ナツロウバイ (2) [花木(春)]
ナツロウバイ 夏蝋梅
ロウバイ科 Sinocalycanthus chinensis
中国原産の落葉低木
この花については 2009.5.21.ナツロウバイ として既に記事にしました。
その後もこの木は毎年5月には魅惑的な花を付けます。
半日陰にあるためなかなか写真が撮りづらいのですが少々追加してみます。
おおかたの花がそうであるように、この花も蕾から開花する頃が最も美しいと思います。
翌日、さらに開いて色も淡くなります。
俯いて静かに咲く花をそっと葉の上に載せて「こんにちは」。
淡いピンクの蝋細工のよう。
開き始めた蕾。
大きな葉の間から花柄が伸びて1輪咲きます。いよいよ開花。
ロウバイと同じく肉厚の花被片。
満開の花。
見上げるとピンクの花被片はやや透けて見えます。おや、クモが1匹。
花の裏面。苞や萼は区別できません。
6花勢揃い。
昨年の果実が未だに残っています。
花とは対照的ないかめしい残骸ながら妙にユーモラス。
この可憐な花がエイリアンのような果実になる過程を追ってみたいと思います。
花の正面。外側は淡いピンク色の花被片、内側には小さい黄色の花被片が蕊を囲んでいます(内花被片)。
中央には多数の葯が成熟して並び、それぞれ縦に裂け目が見えます。
雌しべはどこにあるのでしょう。
どの花も雄しべばかりのような気がしました。
しかしよく見ると咲いたばかりの花の中央に糸状に光る部分がありました。
これが雌しべでしょう。
黄色いバナナのような若い雄しべが雌しべを囲んでいます(雌性期)。
内花被片の内側を拡大すると糸状に分かれた柱頭が10本余、数えられます。
やはりロウバイと同じく雌性先熟ですね。
成熟した葯は背面が縦に裂けて花粉を出しながら雌しべを包み込むように前傾します
(雄性期)。
その後、花被片は次々と散っていきます。
花被片が散った後の壷型の花床に枯れた雄しべが付いています。
瘢痕のように見えるのは花被片が落ちた痕。
若い果実(7月9日)。
1年後、まだ残っていた昨年の果実。
割ると中にはまだ種子が残っていました。
樹下のジャノヒゲの間に芽生えたばかりの双葉と育ちつつある苗木。
樹木の全体像。
植えてから20年近くたっていますが未だに樹高約2.5mほどです。
花美しく手のかからない理想的な庭木としてお勧めできます。
ロウバイ科 Sinocalycanthus chinensis
中国原産の落葉低木
この花については 2009.5.21.ナツロウバイ として既に記事にしました。
その後もこの木は毎年5月には魅惑的な花を付けます。
半日陰にあるためなかなか写真が撮りづらいのですが少々追加してみます。
おおかたの花がそうであるように、この花も蕾から開花する頃が最も美しいと思います。
翌日、さらに開いて色も淡くなります。
俯いて静かに咲く花をそっと葉の上に載せて「こんにちは」。
淡いピンクの蝋細工のよう。
開き始めた蕾。
大きな葉の間から花柄が伸びて1輪咲きます。いよいよ開花。
ロウバイと同じく肉厚の花被片。
満開の花。
見上げるとピンクの花被片はやや透けて見えます。おや、クモが1匹。
花の裏面。苞や萼は区別できません。
6花勢揃い。
昨年の果実が未だに残っています。
花とは対照的ないかめしい残骸ながら妙にユーモラス。
この可憐な花がエイリアンのような果実になる過程を追ってみたいと思います。
花の正面。外側は淡いピンク色の花被片、内側には小さい黄色の花被片が蕊を囲んでいます(内花被片)。
中央には多数の葯が成熟して並び、それぞれ縦に裂け目が見えます。
雌しべはどこにあるのでしょう。
どの花も雄しべばかりのような気がしました。
しかしよく見ると咲いたばかりの花の中央に糸状に光る部分がありました。
これが雌しべでしょう。
黄色いバナナのような若い雄しべが雌しべを囲んでいます(雌性期)。
内花被片の内側を拡大すると糸状に分かれた柱頭が10本余、数えられます。
