木曽川堤の桜 (1) [庭の外]
「木曽川堤の桜(1)」
近くの138タワーに接して桜の名所「木曽川堤の桜」があります。
1885年(明治18年)一宮市北方町から江南市草井までの堤防約8kmに植えられた桜の並木です。
(画像は全て画面をクリックすると大きくなります。)
この堤防は江戸時代に犬山市から弥富市にいたる木曽川左岸の全長47kmに造られ「御囲堤」と呼ばれましたが、前年の洪水により一部が崩落。
再建に際し、愛知県知事間田稔の創意に基づき堤の両側に桜の苗木が植えられました。
植樹されたのはヒガンザクラ・シダレザクラ・ヤマザクラの3種。
42年後の1927年(昭和2年)これらの桜は「木曽川堤の桜」として国の名勝および天然記念物に二重指定されました。
樹齢40年を超える桜 1871本が堤の両側にそびえ、花のトンネルを成したそうですから、壮観極まりなかったことでしょう。ソメイヨシノを含まないことも評価されたようです。
その後、大地震、戦争、台風、病虫害などによりサクラの本数は400本あまりまで減少し、100本ほどが追加植樹されました。
この中には少数のソメイヨシノが混じっていたようです。
さらに2001年一宮市が挿し木で増やした「二世サクラ」を追加、今年は合計750本ほどが見事な競演を披露しました。
樹齢130年余の古木が多いのは138タワーの東と西それぞれ約2km。
この区間の堤の道路は一方通行、桜のアーチの下を車で通り抜けることができます。
満開の頃には路肩に駐車する車の列ができ、通り抜けは徐行運転です。
昭和2年指定当時は藁葺きの花見小屋が並び、夜にはぼんぼりがともって、一宮駅から行列ができたそうです(きそがわ かわなみ通信 Vol.4 2001)。
左の濃いピンクは2世のシダレザクラ。右は古木のエドヒガンです。
その後にも淡いピンクのシダレザクラが重なります。
常緑樹があると白色が引き立ちます。
エドヒガン
高木になったエドヒガンの大株。
エドヒガンはサクラの中で最も寿命が長く、樹齢1000年以上の樹も各地にあります (根尾谷の淡墨桜の桜は樹齢1500年)。
花の色は白色から淡紅色までいろいろ。
これもエドヒガン。
小さいブーケのような花の塊がいっぱい。
大木の根元近くから出た細い枝にも花がついています。
これで1株でしょうか。
苔むした幹に「334 エドヒガン」の名札。
名札は紐が切れて落ちてしまった木が多いようです。
幹が割れて副え木で支えられながら開花する老木。
シダレザクラ
エドヒガンの枝が枝垂れたものをシダレザクラ(イトザクラ)といいます。
花の色はエドヒガンと同じはずですが、やや濃いものが多いようです。
やはり古木の中には枯死寸前のものもあります。
低く垂れた花が艶やかです。
包帯を巻かれた痛々しい樹。
「336 シダレザクラ」の札が付いています。
ヤマザクラ
エドヒガンより遅れて葉と花が同時に開くのが特徴。
花の色は白または淡紅色からかなり濃い紅色まで様々。
まだ開花直前という状態でした。
ヤマザクラの幹
痛々しい幹に「290 ヤマサクラ」の札。
2世が大きくなって138mのタワーもだんだん見えなくなりそうです。
毎年「木曽川堤の桜」のトンネルをドライブスルーするのが春の楽しみです。
今年初めに訪れたのは4月3日、校庭のソメイヨシノは2〜3分咲きでしたが木曽川堤のエドヒガンやシダレザクラは満開、今年は色が濃い目で、ここ数年で一番美しかったように思いました。
2001年に植えられた2世たちが頼もしい若木になって、老木の間隙を埋めていました。
ヤマザクラは未開、ソメイヨシノは咲き始めですから、満開の桜はエドヒガンとシダレザクラのみ。鑑別に悩むことがなく気楽です。
画像の枚数が多くなりましたので、花の特徴などは次回に。
近くの138タワーに接して桜の名所「木曽川堤の桜」があります。
1885年(明治18年)一宮市北方町から江南市草井までの堤防約8kmに植えられた桜の並木です。
(画像は全て画面をクリックすると大きくなります。)
この堤防は江戸時代に犬山市から弥富市にいたる木曽川左岸の全長47kmに造られ「御囲堤」と呼ばれましたが、前年の洪水により一部が崩落。
再建に際し、愛知県知事間田稔の創意に基づき堤の両側に桜の苗木が植えられました。
植樹されたのはヒガンザクラ・シダレザクラ・ヤマザクラの3種。
42年後の1927年(昭和2年)これらの桜は「木曽川堤の桜」として国の名勝および天然記念物に二重指定されました。
樹齢40年を超える桜 1871本が堤の両側にそびえ、花のトンネルを成したそうですから、壮観極まりなかったことでしょう。ソメイヨシノを含まないことも評価されたようです。
その後、大地震、戦争、台風、病虫害などによりサクラの本数は400本あまりまで減少し、100本ほどが追加植樹されました。
この中には少数のソメイヨシノが混じっていたようです。
さらに2001年一宮市が挿し木で増やした「二世サクラ」を追加、今年は合計750本ほどが見事な競演を披露しました。
