ケヤキとの30年 [庭便り(冬)]
ケヤキとの30年
突然ですが、今秋転居することになりました。
残念ながらこの庭とも別れねばなりません。
急展開に戸惑いつつ、まずは戸棚いっぱいのアルバムの整理から始めました。
写真には40余年の間の庭の変遷も垣間見られます。
中でも今はなき「ケヤキ」が強く思い出されてここに特記することにしました。
1972年、東京都府中市へ息子の出生届を提出しました。
そこで「記念にどうぞ」と言われて5種類ほどの苗木から選んだのがケヤキでした。
府中の駅前には天然記念物の見事なケヤキ並木があり、それに因んだのです。
箸ほどの太さの苗木を鉢に植え、エレベーターのない官舎の5階のベランダに置きました。
2年後当地へ転居、高さ2mくらいになっていたケヤキも載せて来ました。
当地は元は畑で日当たり抜群、地植えにしたケヤキはどんどん大きくなりました。
4年後増築の際、居間の前庭に移植するとますます成長。
これは1982年、息子が10才の時の写真です。
ケヤキも10年でこんなに大きく育ちました。
上の写真の下方には低いコンクリートの仕切りが見えます。
後に撤去し、段差は斜面になりました。
一方、増築に際し仕事場の前にはもう1本、クスノキが植えられました。
ケヤキとクスノキは競い合うかのように成長(中央の花はヒメコブシ)。
ケヤキの木陰は涼しく、その下の芝生も何とか育っていました。
しかし、こんもり茂ったクスノキは仕事場を暗くし、下の芝生は枯れていきます。
家庭菜園を掘ればケヤキの網状の根とクスノキの樟脳の香りのする根が絡み合っていました。畑の肥料はこれら2本の大木に吸い上げられ野菜の育ちは悪くなる一方です。
2000年、遂にガーデナーに相談、クスノキを伐採するしかないと言われ、意を決して伐採撤去、代わりに花木と草花の庭が誕生しました。
一方、ケヤキとは共存したいと思い、畑へ伸びる根を切り、境界にコンクリート柵を埋めてもらいました。
そのあとは野菜の育ちもよくなりめでたしめでたし。
と思ったのも束の間、その2年後の夏、ケヤキは早々と落葉、樹皮に亀裂が現れました。
後から思えば畑に向かう主根を切ってしまったのでしょう。
ケヤキは強いと思い込み、根を半分にして成長を止めようと思ったのです。
かわいそうなことをしました。今だに心が痛みます。
ケヤキの幹の一番太い部分は漆工芸家さんにもらわれて行きました。
その上の幹は今も庭隅にあります。
さらにその上の分岐した部分で木工作家(はせ工房)さんが子供用の椅子4つとテーブルを作って下さいました。
ケヤキの根元にはこの庭の主だった愛犬が眠っています。
寂しくなった空間に耐えられず、翌春オオバボダイジュを植えました。
ケヤキの切り株はそのまま残しましたが、芽吹くことはなく次第に朽ちて行きました。
突然ですが、今秋転居することになりました。
残念ながらこの庭とも別れねばなりません。
急展開に戸惑いつつ、まずは戸棚いっぱいのアルバムの整理から始めました。
写真には40余年の間の庭の変遷も垣間見られます。
中でも今はなき「ケヤキ」が強く思い出されてここに特記することにしました。
1972年、東京都府中市へ息子の出生届を提出しました。
そこで「記念にどうぞ」と言われて5種類ほどの苗木から選んだのがケヤキでした。
府中の駅前には天然記念物の見事なケヤキ並木があり、それに因んだのです。
箸ほどの太さの苗木を鉢に植え、エレベーターのない官舎の5階のベランダに置きました。
2年後当地へ転居、高さ2mくらいになっていたケヤキも載せて来ました。
当地は元は畑で日当たり抜群、地植えにしたケヤキはどんどん大きくなりました。
4年後増築の際、居間の前庭に移植するとますます成長。
これは1982年、息子が10才の時の写真です。
ケヤキも10年でこんなに大きく育ちました。
上の写真の下方には低いコンクリートの仕切りが見えます。
後に撤去し、段差は斜面になりました。
一方、増築に際し仕事場の前にはもう1本、クスノキが植えられました。
ケヤキとクスノキは競い合うかのように成長(中央の花はヒメコブシ)。
ケヤキの木陰は涼しく、その下の芝生も何とか育っていました。
しかし、こんもり茂ったクスノキは仕事場を暗くし、下の芝生は枯れていきます。
家庭菜園を掘ればケヤキの網状の根とクスノキの樟脳の香りのする根が絡み合っていました。畑の肥料はこれら2本の大木に吸い上げられ野菜の育ちは悪くなる一方です。
2000年、遂にガーデナーに相談、クスノキを伐採するしかないと言われ、意を決して伐採撤去、代わりに花木と草花の庭が誕生しました。
一方、ケヤキとは共存したいと思い、畑へ伸びる根を切り、境界にコンクリート柵を埋めてもらいました。
そのあとは野菜の育ちもよくなりめでたしめでたし。
と思ったのも束の間、その2年後の夏、ケヤキは早々と落葉、樹皮に亀裂が現れました。
後から思えば畑に向かう主根を切ってしまったのでしょう。
ケヤキは強いと思い込み、根を半分にして成長を止めようと思ったのです。
かわいそうなことをしました。今だに心が痛みます。
ケヤキの幹の一番太い部分は漆工芸家さんにもらわれて行きました。
その上の幹は今も庭隅にあります。
さらにその上の分岐した部分で木工作家(はせ工房)さんが子供用の椅子4つとテーブルを作って下さいました。
ケヤキの根元にはこの庭の主だった愛犬が眠っています。
寂しくなった空間に耐えられず、翌春オオバボダイジュを植えました。
ケヤキの切り株はそのまま残しましたが、芽吹くことはなく次第に朽ちて行きました。
2018-01-10 08:00
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