やはりロウバイと同じく雌性先熟ですね。
成熟した葯は背面が縦に裂けて花粉を出しながら雌しべを包み込むように前傾します
(雄性期)。
その後、花被片は次々と散っていきます。
花被片が散った後の壷型の花床に枯れた雄しべが付いています。
瘢痕のように見えるのは花被片が落ちた痕。
若い果実(7月9日)。
1年後、まだ残っていた昨年の果実。
割ると中にはまだ種子が残っていました。
樹下のジャノヒゲの間に芽生えたばかりの双葉と育ちつつある苗木。
樹木の全体像。
植えてから20年近くたっていますが未だに樹高約2.5mほどです。
花美しく手のかからない理想的な庭木としてお勧めできます。
2011-06-02 21:59
コメント(10)
新緑讃歌 [花木(春)]
あたり一面、濃淡様々な若葉の緑また緑。
それぞれの緑が時々刻々広がって迫ってきそうな勢いを感じます。
その複雑な若葉の緑をどのように表現したらいいのでしょう。
「日本の伝統色465色」の中から緑色系統を数えれば50を越えます。
緑黄色、鶸色 (ひわいろ)、 抹茶色 、 若草色、黄緑、若芽色、若菜色、若苗色、青丹 、 草色、苔色、 萌黄、苗色、若葉色 、松葉色 、 夏虫色 、 鶸萌黄 、 柳色・・・・・・・・・
それぞれグラデーションがあってことばで表現するのはとてもむつかしいですね。
次は写真。しかし素人は光と風に攪乱されます。
強い日差しは反射しやすく、曇れば生気乏しく、風吹けば揺れて暈け、目に映る若葉の感動を写し取ることは容易ではありません。
それでも私はカメラを持って庭に出ます。
ハクモクレンはすでに樹高3m余。
見上げれば黄緑の若葉に光と影が濃淡を奏でています。
利休梅。
おびただしい新葉が小枝を覆い尽くす勢い。
ボダイジュ(菩提樹)。
見上げればもう蕾がいっぱいです。
ユズリハは譲る葉。
新芽が出てくると昨年の古い葉は潔く全て落ちて、一斉に若葉に入れ替わります。
この写真では上の方は世代交代完了、下の方は進行中です。
マルバノキは柔らかい円い葉がふわりふわりと現れます。
紅葉のみならず若葉も美しい。
ビワの若葉は光の方角に力強く開きます。
たわんだ枝にやさしい葉が着くツリバナ。
葉の下には小さな花がつり下がっていました。
日陰の庭では斑入りヤツデも衣替え。
若葉の上に載っているのは? ハナイカダの雄花です。
常緑のサネカズラも新調の制服姿。
しんがりは山椒です。
柔らかな若い葉は直前に要るだけ摘まれて、わが家名物の豆腐田楽に載せられます。
あらとうと青葉若葉の日の光 芭蕉
それぞれの緑が時々刻々広がって迫ってきそうな勢いを感じます。
その複雑な若葉の緑をどのように表現したらいいのでしょう。
「日本の伝統色465色」の中から緑色系統を数えれば50を越えます。
緑黄色、鶸色 (ひわいろ)、 抹茶色 、 若草色、黄緑、若芽色、若菜色、若苗色、青丹 、 草色、苔色、 萌黄、苗色、若葉色 、松葉色 、 夏虫色 、 鶸萌黄 、 柳色・・・・・・・・・
それぞれグラデーションがあってことばで表現するのはとてもむつかしいですね。
次は写真。しかし素人は光と風に攪乱されます。
強い日差しは反射しやすく、曇れば生気乏しく、風吹けば揺れて暈け、目に映る若葉の感動を写し取ることは容易ではありません。
それでも私はカメラを持って庭に出ます。
ハクモクレンはすでに樹高3m余。
見上げれば黄緑の若葉に光と影が濃淡を奏でています。
利休梅。
おびただしい新葉が小枝を覆い尽くす勢い。
ボダイジュ(菩提樹)。
見上げればもう蕾がいっぱいです。
ユズリハは譲る葉。
新芽が出てくると昨年の古い葉は潔く全て落ちて、一斉に若葉に入れ替わります。
この写真では上の方は世代交代完了、下の方は進行中です。
マルバノキは柔らかい円い葉がふわりふわりと現れます。
紅葉のみならず若葉も美しい。
ビワの若葉は光の方角に力強く開きます。
たわんだ枝にやさしい葉が着くツリバナ。
葉の下には小さな花がつり下がっていました。
