ヒメジュウジナガカメムシの越冬 [昆虫]
ヒメジュウジナガカメムシの越冬
多忙多難だった師走、まさにその最終日になってしまいました。
たまたまこのブログの記事はあと一つで200になります。
今年最後の記事を追加してぴったり新年を迎えようと最後の追い込みです(笑)。
11月6日、フウセントウワタに住み着いたヒメジュウジナガカメムシについて記載しましたが、その後もこのカメムシ達はどこで越冬するのか、とても気になっていました。
思わぬ寒波に見舞われた当地の12月、カメムシ達はどうなったか、今日はその経過を報告したいと思います。
今年ヒメジュウジナガカメムシを発見したのは10月2日。
10月下旬になると、カメムシ達はフウセントウワタの果実2〜3個と葉とで囲まれた隙間に3群に分かれて潜り込み、外からは見えなくなりました。
11月14日、そうっと枝を回して裏を見ると数は減ったもののまだ群居していました。
一方、フウセントウワタは11月下旬になると果実が紅く変色するものもありました。
ついに破裂したものもあります(11月25日)。
しかし待望の綿毛付きの種子は飛び出さず、白く乾いてしまいました(12月6日)。
おやおや? こうしてみると白い恐竜のように見えますね。
果実が裂けたフウセントウワタの茎には運悪くアブラムシがびっしり寄生しています。
両者から栄養分を吸われて結実できなくなってしまったのでしょうか。
12月とは思えぬ寒い日々、次第にヒメジュウジナガカメムシの数が減っていきます。
下に落ちていまいかと探しても落下した様子は見られません。
時々群れから離れて一人逍遥する(?)カメムシもいます。
翅を開きかけて、あ、飛ぶ?と思ったこともありましたが、すぐ畳んでしまいました。
やはり、ヒメジュウジナガカメムシも飛べるのですね。
確かに今までいたのにちょっと目を離した途端、何かが飛んだ影を見たことがあります。
この子がそうでした。
やはり翅を拡げて飛んでいってしまったのでしょう。
さてどこへ? また一カ所に集れるのでしょうか?
かくして一番奥の群れを残してあとの二つの群は消えてしまいました。
12月9日夜、思いがけなく早くも初雪、約10cm積もりました。
翌朝フウセントウワタはぐにゃりと曲がって地面に届いていました。
あわてて雪を払いましたが、元には戻れません。
支柱を建てて起こしてもらいました。
カメムシたちがいた枝は特に強くうなだれていて、紐で茎を持ち上げられました。
それでもカメムシ達はじっと隙間に潜んでおとなしくしていました。
右側の果実に1匹いますね。
雪の日から1週後、カメムシ達の様子が変なのに気付きました。
数匹が外へ出てうろうろと歩き回っていました。
ふと見ると、その枝の葉がしおれています。たどってみると枝が折れていました。
カメムシ達も寄生主が枯れていくのに気付いて慌てたのでしょうか。
茎は丈夫な皮だけで繋がっていました。
切り離して下に置いてもカメムシ達は飛び立ちません。
上部を拡大してみますと、むしろ、奥に隠れるように群れていることがわかります。
カメムシ達を驚かさないよう、枝ごとまだ元気そうな枝におんぶさせるように結わえました。
さて、カメムシ達はどうしたでしょう?
はい、作戦成功。私のもくろみ通り、その下の元気な果実に転居しました。
今日は今年の最終日、カメムシ達はまだいるのでしょうか。
まだしおれた枝もつけたままで数個の果実がかたまっています。
左手で果実をそっと持ち上げて、右手でカメラを支えながらシャッターを押します。
ボケ画像ですが生存確認のため添えておきます。
下側です。
急に光が入ってカメムシ達は驚いているようです。
でもいつものことながらすぐ飛び立つ気配はありません。
上下に分かれましたが10匹は数えられました。
初めは20〜30匹くらいの群れが3つありましたから激減ではありますが、夏に吸汁した食草でそのまま越冬したヒメジュウジナガカメムシがいたことを記録しました。
越冬中のカメムシはフウセントウワタのミルク摂取可能ながら、ほとんど吸汁していないようです。そのため重なるように身を寄せ合っているカメムシの周りには排泄物はなくいつもきれいです。
まださらに大寒を越し、春を迎えなければ越冬したことにはならないでしょうが、ここで初雪や −4℃に耐えられたのですから、ヒメジュウジナガカメムシはかなり耐寒性があるようです。
いつも暖かいコメントをお送りいただく方々に感謝しながら、200番目の記事を閉じます。
どうぞよいお年をお迎え下さい。
多忙多難だった師走、まさにその最終日になってしまいました。
たまたまこのブログの記事はあと一つで200になります。
今年最後の記事を追加してぴったり新年を迎えようと最後の追い込みです(笑)。
11月6日、フウセントウワタに住み着いたヒメジュウジナガカメムシについて記載しましたが、その後もこのカメムシ達はどこで越冬するのか、とても気になっていました。
思わぬ寒波に見舞われた当地の12月、カメムシ達はどうなったか、今日はその経過を報告したいと思います。
今年ヒメジュウジナガカメムシを発見したのは10月2日。
10月下旬になると、カメムシ達はフウセントウワタの果実2〜3個と葉とで囲まれた隙間に3群に分かれて潜り込み、外からは見えなくなりました。
11月14日、そうっと枝を回して裏を見ると数は減ったもののまだ群居していました。
一方、フウセントウワタは11月下旬になると果実が紅く変色するものもありました。
ついに破裂したものもあります(11月25日)。
しかし待望の綿毛付きの種子は飛び出さず、白く乾いてしまいました(12月6日)。
おやおや? こうしてみると白い恐竜のように見えますね。
果実が裂けたフウセントウワタの茎には運悪くアブラムシがびっしり寄生しています。
両者から栄養分を吸われて結実できなくなってしまったのでしょうか。
12月とは思えぬ寒い日々、次第にヒメジュウジナガカメムシの数が減っていきます。
下に落ちていまいかと探しても落下した様子は見られません。
時々群れから離れて一人逍遥する(?)カメムシもいます。
翅を開きかけて、あ、飛ぶ?と思ったこともありましたが、すぐ畳んでしまいました。
やはり、ヒメジュウジナガカメムシも飛べるのですね。
確かに今までいたのにちょっと目を離した途端、何かが飛んだ影を見たことがあります。
この子がそうでした。
やはり翅を拡げて飛んでいってしまったのでしょう。
さてどこへ? また一カ所に集れるのでしょうか?
