オオスカシバ・ホシホウジャク・ホシヒメホウジャク [昆虫]
庭を訪れたスズメガ科 ホウジャク亜科のうち3種をまとめてみます。
オオスカシバ(大透翅)
開張 50-70mm
初めてこの蛾が飛び交うのを見た時、これがハチドリというものかと思いました。
透明な翅と美しい色合いの腹部、スピード感あふれる動き。
まさか、これが蛾であるとはとても思えませんでした。
ホバリングしながら長い口吻を伸ばして蜜を吸います。
動きが早くて写真がなかなか撮れません。
ピンぼけですが口吻をリング状に巻いてニンジンボクの花に向うところです。
木陰で休憩中(?)のオオスカシバ。
羽化直後は翅に鱗粉がありますが、一度飛行すると鱗粉の殆どが脱落するそうです。
腹部は若草色、赤銅色、キハダ色に黒があしらわれて民芸調の織物のように美しい。
横からみるとカエルに翅を付けたようで、笑いたくなる愛嬌者。
(訂正:初め、オオスカシバとホシホウジャクの食草を逆に記載してしまいました。 訂正します。すみません。2012.9.7.)
オオスカシバの幼虫の食草はクチナシ。花も実も美しい低木常緑樹です。
庭にもありますから、このオオスカシバは庭で育ったのかもしれません。
一重のクチナシ。
八重咲きのクチナシ。
バラのような美しい花ですが、果実はできません。
ホシホウジャク(星蜂雀)
開張 40-50mm
ホシホウジャクも地味ながら褐色調でシックにまとめた美しい蛾だと思います。
チェリーセージの花の蜜を吸いながら開張したホシホウジャク。
後翅の橙黄色と腹部下部の白帯が特徴です。
こんなに派手な赤い花ではなく、白やブルーの花で撮りたかった姿です。
ホバリングしながらホトトギスの花の蜜を吸うホシホウジャク。
羽ばたきながら、細くて長い口吻を蜜が貯まった距の部分に上手に差し込みます。
吸蜜中。飛行船のようにずんぐりした体がほぼ静止しています。
動きが早くて翅は殆ど写っていません。
(ホシホウジャクの1枚目の写真と3枚のホトトギス吸蜜画像は「ホトトギスとホウジャク」に用いた写真を再編集したものです。)
次の芋虫はホシホウジャクの終齢幼虫ではないかと思います。
ホシホウジャクの幼虫は個体差があって鑑別がむつかしいですね。
間違っていましたらお教えいただければ幸いです。
ホシヒメホウジャク(星姫蜂雀)
開張 35-40mm
初め見た時、ホシホウジャクが萎びたのかと驚きました。
でもこれは初めから翅に凹凸があり、腹部にも格子模様があります。
どう見ても姫とは見えず、むしろ老女に見えるのですが、ホシホウジャク より小さいということから付けられた名前でしょうか。
黒っぽくて地味ですが後翅には黄色い紋があり、開張するときれいです。
これらホシホウジャク・ホシヒメホウジャクの幼虫の食草はヘクソカズラの葉、これも庭の常連です。
大事な植物に巻き付き、葉に触れれば臭い。
一般には嫌われ者ですが、花は可憐で美しい。
オオスカシバ(大透翅)
開張 50-70mm
初めてこの蛾が飛び交うのを見た時、これがハチドリというものかと思いました。
透明な翅と美しい色合いの腹部、スピード感あふれる動き。
まさか、これが蛾であるとはとても思えませんでした。
ホバリングしながら長い口吻を伸ばして蜜を吸います。
動きが早くて写真がなかなか撮れません。
ピンぼけですが口吻をリング状に巻いてニンジンボクの花に向うところです。
木陰で休憩中(?)のオオスカシバ。
羽化直後は翅に鱗粉がありますが、一度飛行すると鱗粉の殆どが脱落するそうです。
腹部は若草色、赤銅色、キハダ色に黒があしらわれて民芸調の織物のように美しい。
横からみるとカエルに翅を付けたようで、笑いたくなる愛嬌者。
(訂正:初め、オオスカシバとホシホウジャクの食草を逆に記載してしまいました。 訂正します。すみません。2012.9.7.)