日陰の庭では斑入りヤツデも衣替え。
若葉の上に載っているのは? ハナイカダの雄花です。
常緑のサネカズラも新調の制服姿。
しんがりは山椒です。
柔らかな若い葉は直前に要るだけ摘まれて、わが家名物の豆腐田楽に載せられます。
あらとうと青葉若葉の日の光 芭蕉
2010-05-25 16:10
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ロニセラ・タタリカ ロゼア [花木(春)]
ロニセラ・タタリカ ロゼア
Lonicera tatarica 'Rosea'
スイカズラ科スイカズラ属
原産地 中央アジアからロシア南部
花期 4月中旬〜下旬(愛知県)
樹高 2〜3m
ロニセラ・タタリカ ロゼアについてネット検索しましたが、未だ情報少なく、覚束ないまま記載します。
スイカズラ属にはスイカズラ(Lonicera japonica)、ヒョウタンボク、、ウグイスカズラ、ツキヌキニンドウなどが含まれます。ロニセラ・タタリカ はこれらの中ではヒョウタンボクに近縁な栽培品種のようです。
ロニセラ・タタリカ ロゼアの花は花弁の外側が濃いピンク、内側は薄いピンクです。
そのため蕾の濃いピンクと上向きに開花した花の淡いピンクが、新緑の葉を背景にやさしいまだら模様を作ります。
枝は蔓状にはならず、直立もしくはややたわむくらい。
葉はわずかに青みがかった緑色になります。
対生の葉の基部(葉腋)から花柄が伸びて、それぞれ2つづつ花が咲きます。
これは多くのスイカズラやヒョウタンボクと同じです。
花弁は5枚、おしべ5本、めしべ1本。 花の直径は約2cm。
受粉後は子房が膨らみます。
ふたつの花の子房は基部で合生しています。
時には2連球形に。
大小ふたつのひょうたん型。ひとつは脱落し1球だけ生育することもあります。
昨年は6月初旬、オレンジ色の実がたくさん出来ました。
つやつやして美味しそうですが、鳥が食べているのを見たことはありません。
大きい実の直径 約6mm。
誘惑を感じたものの、ヒョウタンボクの実は有毒との情報もありましたので、この実の試食は控えました。
日本にはヒョウタンボクや北海道に自生するというベニバナヒョウタンボクがありますが、ヒョウタンボクは白花・ベニバナ共に実は真紅です。
Lonicera tatarica 'Rosea'
スイカズラ科スイカズラ属
原産地 中央アジアからロシア南部
花期 4月中旬〜下旬(愛知県)
樹高 2〜3m
ロニセラ・タタリカ ロゼアについてネット検索しましたが、未だ情報少なく、覚束ないまま記載します。
スイカズラ属にはスイカズラ(Lonicera japonica)、ヒョウタンボク、、ウグイスカズラ、ツキヌキニンドウなどが含まれます。ロニセラ・タタリカ はこれらの中ではヒョウタンボクに近縁な栽培品種のようです。
ロニセラ・タタリカ ロゼアの花は花弁の外側が濃いピンク、内側は薄いピンクです。
そのため蕾の濃いピンクと上向きに開花した花の淡いピンクが、新緑の葉を背景にやさしいまだら模様を作ります。
枝は蔓状にはならず、直立もしくはややたわむくらい。
葉はわずかに青みがかった緑色になります。
対生の葉の基部(葉腋)から花柄が伸びて、それぞれ2つづつ花が咲きます。
これは多くのスイカズラやヒョウタンボクと同じです。
花弁は5枚、おしべ5本、めしべ1本。 花の直径は約2cm。
受粉後は子房が膨らみます。
ふたつの花の子房は基部で合生しています。
時には2連球形に。
大小ふたつのひょうたん型。ひとつは脱落し1球だけ生育することもあります。
昨年は6月初旬、オレンジ色の実がたくさん出来ました。
つやつやして美味しそうですが、鳥が食べているのを見たことはありません。
大きい実の直径 約6mm。
誘惑を感じたものの、ヒョウタンボクの実は有毒との情報もありましたので、この実の試食は控えました。
