉管核が入っているそうです。
次はいよいよ花粉管の観察です。
左は咲いたばかりの花、右は萎れかけた花。
花粉管の観察のためには少し萎れかけた花が適します。
雌しべを取り出し、子房の部位に15%苛性カリを1滴落とします。
カバーグラスを載せ、ぺったんこになるまでゆっくり押すと、葉緑素が溶け出し黄緑色になります。
上は取り出したばかりの雌しべ。
子房上部。たくさんの花粉管が花柱を通り抜けて伸びて来ています。
花粉管は花柱を通る間に、胚嚢まで達するための能力を与えられるそうです。
縦横に伸びた花粉管。
花粉管の拡大像。
雄原細胞は分裂して2個の精細胞になります。
一方、子房の内部にはびっしりと胚珠が並んでいます。
胚珠を拡大すると、円い胚嚢が確認できます。
胚珠の群れに近づく花粉管。
胚嚢の中には卵装置(卵細胞、2つの助細胞、中央細胞など)があります。
花粉管は助細胞が発する花粉管誘引物質(東山教授命名のルアー)に導かれて胚嚢に達します。
1例目。左下部は「胚嚢に花粉管が突き刺さった状態」でしょうか?
拡大すると確かに花粉管が胚嚢の先端部に連結しているようです。
2例目。花粉管が胚嚢に入っているように見えます。
拡大すると、胚嚢先端部が開いて花粉管の内容物が注ぎ込まれています。
こうして花粉管内にあった2個の精細胞が卵細胞と中央細胞とそれぞれ受精するのです(重複受精)。
3例目。変性しかけたような長い花粉管が胚嚢に届いています。
4例目。花粉管から胚嚢へ内容物が注ぎ込まれているようです。
花弁が枯れて縮んだ花の子房を見ると、大きな胚珠が入っていました。
すでに種子が育ち始めているのでしょう。
東山教授の「花粉管誘引物質」発見について解説したHPはすでにトレニアの不思議(2)でご紹介しましたが、さらに今年3月の「植物の受精のメカニズム」についての対談記事を見つけました。東山教授が図や写真を添えてわかり易く説明されています。
http://www.athome-academy.jp/archive/biology/0000001045_all.html
雄しべと雌しべの世界、まだまだわからないことがたくさんあり、今も謎を解くための研究が日夜進められているようです。
有り合わせの道具でもこの程度の観察ができたことを、モニターからの拙い写真ながら記しておくことにしました。
昨年は10月末で既に気温が低く、花粉管がまだ子房に達していない花ばかりを調べたのかもしれません。
これもまた調べながら書いた記事です。誤りがあるかもしれません。お気付きになられましたらどうぞ教えて下さい。
追記 「受精の瞬間]」2010.10.21.
このような番組があってインターネット上で見られることを今日初めて知りました。
まだ若かりし東山教授がトレニアと出会い、受精の瞬間を映像でとらえ、さらに助細胞の関与を発見されるまでをわかり易くまとめた作品です。微笑ましい部分もあります。是非ご覧下さい。
サイエンス チャンネル「未来を創る科学者達」
(24)神秘の瞬間に立ち会う ~東山哲也~ 2002年制作(放送時間:29 分)
http://sc-smn.jst.go.jp/8/bangumi.asp?i_series_code=I026904&i_renban_code=024
(→開示不能になりました。)
公開直後、やはり東山教授にもお知らせすべきかなとおそるおそるご報告しましたところ、思いがけなくご丁寧な返信メールをいただき感激しました。
その際、「気温が25度ぐらいありましたら、受粉後12時間ほどたちますと、花粉管が到達して受精が起こります。胚嚢(はいのう)に花粉管が突き刺さった状態で観察できます。」とお教えいただきました。
しかしその時は花粉管を確認できず、私の道具立てでは無理かとあきらめてしまいました。
