カラマツソウの仲間 [草花(春・夏)]
ツクシカラマツ
筑紫落葉松 キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草
学名:Thalictrum kiusianum
対馬列島から済州島に分布するムラサキカラマツと屋久島に自生するヤクシマカラマツとの交配種と言われています。
カラマツソウの仲間との最初の出会いは15年前に植えたこのツクシカラマツでした。
高さ10cmほどの小型種ですが、6月初旬、淡いピンクの美しい花が咲きます。
大きな丸い葉はヒメイズイ、小さな複葉がツクシカラマツ。
以後、ヒメイズイに負けそうになりながら毎年辛うじて咲き続けています。

一つの花は直径1cmくらい。
花弁はなく雄しべが細い花弁のように見えます。
あまり小さくて花の構造などを調べる気になりませんでした。

ムラサキカラマツ
紫落葉松 キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草
学名:Thalictrum uchiyamae
対馬列島と韓国済州島のみに自生。
今年園芸店でムラサキカラマツと記した苗を見つけて植えました。
ツクシカラマツより全体に大きく高さ30cmほどに生育。
7月始め頃、ツクシカラマツの2倍くらいの大きさの花が咲き始めました。
7月12日、淡いピンクの花がまるで線香花火のように賑やかに一斉開花。

しかし今年はこの頃多忙を極め、ゆっくり花や葉を観察できぬまま終了。
後で写真を見直すとやはり花の構造が気になりました。
ネット検索しても情報が乏しくよくわかりません。
ミヤマカラマツの雌しべにヒントを得て、画像を拡大することにしました。
やはり花弁のように見えるのは雄しべです。
中心から放射線状に伸びたバットのような白い部分が花糸、その先に葯が突出しています。
でも雌しべはどこにあるのでしょう?
もともとカラマツソウの仲間には花弁が無く、萼片は開花するとすぐ落ちてしまうものが多くこの画像にも見つかりません。

さらに拡大すると右上に3本のやや濃いピンクのバットのようなものが3本出ています。
これが雌しべでした!
先端の黄色い球状部分が柱頭かと思われます。続くピンクの濃い太い部分が子房で花柱はないようです(2015.8.24.この項、訂正しました)。
その目で見ると左の大きな花にも白い大きな花糸の中に、やや小さくてピンク色の雌しべを3本区別できました。

右下の花は雄しべが脱落して5本残り、雌しべは3本。
その上は雌しべのみ2本です。

雄しべはほとんど散り、雌しべだけが残っているところもありました。

8月16日、いつの間にかもう果実ができていました。
花の雌しべの数と同じく2〜3個づつ下垂する痩果です。

濃褐色の痩果には縦に線条があり鰹節のような形をしていました。
長さ3〜4mm。
ムラサキカラマツは絶滅危惧1B類に指定されています。
園芸店には種子から栽培されたものが流通しているのでしょう。

キバナカラマツソウ
学名:Thalictrum flavum
ヨーロッパ~西アジア原産
この花も15年前から枯れず増えず、毎年咲いています。
花期は5月末から6月初めで後ろに咲いているのは青いヤマアジサイ。
高さ100〜150cm。

花が密集して咲くと花の構造など全くわかりません。

できるだけ花糸が少ない部分を見てみましょう。

長く細い花糸の先に大きな黄色い葯。
雌しべは花の真ん中に5〜6個がかたまっています。
左の下の方の2花には萼片が残っているようです。

カラマツソウは花がカラマツの葉に似ているとて命名されたそうです。
これらの他にも萼片が落ちにくく花弁のように美しいカラマツソウの仲間もあります
(バイカカラマツ・シキンカラマツなど)。
いづれも華奢で優しい花ですが意外に丈夫で放っておいても毎年咲いてくれます。
筑紫落葉松 キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草
学名:Thalictrum kiusianum
対馬列島から済州島に分布するムラサキカラマツと屋久島に自生するヤクシマカラマツとの交配種と言われています。
カラマツソウの仲間との最初の出会いは15年前に植えたこのツクシカラマツでした。
高さ10cmほどの小型種ですが、6月初旬、淡いピンクの美しい花が咲きます。
大きな丸い葉はヒメイズイ、小さな複葉がツクシカラマツ。
以後、ヒメイズイに負けそうになりながら毎年辛うじて咲き続けています。