オオスカシバの幼虫の食草はクチナシ。花も実も美しい低木常緑樹です。
庭にもありますから、このオオスカシバは庭で育ったのかもしれません。
一重のクチナシ。
八重咲きのクチナシ。
バラのような美しい花ですが、果実はできません。
ホシホウジャク(星蜂雀)
開張 40-50mm
ホシホウジャクも地味ながら褐色調でシックにまとめた美しい蛾だと思います。
チェリーセージの花の蜜を吸いながら開張したホシホウジャク。
後翅の橙黄色と腹部下部の白帯が特徴です。
こんなに派手な赤い花ではなく、白やブルーの花で撮りたかった姿です。
ホバリングしながらホトトギスの花の蜜を吸うホシホウジャク。
羽ばたきながら、細くて長い口吻を蜜が貯まった距の部分に上手に差し込みます。
吸蜜中。飛行船のようにずんぐりした体がほぼ静止しています。
動きが早くて翅は殆ど写っていません。
(ホシホウジャクの1枚目の写真と3枚のホトトギス吸蜜画像は「ホトトギスとホウジャク」に用いた写真を再編集したものです。)
次の芋虫はホシホウジャクの終齢幼虫ではないかと思います。
ホシホウジャクの幼虫は個体差があって鑑別がむつかしいですね。
間違っていましたらお教えいただければ幸いです。
ホシヒメホウジャク(星姫蜂雀)
開張 35-40mm
初め見た時、ホシホウジャクが萎びたのかと驚きました。
でもこれは初めから翅に凹凸があり、腹部にも格子模様があります。
どう見ても姫とは見えず、むしろ老女に見えるのですが、ホシホウジャク より小さいということから付けられた名前でしょうか。
黒っぽくて地味ですが後翅には黄色い紋があり、開張するときれいです。
これらホシホウジャク・ホシヒメホウジャクの幼虫の食草はヘクソカズラの葉、これも庭の常連です。
大事な植物に巻き付き、葉に触れれば臭い。
一般には嫌われ者ですが、花は可憐で美しい。
2012-09-05 22:06
コメント(12)
どれも庭でよく出合う蛾ですが、写真にアップされると美しい模様ですね?!
オオスカシバを、庭ができたばかりの頃、夫と娘がハチドリだと喜んで、写真をいっぱい撮っていたのを思い出しました。私は「違うよ。蛾よ」と冷たく言って、水をさしたものですが(笑)
ヘクソカズラは何とも可哀想な名前ですが、嫌われても当然かな?!
これが巻き付くと木も枯れてしまいます。・・・・と書きながら、覆いつくすまで手入れをしないのが原因で、全てヘクソカズラのせいではないのかもと、反省。実は山の畑のハッサクの木が、ヘクソカズラに覆われて枯れ死するのを見ていたものですから。
by 703 (2012-09-06 13:18)
703さんのお庭も無消毒だからこれらの蛾は常連でしょうね。
ヘクソカズラは花を愛でて見逃しているとたいへんなことになります。
根から抜こうとしても簡単には抜けなくて、根が残り易い構造。
そこからまた再生して絡みつつ繁ると大切な植物を枯らすことがよくあります。
ハッサクの木まで枯れたんですか!それでは 嫌いになりますね。
by 夕菅 (2012-09-06 18:11)
空中でホバリングしているオオスカシバを撮るなんてすごいですね。口吻をリング状に巻いている様子がよくわかります。昆虫らしくない愛嬌のある顔ですね。そっくりな顔の小さな海水魚を育てたことがあります。
by satton (2012-09-06 18:52)
satton さん ホウジャクの仲間は飛ぶ時、時速50kmほどにもなるそうですね。でもホバリングしつつ吸蜜しているときは殆ど静止しているかの様に見えることもあります。
本当はもっとピントが合った写真を載せたいのですが、その技術無くただ偶然任せです。
こんな顔の海水魚もいるのですか?
