コマツヨイグサ [草花(夏)]
コマツヨイグサ
小待宵草
アカバナ科マツヨイグサ属
学名:Oenothera laciniata
別名:キレハマツヨイグサ
原産地:北アメリカ
7月21日、休日の楽しみに庭をゆっくり見て回っている時、隣の田んぼとの境界に見覚えのない花を見つけました。
いつのまにか這うように大きく広がってオレンジ色の花を付けています。
マツヨイグサの仲間?
図鑑を見るとやはりマツヨイグサ属のコマツヨイグサにぴったりです。
日本には明治時代末期に渡来し、本州~九州に分布しているそうです。

時すでに11時、花はしぼんでオレンジ色。
萼が反り返っています。

翌朝8時、仕事の前に見に行きました。
花はみな萎みかけていますが、まだ黄色のものもありました。

葉腋から花柄なく直接花がつきます。
一番下から子房、ついで蜜をためる長い花床筒(かしょうとう)、萼、花弁の順です。
花床筒の下部を切って圧すとたしかに甘い蜜が垂れてきました。
葉は互生し無柄、粗い鋸歯があります。

こんなしどけない姿の花もありました。

こうなると夜の花姿も見たくなります。
ヘッドライトを付けて見に行きました。
おー、眩しい程の満開です(22時29分)。

直径約3cmのクリーム色の花が同じ方向に向いて開いています。

まだ蕾の状態のものもありました。小さなクモが絡んでいます。

開花すると萼は反転。

花弁は4枚。雌しべ雄しべはやや濃い黄色。

柱頭のまわりをおしべが囲んでいます。

1時間後もう一度見に行きました(23時28分)。
柱頭が開いています。
蜜は長い花床筒の底にたまりますから、ススメガのように長い口吻をもったガに適した花かと思われますが、昆虫の訪問はほとんどないようでした。

柱頭は4裂、雄しべの花粉はやはりヒルザキツキミソウと同じく糸を引いています。
庭の一部とはいえ道路からも隣家からも見えるので、深夜懐中電灯で照らしながらの観察は不審者と間違えられないよう早々に切り上げました。

花がしおれて花床筒が落ちると、子房が長く太くなります。約3cm。

果実の上部が褐色に変わり、縦に裂け目が出来始めました。
2014.7.23.記事にしたモモイロヒルザキツキミソウのように種子は雨滴散布するのでしょうか?

そうではありませんでした。
子房は深く4裂して種子はそのままこぼれてしまいます。

中心軸のまわりにあったはずの種子は殆ど落ちてしまったらしく、下の方に僅かに残っているだけです。
同じアカバナ科マツヨイグサ属でも果実の形態はヒルザキツキミソウとは異なるものでした。

まだ種子がこぼれていない果実をひとつ採取し、子房を裂いて種子を確認します。
中心軸についていた種子を紙の上に落としました。
種子はモモイロヒルザキツキミソウとよく似ています。
昆虫があまり来てなかったのに結実率はよいということは、花を閉じながら自家受粉しているのでしょうね。

初めに見てからもう2か月になりますが、今朝も花はまだ残っていました。

実はこのコマツヨイグサは要注意外来生物に指定されています。
繁殖力旺盛のようですから来春は幼苗の管理が要りそうです。
7月から書きかけてあったコマツヨイグサ、やっと記事にできました。
今年は秋が早くもうシュウメイギクやホトトギスが咲いています。
パソコンに向かえる時間が少なくなって花に追われるばかりです。
[追加] 2020.10.16.
蕾の画像がなかったようです。室内で撮った写真を拡大して添付しておきます。
小待宵草
アカバナ科マツヨイグサ属
学名:Oenothera laciniata
別名:キレハマツヨイグサ
原産地:北アメリカ
7月21日、休日の楽しみに庭をゆっくり見て回っている時、隣の田んぼとの境界に見覚えのない花を見つけました。
いつのまにか這うように大きく広がってオレンジ色の花を付けています。
マツヨイグサの仲間?
図鑑を見るとやはりマツヨイグサ属のコマツヨイグサにぴったりです。
日本には明治時代末期に渡来し、本州~九州に分布しているそうです。

時すでに11時、花はしぼんでオレンジ色。
萼が反り返っています。

翌朝8時、仕事の前に見に行きました。
花はみな萎みかけていますが、まだ黄色のものもありました。

葉腋から花柄なく直接花がつきます。
一番下から子房、ついで蜜をためる長い花床筒(かしょうとう)、萼、花弁の順です。
花床筒の下部を切って圧すとたしかに甘い蜜が垂れてきました。
葉は互生し無柄、粗い鋸歯があります。

