シュンランの花粉塊 [草花(春)]
シュンラン
春蘭
単子葉植物キジカクシ目ラン科シュンラン属の地生蘭
学名: Cymbidium goeringii
別名:ジジババ・ホクロ
花期:3〜4月
分布:日本・済州島・台湾・中国・インド西北部
庭のシュンランは周囲のアイビーに負けそうになりながらも毎年花数を増しています。

花はうつむいて咲くので今年は特に顔も見られません。
葉は常緑、革質で20〜40cmあります。

しからばいっそと、切り取って観察することにしました。
シュンランの花粉塊も見たいものです。

手にとってまず気づいたのは花茎を取り巻く膜の美しさ。
鞘状苞というそうですが、白っぽい絹のような感触で細い紅い筋が目立ちます。

花は直径約5cm、3枚の萼片、2枚の側花弁、中央のずい柱(蕊柱)と紅白の唇弁から成ります。

ずい柱は雄しべと雌しべが合体したものです。
唇弁は分厚く、昆虫を引きつけるよう白地に紅紫色の斑点が目立ちます。
別名のジジババやホクロはこの斑点を老人のしみやほくろにたとえているとか。

ずい柱がよく見えるよう上の花被片を除きました。
ずい柱の上端は前に突き出し、先端に帽子(葯帽)をかぶっています。

葯帽はわずかな刺激で脱落します。これはたまたま引っかかった例外です。
中にあったのは黄色い花粉塊。

葯帽を外すと、一対の花粉塊が露出しました。

裏側はやや膨らんで黄色い貝のような形、白い粘着物質が付いています。
下は葯帽。

表側を見ると大小2枚の花粉塊が重なっていました。

もう少し拡大したいとFabre Photoで見ましたが、写真がきれいに撮れません。

一対の花粉塊はそれぞれ大小2枚の黄色い貝殻のような形をしていて、計4枚。
硬くて触れても崩れません。
一対のまま昆虫に遠くへ運ばれることもあるようです。

幼い頃から春の風物詩として見ていたシュンランもよくよく見れば興味深々です。
次回は種子のことなどもう少し観察しようと思います。
追加:シランの花粉塊 については2012.5.30.シランの記事にしました。
http://yuusugenoniwa.blog.so-net.ne.jp/2012-05-30
春蘭
単子葉植物キジカクシ目ラン科シュンラン属の地生蘭
学名: Cymbidium goeringii
別名:ジジババ・ホクロ
花期:3〜4月
分布:日本・済州島・台湾・中国・インド西北部
庭のシュンランは周囲のアイビーに負けそうになりながらも毎年花数を増しています。

花はうつむいて咲くので今年は特に顔も見られません。
葉は常緑、革質で20〜40cmあります。

しからばいっそと、切り取って観察することにしました。
シュンランの花粉塊も見たいものです。

手にとってまず気づいたのは花茎を取り巻く膜の美しさ。
鞘状苞というそうですが、白っぽい絹のような感触で細い紅い筋が目立ちます。

花は直径約5cm、3枚の萼片、2枚の側花弁、中央のずい柱(蕊柱)と紅白の唇弁から成ります。

ずい柱は雄しべと雌しべが合体したものです。
唇弁は分厚く、昆虫を引きつけるよう白地に紅紫色の斑点が目立ちます。
別名のジジババやホクロはこの斑点を老人のしみやほくろにたとえているとか。