最近、オクラの記事のために撮った花粉の写真にきれいに花粉管が現れ、花粉管は苛性カリをかけても壊れないことを知りました。
私の庭には今なおトレニアが数えきれないほど咲いています。
やはり、宿願のトレニアの花粉管をもう一度試すことにしました。
トレニアの花。
真ん中の白い唇のようなものが雌しべの柱頭。ここに花粉が付きます。
上下のアーチ状のものが雄しべです。
花弁はそうっと引っ張ればスポッと抜けます。
花弁の前半分を切り取ると、2組の雄しべが癒着していました。
萼も半分切り取ると、雌しべが現れました。柱頭から子房まで約2cmです。
この柱頭についた花粉が卵細胞まで達するまでを追ってみます。
まず雄しべを取り出しました。
上下2対づつ、8個の葯から白い花粉がこぼれています。
これをスライドグラスにスタンプしました(右)。
そのまま顕微鏡で見ると、花粉はコーヒー豆そっくりです。
ここに15%苛性カリ(消毒用アルコールも可)をかけると花粉は球形になります。
この花粉の中には、精細胞のもととなる雄原細胞と、花粉管をつくる細胞の花粉管核が入っているそうです。
次はいよいよ花粉管の観察です。
左は咲いたばかりの花、右は萎れかけた花。
花粉管の観察のためには少し萎れかけた花が適します。
雌しべを取り出し、子房の部位に15%苛性カリを1滴落とします。
カバーグラスを載せ、ぺったんこになるまでゆっくり押すと、葉緑素が溶け出し黄緑色になります。
上は取り出したばかりの雌しべ。
子房上部。たくさんの花粉管が花柱を通り抜けて伸びて来ています。
花粉管は花柱を通る間に、胚嚢まで達するための能力を与えられるそうです。
縦横に伸びた花粉管。
花粉管の拡大像。
雄原細胞は分裂して2個の精細胞になります。
一方、子房の内部にはびっしりと胚珠が並んでいます。
胚珠を拡大すると、円い胚嚢が確認できます。
胚珠の群れに近づく花粉管。
胚嚢の中には卵装置(卵細胞、2つの助細胞、中央細胞など)があります。
花粉管は助細胞が発する花粉管誘引物質(東山教授命名のルアー)に導かれて胚嚢に達します。
1例目。左下部は「胚嚢に花粉管が突き刺さった状態」でしょうか?
拡大すると確かに花粉管が胚嚢の先端部に連結しているようです。
2例目。花粉管が胚嚢に入っているように見えます。
拡大すると、胚嚢先端部が開いて花粉管の内容物が注ぎ込まれています。
こうして花粉管内にあった2個の精細胞が卵細胞と中央細胞とそれぞれ受精するのです(重複受精)。
3例目。変性しかけたような長い花粉管が胚嚢に届いています。
4例目。花粉管から胚嚢へ内容物が注ぎ込まれているようです。
花弁が枯れて縮んだ花の子房を見ると、大きな胚珠が入っていました。
すでに種子が育ち始めているのでしょう。
東山教授の「花粉管誘引物質」発見について解説したHPはすでにトレニアの不思議(2)でご紹介しましたが、さらに今年3月の「植物の受精のメカニズム」についての対談記事を見つけました。東山教授が図や写真を添えてわかり易く説明されています。
http://www.athome-academy.jp/archive/biology/0000001045_all.html
雄しべと雌しべの世界、まだまだわからないことがたくさんあり、今も謎を解くための研究が日夜進められているようです。
有り合わせの道具でもこの程度の観察ができたことを、モニターからの拙い写真ながら記しておくことにしました。
昨年は10月末で既に気温が低く、花粉管がまだ子房に達していない花ばかりを調べたのかもしれません。
これもまた調べながら書いた記事です。誤りがあるかもしれません。お気付きになられましたらどうぞ教えて下さい。
追記 「受精の瞬間]」2010.10.21.