日本にはヒョウタンボクや北海道に自生するというベニバナヒョウタンボクがありますが、ヒョウタンボクは白花・ベニバナ共に実は真紅です。
2010-05-13 23:56
コメント(6)
リキュウバイ [花木(春)]
リキュウバイ
和名 利休梅
別名 バイカシモツケ ・ マルバヤナギザクラ・マルバヤナギ
原産 中国
リキュウバイは桜にやや遅れて咲く落葉低木です。
花は桜よりやや大きく、直径4cmほど 。白く柔らかい花弁です。
花の蕾と葉芽は同時に展開し、花の中央の萼筒内側と若葉が同じ系統の色のため、花数の割にはおとなしく控えめな感じがします。
この雰囲気が茶室向きの花と好まれ、利休梅と名付けられたようです。日本に渡来したのは明治末期だそうですから、千利休さんの命名ではありません。
この庭のリキュウバイはもう高さ4m近くになりました。
満開の花。香りはありません。
若葉の緑。葉も柔らかい。
1枝に5〜10個ほどの花が総状に咲きます。
蕾と開花。
桜と同じく薄い花びらは美しいままはらはらと散ります。
花弁が散った後には白い5枚の萼片が残り、また小さな花のように見えます。
リキュウバイは十数年前、ある花友達のところへ初めてお伺いした時、庭隅に咲いていたのを私が一目惚れし、苗木を探して植えた木です。
5年前、偶々この木がご縁になってまた一人新たな花友達に巡り合うことができました。
いつの間にかそっと静かに咲いて、あっけなく散っていく花、大切な一株です。
和名 利休梅
別名 バイカシモツケ ・ マルバヤナギザクラ・マルバヤナギ
原産 中国
リキュウバイは桜にやや遅れて咲く落葉低木です。
花は桜よりやや大きく、直径4cmほど 。白く柔らかい花弁です。
花の蕾と葉芽は同時に展開し、花の中央の萼筒内側と若葉が同じ系統の色のため、花数の割にはおとなしく控えめな感じがします。
この雰囲気が茶室向きの花と好まれ、利休梅と名付けられたようです。日本に渡来したのは明治末期だそうですから、千利休さんの命名ではありません。
この庭のリキュウバイはもう高さ4m近くになりました。
満開の花。香りはありません。
若葉の緑。葉も柔らかい。
1枝に5〜10個ほどの花が総状に咲きます。
蕾と開花。
桜と同じく薄い花びらは美しいままはらはらと散ります。
花弁が散った後には白い5枚の萼片が残り、また小さな花のように見えます。
リキュウバイは十数年前、ある花友達のところへ初めてお伺いした時、庭隅に咲いていたのを私が一目惚れし、苗木を探して植えた木です。
5年前、偶々この木がご縁になってまた一人新たな花友達に巡り合うことができました。
いつの間にかそっと静かに咲いて、あっけなく散っていく花、大切な一株です。
2010-04-22 12:40
コメント(4)
ヤエシダレザクラ [花木(春)]
ヤエシダレザクラ
八重枝垂れ桜
世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし( 業平 )
ねがはくは花の下にて春死なんそのきさらぎのもち月のころ( 西行 )
ほんとうに桜の季節がくると今年の花はどうかしらと心が騒ぎます。
きさらぎのもち月(如月の望月)というのは陰暦2月15日。
今年の新暦では3月30日だそうですから、温暖化とはいえ、桜の開花は
西行さんの頃とさはど変ってはいないようです。
うちの庭には植樹30年のヤエシダレザクラがあります。
今年は比較的よく咲きました。
4月6日。ほぼ満開。
右上にあるのは昨年S先生からいただいた巣箱です。
残念ながらまだシジュウカラの来訪はありません。
青空に映える花弁の重なり。
どの花も陽に当たるよう、花の向きや花柄の長さを調節しているみたい。
垂れ下がった枝は柳の枝のように風に揺らぐ。
萼筒は小豆色で花弁の淡いピンクを締める。
2007年8月末、この木に毛虫が大発生し葉が殆どなくなった。
しかし驚いたことに10月初め、緑の若葉と共に白っぽい花が咲いた。
返り咲きの華奢な花。
突然、花が揺れた。
お待ちかねのシジュウカラではなくまたいつものヒヨドリ。
