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ナツツバキ 2017  [花木(夏)]

ナツツバキ 2017
   夏椿
  ツバキ科ナツツバキ属の落葉高木。
  学名: Stewartia pseudocamellia
  別名:シャラノキ(娑羅樹)(沙羅の木)
  原産地:宮城県以西の本州・四国・九州、朝鮮半島

ナツツバキについては2009年6月28日に花、2015年12月29日に実について書きました。
読み返すと特にブログ初年度の記事は物足りなく、また少々追加したいと思います。

この庭に3本のナツツバキが植えられてからもう39年経ちました。
これは日当たりも風通しも良いところに植えられた樹の満開の頃の写真です。
一日花ですから翌朝は一面の落花ということになります。
ナツツバキ2011-1wb.jpg

朝は開きかけの花を見るのが楽しい。
中心に雌しべが1本、オレンジ色の葯をつけた雄しべの群れに囲まれています。
ナツツバキ開花wb.jpg

ヤマシャクヤクの開花を想い出させせるふくよかさ。
花弁の周りは皺状で細かい歯状の切れ込みがあります。
ナツツバキ開花2wb2.jpg

やはり花粉が散る前が美しい。
花の直径は5〜6cm。
ナツツバキ斑点wb.jpg

満面の微笑み。
左上の花弁にうっすらと頬紅?
この花弁は一番小さく、窪みの部分に着色を認めます。
また他の花弁より辺縁のフリルが少ないようです。
ナツツバキ花満開1wb.jpg

そのつもりで探すと濃淡様々な斑のある花が見つかりました。
ナツツバキ斑点2花wb3.jpg

左の花には鮮やかな紅斑、右はこの花の裏面です。
対応する部位に表よりやや薄い紅斑が見られます。
ナツツバキ斑点表wb.jpg  ナツツバキ斑点裏wb.jpg

しかし着色が殆ど見られない花もあります。
これは日陰に咲くナツツバキ、どの花もほぼ純白です。
むしろ紅斑がある方が例外かもしれません。
ナツツバキ11-3wb.jpg

蕾が膨らんでくると5枚の萼片では覆いきれなくなり、最上部の花弁が露出します。
ここに日光が当たると淡褐色や淡紅色に染まるようです。
ナツツバキ蕾日焼けwb.jpg

よく日の当たる場所では萼片も赤く染まっています。
ナツツバキ蕾苞wb.jpg

ナツツバキの花には2枚の苞があると記載されていますが、花茎が短く確認できません。
花を採って裏から写すと、確かに小さな苞が2枚あるようですが、わかりにくいですね。
花弁の裏側は絹のような細い毛で覆われ、光沢があります。
ナツツバキ裏苞2枚wb2.jpg

萼片と苞の周辺が赤く着色した若い果実がありました。
やっと苞の形がはっきり見えて納得。
萼も基部は合着しているようです。
ナツツバキ表苞赤2wb.jpg

蜜を求めてナミアゲハがやってきました。
ナツツバキ・アゲハ1wb.jpg

花は夕方から次々と落ちていきます。
基部で合着した花弁と雄しべが一塊りのまま落下します。
ツバキと同じですね。
ナツツバキ落花wb.jpg

種子を落とし終えた昨年の蒴果が花期になっても残っていることがあります。
蒴果は5稜あり、縦に5裂、その先端は鋭く尖っています。
反転した萼片も残存。
ナツツバキ古い果実wb.jpg

葉は互生。大きい葉は長さ10cm強。
やや厚めで光沢はありません。
ナツツバキ葉表1wb.jpg

裏面には細かい毛が生えています。
ナツツバキ葉裏2wb.jpg

居間から眺められるナツツバキの株。
日陰になるためか、赤い班は見当たりません。
ナツツバキ花と幹1wb.jpg

樹皮は所々から薄片状にはげ落ちて斑紋のようになります。
ナツツバキ樹皮2wb.jpg

冬季には金銀の模様のようにも見えました。
ナツツバキ2012wb2.jpg

近縁種にヒメシャラがあります。
近々、ナツツバキと比較しながら記録したいと思っています。
  
コメント(14) 

コメント 14

703

植えてから39年のナツツバキの木は立派ですね。
真っ白な上品な花が満開の時を眺める、豊かな気分を容易に想像できます!
お庭ができて確か17年とおっしゃっていたから、
その前からナツツバキはあったのですね。
ガーデンによくナツツバキが植えられる、それ以前から、
花の良さをご存じだった訳ですね。
さすが、です!



by 703 (2017-07-05 20:39) 

夕菅

703さん コメントありがとうございました。
「 風の通る庭」にはナツツバキが植えてなかったのでしょうか。
こちらでは初めの庭は昔ながらの庭師さんの勧めでナツツバキが3本も植えられました。
その後もっと自然風な庭にしたくて園芸店に依頼して中心部を作り直したのが17年前です。
ナツツバキは家の南・西・東にそれぞれ1本づつありますが、まだ飽きません。高木としてはおとなしく、虫もあまり付きませんのでお勧めできます。
by 夕菅 (2017-07-05 21:25) 

デスタントドラムス

ナツツバキ、ヒメシャラ・・・・
いいですね。
我が家のはヒメシャラかもしれません。
今年は花が咲きません。
by デスタントドラムス (2017-07-05 21:56) 