こんなしどけない姿の花もありました。

こうなると夜の花姿も見たくなります。
ヘッドライトを付けて見に行きました。
おー、眩しい程の満開です(22時29分)。

直径約3cmのクリーム色の花が同じ方向に向いて開いています。

まだ蕾の状態のものもありました。小さなクモが絡んでいます。

開花すると萼は反転。

花弁は4枚。雌しべ雄しべはやや濃い黄色。

柱頭のまわりをおしべが囲んでいます。

1時間後もう一度見に行きました(23時28分)。
柱頭が開いています。
蜜は長い花床筒の底にたまりますから、ススメガのように長い口吻をもったガに適した花かと思われますが、昆虫の訪問はほとんどないようでした。

柱頭は4裂、雄しべの花粉はやはりヒルザキツキミソウと同じく糸を引いています。
庭の一部とはいえ道路からも隣家からも見えるので、深夜懐中電灯で照らしながらの観察は不審者と間違えられないよう早々に切り上げました。

花がしおれて花床筒が落ちると、子房が長く太くなります。約3cm。

果実の上部が褐色に変わり、縦に裂け目が出来始めました。
2014.7.23.記事にしたモモイロヒルザキツキミソウのように種子は雨滴散布するのでしょうか?

そうではありませんでした。
子房は深く4裂して種子はそのままこぼれてしまいます。

中心軸のまわりにあったはずの種子は殆ど落ちてしまったらしく、下の方に僅かに残っているだけです。
同じアカバナ科マツヨイグサ属でも果実の形態はヒルザキツキミソウとは異なるものでした。

まだ種子がこぼれていない果実をひとつ採取し、子房を裂いて種子を確認します。
中心軸についていた種子を紙の上に落としました。
種子はモモイロヒルザキツキミソウとよく似ています。
昆虫があまり来てなかったのに結実率はよいということは、花を閉じながら自家受粉しているのでしょうね。