せわしなく飛び交いながら桜の花を食べる。
花弁は10数枚、めしべ1〜2本、おしべ多数。紅い萼筒は5裂。
シダレザクラはエドヒガンの変種と考えられ、萼筒はエドヒガンと同じく膨らんでいる。
実は出来ない。
今年はよい花が見られて幸いでした。でも今日はもう花が散り始めました。
花の色は移りにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに(小野小町)
ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ( 紀友則 )
八重枝垂れ桜
世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし( 業平 )
ねがはくは花の下にて春死なんそのきさらぎのもち月のころ( 西行 )
ほんとうに桜の季節がくると今年の花はどうかしらと心が騒ぎます。
きさらぎのもち月(如月の望月)というのは陰暦2月15日。
今年の新暦では3月30日だそうですから、温暖化とはいえ、桜の開花は
西行さんの頃とさはど変ってはいないようです。
うちの庭には植樹30年のヤエシダレザクラがあります。
今年は比較的よく咲きました。
4月6日。ほぼ満開。
右上にあるのは昨年S先生からいただいた巣箱です。
残念ながらまだシジュウカラの来訪はありません。
青空に映える花弁の重なり。
どの花も陽に当たるよう、花の向きや花柄の長さを調節しているみたい。
垂れ下がった枝は柳の枝のように風に揺らぐ。
萼筒は小豆色で花弁の淡いピンクを締める。
2007年8月末、この木に毛虫が大発生し葉が殆どなくなった。
しかし驚いたことに10月初め、緑の若葉と共に白っぽい花が咲いた。
返り咲きの華奢な花。
突然、花が揺れた。
お待ちかねのシジュウカラではなくまたいつものヒヨドリ。
せわしなく飛び交いながら桜の花を食べる。
花弁は10数枚、めしべ1〜2本、おしべ多数。紅い萼筒は5裂。
シダレザクラはエドヒガンの変種と考えられ、萼筒はエドヒガンと同じく膨らんでいる。
実は出来ない。
今年はよい花が見られて幸いでした。でも今日はもう花が散り始めました。
花の色は移りにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに(小野小町)
ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ( 紀友則 )
2010-04-10 14:21
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ナツロウバイ [花木(春)]
ナツロウバイ
ロウバイ科
学名 Sinocalycanthus chinensis
和名 夏蝋梅
中国原産の落葉低木 (中国名「夏梅」シャラメイ)
毎年5月中旬になるとナツロウバイが開花します。
早春の芳しいロウバイと異なり、香りは全くありません。
花の直径はほぼ7cm。
ややうつむいて咲く花を見上げると、薄いピンクの厚めの花びらが蝋細工のよう。
ピンクの花びらには葉脈のような模様がみられます。 葉は長さ15〜20cm。ロウバイより幅広く楕円形。柔らかくやや光沢があります。 植えてから十数年、木の高さは2.5mほどになりました。 花芯はロウバイと同じでしょうか? 開花直後の花はピンクがやや濃く、花の真ん中に小さいバナナのようなオシベが並び、中心に細い メシベの先が開いています。(画像をクリックすると大きくなります。) 花の色は日毎に薄くなります。 花芯ではオシベがメシベを囲むように林立し、オシベの上方外側に花粉が付着、花びらやオシベには赤い小さいシミが出てきました。 やはり雌性先熟、ロウバイと同じようです。 (雌性先熟:先にメシベが成熟し、他の株から来た花粉を優先的に受け入れる仕組み) 虫の来訪もありました。 この花は既にオシベの花粉も落ちて、赤いスジ模様が認められます。 