樹齢130年余の古木が多いのは138タワーの東と西それぞれ約2km。
この区間の堤の道路は一方通行、桜のアーチの下を車で通り抜けることができます。
満開の頃には路肩に駐車する車の列ができ、通り抜けは徐行運転です。
昭和2年指定当時は藁葺きの花見小屋が並び、夜にはぼんぼりがともって、一宮駅から行列ができたそうです(きそがわ かわなみ通信 Vol.4 2001)。
左の濃いピンクは2世のシダレザクラ。右は古木のエドヒガンです。
その後にも淡いピンクのシダレザクラが重なります。
常緑樹があると白色が引き立ちます。
エドヒガン
高木になったエドヒガンの大株。
エドヒガンはサクラの中で最も寿命が長く、樹齢1000年以上の樹も各地にあります (根尾谷の淡墨桜の桜は樹齢1500年)。
花の色は白色から淡紅色までいろいろ。
これもエドヒガン。
小さいブーケのような花の塊がいっぱい。
大木の根元近くから出た細い枝にも花がついています。
これで1株でしょうか。
苔むした幹に「334 エドヒガン」の名札。
名札は紐が切れて落ちてしまった木が多いようです。
幹が割れて副え木で支えられながら開花する老木。
シダレザクラ
エドヒガンの枝が枝垂れたものをシダレザクラ(イトザクラ)といいます。
花の色はエドヒガンと同じはずですが、やや濃いものが多いようです。
やはり古木の中には枯死寸前のものもあります。
低く垂れた花が艶やかです。
包帯を巻かれた痛々しい樹。
「336 シダレザクラ」の札が付いています。
ヤマザクラ
エドヒガンより遅れて葉と花が同時に開くのが特徴。
花の色は白または淡紅色からかなり濃い紅色まで様々。
まだ開花直前という状態でした。
ヤマザクラの幹
痛々しい幹に「290 ヤマサクラ」の札。
2世が大きくなって138mのタワーもだんだん見えなくなりそうです。
毎年「木曽川堤の桜」のトンネルをドライブスルーするのが春の楽しみです。
今年初めに訪れたのは4月3日、校庭のソメイヨシノは2〜3分咲きでしたが木曽川堤のエドヒガンやシダレザクラは満開、今年は色が濃い目で、ここ数年で一番美しかったように思いました。
2001年に植えられた2世たちが頼もしい若木になって、老木の間隙を埋めていました。
ヤマザクラは未開、ソメイヨシノは咲き始めですから、満開の桜はエドヒガンとシダレザクラのみ。鑑別に悩むことがなく気楽です。
画像の枚数が多くなりましたので、花の特徴などは次回に。
2017-04-08 21:19
コメント(16)
つくづくと、桜の名所は日本各地にあるなあと、感心します。
桜のトンネルが素晴らしいですね。
古木の風格、若木の生命力、
どちらからも癒やされ、元気をもらえますね。
当地の桜、先日まで蕾だったのが、今日は満開になっていて驚きました。
by 703 (2017-04-08 22:06)
木曽川堤の桜・・・・・こんな美しい場所があるなんて
知りませんでした。
立派な桜ですね。
いつか見に行きたいけれど
このお写真の車の量だと大変だ~
此方はぼつぼつ満開へ向かっています。
by デスタントドラムス (2017-04-08 22:16)
703さん 早々とコメントありがとうございました。
こちらのソメイヨシノは急に開花して満開ですが、無情の雨に泣いています。
今年は開花が遅れたのに咲き出すと一気のようですね。
木曽川堤の桜は変化があって毎年楽しみにしています。
4km全部を追えるといいのですが、まだそんなに歩けないのでこの画像はほんの一部です。
by 夕菅 (2017-04-08 22:24)
デスタントドラムス さん コメントありがとうございました。
木曽川を遡って138タワーまで来ていただくとあります。
確かに土日はタワーの周りの広い無料駐車場はいっぱいですから、私たちは平日にドライブスルーです。
今年はこの雨でもう終わりと思いますが、またの機会に!
by 夕菅 (2017-04-08 22:50)
素晴らしい桜並木ですね。エドヒガンの巨木が見られるとは最高の場所。あまりにも有名なのに、意外に見る機会の少ない桜です。ソメイヨシノばかりの桜の名所は多々ありますが、ヤマザクラ、オオシマザクラ、エドヒガンの価値をもっと認めてもらいたいです。
by エフ・エム (2017-04-09 12:05)
エフ・エムさん コメントありがとうございました。
今までもこの古典的な桜並木の美しさには感服していましたが、長く歩くことができず、車窓から写すくらいでした。
術後1年今春は少しは歩けるようになって一部を撮影、やっと記事にしました。
雨が降ったり、風が吹いたり、画面に入りきらなかったり、白飛びしたり、桜を撮ることは本当にむつかしいですね。
by 夕菅 (2017-04-09 13:49)
こんにちは。このドライブスルーはすごいですね。1種類ではなくいろいろなサクラが見られるのがまた良いです。今週末は東京は雨で、花見はダメでした。
by 多摩NTの住人 (2017-04-09 17:11)
多摩NTの住人 さん、コメントありがとうございました。
今日は共にエドヒガン!!!