このような番組があってインターネット上で見られることを今日初めて知りました。
まだ若かりし東山教授がトレニアと出会い、受精の瞬間を映像でとらえ、さらに助細胞の関与を発見されるまでをわかり易くまとめた作品です。微笑ましい部分もあります。是非ご覧下さい。
サイエンス チャンネル「未来を創る科学者達」
(24)神秘の瞬間に立ち会う ~東山哲也~ 2002年制作(放送時間:29 分)
http://sc-smn.jst.go.jp/8/bangumi.asp?i_series_code=I026904&i_renban_code=024
(→開示不能になりました。)
2010-10-17 16:17
コメント(10)
酷暑に耐えた草花達(2) [草花(夏)]
9月になってもこの暑さ、今夏の平均気温は過去113年で最高だそうです。
植物にとっても過酷な夏、日々の水遣りがたいへんです。
有り難いことにこの庭には昔使った井戸があり、まだ水遣りに使うことが出来ますが、むろん自動散水装置はありません。
今年のような猛暑の水遣りは花好きにとってもつらい作業です。
トレニアとアンゲロニアに続き、そのような酷暑に耐えている草花達を並べます。
ルドベキア・タカオ
キク科の多年草 和名:オオミツバハンゴンソウ
元気な黄色い花が長期間咲き続けています。
盛夏の切り花はたいてい日持ちが悪いのですが、この花は3日ほど保てます。
高さ150cmほど、こんもり育って花がたくさん咲いていますから、惜しげもなく切ることができてとてもありがたい花です。
ラベンダーセージ
シソ科 宿根サルビアの仲間。
この花も極めて丈夫で、高さ150cmほどの大株になっています。
切り花には向いていませんが、切り戻せば晩秋まで咲きます。
ペチュニア
ナス科 和名:ツクバネアサガオ
たくさんの園芸品種がありサフィニア・ブリエッタ・ さくらさくら・ミリオンベルなど様々な商品名で各社から販売されています。
鉢に植えると植木鉢が見えなくなるほど、こんもりと下垂します。
花数が多いのでしつこくならぬよう白や淡いピンクを選んでいます。
地植えのものは今年は梅雨が長く、大雨が多かったためか、例年より繁りませんでした。
ナス科ですから連作障害もあるように思います。
ヒメイワダレソウ
クマツツヅラ科
上の写真に見える小さな花はヒメイワダレソウ。
雑草防止のグランドカバーとして植えた物ですが、近くで見るとかわいい花です。
但し、繁茂し過ぎて大切な花々に覆いかぶさってしまうことがありますので、やはり管理が必要です。
ペンタス
アカネ科 別名:クササンタンカ
花水木の並木の下のボーダー花壇は水田に接していますが、埋め立て地のため水が切れ易く苦労します。
乾燥に強いペンタスは辛うじてその悪条件に耐えています。
一花終わるとまた蕾が出てきて花の少ないこの期間、間を持たせてくれます。
白やピンクの他、薄紫色もありますが、今年はうまく根付きませんでした。
メランポジウム
キク科の1年草
1年草とはいえ、一度植えると翌年から雑草並みの繁殖力で庭のあちこちに自生します。
4年前そのままにしていたら一面に花野のように広がり、他の花々が絶えてしまいました。
その後は過剰な芽は抜くようにしていますが、悪条件の今年、他の苗が枯れてしまった後へ出てきて知らない間に大きく育っているのを見ると「ありがとう」といいたくなります。
ほぼ同じ形と大きさの花が長期間そろい咲きします。葉も緑豊かです。
モミジアオイ
アオイ科
これについては昨年モミジアオイ(1).(2)として記事にしましたが、周辺にこぼれ種から自生した苗が育ち、次々と花を咲かせています。
ここにもメランポジウムが繁ってますね。
今日も真夏日、太陽光が反射してまぶしい真昼の情景です。
植物にとっても過酷な夏、日々の水遣りがたいへんです。
有り難いことにこの庭には昔使った井戸があり、まだ水遣りに使うことが出来ますが、むろん自動散水装置はありません。
今年のような猛暑の水遣りは花好きにとってもつらい作業です。
トレニアとアンゲロニアに続き、そのような酷暑に耐えている草花達を並べます。
ルドベキア・タカオ
キク科の多年草 和名:オオミツバハンゴンソウ