受粉した花は夏にはロウバイの実より大きく長い青い実になります。 葉が黄色になる頃には実もユーモラスな枯れ姿。 今、花が咲いていてもまだ去年の実は残っていました。 大小二つ採って割ってみますと小さい方にはまだ種子が1個入っていました。 試しに蒔いてみましょう。 この花が初めて開花した頃ネット検索しても、鎌倉の明月院とか小石川植物園で写した写真 しか出てきませんでした。 それでも初めて咲いた花が稀少なものとわかり、うれしさもひとしおでした。 今では通販などの販売もあり、各地で育てられているとは思いますが、詳しい情報は未だに得られません。 今回は自分で観察したままを書きましたが、いろいろ誤りがあるかもしれません。 お気づきになられましたら、ご指摘いただけけますようお願い申し上げます。 追記 2011. 6. 3. 昨日、新しく ナツロウバイ(2)として新たに撮った写真を公開しました。 蕾が開いて雌性期、雄性期を経て果実が実り、種子がこぼれて2世が出来るまでを断片的ながらまとめてみました。合わせてご覧いただければ幸いです。
ロウバイ科
学名 Sinocalycanthus chinensis
和名 夏蝋梅
中国原産の落葉低木 (中国名「夏梅」シャラメイ)
毎年5月中旬になるとナツロウバイが開花します。
早春の芳しいロウバイと異なり、香りは全くありません。
花の直径はほぼ7cm。
ややうつむいて咲く花を見上げると、薄いピンクの厚めの花びらが蝋細工のよう。
ピンクの花びらには葉脈のような模様がみられます。 葉は長さ15〜20cm。ロウバイより幅広く楕円形。柔らかくやや光沢があります。 植えてから十数年、木の高さは2.5mほどになりました。 花芯はロウバイと同じでしょうか? 開花直後の花はピンクがやや濃く、花の真ん中に小さいバナナのようなオシベが並び、中心に細い メシベの先が開いています。(画像をクリックすると大きくなります。) 花の色は日毎に薄くなります。 花芯ではオシベがメシベを囲むように林立し、オシベの上方外側に花粉が付着、花びらやオシベには赤い小さいシミが出てきました。 やはり雌性先熟、ロウバイと同じようです。 (雌性先熟:先にメシベが成熟し、他の株から来た花粉を優先的に受け入れる仕組み) 虫の来訪もありました。 この花は既にオシベの花粉も落ちて、赤いスジ模様が認められます。 受粉した花は夏にはロウバイの実より大きく長い青い実になります。 葉が黄色になる頃には実もユーモラスな枯れ姿。 今、花が咲いていてもまだ去年の実は残っていました。 大小二つ採って割ってみますと小さい方にはまだ種子が1個入っていました。 試しに蒔いてみましょう。 この花が初めて開花した頃ネット検索しても、鎌倉の明月院とか小石川植物園で写した写真 しか出てきませんでした。 それでも初めて咲いた花が稀少なものとわかり、うれしさもひとしおでした。 今では通販などの販売もあり、各地で育てられているとは思いますが、詳しい情報は未だに得られません。 今回は自分で観察したままを書きましたが、いろいろ誤りがあるかもしれません。 お気づきになられましたら、ご指摘いただけけますようお願い申し上げます。 追記 2011. 6. 3. 昨日、新しく ナツロウバイ(2)として新たに撮った写真を公開しました。 蕾が開いて雌性期、雄性期を経て果実が実り、種子がこぼれて2世が出来るまでを断片的ながらまとめてみました。合わせてご覧いただければ幸いです。
ボタン「ハイヌーン」 [花木(春)]
ボタン 「ハイヌーン」
黄色八重咲き・中輪の米国種 晩生咲き
今年も黄色のボタンが咲きました。
ボタンは冬は落葉して枯れ木のようになっています。
ちゃんと芽が出るかしら、これでいったい咲くのかしらと蕾を見るまで不安です。
やっと咲き出したらたちまち一斉に次々と開花、そんなに一度に咲かないで少し
ずつ咲いてよといいたくなります。
1週間で散りはてます。また来年!
