ヒヨドリとミカン [鳥]
ヒヨドリ(鵯、Hypsipetes amaurotis)
スズメ目ヒヨドリ科
全長は約27-29 cm、雌雄同色。
ヒヨドリは庭のボス。
甘い蜜が大好きでツバキやモクレンなど咲いたばかりの花を食べ散らし、ジョウビタキやメジロが来るとたちまち追っ払ってしまいます。
水浴びが大好きで冬でも毎日のようにつくばいにやって来ます。
(写真は全てガラス戸越しの逆光でお粗末ですが、画面をクリックすると拡大します。)
でも本当は庭に来てほしいのはメジロ。
最近、とんとんさんがヒヨドリに食べらず、メジロだけに与える方法を発表されました。「メジロとヒヨドリ」
これなら出来そう、早速試してみましょう。
園芸用の細い支柱(塩ビ被覆鉄線)にミカンを突き刺して芝生に斜めに挿しました。
たちまちヒヨドリが寄って来て見上げています。
飛び上がってはみたもののさてどうしましょう。
高目に飛んでホバリングしながらくちばしをミカンに刺しこみました。
もう一度!
塩ビコーティングでつるつるした支柱ですが両足でしっかり掴みました。
ちょこちょこ移動してミカンの所まで上がってしまいました。まさかの行動です。
重みで支柱がたわんでふわふわ揺れます。
このままミカンを食べるかと思いきや、
くちばしでミカンをくわえて滑り台のように下がってきました。
ここでゆっくりいただきまーす。なんて賢い!
うちのヒヨドリはとんとんさんの方法ではあきらめてくれないようです。
こう易々とミカンを食べられてはメジロに残る分はありません。
こうなったら知恵比べです。
今度はミカンを針金に突き刺して小枝にぶら下げました。
ヒヨドリは小枝に片足でぶら下がって首を伸ばしますが届きません。
それでもあきらめません。
今度は両足でぶら下がって思いっきり体を伸ばすと、ミカンに届きました。
逆立ちで食べてます。
さらに大胆にも片足は針金をつかんで降下、ミカンを袋ごとつまみ出しました。
ヒヨドリってお腹の模様がきれいなんですね。
くわえた塊は太い枝に止まってゆっくり賞味。
「寄らば大樹の蔭」って知ってます。
これでは知恵比べに負けてしまいます。
針金が短か過ぎたようです。
ミカンを刺した針金を枝から垂らした細い針金につなぎました。
これではどうでしょう?
ミカンは風で揺れてます。思案顔のヒヨドリ。
それでもホバリングしながら果敢に挑戦します。
ほらっ!もう少し!
おー 成功!
激しくホバリングしながらくちばしをかーっと開いて直撃!
やっとちょっぴり食べられました。
くちばしにミカンの破片が付いています。
下からくわえました!
この格好、どうなってるのでしょう? 尾の方角が想定を越えています。
渾身のホバリンゲ!
さすがに疲れました。
隣のつくばいで水を飲んで休憩。
ついでに水浴びしようっと。
おなじみのナツツバキに止まってゆっくりと乾燥と羽繕い。
もうミカンへは降りてきません。
乾くとどこかへ飛び去ってしまいました。
この知恵比べ、ここで勝負あったりかと少々気の毒にも思いつつ観察中断。
2時間後に戻ると何とまあ!
ミカンは皮だけきれいに残っていました。
翌日追試、ヒヨドリはすぐ現れて同じく果敢に挑戦。
けれども前日より早めに中断。
窓越しにカメラが向けられているのに気付いたのでしょうか?
ここへメジロが来たら「めでたしめでたし」となるのですが、2日とも姿を見せません。
やはりこの辺りにはメジロはあまりいないのです。
夕方見るとミカンは殆ど残ったままぶら下がっていました。
しかし翌朝8時、すでにミカンは食べ尽くされ、またもや皮だけぶら下がっていました。
この勝負、ヒヨドリの圧勝でした。
巧みなホバリングにはかないません。知恵や体力も「敵ながらあっぱれ」!
