キレンゲショウマ [草花(夏)]
キレンゲショウマ 黄蓮華升麻
アジサイ科 キレンゲショウマ属(←ユキノシタ科)の多年生草本
学名:Kirengeshoma palmata
草丈:1m前後
分布:四国(石鎚山・剣山など)紀伊半島(大峰山)、九州。
朝鮮半島南部、中国東部にも隔離分布。
1890年、東京大学植物学初代教授・矢田部良吉博士がキレンゲショウマ属として発表。
これは日本人が最初に発表した記念すべき属であり、1属1種。
キレンゲショウマは1998年宮尾登美子著「天涯の花」が刊行されてから突如脚光を浴びるようになった花です。それによればこの花は剣山にしか咲かないとのことでした。
しかし、意外にも宿根草を扱う通販店から容易に苗を入手でき、この猛暑の愛知県の庭先で花をみることができました。各地の植物園や公園、愛好家の庭にも咲いているようです。
( ↑ ぼけていますがこの花の雰囲気が伝わりそうなので追加しました。)
7月14日、今年の初花が咲きました。植えて3年目、毎年少しは咲いています。
花は約3cm、花冠はラッパ状に開いています。
植えた場所は2010年、シダを撤去した日陰の庭、その中でも朝だけは陽が当たる東の軒下。
足元にはヒトリシズカやスミレ、奥にはクリスマスローズという環境。
4月モミジのような蒼白い若葉が出てきました。勢い良く成長します。
学名の palmata とは掌のようなという意味。葉の形から付けられたのでしょう。
葉は対生、下部の葉には長い柄があります。下部のものには長い柄があるも,上部のものはほとんど無柄。葉の長さ・幅は共に10~20cm。
柔らかい美味しそうな葉だと思っていたら、案の定、たちまち、葉に穴があきました。
犯人は?
見つけました! クロウリハムシです。
緑色の幼虫もいます。
5月2日、小さな蕾を発見。
葉は日毎に穴が増えていきます。
一方、緑色の蕾はなかなか大きくなりません。
2か月かかって蕾が膨らんで黄色くなってきました。
やっと静かに開花です!花は慎ましやかにうつむいたまま咲きます。
そっと指で持ち上げて、花の奥を覗いてみます。
厚ぼったい花弁が5枚、中に雄しべの葯が見えます。
早速虫がやってきました。ニホンチュウレンジ?
蜜を求めて入ると、おや、もう先客あり。
花は夜は萎むのでしょうか?
一昨年、初花を深夜に撮った写真です。
むしろ昼間より花弁が開いている感じです。中心に雌しべの花柱3本、そのまわりを若い雄しべ15本が取り巻いています。
虫は葉だけではなく花も食べてしまいます。
一昨年はせっかくの蕾が早々とクロウリハムシに食べられました。
昨年はさらに被害甚大でした。
蕾に次々と穴が開き、変色していきます。
一体何の仕業でしょう。画面中央の褐色の棒は?