元気な黄色い花が長期間咲き続けています。
盛夏の切り花はたいてい日持ちが悪いのですが、この花は3日ほど保てます。
高さ150cmほど、こんもり育って花がたくさん咲いていますから、惜しげもなく切ることができてとてもありがたい花です。
ラベンダーセージ
シソ科 宿根サルビアの仲間。
この花も極めて丈夫で、高さ150cmほどの大株になっています。
切り花には向いていませんが、切り戻せば晩秋まで咲きます。
ペチュニア
ナス科 和名:ツクバネアサガオ
たくさんの園芸品種がありサフィニア・ブリエッタ・ さくらさくら・ミリオンベルなど様々な商品名で各社から販売されています。
鉢に植えると植木鉢が見えなくなるほど、こんもりと下垂します。
花数が多いのでしつこくならぬよう白や淡いピンクを選んでいます。
地植えのものは今年は梅雨が長く、大雨が多かったためか、例年より繁りませんでした。
ナス科ですから連作障害もあるように思います。
ヒメイワダレソウ
クマツツヅラ科
上の写真に見える小さな花はヒメイワダレソウ。
雑草防止のグランドカバーとして植えた物ですが、近くで見るとかわいい花です。
但し、繁茂し過ぎて大切な花々に覆いかぶさってしまうことがありますので、やはり管理が必要です。
ペンタス
アカネ科 別名:クササンタンカ
花水木の並木の下のボーダー花壇は水田に接していますが、埋め立て地のため水が切れ易く苦労します。
乾燥に強いペンタスは辛うじてその悪条件に耐えています。
一花終わるとまた蕾が出てきて花の少ないこの期間、間を持たせてくれます。
白やピンクの他、薄紫色もありますが、今年はうまく根付きませんでした。
メランポジウム
キク科の1年草
1年草とはいえ、一度植えると翌年から雑草並みの繁殖力で庭のあちこちに自生します。
4年前そのままにしていたら一面に花野のように広がり、他の花々が絶えてしまいました。
その後は過剰な芽は抜くようにしていますが、悪条件の今年、他の苗が枯れてしまった後へ出てきて知らない間に大きく育っているのを見ると「ありがとう」といいたくなります。
ほぼ同じ形と大きさの花が長期間そろい咲きします。葉も緑豊かです。
モミジアオイ
アオイ科
これについては昨年モミジアオイ(1).(2)として記事にしましたが、周辺にこぼれ種から自生した苗が育ち、次々と花を咲かせています。
ここにもメランポジウムが繁ってますね。
今日も真夏日、太陽光が反射してまぶしい真昼の情景です。
2010-09-05 11:44
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酷暑に耐えた草花達(1)トレニアとアンゲロニア [草花(夏)]
記録的な今年の暑さ、8月も下旬になってもまだ猛暑が続いています。
「名古屋の過去の天気」を見ると、7月20日から今日8月29日までの41日間に
日最高気温30℃以上の真夏日 38日
35℃以上の猛暑日 19日(うち37℃以上 5日)
という凄まじい暑さ、植物にとっても過酷な夏でした。
毎年初夏、パンジーが終わる頃、夏の草花の苗を植えます。
今年は梅雨も長く大雨が多かったためか良い苗が少なく、せっかく植えても育たぬ物もありました。梅雨明け後植え直しましたが今度は日照りが強すぎて枯れ、8月になるともう植え替える元気も失せました。
その中で何とか生き残って花壇を彩ってくれている花々を記録しておきたいと思います。
トレニア
ゴマノハグサ科 和名:ナツスミレ
おなじみのトレニア、上の写真は6月に苗を買って植えたものですが、その後庭のあちこちに昨年のこぼれ種から芽が出てきました。レンガの隙間からも雑草のように生え花を咲かせています。苗が枯れたままになっていたところもトレニアが繁って目立たなくなりました。
トレニアは昨年10月トレニアの不思議(1)・(2)としてこのブログの記事にしました。
世話要らずで丈夫、それでいてやや控えめなところがいじらしく、大好きな花の一つです。
炎暑の真っ昼間、トレニアに勇ましい来客がありました。
羽音高く近づいてさっとトレニアの花を抱え込みます。
もしや盗蜜? よく見ると、確かに花筒に口吻をブスリ!