追加:一昨年の雪の日にはメジロも短時間ながら食べに来ました
ヒヨドリとメジロ 2011-01-23
スズメ目ヒヨドリ科
全長は約27-29 cm、雌雄同色。
ヒヨドリは庭のボス。
甘い蜜が大好きでツバキやモクレンなど咲いたばかりの花を食べ散らし、ジョウビタキやメジロが来るとたちまち追っ払ってしまいます。
水浴びが大好きで冬でも毎日のようにつくばいにやって来ます。
(写真は全てガラス戸越しの逆光でお粗末ですが、画面をクリックすると拡大します。)
でも本当は庭に来てほしいのはメジロ。
最近、とんとんさんがヒヨドリに食べらず、メジロだけに与える方法を発表されました。「メジロとヒヨドリ」
これなら出来そう、早速試してみましょう。
園芸用の細い支柱(塩ビ被覆鉄線)にミカンを突き刺して芝生に斜めに挿しました。
たちまちヒヨドリが寄って来て見上げています。
飛び上がってはみたもののさてどうしましょう。
高目に飛んでホバリングしながらくちばしをミカンに刺しこみました。
もう一度!
塩ビコーティングでつるつるした支柱ですが両足でしっかり掴みました。
ちょこちょこ移動してミカンの所まで上がってしまいました。まさかの行動です。
重みで支柱がたわんでふわふわ揺れます。
このままミカンを食べるかと思いきや、
くちばしでミカンをくわえて滑り台のように下がってきました。
ここでゆっくりいただきまーす。なんて賢い!
うちのヒヨドリはとんとんさんの方法ではあきらめてくれないようです。
こう易々とミカンを食べられてはメジロに残る分はありません。
こうなったら知恵比べです。
今度はミカンを針金に突き刺して小枝にぶら下げました。
ヒヨドリは小枝に片足でぶら下がって首を伸ばしますが届きません。
それでもあきらめません。
今度は両足でぶら下がって思いっきり体を伸ばすと、ミカンに届きました。
逆立ちで食べてます。
さらに大胆にも片足は針金をつかんで降下、ミカンを袋ごとつまみ出しました。
ヒヨドリってお腹の模様がきれいなんですね。
くわえた塊は太い枝に止まってゆっくり賞味。
「寄らば大樹の蔭」って知ってます。
これでは知恵比べに負けてしまいます。
針金が短か過ぎたようです。
ミカンを刺した針金を枝から垂らした細い針金につなぎました。
これではどうでしょう?
ミカンは風で揺れてます。思案顔のヒヨドリ。
それでもホバリングしながら果敢に挑戦します。
ほらっ!もう少し!
おー 成功!
激しくホバリングしながらくちばしをかーっと開いて直撃!
やっとちょっぴり食べられました。
くちばしにミカンの破片が付いています。
下からくわえました!
この格好、どうなってるのでしょう? 尾の方角が想定を越えています。
渾身のホバリンゲ!
さすがに疲れました。
隣のつくばいで水を飲んで休憩。
ついでに水浴びしようっと。
おなじみのナツツバキに止まってゆっくりと乾燥と羽繕い。
もうミカンへは降りてきません。
乾くとどこかへ飛び去ってしまいました。
この知恵比べ、ここで勝負あったりかと少々気の毒にも思いつつ観察中断。
2時間後に戻ると何とまあ!
ミカンは皮だけきれいに残っていました。
翌日追試、ヒヨドリはすぐ現れて同じく果敢に挑戦。
けれども前日より早めに中断。
窓越しにカメラが向けられているのに気付いたのでしょうか?
ここへメジロが来たら「めでたしめでたし」となるのですが、2日とも姿を見せません。
やはりこの辺りにはメジロはあまりいないのです。
夕方見るとミカンは殆ど残ったままぶら下がっていました。
しかし翌朝8時、すでにミカンは食べ尽くされ、またもや皮だけぶら下がっていました。
この勝負、ヒヨドリの圧勝でした。
巧みなホバリングにはかないません。知恵や体力も「敵ながらあっぱれ」!
追加:一昨年の雪の日にはメジロも短時間ながら食べに来ました
ヒヨドリとメジロ 2011-01-23
2013-03-06 23:24
コメント(16)
ヒヨドリ物語を読んでいておかしくてどうしようもなかったです!
どっちが勝つのかとドキドキ
とんとんさんのところでうまい方法を見てきたので「これなら!」という期待と共に!!!