この長い桜並木、下に並行してさらに長いサイクリングロードが完成しました。
多摩NTの住人 さんなら桜を見上げながら走っていただけそうです。
今日は雨が上がったのでここのヤマザクラを見に行って来ました。
by 夕菅 (2017-04-09 17:49)
こんばんは。素敵な桜の並木道ですね。ソメイヨシノを入れなかったのは、正解ですね。今、寿命を終えようとしているソメイヨシノが大きな問題になっていますね。
オオシマザクラがエントリーされて無くて残念です。
by Minoru (2017-04-09 20:49)
Minoru さん コメントありがとうございました。
「木曽川堤の桜」は公道の上ですから入り口も出口もなく、入場券や駐車料も要らず、知る人ぞ知るの名所です。
ソメイヨシノには寿命60年説があるようですね?
オオシマザクラは伊豆が自生地だったせいか、こちらではほとんど見られず残念です。
by 夕菅 (2017-04-09 22:50)
美しい桜並木を紹介していただき、午後からお天気も回復、誘われて近くに桜見物に出かけてきました。黒々とした古木と桜色の対比がなんと美しいでしょう。先日、「日本の桜」の特集をテレビで見ましたが、桜の名所のなんと多いこと、日本人にとって花と言えば桜、特別な花ですね。
世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし
と歌っています。
桜がなければ、のんびりとした気持ちでいられるだろうに、、、と。
ソメイヨシノがないことが評価、、、どういうことかしらと、調べてみました。
ソメイヨシノに潜む問題がいろいろあるようですね。。
明日はまた雨の予想が出ています。
花に嵐となるでしょうか?散る桜もいいですが、、、、。
by 花咲かばあば (2017-04-09 23:00)
花咲かばあば さんコメントありがとうございました。
お城の周りにはどこも桜がたくさん植えられていますね。
エドヒガンは半ば散りましたが、ソメイヨシノは満開だったことでしょう。
今年はやっと「木曽川堤の桜」に取り組みましたが、いざ書こうとするとわからないことばかりでした。
世の中にたえてブログのなかりせば 春の心はのどけからまし ?
今日の午後、私もまたヤマザクラを見に再訪、あらためてその美しさに見とれました。
by 夕菅 (2017-04-10 00:02)
今年は例年より少し遅い桜の開花でした。我が家のさくらは長男が中学三年生次男が中学一年生の記念樹でほぼ25年。今満開です。五年程前には木の根元からライトをあてれば桜全体に光があたり夜桜が楽しめましたがこのところぐっと大きくなり一部にしかライトがあたらなくなりました。窓いっぱいにみえる桜を見てうっとりしています。桜は本当に人の心を和ませてくれます。今年は我が家以外の桜をあまり見ていませんが木曽川堤の桜まだ明日散っていないかしら?明日時間があれば見に行こうと思います。2年程前に用事で犬山まで堤防を車で走った時の桜のトンネルすごく綺麗だったのを思い出しました。
by りんちゃんママ (2017-04-12 23:17)
りんちゃんママさんコメントありがとうございました。
今年の桜は遅く咲いて、雨に祟られ、早く散るようです。
桜の記念樹がお庭にあるのは素晴らしいですね。
木曽川堤の桜はエドヒガンとシダレザクラはもう散って葉が出ています。でもまだソメイヨシノとヤマザクラはギリギリかな?
今日は「木曽川堤駅」とバイパスの間のソメイヨシノが満開でした。
by 夕菅 (2017-04-12 23:49)
これは見事ですね!
壮観~ 車中からの花見も中々いいですね
それに色々な種類がたくさんあるのも楽しみのひとつ
それぞれの桜の花を鑑賞できて満足できますね
今年ほど長く花見ができる年も珍しいでしょう
お蔭であちこちの桜を鑑賞することができます
木曽川堤の桜 一番きれいに見えた年に鑑賞されてよかったです
by とんちゃん (2017-04-14 09:00)
とんちゃん お帰りなさい。
早速コメントありがとうございました。
本当にここの桜はドライブスルーにピッタリです。
満開の頃は急ぐ人はここを通りませんから、花を見ながらそろそろと進むことができます。
昨日はヤマザクラとソメイヨシノの花とエドヒガンの若葉の柔らかな緑がトンネルを作っている下を通ってきました。
by 夕菅 (2017-04-14 18:29)