何と尺取り虫! これも犯人だったのでしょう。
昨年はまともな花を見ることができないまま、落花してしまいました。
花冠は3〜4日で筒状のまま落ちます。集散花序。
球状の蕾が次第に俵型になってラッパ状に開花します。一花づつ、ゆっくりゆっくり。
今日までの2週間でまだ3花、開いたところです。
雌しべの花柱が3本づつ残っています。
過去2年、果実は見ていません。
この画像は2009年9月20日、六甲高山植物園で撮った果実です。
3本の花柱はまだ残っていて、アンテナを張っているかのように開いています。
キレンゲショウマの花がたくさん咲いている写真を撮りたかったのですが、3年目の今年もこんな具合で開花は揃いません。
この花は葉も花も見るからに美味しそうですから、昆虫の害が大きいのでしょう。またシカにも好かれるようです。
朝日百科植物の世界には剣山での幽玄な写真が掲載されていますが、やはり葉にはところどころ穴が開いていました。
アジサイ科 キレンゲショウマ属(←ユキノシタ科)の多年生草本
学名:Kirengeshoma palmata
草丈:1m前後
分布:四国(石鎚山・剣山など)紀伊半島(大峰山)、九州。
朝鮮半島南部、中国東部にも隔離分布。
1890年、東京大学植物学初代教授・矢田部良吉博士がキレンゲショウマ属として発表。
これは日本人が最初に発表した記念すべき属であり、1属1種。
キレンゲショウマは1998年宮尾登美子著「天涯の花」が刊行されてから突如脚光を浴びるようになった花です。それによればこの花は剣山にしか咲かないとのことでした。
しかし、意外にも宿根草を扱う通販店から容易に苗を入手でき、この猛暑の愛知県の庭先で花をみることができました。各地の植物園や公園、愛好家の庭にも咲いているようです。
( ↑ ぼけていますがこの花の雰囲気が伝わりそうなので追加しました。)
7月14日、今年の初花が咲きました。植えて3年目、毎年少しは咲いています。
花は約3cm、花冠はラッパ状に開いています。
植えた場所は2010年、シダを撤去した日陰の庭、その中でも朝だけは陽が当たる東の軒下。
足元にはヒトリシズカやスミレ、奥にはクリスマスローズという環境。
4月モミジのような蒼白い若葉が出てきました。勢い良く成長します。
学名の palmata とは掌のようなという意味。葉の形から付けられたのでしょう。
葉は対生、下部の葉には長い柄があります。下部のものには長い柄があるも,上部のものはほとんど無柄。葉の長さ・幅は共に10~20cm。
柔らかい美味しそうな葉だと思っていたら、案の定、たちまち、葉に穴があきました。
犯人は?
見つけました! クロウリハムシです。
緑色の幼虫もいます。
5月2日、小さな蕾を発見。
葉は日毎に穴が増えていきます。
一方、緑色の蕾はなかなか大きくなりません。
2か月かかって蕾が膨らんで黄色くなってきました。
やっと静かに開花です!花は慎ましやかにうつむいたまま咲きます。
そっと指で持ち上げて、花の奥を覗いてみます。
厚ぼったい花弁が5枚、中に雄しべの葯が見えます。
早速虫がやってきました。ニホンチュウレンジ?
蜜を求めて入ると、おや、もう先客あり。
花は夜は萎むのでしょうか?
一昨年、初花を深夜に撮った写真です。
むしろ昼間より花弁が開いている感じです。中心に雌しべの花柱3本、そのまわりを若い雄しべ15本が取り巻いています。
虫は葉だけではなく花も食べてしまいます。
一昨年はせっかくの蕾が早々とクロウリハムシに食べられました。
昨年はさらに被害甚大でした。
蕾に次々と穴が開き、変色していきます。
一体何の仕業でしょう。画面中央の褐色の棒は?
何と尺取り虫! これも犯人だったのでしょう。
昨年はまともな花を見ることができないまま、落花してしまいました。
花冠は3〜4日で筒状のまま落ちます。集散花序。
球状の蕾が次第に俵型になってラッパ状に開花します。一花づつ、ゆっくりゆっくり。
今日までの2週間でまだ3花、開いたところです。
雌しべの花柱が3本づつ残っています。
過去2年、果実は見ていません。
この画像は2009年9月20日、六甲高山植物園で撮った果実です。
3本の花柱はまだ残っていて、アンテナを張っているかのように開いています。
キレンゲショウマの花がたくさん咲いている写真を撮りたかったのですが、3年目の今年もこんな具合で開花は揃いません。
この花は葉も花も見るからに美味しそうですから、昆虫の害が大きいのでしょう。またシカにも好かれるようです。
朝日百科植物の世界には剣山での幽玄な写真が掲載されていますが、やはり葉にはところどころ穴が開いていました。
2012-07-29 23:59
コメント(12)
おや、クロウリハムシですね。
私は、見つけ次第踏み付けの刑、です。
キキョウとナデシコ類がひどく食べ荒らされますので許せません。
逃げ足が速く、飛ぶ、落ちる、など知恵もありますでしょう!
生態を観察する余裕は今のところありません(~_~;)
by ミセスサニー (2012-07-30 21:13)
音に聞くキレンゲショウマですね!