すぐに飛び立ってまた次!また次! 迷わず同じ部位を刺します。
昨年スイカズラやチェリーセージでクマバチが盗蜜する記事を書きましたが、このクマバチは同じ蜂なのでしょうか? 寿命は数年とか。今日の盗蜜は名人芸のような早業でした。
アンゲロニア
ゴマノハグサ科
1枚目の写真、トレニアの後の白とピンクの花はアンゲロニアです。
トレニアと同じく暑さに負けず初夏から秋まで咲き続けます。
多年草だそうですが寒さに弱いのでこの地では1年草となります。
白、淡いピンク、紫など数色あります。
拡大するとあんぐり口を開けているみたいで、覚えにくい名前を思い出すヒントになるかもしれません(笑)。
クマバチもこれなら盗蜜しなくても正面から届くでしょうね。
「名古屋の過去の天気」を見ると、7月20日から今日8月29日までの41日間に
日最高気温30℃以上の真夏日 38日
35℃以上の猛暑日 19日(うち37℃以上 5日)
という凄まじい暑さ、植物にとっても過酷な夏でした。
毎年初夏、パンジーが終わる頃、夏の草花の苗を植えます。
今年は梅雨も長く大雨が多かったためか良い苗が少なく、せっかく植えても育たぬ物もありました。梅雨明け後植え直しましたが今度は日照りが強すぎて枯れ、8月になるともう植え替える元気も失せました。
その中で何とか生き残って花壇を彩ってくれている花々を記録しておきたいと思います。
トレニア
ゴマノハグサ科 和名:ナツスミレ
おなじみのトレニア、上の写真は6月に苗を買って植えたものですが、その後庭のあちこちに昨年のこぼれ種から芽が出てきました。レンガの隙間からも雑草のように生え花を咲かせています。苗が枯れたままになっていたところもトレニアが繁って目立たなくなりました。
トレニアは昨年10月トレニアの不思議(1)・(2)としてこのブログの記事にしました。
世話要らずで丈夫、それでいてやや控えめなところがいじらしく、大好きな花の一つです。
炎暑の真っ昼間、トレニアに勇ましい来客がありました。
羽音高く近づいてさっとトレニアの花を抱え込みます。
もしや盗蜜? よく見ると、確かに花筒に口吻をブスリ!
すぐに飛び立ってまた次!また次! 迷わず同じ部位を刺します。
昨年スイカズラやチェリーセージでクマバチが盗蜜する記事を書きましたが、このクマバチは同じ蜂なのでしょうか? 寿命は数年とか。今日の盗蜜は名人芸のような早業でした。
アンゲロニア
ゴマノハグサ科
1枚目の写真、トレニアの後の白とピンクの花はアンゲロニアです。
トレニアと同じく暑さに負けず初夏から秋まで咲き続けます。
多年草だそうですが寒さに弱いのでこの地では1年草となります。
白、淡いピンク、紫など数色あります。
拡大するとあんぐり口を開けているみたいで、覚えにくい名前を思い出すヒントになるかもしれません(笑)。
クマバチもこれなら盗蜜しなくても正面から届くでしょうね。
2010-08-29 23:26
コメント(6)
ナツズイセン [草花(夏)]
ナツズイセン
夏水仙 学名:Lycoris squamigera ヒガンバナ科
8月3日。
あまりの暑さにロベリアやペチュニア「さくらさくら」などが早々と枯れてしまった花壇に、突如大きな花が咲いていました。
ナツズイセン? そうです!
写真で見て一目惚れし、一昨年やっとあるお店で見つけて植えたのに昨年は咲かず、枯れてしまったかと思っていた花です。
庭中、ぱっと明るくなったような気がしました。
60cmくらいに伸びた花茎の先に径8cmくらいの淡いピンクの花が数個咲きます。
花はユリと同じくラッパ状で半開。長い雌しべが1本と雄しべが6本。
8月4日8時。
二本の花茎に花は九つ。
(画面をクリックすると大きくなります。)
よく見ると雄しべの形が2種類あります。
左は今朝咲いた花。まだ雄しべから花粉は出ていません。
右は昨日咲いた花。雄しべの先に花粉がいっぱい付いています。
(画面をクリックすると大きくなります。)
左の花の雄しべを拡大しました。
雄しべは長く伸びた花糸とその先についた葯から成り、葯の中で花粉が作られます。ナツズイセンの葯はバナナのような形をし、2個の半葯からなっています。
では花粉はどこから出て来るのでしょう。
9時。
真ん中の葯の上部が少し裂けて花粉が見えています。
10時。
葯は縦に裂けて内側に中の花粉が表に現れました。
まるでリバーシブルの帽子のようです。
これを後から見てみました。
ボケボケの画像ですが裂開した葯が反転しているのがわかるでしょうか。
11時。成熟した花粉。
この花は葉と球根(鱗茎)がスイセンに似ていて夏に咲くことからナツズイセンと名付けられました。
中国原産で古い時代に日本に渡来し山野にも自生、ヒガンバナと同じく有毒植物だそうです。
春から茂っていた葉が枯れた8月頃、花茎だけが伸び出して花を咲かせます。
確かにこの春、「こんなところに水仙を植えたかなー」と不思議に思ったことがありました。水仙の葉といっても日本水仙やラッパ水仙とは異なり、つやつやした濃い緑色で、房咲き水仙の葉のようだった覚えです。来春葉の写真を撮って、ここに追加したいと思います。
追記 2011.8.10.
