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ポンポンアザミ(3)種子 [草花(夏)]

ポンポンアザミ(1)「この花は何でしょう?キク科のピンクの花。」
ポンポンアザミ(2)香りあざみ 桃色花火 

ポンポンアザミ(3)種子

ポンポンアザミは「愛知県で対策が必要な外来種」であるとわかりましたから、種子を飛ばさぬよう見守りながらこの1株の1年を観察することにしました。
この花の構造からは間もなく冠毛をもった種子ができて風で散布されるはずです。

花の経過をたどってみます。
7月29日。初めの花を発見。
ポンポンアザミ0728wb.jpg

8月3日。
5日間でこの伸長、開花の早さ。
ポンポンアザミ0803wb.jpg

8月13日。
最盛期。最初の花は画面下端に天辺だけ見えています。
ポンポンアザミ多0813wb.jpg

8月15日。
種子が飛ばないかと心配で、暑くても毎日見に行きます。
おや、左最上部の花についているのは?
よく見ると下の赤い矢印のところにも(画面をクリックすると大きくなります。)。
ポンポンアザミ種子0815wbL2.jpg

接写します。
やはり冠毛のついた種子です! 
驚きました。この花だけ早熟なのでしょうか。
ポンポンアザミ種子早熟wb.jpg

この花と初めに咲いた花(最下部)を切り取りました。
そーっと室内に持ち込んでの撮影です。
これはピンクのまま種子?を散らした花です。
冠毛はありますが、多くの花では退化中の雌しべが残っています。
種子は白っぽく未成熟のように見えます。
ポンポンアザミ種子若2wb.jpg

一番初めに咲いた花はすっかり毛皮に包まれているような外観ですが、まだ種子は飛んでいません。
ポンポンアザミ果実1-0815wb.jpg

毛の部分を摘むとすぐ冠毛の付いた種子が固まって剥がれました。
ポンポンアザミ種子完熟wb.jpg

冠毛の下は黒い痩果。
白いのもありますがやや細く、不捻性の種子かもしれません。
ポンポンアザミ種子4-1wb.jpg

拡大像です。
クーラーの風でもふわふわ動くので暑い中、冷房無しでの撮影です。
ポンポンアザミ種子4-2wb.jpg

冠毛はどの状態から出来ているのか確かめるために満開の花を1花採取して総苞を剥がしました。
もう黒い種子になっているらしい部分もありました。
ポンポンアザミ種子未熟wb.jpg

種子が黒いものでは冠毛も黄色っぽくなり、すでに飛翔の準備が進んでいました。
ポンポンアザミ若種子3wb.jpg

急に種子が飛ぶと厄介なので、この下方の褐色になった花4個も切り捨てました。
ポンポンアザミ種子採取0816w.jpg

8月18日。
残りももう切り花にした方が無難そう、上部の花と蕾をまとめてカットしました。
花瓶に挿して室内でよく見るとやはり、満開に見える花に冠毛のついた種子が付着しているのがありました。この花から飛んだのか、他の花からの種子かはわかりません。
ポンポンアザミ種子早熟2wb.jpg

ポンポンアザミの種子が出来るまでをまとめました。
予想より早く種子になるのは繁殖力の旺盛さを裏付けます。
未だ雌しべが枯れずピンク色の花でも冠毛のある種子が飛ぶことがあるようです。
これは思いもよらぬことでした。
この若い種子がもし発芽するならば、この花を切り花として栽培するのも避けるべきとなります。
ポンポンアザミは花の可愛らしさから繁殖力の強さを知らずに栽培されそうです。
どうぞ、ご注意下さい。

コメント(10) 

コメント 10

satton

花はいかにもアザミの姿でしたが、総苞や葉の様子がよく見るアザミと違っていたのでわかりませんでした。繁殖させてはいけない外来種だったのですね。
by satton (2013-08-19 19:19) 