初めに見てからもう2か月になりますが、今朝も花はまだ残っていました。

実はこのコマツヨイグサは要注意外来生物に指定されています。
繁殖力旺盛のようですから来春は幼苗の管理が要りそうです。
7月から書きかけてあったコマツヨイグサ、やっと記事にできました。
今年は秋が早くもうシュウメイギクやホトトギスが咲いています。
パソコンに向かえる時間が少なくなって花に追われるばかりです。
[追加] 2020.10.16.
蕾の画像がなかったようです。室内で撮った写真を拡大して添付しておきます。
2014-09-20 23:52
コメント(14)
開花の時期はとても長い花ですね.マツヨイグサ属でも、いろいろ様子が違うことを教わりました。夜に同じ方向で咲いている様子、どちらの方向でしょう。月見草ですからお月様を眺めているかしら?楽しそうですね。
夜、見る機会はほとんどありませんでしたが、昔、夕方、蕾から開花の様子をしばらく眺めていて感動したこと、思い出しました。
好きな花ですが、繁殖旺盛な外来種は、庭ではあまり増やしたくない花です。マツヨイグサ属、小さな花でこの命名のようですが、花が大きいオオコマツヨイグサもあるようで面白いですね。
蜜に夜の昆虫があまり見られないのも不思議に思いました。
by 花咲かばあば (2014-09-21 22:48)
こんにちは。
コマツヨイグサは当方では見られまず、メマツヨイグサばかりです。
花後にオレンジ色になるんですね。あればわかりそうです。
雨滴散布ではありませんでしたか。メマツヨイグサも違いましたね。
by 多摩NTの住人 (2014-09-22 08:13)
コマツヨイグサは小さくてとっても可愛いので大好きです!
ただし夜に咲くということで朝早く咲き残っていたら見られる!くらい
それでもいいので目を細めて見てしまいます。
オレンジ色に染まった花の終わりがなんとも切なそうで愛おしくなります。
要注意外来植物なんですね 確かにあるところには大繁殖しているのでしょう
きれいなクリーム色をしてやっかいもの扱いでも魅力的だと思っています。
by とんちゃん (2014-09-22 08:46)
花咲かばあばさん コメントありがとうございました。
夜の花は北西を向いていました。この方向に道路や防犯灯があるので、光の方向を向くのかもしれませんね。
隣地は水田ですから1株くらいは残してもいいかなと思っていますが、
来春どれくらいコマツヨイグサが発芽するのか、ちょっとこわい感じです。
昆虫はハナアブの仲間とルリハムシを見ただけ、短時間で終了しました。
by 夕菅 (2014-09-22 14:27)
多摩NTの住人 さん コメントありがとうございました。
コマツヨイグサは多摩地方にもあまりないのですね。
横に這って広がり、昼は淡いオレンジ色ですからよく目立つはずです。こちらでも初めて見つけ、「要注意外来植物」が意外でした。
メマツヨイグサもコマツヨイグサも雨滴散布しないのですね。
こちらではメマツヨイグサよりオオマツヨイグサをよく見ます。
by 夕菅 (2014-09-22 14:40)
とんちゃんもコマツヨイグサはお好きだったのですね。
私もあの色に惹かれてしまいました。
どうしても夜の開花が見たくてヘッドライト、長袖、蚊取り線香と装備して出かけました(笑)。
コマツヨイグサは鳥取砂丘に多く繁殖して駆除されているようです。
by 夕菅 (2014-09-22 14:59)
秋のお庭の整理は大変でしょうね、お手入れは欠かせませんからね。
コマツヨイグサって、メマツヨイグサを言い慣れている身としてはなぜか笑ってしまいます。^^)
優しそうないい感じの花ですが、これだけ種が飛んで増えるのですから特定外来生物予備軍ですね。
ガクが反り返るところが面白いので、意識して探してい見ようと思います。
by とんとん (2014-09-22 16:38)
庭の到る所から生えてくる、抜いてもたえることのない、
この雑草はコマツヨイグサなのか・・・・、
今年初めて出てきたのは、メマツヨイグサなのか・・・・。
どちらも姿は知っているのですが、名前を初めて確認しました。
メマツヨイグサ・・・・どんな花が咲くのだろうと、花壇の真ん中で大きくなる株を楽しみにしていたら、花を見てがっかりしていたところです。
無粋な忠告ですが、夕菅さんも少しでも早くコマツヨイグサを除去した方が・・・・後が恐いですよ(笑)
by 703 (2014-09-22 21:55)
とんとんさん コメントありがとうございました。
やはりお近くではコマツヨイグサよりメマツヨイグサの方がポピュラーなのですね。
コマツヨイグサは初めて見たのでかわいくて興味津々でしたが、2か月以上も咲き続け種子をどんどん作っているのでやはり要注意ですね。
by 夕菅 (2014-09-22 23:06)
703 さん コメントありがとうございました。
あらあら、703 さんのお庭ではもうコマツヨイグサに困られていたのですね。メマツヨイグサも自生したのですか!
ご忠告に従って早々に抜去します。ありがとうございました。
今もあちこちにツユクサ、イヌタデ、ハルジオン、ヘクソカズラ、アレチヌスビトハギなど出てきて困っている庭です。
by 夕菅 (2014-09-22 23:29)
可愛い花ですね。いままでに見ているのかもしれませんが気がついていません。繁殖力があまり強いのは後で困りますね。花畑であちこちに生えてくる花をそのままにしておくと1面に広がり困りますが生え始めの可愛い葉っぱのうちに抜き取るのに躊躇し後で後悔しています。外来種に多いのでしょうか?
by リンちゃんママ (2014-09-24 18:36)
リンちゃんママさん コメントありがとうございました。
この花を初めて見つけたとき淡い色合いに惹かれ、夜の花が見たくなりました。
夜の満開の花はこれまた感動的で、要注意外来生物に指定されていることが残念に思えましたが、今だに花を咲かせ続けている姿を見るとさすがに空恐ろしくなります。
確かに外来種には繁殖力の強いものが多くありますが、花壇で困る野草にはカタバミ、ツメクサ、オオバコ、ツユクサなど在来種も多くありますし、クズは世界の侵略的外来種ワースト100 に選定されています。
by 夕菅 (2014-09-24 23:43)
このところ留守することが多く、失礼していました。
コマツヨイグサはこちらも散歩道の畑の脇などによく見かけます。残念ながら夜にさんぽすることはありませんので、最盛時にみたことはありませんが、早朝に赤くなった花が混じっていつところは、きれいですね。メマツヨイグサの方は、好きではないです。
by エフ・エム (2014-09-27 08:44)
エフ・エム さん コメントありがとうございました。
このところ私も不安定な日々を過ごしていましたから、やはり案じておりました。
コマツヨイグサがお近くの散歩道に咲いているのですね。
私は今年初めて見つけて好きになりましたが、要注意外来生物と知ってやや複雑な思いです。
エフ・エムさんのお庭で咲いたツキミソウにもう少し繁殖力があったらと残念です。ツキミソウは夜は純白、朝は桃色になるのでしたね。
by 夕菅 (2014-09-27 14:59)