今年もナツズイセンが満開です。
葉の写真を追加することを忘れていました。
巾が広く白っぽい緑色の葉が今年3月27日撮ったナツズイセンの葉です。
右後のやや細くて緑が濃い葉は別のスイセン、手前の白い花はクリスマスローズ。
夏水仙 学名:Lycoris squamigera ヒガンバナ科
8月3日。
あまりの暑さにロベリアやペチュニア「さくらさくら」などが早々と枯れてしまった花壇に、突如大きな花が咲いていました。
ナツズイセン? そうです!
写真で見て一目惚れし、一昨年やっとあるお店で見つけて植えたのに昨年は咲かず、枯れてしまったかと思っていた花です。
庭中、ぱっと明るくなったような気がしました。
60cmくらいに伸びた花茎の先に径8cmくらいの淡いピンクの花が数個咲きます。
花はユリと同じくラッパ状で半開。長い雌しべが1本と雄しべが6本。
8月4日8時。
二本の花茎に花は九つ。
(画面をクリックすると大きくなります。)
よく見ると雄しべの形が2種類あります。
左は今朝咲いた花。まだ雄しべから花粉は出ていません。
右は昨日咲いた花。雄しべの先に花粉がいっぱい付いています。
(画面をクリックすると大きくなります。)
左の花の雄しべを拡大しました。
雄しべは長く伸びた花糸とその先についた葯から成り、葯の中で花粉が作られます。ナツズイセンの葯はバナナのような形をし、2個の半葯からなっています。
では花粉はどこから出て来るのでしょう。
9時。
真ん中の葯の上部が少し裂けて花粉が見えています。
10時。
葯は縦に裂けて内側に中の花粉が表に現れました。
まるでリバーシブルの帽子のようです。
これを後から見てみました。
ボケボケの画像ですが裂開した葯が反転しているのがわかるでしょうか。
11時。成熟した花粉。
この花は葉と球根(鱗茎)がスイセンに似ていて夏に咲くことからナツズイセンと名付けられました。
中国原産で古い時代に日本に渡来し山野にも自生、ヒガンバナと同じく有毒植物だそうです。
春から茂っていた葉が枯れた8月頃、花茎だけが伸び出して花を咲かせます。
確かにこの春、「こんなところに水仙を植えたかなー」と不思議に思ったことがありました。水仙の葉といっても日本水仙やラッパ水仙とは異なり、つやつやした濃い緑色で、房咲き水仙の葉のようだった覚えです。来春葉の写真を撮って、ここに追加したいと思います。
追記 2011.8.10.
今年もナツズイセンが満開です。
葉の写真を追加することを忘れていました。
巾が広く白っぽい緑色の葉が今年3月27日撮ったナツズイセンの葉です。
右後のやや細くて緑が濃い葉は別のスイセン、手前の白い花はクリスマスローズ。
2010-08-07 22:14
コメント(2)
ホタルブクロの受粉 [草花(夏)]
今まで、ホタルブクロは遠くから見て風情を楽しむ花でした。
今回は前の記事の続きとして、花の内部をのぞいてみましょう。
これは白色に紅い点があるホタルブクロです。
中心に綿棒のように長いめしべが伸びています。
そのまわりにあるくるまったリボンのようなものがおしべです。
地色がピンクの花。
花冠の上半分を取り除くと、花粉のついためしべの花柱に続く子房が現れました。
クリックすると小さなアリが2匹見つかります。
左画像;子房を拡大。既におしべは萎びています。
ここにもアリが1匹。
右画像:子房の断面。下の方に蜜がたまっています。
味見をすると甘くて美味しい蜜でした。アリはよく知っていますね。
いくつかの花を覗いてもおしべは皆、ベージュ色。花粉は出尽くしたあとのようです。
調べてみると、ホタルブクロは雄性先熟。つまり、おしべが先に成熟して花粉を出し、遅れてめしべが柱頭を開いて、訪問する昆虫が他の花の花粉を運んできてくれるのを待つ仕組みです。
(雄性先熟はシロホトトギスの記事にも書きました。)
では花粉はいつ出るのでしょう。つぼみの時にもう出ているのでしょうか?