追記 2010.11.21.
11月8日、大きくなりつつあった蕾がついに開花しました。
ハイヌーンには二期咲きの性質があったのです。
この経過は「返り咲きの牡丹?(ハイヌーン)」として2010.11.13.の記事にしましたのでお読みいただければ幸いです。
黄色八重咲き・中輪の米国種 晩生咲き
今年も黄色のボタンが咲きました。
ボタンは冬は落葉して枯れ木のようになっています。
ちゃんと芽が出るかしら、これでいったい咲くのかしらと蕾を見るまで不安です。
やっと咲き出したらたちまち一斉に次々と開花、そんなに一度に咲かないで少し
ずつ咲いてよといいたくなります。
1週間で散りはてます。また来年!
追記 2010.11.21.
11月8日、大きくなりつつあった蕾がついに開花しました。
ハイヌーンには二期咲きの性質があったのです。
この経過は「返り咲きの牡丹?(ハイヌーン)」として2010.11.13.の記事にしましたのでお読みいただければ幸いです。
若葉の庭 [花木(春)]
4月末日。
先週は4月とは思えない寒さや風雨、北海道では無情にも雪が降り、関東地方
でも霜が降りたとか、こちらでも薄ら寒い日々でした。
きのうはやっとおだやかな青空がもどり、今日は庭の若葉がまぶしいほど。
春の花々をもっともっと記載したかったのですが、ぐずぐずしているうちに早
くも春は去らんとしています。
庭で一番高い木になった菩提樹は特に葉の展開が急速です。
4月11日 白い花は利休梅、その右が菩提樹。新芽が広がり始めています。
4月28日 もう柔らかい若葉が重なるほど。
その隣の花壇ではパンジーやビオラが大株になって咲き誇っています。
前列はパンジー、その後ろのブルーの花はツリガネズイセン(シラー・ヒスパニカ)
奥の白い花は食べ残したルッコラ、その右にはピンクの牡丹も1花。
先週は4月とは思えない寒さや風雨、北海道では無情にも雪が降り、関東地方
でも霜が降りたとか、こちらでも薄ら寒い日々でした。
きのうはやっとおだやかな青空がもどり、今日は庭の若葉がまぶしいほど。
春の花々をもっともっと記載したかったのですが、ぐずぐずしているうちに早
くも春は去らんとしています。
庭で一番高い木になった菩提樹は特に葉の展開が急速です。
4月11日 白い花は利休梅、その右が菩提樹。新芽が広がり始めています。
4月28日 もう柔らかい若葉が重なるほど。
その隣の花壇ではパンジーやビオラが大株になって咲き誇っています。
前列はパンジー、その後ろのブルーの花はツリガネズイセン(シラー・ヒスパニカ)
奥の白い花は食べ残したルッコラ、その右にはピンクの牡丹も1花。
オオチョウジガマズミ [花木(春)]
オオチョウジガマズミ
レンプクソウ科(←スイカズラ科)ガマズミ属の落葉低木
大丁字ガマズミ
学名:Viburnum carlesii var. carlesii
分布:長崎県の対馬・済州島、朝鮮半島南部
オオチョウジガマズミも見頃が短く、花の色があせるのが惜しまれる花です。
桜が咲く頃になると、もう咲き始めたかしらと時々この小さな木を見に行きます。
3月30日、濃いピンクの円いつぼみがほどけ始めました。
ほのかにピンクを残した白い花が開くとあたりに芳しい香が漂います。
早速今年の写真をとカメラを覗くと、なんか緑っぽい虫がいる。
(どの写真もクリックすると少し大きくなります。)
パソコン画面に拡大してみる。体長約1センチ。クサカゲロウ?
いえいえ、羽が短かすぎる.............。何だろう?
Google検索開始!……………………………….?????????