夕菅

デスタントドラムスさんコメントありがとうございました。
ヒメシャラもあっさりしていていいですね。
次回鑑別しやすいようにポイントを書くつもりです。
どうして花が咲かなかったのでしょうね
by 夕菅 (2017-07-05 23:42) 

とんちゃん

美しいナツツバキ!
それぞれに個性もあり見飽きないほどですね
少し開き始める頃って確かに! ヤマシャクヤクを思わせるよう♪
恥じらいを感じます~
それに染まりそうなほどのオレンジ色や輝いて見える花弁には思わず見とれてしまいます。
幹も樹形もどこもステキですね いかにも「和」を思わせ情感たっぷりという気がしています。
by とんちゃん (2017-07-06 08:09) 

多摩NTの住人

こんにちは。我が家にもナツツバキを植えています。背が高くならないように毎年剪定していますが、きちんと花を咲かせてくれるので有り難い樹です。花弁の斑は見たことがありませんでした。
by 多摩NTの住人 (2017-07-06 08:14) 

夕菅

とんちゃん コメントありがとうございました。
毎年ナツツバキとヒメシャラを並べてみたいと思いつつ、伸ばし伸ばしになっていました。
そのつもりでナツツバキを見直しすとまた新たな発見があり、両方では長くなりすぎるのでまずはナツツバキとなりました。
好きな花なので、つい思い入れが深くなりすぎましたね。

by 夕菅 (2017-07-06 17:39) 

夕菅

多摩NTの住人 さん コメントありがとうございました。
ナツツバキは庭木としてお勧めしたい樹ですね。
ツバキはチャドクガ、ハナミズキはアメリカシロヒトリがついて苦労しますが、ナツツバキにはそれらがつきません。
かってヒロヘリアオイラガがつきましたが最近はほとんど見ません。
花弁の班のことはあまり注目されていませんね。
by 夕菅 (2017-07-06 17:51) 

花咲かばあば

大木の夏椿は素晴らしいですね。花びらに紅をさした姿がまた美しく
少女のようです。冬の椿と同じ、落ちても白さが際立つ姿は、絵画のようです。年数を経て大きくなった樹は、樹皮のはがれる様子もダイナミックで
これもまた美しいなと。山で見るリョウブやサルスベリにもにているように思います。暑い夏に際立つ白い花は涼しさも運んでくれます。
ナミアゲハも美しいですね。
残念ながらうちの庭では、ナツツバキもヒメシャラも育たず枯れてしまいました。
今日は森林公園に出かけました。、イチヤクソウ、ミミカキグサ、カキランなど見つけ暑さも忘れました。


by 花咲かばあば (2017-07-06 23:17) 

夕菅

花咲かばあば さん コメントありがとうございました。
今回過去に撮った写真を開いてみますと2005年のが出てきました。
この年初めてデジカメで撮るようになったからです。
思ったより小さくて39年前はもっともっと小さかったはずと驚きました。
樹皮のはがれは10年くらいからだそうですが、気づいたのはずっと後でした。
お庭ではナツツバキもヒメシャラも枯れてしまったのですか。
これらは山土より腐葉土が好きな樹なんでしょうか。
森林公園、山野草が色々見つかってよかったですね。

by 夕菅 (2017-07-07 00:06) 

エフ・エム

散歩道にはナツツバキを見かけますが。こんなにたくさんの花が咲いているのを見たことがありません。樹齢のせいでしょうか、あるいは環境の影響でしょうか。
赤い紅斑は輪郭がはっきりしないので、トランスポゾンの可能性は低い気がします。生理的なものか。

by エフ・エム (2017-07-09 09:41) 

夕菅

エフ・エム さん コメントありがとうございました。
ナツツバキといえばやや日陰の日本庭園にふさわしいイメージですが、日向では花数も多く紅斑も出て陽気な感じになりました。
12年前の画像を見ても花数は多いので樹齢のせいではなさそうです。
ただ日当たりのせいなのか、そのような品種なのかはよくわかりません。
紅斑は単に日焼けによるものかと思っていますが、そうなりやすい素質もあるのかもしれません。
by 夕菅 (2017-07-09 22:26) 

りんちゃんママ

白く綺麗な椿ですね。無知な私はナツツバキを知りませんでした。主人が寒ツバキというからには夏があるんだろうと。真っ赤な寒ツバキはやっぱり冬が似合い真っ白なナツツバキは涼しさを伝えるように夏咲くのでしょうね。着物や帯の柄によく椿が描かれていますが思えば私の帯は白いツバキが描かれていたような気がします。つげ下げの柄も黄色の地に白いツバキでした。日本人の好きな花ですね。チャドクガがつかないのも魅力ですね。私のイメージでは寒ツバキはあまり大きくならないように思いますがナツツバキは大きくなるのですね。我が家のツバキは庭師さんが剪定して止めてあるのかもしれませんが。
by りんちゃんママ (2017-07-13 00:00) 

夕菅

りんちゃんママさん コメントありがとうございました。
ツバキとカンツバキはツバキ属、ナツツバキはナツツバキ属で葉や果実もかなり異なります。
カンツバキはうちにはありませんが、サザンカとヤブツバキの雑種と考えられ、園芸種も多々あり、白色のものや、背が高くなるものもあるようです。
ナツツバキの花は今年は終わりましたが、元の仕事場の前にありますから来年見てください。
by 夕菅 (2017-07-13 23:23) 

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