夕菅

satton さん 花の名前調べにご協力いただいてありがとうございました。
お恥ずかしい結末となりましたが、このポンポンアザミは既に九州の道端にまで自生していることを知り、警告のつもりで事実を書きました。
今、切り花にして眺めていますが室内ではあまりぱっとせず、これもお勧めできないことがわかりました。
by 夕菅 (2013-08-19 22:10) 

panda

夕菅さん、こんばんは
お便りありがとうございました。私も2009年に帰化植物のMLで名前を偶然知りました。ポンポンアザミは長崎には数ヶ所野生化しています。気になって、また見に行ったら、市民大清掃と稲刈りの時期と重なって刈られていました。こうして、夕菅さんが繁殖力の強さを書いてくださることは大切なことと思います。
by panda (2013-08-19 23:58) 

夕菅

panda さん さっそくの返信ありがとうございました。
条例があるとはいえこちらではポンポンアザミを見たことはなく、かく相成りましたが、panda さんのブログで長崎ではすでに野生化しているのを知って心配になり、私の恥かき話を披露してしまいました。
ポンポンアザミの根はかなり深くまで張っているようですから、草刈りだけでは来年また生えそうな気がします。
愛知県とはいえ田原市は暖かく、当地は岐阜県との県境で冬は寒いので今冬の耐寒性を観察してから、根の張り方を確認しながら抜去しようと考えています。





by 夕菅 (2013-08-20 00:47) 

多摩NTの住人

こんにちは。
続編を興味深く拝見しました。
素晴らしい研究成果に感服です。
可愛い花なのに、早めに処分しなければならないのは、仕方が無いですね。
by 多摩NTの住人 (2013-08-20 07:55) 

夕菅

多摩NTの住人さん コメントありがとうございました。
しつこく3連続にしましたが、毎度見ていただいて恐縮です。
「種子」はもう少し後の予定でしたが、経過が早くて(2)の記事を書いているうちに熟してしまい、むしろ追われ気味でした。
アザミは好きでもトゲが怖いという人にもってこいのアザミですのに、こんな運命を背負っているのは残念ですね。

by 夕菅 (2013-08-20 08:55) 

703

今日、偶然に「香りアザミ・桃色花火」が公園に植えられているブログ写真を見ました! ピンクボーダーガーデンに昨年植えた宿根草で、今年は150㎝以上になっていると。
夕菅さんのレポートからすると、もう既にたくさんの種を飛ばしていることでしょう。
「偶然に」と書きましたが、夕菅さんに意識啓発していただいていたから、目に止まったのでしょうね。
by 703 (2013-08-20 21:45) 

夕菅

703 さん コメントありがとうございました。
試しに「香りアザミ 桃色花火・ピンクボーダーガーデン」で検索したら出てきたブログがありました。
2年目でもそんなに殖えていませんね。厳しい条件のガーデンだからかもしれませんが........。
「香りアザミ・桃色花火」だけで納得すると、ポンポンアザミやponpon weedの本質を知らずに栽培されそうで心配です。
by 夕菅 (2013-08-20 23:04) 

とんちゃん

意外に早くに冠毛になりましたね~
黒っぽい種子をつけてふわふわと風に乗って飛び出しそう
まだピンク色をしているからと油断できないのですね。
根の張り具合はどんなことになっているのかそれも知りたいです。
姿からすると可愛らしくてひ弱そうに見えてしまいますが根性がすわっているみたい
ほどほどにという程度なら憎まれずに済むのにと気の毒にも思えます。
夕菅さんの裏づけから繁殖力旺盛ということをしっかりと確認できました。
by とんちゃん (2013-08-23 14:20) 

夕菅

とんちゃん お帰り早々にコメントありがとうございました。
もう少し後にと思っていたのに引き続き種子の記事を書くことになってしまいました。
種子は思いの外小さくて軽いので遠くまで飛びそうです。
これらが車のタイヤにくっついて遠隔地へいくこともあるようです。
繁殖力の強いものは種子も短期間に大量生産するようですね。
その上、根でも殖えるとはこれぞ「根性」?
根の画像は見ていませんがどうなっているのでしょうね?
by 夕菅 (2013-08-23 18:00) 

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