知恵者ですね~ 学習能力が備わってる♪
それに翅の使い方や体中の力をふりしぼって頭も使って見習いたいです。
思ってもいなかった柔軟性を垣間見た感じです。
あんなにずっしりと重い体重なのに必死になって挑んでくる姿はもう「あっぱれ」としかいいようがないです。
メジロに来てほしい!希望はともかくヒヨドリの驚くべき一面があることが分かりましたね。
たたかい終わって水浴びした後のヒヨドリの顔がいとおしく見えてきました。
ヒヨドリも勝って夕菅さんもすごいこと「やった!」でしたね
by とんちゃん (2013-03-07 15:19)
とんちゃん お心のこもったコメント、ありがとうございました。
こんなに楽しんでいただけて書いた甲斐がありました。
撮るときは激しく飛び交う姿を追うのがやっと、写っているのかどうかも分からず夢中でシャッターを押していただけでした。
後でたくさんのブレブレの画像を捨てて何とかこれだけ残りましたが、よく見るとその動きの激しさ、しなやかさに驚きました。
表からは細身に見えるのにお腹側から見ると筋骨隆々!
あまりにも完璧に空にされた皮を見ると、人がいない時はもっと激しくぶつかったのかもしれないと思いました。
今まで憎らしく思っていたヒヨドリですが、こんなにひたむきな姿を見せてくれると寛大にならざるを得ませんね。
by 夕菅 (2013-03-07 18:49)
何と言う勇猛果敢なヒヨドリさんでしょうか!
6,10、18の場面はあってはならない!と思うほど。
我が家のヒヨさんを思うと信じられません。
最後のミカンを見ると、ホバリングで全部食べたということですね!
人間の負けとは! 悔しいです!
我が家の子は気弱な性格なのかもしれません。
追い払う仕草をするとちょっとは遠慮してあまり来なくなったりするんですもの。
来年も斜め挿しの効果は薄いかもしれません。
それにしても、ホバリングの様子をバッチリカメラに収められて、様子が良く分かり素晴らしい記録です。
部屋の中からホバリングにも必死でカメラを向けたのですが、ボケボケでどうにもなりませんでした。
by とんとん (2013-03-07 18:58)
とんとんさんのお蔭でこの記事が出来ました。
リンクもお許しいただき、ありがとうございました。
教えていただいたミカンの斜め挿しを真似たのですが、とんとんさんのお庭と夕菅庭とは正反対の結果が出てしまいました。
私もかわいいメジロが見たかったのに、勇壮果敢なヒヨドリに独り占めされたのです。
その様子はガラス戸越しに数メートル北にある食卓に肘をついて写すことができました。
鳥撮り名人のとんとんさんに褒めていただいてありがたいのですが、実はこれらはカメラがオートで撮ってくれた画像で、私は鳥影に向けてシャッターを押しただけ、お恥ずかしい次第です。
それにしてもとんとんさんのお庭のヒヨさんは本当にやさしいですね。
ミカンを舐めるように食べたのはヒヨドリかどうか、確証はありません。
でも私はそう思っています。次は自動カメラ?(笑)。
by 夕菅 (2013-03-07 22:10)
ボサボサ頭のヒヨドリさん。あの手この手で、、、、頑張られましたね。(面白がって?)勝負あった、ヒヨドリの勝ちでした。
私も、とんとんさんに習って、同じように試してみました。来た来たメジロのつがいが、、、。でもすぐヒヨドリに見つかってしまい、苦戦はしていましたが、やはり皮だけ残してお行儀よく完食でした。
ヒヨドリもいろいろですか。たくましいのやら、すぐあきらめるのやら、、、。性格があるかもしれませんね。
かごを使って捕獲を試みた人も、、、。ヒヨドリは近くには寄ってくるのですが入ろうとしない。そのうちメジロのつがいが仲良く入った話など。
人間に嫌われている鳥たちは、いろいろ学習し、強く、賢くなっていくんですね。甘えん坊は可愛いですが、、、。強くなれない?
by 花咲かばあさん (2013-03-07 22:41)
面白い!面白い!!
ヒヨドリと夕菅さんの知恵比べ。完全に夕菅さんの負けですね(笑)
それにしても賢いヒヨドリ!
この素晴らしい生態写真は、どこかで役立つのではないかしらん?
貴重な記録ですよね。
今年は野鳥の飛来が多くありませんか?これまで見たことのなかったような鳥が飛んでいます。
by 703 (2013-03-07 22:44)
花咲かおばさんも試されたんですね。
両方見られてよかったこと!