ずい柱がよく見えるよう上の花被片を除きました。
ずい柱の上端は前に突き出し、先端に帽子(葯帽)をかぶっています。

葯帽はわずかな刺激で脱落します。これはたまたま引っかかった例外です。
中にあったのは黄色い花粉塊。

葯帽を外すと、一対の花粉塊が露出しました。

裏側はやや膨らんで黄色い貝のような形、白い粘着物質が付いています。
下は葯帽。

表側を見ると大小2枚の花粉塊が重なっていました。

もう少し拡大したいとFabre Photoで見ましたが、写真がきれいに撮れません。

一対の花粉塊はそれぞれ大小2枚の黄色い貝殻のような形をしていて、計4枚。
硬くて触れても崩れません。
一対のまま昆虫に遠くへ運ばれることもあるようです。

幼い頃から春の風物詩として見ていたシュンランもよくよく見れば興味深々です。
次回は種子のことなどもう少し観察しようと思います。
追加:シランの花粉塊 については2012.5.30.シランの記事にしました。
http://yuusugenoniwa.blog.so-net.ne.jp/2012-05-30
2016-04-09 11:23
コメント(16)
今度はシュンランを料理されましたか!(笑)
そうか、こんな構造になっているのかと、感心しながら最後まで読んで、
シランの記事もクリックして、
ふんふんなるほどと、初めてのように読み進んでいったら、
自分のコメントに出合ってびっくり(笑)
可笑しいやら、情けないやら。
シュンランを実家の裏の山から採ってきて植えたのですが、
いつのまにやら消えていきました。
夕菅さんのお庭ではアイビーに負けずに増えているとか。
植えている場所の環境はどんなですか?
by 703 (2016-04-09 22:20)
703さん コメントありがとうございました。
シュンランは本当にお吸い物や酢の物として食材にされることがあるようです(私はまだ食べたことがありません)。
以前の自分のコメントに出会って記臆力の低下に愕然とした経験、私もありますよ。どうぞご心配なく(???)。
シュンランは家の北東のツゲの生垣の根元に植えてあります。
もともとの半日陰に加えてアイビーに覆われますが意外に元気です。
by 夕菅 (2016-04-09 23:05)
洋ランの派手さと比べると、いかにも地味ですが可愛いですね。
シュンランは多少日陰になる場所がいいのでしょうか。垣根を取り替えた際、止むを得ず日当たりの良い場所に移したのですが、前の環境の方が花も葉も元気でした。それでも今もかなりたくさん咲いています。
花粉塊ははすごい粘着力だそうですが、虫はやってきますか。
by エフ・エム (2016-04-10 07:46)
エフ・エムさん コメントありがとうございました。
シュンランは本当に地味ですね。
でも花を手折ると、唇弁の派手な斑模様や、鞘状苞の線模様などが見えて、これでも精一杯おしゃれをしているように思えました。
確かにシュンランは日陰の方がよく育つようですね。
虫が訪れている場面は見たことがありませんが、たまに大きな実ができます。今までに採取した5本は全て花粉塊が残っていました。
by 夕菅 (2016-04-10 11:08)
地味な色合いがいいですね。控えめのおしゃれがまたいいですね。こんな風に沢山のシュンランはあまり見たことありません。構造もくわしく紹介していただきました。じじばばの別名も納得です。うちの庭にも一株ありますが、10年以上にもなるのにいまだ一株のままです。日当たりがよすぎることと、固い山土の悪条件がよくないのでしょう。
植え替えた方が、、、とおもっています。
山菜としても用いられるとか、花は天ぷらや酢の物、塩漬けにしてお茶にしたり、、、、。一度味わってみたいとも思いますが、もったいなくて、もったいなくて、、、、。
by 花咲かばあば (2016-04-10 19:54)
控えめな花に見えますがアップの写真はちょっと雰囲気が変わり昆虫か何かの一部のようにも見えますね。過去のシランをみて木の根元で見たような。とにかく毎年咲く花はだいすきです
by リンちゃんママ (2016-04-10 21:18)
花咲かばあばさん コメントありがとうございました。
今年はアイビーの間から特にたくさん花や蕾が見えたので、アイビーの蔓を60cmの高枝きりで切りました。
こんな時しゃがめないのは本当に不便ですが、それならいっそとかくなりました。
庭に生えたものはフキノトウやツワブキでも採りにくく、つい観賞用になってしまいます。
シュンランのてんぷら、どんな味でしょうね?
by 夕菅 (2016-04-10 21:49)
リンちゃんママさん コメントありがとうございました。
シランはきっとご覧になったことがあると思います。
ひっそり咲くおとなしい花ですが、奥には情熱を秘めているようでした。
これなら放っておいても毎年咲きますから、日陰に植えてください。
by 夕菅 (2016-04-10 22:08)
こんにちは。シュンランはお気に入りの花ですが、ここまで詳しく観察したことはありませんでした。いつもたいへん参考になります。
by 多摩NTの住人 (2016-04-11 08:31)
多摩NTの住人 さん コメントありがとうございました。
シュンランは貴ブログでも毎春(今年は3月30日)記事にされていますね。
機会があったら葯帽にそっと触れてみてください。花粉塊が見られると思います。
by 夕菅 (2016-04-11 11:19)
シュンランがたくさん咲きましたね!
大好きなシュンランのこと詳しく調べられてありがたいです~
花粉のかたまりが面白い形しているんですね
二重になって!硬いなんて思えないです~
下向きに咲くシュンランは中々どうなっているのか分からないのでこうしていただけると分かりやすいです
機会があったらこの花粉隗を触ってみたい!
花茎につく膜は鞘状苞というのですね
シュンランは昔からおなじみですが深く探ってみると新鮮に思えて親しみがもっと深くなりました。
by とんちゃん (2016-04-13 10:32)
とんちゃん コメントありがとうございました。
シュンランは幼い時の思い出にも繋がるので庭隅に植えました。
最近アイビーに埋もれながらも花の数が増えてうれしいことです。
ラン科は難しそうで敬遠していましたが、1本切り取ってみると面白くなりました。
花粉塊は指で押しつぶそうと思っても崩れぬほど硬いのです。
鞘状苞のべールのような美しさにも見とれました。
次回もう少しシュンランを続けます。
by 夕菅 (2016-04-13 11:17)
シュンラン、ほんときずかれないように咲いているようです。
ついわたしは咲いているのを見落としてしまうことがあります。
大好きなお花です。
リュウキンカで検索していたら夕菅さんのブログが出てきました。
昨日、白い(真っ白ではありません)リュウキンカを買い求めました・
花は小ぶりです。これはどういう生rの品種でしょうか?
育て方は普通のリュウキンカと同じでだいじょうぶかな?
by デスタントドラムス (2016-04-17 07:12)
デスタントドラムス さんコメントありがとうございました。
今日は激しい雨、やっとシュンランの続編を書き上げました。
お尋ねの花ですがヒメリュウキンカの白花種ではないでしょうか。
うちの庭でもヒメリュウキンカの白色とクリーム色の花が毎年咲いています。育て方は黄色のヒメリュウキンカと同じです。
http://yuusugenoniwa.blog.so-net.ne.jp/2010-02-27
(ヒメリュウキンカとリュウキンカは別種です。)
by 夕菅 (2016-04-17 10:37)
ありがとうございました。
記事を拝見して、姫リュウキンカだと確信しました。
リュウキンカは湿地に生えるのですね。
花弁が輝いて美しくていい花だと思います。
by デスタントドラムス (2016-04-17 19:18)
デスタントドラムス さん コメントありがとうございました。
ヒメリュウキンカでよかったようですね。
リュウキンカは木曽三川公園・河川環境楽園の木曽川水園にあるそうです。
by 夕菅 (2016-04-17 21:33)