一つの花は直径1cmくらい。
花弁はなく雄しべが細い花弁のように見えます。
あまり小さくて花の構造などを調べる気になりませんでした。

ムラサキカラマツ
紫落葉松 キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草
学名:Thalictrum uchiyamae
対馬列島と韓国済州島のみに自生。
今年園芸店でムラサキカラマツと記した苗を見つけて植えました。
ツクシカラマツより全体に大きく高さ30cmほどに生育。
7月始め頃、ツクシカラマツの2倍くらいの大きさの花が咲き始めました。
7月12日、淡いピンクの花がまるで線香花火のように賑やかに一斉開花。

しかし今年はこの頃多忙を極め、ゆっくり花や葉を観察できぬまま終了。
後で写真を見直すとやはり花の構造が気になりました。
ネット検索しても情報が乏しくよくわかりません。
ミヤマカラマツの雌しべにヒントを得て、画像を拡大することにしました。
やはり花弁のように見えるのは雄しべです。
中心から放射線状に伸びたバットのような白い部分が花糸、その先に葯が突出しています。
でも雌しべはどこにあるのでしょう?
もともとカラマツソウの仲間には花弁が無く、萼片は開花するとすぐ落ちてしまうものが多くこの画像にも見つかりません。

さらに拡大すると右上に3本のやや濃いピンクのバットのようなものが3本出ています。
これが雌しべでした!
先端の黄色い球状部分が柱頭かと思われます。続くピンクの濃い太い部分が子房で花柱はないようです(2015.8.24.この項、訂正しました)。
その目で見ると左の大きな花にも白い大きな花糸の中に、やや小さくてピンク色の雌しべを3本区別できました。

右下の花は雄しべが脱落して5本残り、雌しべは3本。
その上は雌しべのみ2本です。

雄しべはほとんど散り、雌しべだけが残っているところもありました。

8月16日、いつの間にかもう果実ができていました。
花の雌しべの数と同じく2〜3個づつ下垂する痩果です。

濃褐色の痩果には縦に線条があり鰹節のような形をしていました。
長さ3〜4mm。
ムラサキカラマツは絶滅危惧1B類に指定されています。
園芸店には種子から栽培されたものが流通しているのでしょう。

キバナカラマツソウ
学名:Thalictrum flavum
ヨーロッパ~西アジア原産
この花も15年前から枯れず増えず、毎年咲いています。
花期は5月末から6月初めで後ろに咲いているのは青いヤマアジサイ。
高さ100〜150cm。