写真がいいからでしょうか、花色も花びらの開き加減も、気品がありますね。つぼみも愛らしいし。
それを台無しにしてしまう虫の憎たらしさよ!
by 703 (2012-07-30 22:01)
ミセスサニー さん、殺虫剤を一切用いず野菜や花を維持しようとすると害虫は刑に処するよりしようがないですね。
クロウリハムシはすぐ飛び立ってしまってなかなか掴まりません。
「飛ぶ、落ちるは常套手段」これは宿敵コガネムシやニジュウヤホシテントウも同じです。
そして私も昨日シロホトトギスを食べてしまったルリタテハの幼虫群団を島流しにしたばかりです。共存共栄にも限度がありますものね。
by 夕菅 (2012-07-30 22:26)
あ、何でもありーの703さんのお庭にもキレンゲショウマはまだなかったのですね。
山歩き不能になった時、一生見られないかもしれない花は自分の庭で見られないかと思って植えたたくなりました。
お蔭様でシラネアオイもキレンゲショウマも見ることができました。
でもやはり山の冷気の中で見たい花達、この環境では気の毒ですね。
精一杯想像力をかきたてて背景は剣山の岩場を設定しましょう。
たとえ1輪だけでも気品があって動じない花です。
by 夕菅 (2012-07-30 22:56)
キレンゲショウマは昨年日光植物園ではじめて見ました。花の色、かたちに特徴があって、よく憶えています。
でも、平地でも咲くというのは、ちょっと驚きです。なぜ限られた山地にしか生育しなかったのか、不思議ですね。しかも絶滅危惧Ⅱ類。
虫も珍品にありつけて、うれしそうに見えます。
by エフ・エム (2012-08-01 14:53)
エフ・エム さん、コメントありがとうございました。
険しい山路を登った後でキレンゲショウマの群生に出会えたら、やはり神々しく見えるのではないかと思えます。
一花でも見られたらとの思いで植えてみたのですが、この場所は気に入ってもらえたようです。但し、生垣の北側に植えたもう1株は芽は出て30cmくらいには育ちますが、蕾はできません。
これだけ虫に好かれますから植物園では薬剤散布をするのでしょうね。
by 夕菅 (2012-08-01 18:16)
キレンゲショウマは剣山の険しい山路を登ってようやく出会える神秘的な花ですね。通販で手に入るようですので、耐寒性がクリアされれば育ててみたい気がします。
by satton (2012-08-03 13:24)
satton さん、キレンゲショウマはかなり耐寒性があると思いますが、こちらでは−4℃くらいまでですから、北海道ではどうかはわかりません。
でも北海道でもキレンゲショウマが咲いたら楽しいですね。
by 夕菅 (2012-08-03 18:50)
こんにちは。
キレンゲショウマを育てていらっしゃるんですね。
とても魅力的な花ですよね。
by 多摩NTの住人 (2012-08-03 21:48)
多摩NTの住人 さん コメントありがとうございました。
多摩NTの住人 さんも7月20日に東京薬科大自然観察路の「キレンゲショウマ」をのせていらしたんですね。見落としていました。
やはり、わざわざ剣山まででも見に行きたくなりそうな花ですね。
by 夕菅 (2012-08-03 23:06)
キレンゲショウマの葉っぱの形、う~ん、どこかで見た様な。。。
キョウガノコとかシラネアオイを思い出しました。
キレンゲショウマは紫陽花科なのですね。
花が終わっても、萼が奇麗に残って雌蕊が突き出て。
レンゲショウマとは違いますね。
by とんとん (2012-08-06 10:48)
とんとん さん、芽吹いてすぐ広がるモミジのような葉はとても美しく魅力的です。
葉はどちらかといえばスイフヨウに似ているかもしれません。
黄色い蕾の状態が長く待ち遠しい開花でしたが、今また次の花を待っているところです。雌しべが残るのも面白いですね。
キンポウゲ科のレンゲショウマとは共通点が少ないように思いますが、偉大なる矢田部良吉博士は何故、そう名付けられたのでしょう?
by 夕菅 (2012-08-06 23:00)