かくして一番奥の群れを残してあとの二つの群は消えてしまいました。
12月9日夜、思いがけなく早くも初雪、約10cm積もりました。
翌朝フウセントウワタはぐにゃりと曲がって地面に届いていました。
あわてて雪を払いましたが、元には戻れません。
支柱を建てて起こしてもらいました。
カメムシたちがいた枝は特に強くうなだれていて、紐で茎を持ち上げられました。
それでもカメムシ達はじっと隙間に潜んでおとなしくしていました。
右側の果実に1匹いますね。
雪の日から1週後、カメムシ達の様子が変なのに気付きました。
数匹が外へ出てうろうろと歩き回っていました。
ふと見ると、その枝の葉がしおれています。たどってみると枝が折れていました。
カメムシ達も寄生主が枯れていくのに気付いて慌てたのでしょうか。
茎は丈夫な皮だけで繋がっていました。
切り離して下に置いてもカメムシ達は飛び立ちません。
上部を拡大してみますと、むしろ、奥に隠れるように群れていることがわかります。
カメムシ達を驚かさないよう、枝ごとまだ元気そうな枝におんぶさせるように結わえました。
さて、カメムシ達はどうしたでしょう?
はい、作戦成功。私のもくろみ通り、その下の元気な果実に転居しました。
今日は今年の最終日、カメムシ達はまだいるのでしょうか。
まだしおれた枝もつけたままで数個の果実がかたまっています。
左手で果実をそっと持ち上げて、右手でカメラを支えながらシャッターを押します。
ボケ画像ですが生存確認のため添えておきます。
下側です。
急に光が入ってカメムシ達は驚いているようです。
でもいつものことながらすぐ飛び立つ気配はありません。
上下に分かれましたが10匹は数えられました。
初めは20〜30匹くらいの群れが3つありましたから激減ではありますが、夏に吸汁した食草でそのまま越冬したヒメジュウジナガカメムシがいたことを記録しました。
越冬中のカメムシはフウセントウワタのミルク摂取可能ながら、ほとんど吸汁していないようです。そのため重なるように身を寄せ合っているカメムシの周りには排泄物はなくいつもきれいです。
まださらに大寒を越し、春を迎えなければ越冬したことにはならないでしょうが、ここで初雪や −4℃に耐えられたのですから、ヒメジュウジナガカメムシはかなり耐寒性があるようです。
いつも暖かいコメントをお送りいただく方々に感謝しながら、200番目の記事を閉じます。
どうぞよいお年をお迎え下さい。
2012-12-31 22:54
コメント(6)
あけましておめでとうございます。
最後の追い込みに成功して、200号達成も、おめでとうございます。
200号もまた素晴らしいカメムシの観察記録でした。
これからの本格的な寒さに耐えて、夕菅さんの思い入れたっぷりのカメムシたちが、無事に春を迎えることができますように!
次のレポートも楽しみにしています。
昨年は素敵な思い出をいっぱいいただきました。
今年もまたよろしくお願いいたします。
by 703 (2013-01-01 14:25)
703さん 明けましておめでとうございます。
今、西伊豆に来ています。孫に惹かれてはるばると!
宿の部屋にipadが備えてありましたので、なんとか返信をと初体験中です。
新幹線の窓から富士山がとてもきれいでした。
この辺りは白ビワの産地だそうで、大きなビワの木が目につきます。
私の方こそ、今年もとうぞよろしくお願いします。
by 夕菅 (2013-01-01 23:31)
あけましておめでとうございます。
元日、2日は日がさして、穏やかな正月です。
冬にもこんなきれいなカメムシが見られるとは、いいですね。ヒメジュウジナガカメムシとフウセントウワタは、冬でもいい間柄なのですね。
本年もよろしくお願いします。
by エフ・エム (2013-01-02 13:08)
明けましておめでとうございます。
昨年はいろいろと勉強させていただきまして有り難うございました。
今年もどうぞ宜しくお願い致します。
by 多摩NTの住人 (2013-01-02 14:56)
エフエムさん 明けましておめでとうございます。
穏やかなお正月、今年はこのまま穏やかに過ごせますよう祈っています。
昆虫たちの観察はほやほやの初心者ですからおぼつかないのですが、このカメムシには惹かれてまだいるのかしらとつい覗きにいってしまいます。
エフエムさんは植物にも昆虫にもお詳しいので、教わることばかりです。
どうぞ今年もよろしくお願いいたします。
by 夕菅 (2013-01-02 17:17)
多摩NTの住人さん 明けましておめでとうございます。
いつもたくさんの植物情報を提供していただきありがとうございます。
更新が迅速で、お仕事とマラソンも頑張っていらしゃることに圧倒されます。
本年もどうぞよろしくお願いします。
by 夕菅 (2013-01-02 17:55)