by 夕菅 (2012-09-06 22:50)
一枚目の写真はすごいタイミングですね。
こういうのは初めて見ました。
口吻と言うんですか。
見ているほうが興奮してしまいます。
by 多摩NTの住人 (2012-09-07 08:12)
オオスカシバは不思議な蛾ですね。羽化直後はちゃんと翅に鱗粉が着いているのに、翅を細かくふるわして、鱗粉を落としてしまうというのがなんとも普通じゃないです。蜂への擬態のためでしょうか。
羽化直後の映像をyou tubeに見つけましたので、ご参考のため。
http://www.youtube.com/watch?v=IotwF9LT4z4
とんとんさんのブログ記事へのコメントにも書いたのですが、オオスカシバというと、庭のクチナシをこの幼虫にあっというまに丸坊主にされ(わずか1日か2日)、それが原因でクチナシを枯らしてしまった思い出があります。それ以来、要注意の虫になりました。
by エフ・エム (2012-09-07 12:04)
多摩NTの住人 さん、コメントありがとうございました。
あの画像はマクロレンズをつけたままのカメラのシャッターを咄嗟に押しただけ、たまたま写っていたというお粗末なものです。
オオスカシバの口吻は2cmほど、ホシホウジャクのは倍くらい長いそうです。
検索すると、本当に興奮するような見事な口吻の写真を撮っていらっしゃる方もありますよ。
by 夕菅 (2012-09-07 14:30)
エフ・エムさん、コメントありがとうございました。
オオスカシバ → クチナシ えっ? はたと気付きました。
どこでどう間違ったのか、食草を逆に記載してしまっていたのです。
たいへん! 訂正しようとしたら、パソコン不調。 焦りました!
お蔭様で何とか訂正して上下反対にできました。
羽化直後の映像、ご紹介いただきましてありがとうございました。
お尻をぷっと膨らませて、残りの体液を排泄する場面、びっくりしました。
クチナシを枯らしてしまったオオスカシバの幼虫、やはり許しがたいですね。
by 夕菅 (2012-09-07 15:39)
流線型の蛾ですから勇ましいですよね。
カラスウリの花の開く夕暮れ時に頭の上でブンブンされた時には、同じく「これぞハチドリ?!」、いやいやこんなところにはいないはずと、忘れられない出会いです。
目玉がお魚っぽいし、尾にはぴらぴらが。
翅があるからトビウオっぽくもあるし。
組み合わせが何とも。
胴体をプニュプニュ触ってみたい気もします。
翅を閉じたホウジャクは見たことがありません。
夕菅さんのお庭では、珍しい蛾が沢山やってくるばかりでなく、生まれて育って花も咲いてと、楽園ですね。
by とんとん (2012-09-11 09:44)
とんとん さんのクサギの記事で見たオオスカシバ、そう、私も同じような写真を撮っていたんだと思い出しました。
そして近縁の3種をまとめて備忘録としようとしたのですが、どっこい、食草を逆にしてしまったことに後で気付き大慌てしました(笑)。
3種の中ではやはりオオスカシバが一番かわいく魅力的ですね。
庭が無農薬だということを昆虫達は察知するのでしょうか?
いろいろ来てくれることは嬉しいのですが、時には招からざる客に悩まされます。
by 夕菅 (2012-09-11 12:27)
蛾のなかまはあまりかわいいとは思わないのですが、ホバリングしながら花の蜜を吸うこのホウジャクの仲間は親近感があります。
へぇ~ こんなにかわいい目をしているんですね。
横からみるとカエルに翅を付けたよう・・・まさにそんな感じで、笑ってしまいましたよ♪♪
by なかなか (2012-09-11 19:06)
なかなか さん 嬉しいコメント、ありがとうございました。
蛾の中ではこれらのホウジャクはやはり別格ですね。
この間はクマバチとオオスカシバがお互いに牽制しながらサルビアの蜜を吸っていました。良い勝負で楽しい見物でしたが、共に動きが早過ぎてカメラには写せません。
オオスカシバの横顔、何度見ても笑えます。ドラエモンの世界に誘われるようです。
by 夕菅 (2012-09-11 22:05)