4月2日、まだわからなくて、ここでたどり着いた「むし探検広場」へ投稿させて
いただく。
この間にガマズミの花はどんどん開いて花弁は柔らかい白色に。
3日後 あたたかいご解答、「セスジユスリカ」と。
本当にありがたいこと! 居ながらにして無料で教えていただける。
これですっきり!
ユスリカは蚊という名前はついていても、刺すことは無くおとなしい昆虫だそうです。
網戸にいっぱいついていたり、蚊柱をつくることは知っていましたが、この1匹の
ユスリカはこんなきれいな花に安らぎ、マクロレンズで撮られ、私を悩ませ、そして
今、ブログを飾っている! 虫にも運命があるような......................
内庭にもう1本、オオチョウジガマズミの交雑種があります。
「芳香ガマズミ」という名前で販売されていました。
その花の咲き始め、花の数が多くオシベも長い。
咲きすすむと白い花手鞠のよう。
レンプクソウ科(←スイカズラ科)ガマズミ属の落葉低木
大丁字ガマズミ
学名:Viburnum carlesii var. carlesii
分布:長崎県の対馬・済州島、朝鮮半島南部
オオチョウジガマズミも見頃が短く、花の色があせるのが惜しまれる花です。
桜が咲く頃になると、もう咲き始めたかしらと時々この小さな木を見に行きます。
3月30日、濃いピンクの円いつぼみがほどけ始めました。
ほのかにピンクを残した白い花が開くとあたりに芳しい香が漂います。
早速今年の写真をとカメラを覗くと、なんか緑っぽい虫がいる。
(どの写真もクリックすると少し大きくなります。)
パソコン画面に拡大してみる。体長約1センチ。クサカゲロウ?
いえいえ、羽が短かすぎる.............。何だろう?
Google検索開始!……………………………….?????????
4月2日、まだわからなくて、ここでたどり着いた「むし探検広場」へ投稿させて
いただく。
この間にガマズミの花はどんどん開いて花弁は柔らかい白色に。
3日後 あたたかいご解答、「セスジユスリカ」と。
本当にありがたいこと! 居ながらにして無料で教えていただける。
これですっきり!
ユスリカは蚊という名前はついていても、刺すことは無くおとなしい昆虫だそうです。
網戸にいっぱいついていたり、蚊柱をつくることは知っていましたが、この1匹の
ユスリカはこんなきれいな花に安らぎ、マクロレンズで撮られ、私を悩ませ、そして
今、ブログを飾っている! 虫にも運命があるような......................
内庭にもう1本、オオチョウジガマズミの交雑種があります。
「芳香ガマズミ」という名前で販売されていました。
その花の咲き始め、花の数が多くオシベも長い。
咲きすすむと白い花手鞠のよう。
モクレン「レッドラッキー」 [花木(春)]
このモクレンは「レッドラッキー」という名札がついていた園芸種です。
古くから日本に多いのは赤紫色のモクレンで、ハクモクレンと区別して シモクレン
(紫木蓮)ともいわれます。
シモクレンと比べると レッドラッキーの花びらの色はやや淡色でグラデーションが楽
しめます。
モクレンは漢字では木蓮、なるほど花びらは蓮の花びらに似ていて 良いネーミングだ
と感心しました。
花期はハクモクレンよりやや遅いのが普通ですが、今年は1~2日遅れたくらい、ほとん
ど一緒に咲いてしまいました。
風が吹いて(?)なかなかいい写真が撮れないうちに、はや花びらにシミが入ってきて
しまいました。この去年の写真の方がいいようです。
古くから日本に多いのは赤紫色のモクレンで、ハクモクレンと区別して シモクレン
(紫木蓮)ともいわれます。
シモクレンと比べると レッドラッキーの花びらの色はやや淡色でグラデーションが楽
しめます。
モクレンは漢字では木蓮、なるほど花びらは蓮の花びらに似ていて 良いネーミングだ
と感心しました。
花期はハクモクレンよりやや遅いのが普通ですが、今年は1~2日遅れたくらい、ほとん
ど一緒に咲いてしまいました。
風が吹いて(?)なかなかいい写真が撮れないうちに、はや花びらにシミが入ってきて
しまいました。この去年の写真の方がいいようです。