花が密集して咲くと花の構造など全くわかりません。

できるだけ花糸が少ない部分を見てみましょう。

長く細い花糸の先に大きな黄色い葯。
雌しべは花の真ん中に5〜6個がかたまっています。
左の下の方の2花には萼片が残っているようです。

カラマツソウは花がカラマツの葉に似ているとて命名されたそうです。
これらの他にも萼片が落ちにくく花弁のように美しいカラマツソウの仲間もあります
(バイカカラマツ・シキンカラマツなど)。
いづれも華奢で優しい花ですが意外に丈夫で放っておいても毎年咲いてくれます。
2015-08-21 18:34
コメント(12)
美しいカラマツソウの色々はどれも大好きです
きれいなのに意外に丈夫で放っておいてもいいんですね
種類がたくさんありますが雄しべがたくさんで雌しべはどうなっているのかしら・・・ってよく思います。
萼片がいつまでも残るのがシキンカラマツというのはなんとなくい覚えていました。
ムラサキカラマツもすてきですね
雌しべが3つですね ピンク色の花柱がすごくきれい
キバナカラマツというのもあったなんて!
ごちゃごちゃしていますが白い雌しべが5~6こ 見えますね♪
細かく観察されてさすがです!
名前もすてきなカラマツソウの数々 秋口に見たい花だと思っています。
by とんちゃん (2015-08-22 09:32)
カラマツソウにこんなにたくさんの種類があることは、同時に図鑑を参照して知りました。どれも美しい花ですね。細かい観察で花の構造もよく分かります。図鑑の記載も難解なので。
カラマツソウの仲間では、散歩道によくみられるアキカラマツしか見たことがありません。ベルベリンを多く含む植物として興味がありました。
by エフ・エム (2015-08-22 10:50)
とんちゃん コメントありがとうございました。
昨年は赤城自然園の美しいシキンカラマツを見せていただきましたね。
庭にはこれとよく似たタリクトラム デラバイもあるのですが、写真がうまく撮れず来年送りです。
雌しべは分かりにくい種とよく分かる種とがありますね。
野にあるカラマツソウを見たいのですがかないませんので、とんちゃんからの画像を楽しみにしています。
by 夕菅 (2015-08-22 16:21)
エフ・エムさん コメントありがとうございました。
白く優雅に咲くカラマツソウは憧れの花ですが、野にあるものを見られぬまま、栽培種を辛うじて保っています。
アキカラマツにはベルベリンが含まれるのですか。
長野県高遠地方では「高遠草」として胃腸薬として利用されてきたとか、初めて知りました。
by 夕菅 (2015-08-22 16:44)
こんにちは。カラマツソウの仲間はこんなにあるんですね。当方ではアキカラマツだけです。ツクシカラマツやムラサキカラマツはとても魅力的な花ですね。花の作りがよくわかりました。
by 多摩NTの住人 (2015-08-24 11:31)
カラマツソウ、いいですね。仲間が多いんですね。ツクシカラマツ、ツグシカラマツ、シキンカラマツ、バイカカラマツなど、、、。どれも清楚でゆかしさがあって魅力的ですね。
ムラサキカラマツは、こんな風に写真を見せていただくと、ほんと線香花火に見えました。山で出会えると、うれしくなる山野草の一つです。
ツクシカラマツを、うちの庭でも育てましたが、2,3年でいつのまにかなくなってしまいました。大事に大事に、、、と育てますが。近所のお宅では、コンクリートの間に顔を出してきれいに咲いています。
キバナカラマツは初めてでした。
姿も葉もよく似たマツカゼソウは広がっています。同じ仲間かと思っていましたが、花が咲いたら全くの別物でした。こちらはミカン科だとか。
by 花咲かばあば (2015-08-24 21:37)
多摩NTの住人 さんコメントありがとうございました。
私は残念ながらアキカラマツも見たことがありません。
ツクシカラマツやムラサキカラマツは山野草愛好家の庭で辛うじて保たれているのかもしれませんね。
試しにムラサキカラマツの種子を蒔いてみようと思います。
by 夕菅 (2015-08-24 22:48)
花咲かばあばさん コメントありがとうございました。
山でムラサキカラマツに出会えたら大感激でしょうね。
私は園芸店で初めて出会ってどうしても連れて帰りたくなりました。
キバナカラマツソウは山にはありませんから見に来てください。
マツカゼソウは見たことがありませんが、ミカン科なのですね。
図鑑を見て小さな白い花が清楚と思ったのですが、臭いがあってシカも食べず、拡がっているとか。
by 夕菅 (2015-08-24 23:05)
花びらではなくて雄しべ!!
中心から放射状に広がるのは花びらという固定観念が強くて、
すべてをその目で見て疑うことがありません。
花びらかと思えばガク、というのにはもう驚きませんでしたが、
カラマツソウの八重の花びらが実は雄しべだとは、びっくりでした。
今年開花にまでこぎつけたタリクトラム デラバイは花後に枯れました。
夕菅さんのお庭にはツクシカラマツ(これも枯らしました)まであって、
やっぱりすごいなあ!
by 703 (2015-08-24 23:34)
703さん コメントありがとうございました。
私も美しくも造りがわからず、長らく宿題でした。
雄しべまではわかったのですが、雌しべがわからない。
むしろカラマツソウを先に見た方が分かりやすかったようです。
今、まだ雌しべに悩んでいます。
タリクトラム デラバイは日陰に植えたら今年2年目も花が咲きましたが、暗いしクモの巣が多いし、写真がうまく撮れません。
また来年のお楽しみです。
by 夕菅 (2015-08-24 23:56)
夕菅さん、こんばんは
ずっとコメント残そうかと思案していたのです。カラマツの雌しべと雄しべなんて考えたことはなく、とても面白かったです。ありがとう!
それから、カラマツの仲間は盗掘にあうのでアップしていませんが、ムラサキカラマツは痩せ地にはえているので小さくてかわいいです。でも夕菅さんのお庭ではきっと栄養がいいのでしょうね、豪華に見えます。
by panda (2015-09-22 03:26)
panda さん コメントありがとうございました。
お近くに自生のムラサキカラマツがあるのですね。
それでは「対馬列島と韓国済州島のみに自生。」というのも怪しいですね。
庭に植えた多年草は堆肥と肥料を与えて植えるので初年度は立派に咲きます。でも年々次第に小さくなっていくのが常です。
やっと雌しべがわかるようになりました。
花の初めに焦ってもわからないということを学びました。
by 夕菅 (2015-09-22 15:56)