先がわずかに開きかけたつぼみを採取しました。
上部の花冠を除くと花柱を取り囲むおしべが出てきました。
葯には花粉が付き、花柱も白く花粉で覆われています。
若いつぼみのうちからおしべは花粉を出していたのですね。
さらに若いつぼみを探しましょう。
この若いつぼみではめしべの花柱はおしべの葯に包まれていました。上の花冠を除くとすぐおしべの1本が浮き上がり、葯の内側に花粉が並んでいるのが見えました。
花柱の周りには毛が密集していて伸びるにつれ花粉をまとっていきます。
花粉がなくなるとおしべは枯れるのです。
開花したあとの花をいくら覗いても花粉のついたおしべは見えなかったわけです。
これでめしべの柱頭の形の順序がわかりました。
1)咲いたばかりのめしべはすでに花粉で覆われています。
2)花粉が落ちて滑らかな花柱になりました。
3)めしべの柱頭が3裂します。
4)柱頭に花粉が付着しました。
この花粉は他の花を訪問した昆虫が付けていったものでしょう。
ここにひとつ疑問が残りました。
ホタルブクロの花粉はハナバチに運ばれると言われています。
この時期、庭のニンジンボクやブットレアなどにはたくさんのハチやチョウの仲間が訪れていますが、ホタルブクロの花をしばしば覗いてもアリ以外の昆虫には出会えませんでした。
しかし、花が枯れたあとにはたくさんの果実が実りつつあります。
福原先生の植物形態学にも「花柱についた花粉が取れたころに、花柱の先端が3つに割れて柱頭が露出する。」と書かれています。
本多先生は石川の植物や「植物観察図鑑」に自家受粉をさける仕組みについて詳説されています。
私も観察してみました。確かにそのようです。
左は厚く花粉をまとった花柱、右は柱頭が開いて花粉がほとんど無くなっている花柱です。
しかしその後めしべを見てまわるうちに、花柱に付いた花粉がさらりとは落ちずにかなり残っている場合があるのに気付きました。
その際、3裂した柱頭がくるりと卷いていることもありました。
ホタルブクロの花は下垂していますから、花柱に残った花粉が落ちれば卷いた柱頭に付着します。
他家受粉を優先するものの、こうして自家受粉する例もあるのではないかと思えました。
昨年観察した モミジアオイでは柱頭が大きく彎曲して自家受粉もすると考えられました。
これはなかなかさんのヤノネボンテンカの自家受粉に教わって観察したものでした。
ホタルブクロも同じように自家受粉もすると考えれば、その逞しい繁殖力も納得できます。
ただし今回はほんの少数例の観察ですし、梅雨の雨が続き花期も終わる頃ですから、単なる例外に過ぎないかもしれません。
お粗末な画像からの素人のたわごと、感じたままに書きました。誤りがありましたらお教えいただければ幸いです。
参考にさせていただいた主なHP・文献
福原のページ(植物形態学)
https://www.fukuoka-edu.ac.jp/~fukuhara/keitai/kikyouka.html
キキョウ科 ホタルブクロ
石川の植物
http://www48.tok2.com/home/mizubasyou/81hotarubukuro.htm
掲載種一覧 81 ホタルブクロ
本多郁夫. 2007. 知るほどに楽しい植物観察図鑑:67. 橋本確文堂
なかなかの植物ルーム
http://www.juno.dti.ne.jp/~skknari/yanone-bontenka.htm
ヤノネボンテンカの閉鎖花
今回は前の記事の続きとして、花の内部をのぞいてみましょう。
これは白色に紅い点があるホタルブクロです。
中心に綿棒のように長いめしべが伸びています。
そのまわりにあるくるまったリボンのようなものがおしべです。
地色がピンクの花。
花冠の上半分を取り除くと、花粉のついためしべの花柱に続く子房が現れました。
クリックすると小さなアリが2匹見つかります。
左画像;子房を拡大。既におしべは萎びています。
ここにもアリが1匹。
右画像:子房の断面。下の方に蜜がたまっています。
味見をすると甘くて美味しい蜜でした。アリはよく知っていますね。
いくつかの花を覗いてもおしべは皆、ベージュ色。花粉は出尽くしたあとのようです。
調べてみると、ホタルブクロは雄性先熟。つまり、おしべが先に成熟して花粉を出し、遅れてめしべが柱頭を開いて、訪問する昆虫が他の花の花粉を運んできてくれるのを待つ仕組みです。
(雄性先熟はシロホトトギスの記事にも書きました。)
では花粉はいつ出るのでしょう。つぼみの時にもう出ているのでしょうか?