メジロの巣ができるお庭だからきっと近くにメジロも常駐しているのでしょうね。やっぱりヒヨドリは完食!納得です!
私は完敗。
長い針金につけたときはちょっと意地悪し過ぎたかなと思っていたのですが、それでも完敗。もう次の手を考える気力も失せました。
シジュウカラを毎年観察している友人の話ではそれぞれ個性豊かでいろんな夫婦がいて面白いそうです。
ヒヨドリもいろいろなんでしょうね。
by 夕菅 (2013-03-08 00:25)
703さん 知恵比べ楽しんでいただいてありがとうございました(笑)。
このヒヨドリはとりわけ賢く、気力体力抜群のアスリートだったのでしょうか。
見ていても目にも止まらぬほどの機敏な動きを奇しくもカメラが記録してくれました。ハイビジョンなどで珍しい野生動物の生態がいくらでも見られる時代ですが、わざわざヒヨドリを撮る人はないかもしれませんね。
今年は野鳥が多いですか? こちらでは例年並みのようですが.......。
by 夕菅 (2013-03-08 00:48)
ヒヨドリの習性がよくわかりますね。
当方でもヒヨドリが多く、メジロを呼ぼうとしてミカンを置いても、きっとヒヨドリに取られてしまうでしょうね。
by 多摩NTの住人 (2013-03-10 09:48)
こうしてよく観察すると野鳥の行動も興味深いですね。それぞれの鳥の習性や思いがけない知恵のようなものが感じられて面白いです。それにしても、室内からよくもまあ鮮明に撮るものですね。いつもながら感心してみています。
by satton (2013-03-10 16:17)
多摩NTの住人 さん コメントありがとうございました。
多摩地方は野鳥が多いのではと思いますが、やっぱりヒヨドリ優勢なんですね。
これ以上ヒヨドリが増えると、花の被害が増すばかりですので、もう私はみかんは与えません(笑)!
by 夕菅 (2013-03-10 22:28)
satton さん 雪の方はもう大丈夫でしょうか。
こちらでは春がかけ足でやってきつつあります。
カラスの悪知恵は有名ですが、ヒヨドリも予想を超えた知恵者でした。
これらの写真は撮ったというより撮れたというものです。
sattonさん も是非一度お試し下さい。
意外に簡単と思われることでしょう。
by 夕菅 (2013-03-10 23:24)
しばらくご無沙汰しました。病院通いでいささか落ち着かないこの頃です。
ヒヨドリの根性に驚きました。これだけ努力されると、夕菅さんにも、ヒヨドリ君にも声援を送りたくなります。
わが家にやってくるヒヨドリはもう一つたちがわるく、毎日、玄関に上がる階段に糞をするのです。ちょうどその位置の上に電話の引き込み線があって、そこにとまって糞をするらしいのです。どうやらそこを自分のトイレと決めた奴がいるらしいのです。
2、3日放っておくと、糞だらけになるので、仕方なく掃除するのですが、乾いてこびりつくと、とれにくいこと、糞までしぶといから困りものです。
by エフ・エム (2013-03-15 17:45)
エフ・エム さん コメントありがとうございました。
病院通いたいへんですね。どうぞご無理なさいませんように。
私もまたのこの頃、ブログの更新が遅れます。
ヒヨドリは疎ましい鳥ですが、これだけの妙技を見せてくれるとさすあに「あっぱれ!」と言わざるを得ません。
それにしても糞害には憤慨しますね。
うちではそれはありませんが、マンリョウ、ナンテン、ビワなどがあっちこっちに生え過ぎて困ります。
by 夕菅 (2013-03-15 23:30)
ヒヨドリのドキュメンタリーを見ているようでおもしろかったです!笑ってしまいました(^o^)
それにしてもみかんへの執着はすごいですね。これをカメラに収める夕菅さんはもっとすごいですよね!
by MISIA (2013-03-31 00:14)
MISIA さん うちの(?)ヒヨドリすごいでしょ。
ヒヨドリのオリンピックがあったら推薦したいくらいです。
私などとてもとても足元にも及ばぬ優秀な鳥です。
但しこれが困るのです!
今年も楽しみにしていたヒメコブシの蕾をほとんど食べられてしまいました。泣き寝入りです。
もうミカンなんてあげません!
by 夕菅 (2013-03-31 09:54)