先がわずかに開きかけたつぼみを採取しました。
上部の花冠を除くと花柱を取り囲むおしべが出てきました。
葯には花粉が付き、花柱も白く花粉で覆われています。
若いつぼみのうちからおしべは花粉を出していたのですね。
さらに若いつぼみを探しましょう。
この若いつぼみではめしべの花柱はおしべの葯に包まれていました。上の花冠を除くとすぐおしべの1本が浮き上がり、葯の内側に花粉が並んでいるのが見えました。
花柱の周りには毛が密集していて伸びるにつれ花粉をまとっていきます。
花粉がなくなるとおしべは枯れるのです。
開花したあとの花をいくら覗いても花粉のついたおしべは見えなかったわけです。
これでめしべの柱頭の形の順序がわかりました。
1)咲いたばかりのめしべはすでに花粉で覆われています。
2)花粉が落ちて滑らかな花柱になりました。
3)めしべの柱頭が3裂します。
4)柱頭に花粉が付着しました。
この花粉は他の花を訪問した昆虫が付けていったものでしょう。
ここにひとつ疑問が残りました。
ホタルブクロの花粉はハナバチに運ばれると言われています。
この時期、庭のニンジンボクやブットレアなどにはたくさんのハチやチョウの仲間が訪れていますが、ホタルブクロの花をしばしば覗いてもアリ以外の昆虫には出会えませんでした。
しかし、花が枯れたあとにはたくさんの果実が実りつつあります。
福原先生の植物形態学にも「花柱についた花粉が取れたころに、花柱の先端が3つに割れて柱頭が露出する。」と書かれています。
本多先生は石川の植物や「植物観察図鑑」に自家受粉をさける仕組みについて詳説されています。
私も観察してみました。確かにそのようです。
左は厚く花粉をまとった花柱、右は柱頭が開いて花粉がほとんど無くなっている花柱です。
しかしその後めしべを見てまわるうちに、花柱に付いた花粉がさらりとは落ちずにかなり残っている場合があるのに気付きました。
その際、3裂した柱頭がくるりと卷いていることもありました。
ホタルブクロの花は下垂していますから、花柱に残った花粉が落ちれば卷いた柱頭に付着します。
他家受粉を優先するものの、こうして自家受粉する例もあるのではないかと思えました。
昨年観察した モミジアオイでは柱頭が大きく彎曲して自家受粉もすると考えられました。
これはなかなかさんのヤノネボンテンカの自家受粉に教わって観察したものでした。
ホタルブクロも同じように自家受粉もすると考えれば、その逞しい繁殖力も納得できます。
ただし今回はほんの少数例の観察ですし、梅雨の雨が続き花期も終わる頃ですから、単なる例外に過ぎないかもしれません。
お粗末な画像からの素人のたわごと、感じたままに書きました。誤りがありましたらお教えいただければ幸いです。
参考にさせていただいた主なHP・文献
福原のページ(植物形態学)
https://www.fukuoka-edu.ac.jp/~fukuhara/keitai/kikyouka.html
キキョウ科 ホタルブクロ
石川の植物
http://www48.tok2.com/home/mizubasyou/81hotarubukuro.htm
掲載種一覧 81 ホタルブクロ
本多郁夫. 2007. 知るほどに楽しい植物観察図鑑:67. 橋本確文堂
なかなかの植物ルーム
http://www.juno.dti.ne.jp/~skknari/yanone-bontenka.htm
ヤノネボンテンカの閉鎖花
2010-07-18 10:47
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