ミツバチと盗蜜 [昆虫]
「盗蜜」は2年前スイカズラの蜜を吸うクマバチを追った時初めて知りました。
長い花筒の上から口吻を突き刺して、花粉に触れずに蜜を吸うのです。
しかしそのすぐ後、ひたすら真面目で勤勉だと思っていたミツバチの盗蜜を目撃しました。ミツバチもクマバチと同じくスイカズラやチェリーセージの蜜を横から吸い取っていました。
今年は晩秋の花、真紅のパイナップルセージにくるセイヨウミツバチの盗蜜をたくさん見ました。
(写真は全て画面をクリックすると大きくなります。)
けれどももっと驚いたのは先週のアニソドンテアの盗蜜です。
通常ハナバチ達は花にやってくると蜜の在処を探します。
11月中旬、花一杯のアニソドンテアに多くのセイヨウミツバチが訪れていました。
蜜を求める昆虫達を導くのは蜜標。
花の奥にあるオレンジ色の斑点が蜜のある場所を教える蜜標(ガイドマーク)のようです。
見つけました。口吻を差し込んで吸蜜です。このとき背中に花粉が付きます。
逆さになって頭を突っ込んで頑張ってます。
吸蜜後のミツバチの背は花粉がいっぱい、ポリネーター(送粉昆虫)となりました。
おや、このミツバチはまっしぐらに花の後に飛び降りましたよ。
たちまち、口吻を差し込んで吸蜜!
このミツバチは裏から萼の間を刺せば容易に蜜が吸えることを知っているようです。
花粉には触れませんから、花にとっては盗蜜、益のない迷惑行為でしょう。
盗蜜をするミツバチの背は花粉もつかず黒っぽく見えます。盗蜜専門なのでしょう。
一方、蜜ではなく花粉を集めるミツバチもいました。
花粉集めに大童。
後肢の花粉かごには灰色の花粉団子もできています。
一花定員一匹、残念先客あり!
花の少なくなった11月、咲き続けるアニソドンテアにミツバチ達が集ってきていました。
しかし平開するアニソドンテアの花での盗蜜には驚きました。
やはり賢いミツバチは能率よく蜜を集める方法を学習したのでしょう。
このとき見たミツバチは3タイプありました。
1)正面から蜜を吸い、全身に花粉をつけて花から花へ運ぶミツバチ
2)花粉を集め花粉団子をつくるミツバチ(他の花への花粉の送付は最多)
3)花の背面から盗蜜するミツバチ(送粉なし)
短い観察では蜜と花粉の両方を集めてから巣に帰るのか、分業でどちらかだけでいいのかはわかりませんでした。
花粉は幼虫のタンパク源になります。
蜜も腹部の蜜胃に溜めて巣に持ち帰られ、巣で働くミツバチのエネルギー源にもなり、余りは巣房に蓄えられます。
ミツバチ達は近づく冬を前に蜜や花粉を懸命に集めているのでしょう。
長い花筒の上から口吻を突き刺して、花粉に触れずに蜜を吸うのです。
しかしそのすぐ後、ひたすら真面目で勤勉だと思っていたミツバチの盗蜜を目撃しました。ミツバチもクマバチと同じくスイカズラやチェリーセージの蜜を横から吸い取っていました。
今年は晩秋の花、真紅のパイナップルセージにくるセイヨウミツバチの盗蜜をたくさん見ました。
(写真は全て画面をクリックすると大きくなります。)
けれどももっと驚いたのは先週のアニソドンテアの盗蜜です。
通常ハナバチ達は花にやってくると蜜の在処を探します。
11月中旬、花一杯のアニソドンテアに多くのセイヨウミツバチが訪れていました。
蜜を求める昆虫達を導くのは蜜標。
花の奥にあるオレンジ色の斑点が蜜のある場所を教える蜜標(ガイドマーク)のようです。
見つけました。口吻を差し込んで吸蜜です。このとき背中に花粉が付きます。
逆さになって頭を突っ込んで頑張ってます。
吸蜜後のミツバチの背は花粉がいっぱい、ポリネーター(送粉昆虫)となりました。
おや、このミツバチはまっしぐらに花の後に飛び降りましたよ。
たちまち、口吻を差し込んで吸蜜!
このミツバチは裏から萼の間を刺せば容易に蜜が吸えることを知っているようです。
花粉には触れませんから、花にとっては盗蜜、益のない迷惑行為でしょう。
盗蜜をするミツバチの背は花粉もつかず黒っぽく見えます。盗蜜専門なのでしょう。
一方、蜜ではなく花粉を集めるミツバチもいました。
花粉集めに大童。
後肢の花粉かごには灰色の花粉団子もできています。
一花定員一匹、残念先客あり!
花の少なくなった11月、咲き続けるアニソドンテアにミツバチ達が集ってきていました。
しかし平開するアニソドンテアの花での盗蜜には驚きました。
やはり賢いミツバチは能率よく蜜を集める方法を学習したのでしょう。
このとき見たミツバチは3タイプありました。
1)正面から蜜を吸い、全身に花粉をつけて花から花へ運ぶミツバチ
2)花粉を集め花粉団子をつくるミツバチ(他の花への花粉の送付は最多)
3)花の背面から盗蜜するミツバチ(送粉なし)
短い観察では蜜と花粉の両方を集めてから巣に帰るのか、分業でどちらかだけでいいのかはわかりませんでした。
花粉は幼虫のタンパク源になります。
蜜も腹部の蜜胃に溜めて巣に持ち帰られ、巣で働くミツバチのエネルギー源にもなり、余りは巣房に蓄えられます。
ミツバチ達は近づく冬を前に蜜や花粉を懸命に集めているのでしょう。
2011-11-29 23:56
コメント(10)
ミツバチの生態はほとんど知りません。
動きが速いので何をしているのかよくわかりませんでしたが、三種類の行動をとっていたのですね。
刺して蜜を吸うなんて初耳でした♪
これからは花の後ろに回っている蜂に注目です!
ビョウヤナギの雄蕊の中でもだえる(笑)を撮ったことがありますが、その子はきっと花粉目当てだったのですね。
by とんとん (2011-11-30 15:04)
とんとん さん
ミツバチはお仕事に夢中であまり逃げませんから見ているとなかなか面白いですよ。
はじめ蜜は花粉を運ぶハナバチへのご褒美かと思っていましたが、これも巣に持ち帰って食料にするんですね。
でも花筒もなく平開する花にまで盗蜜するとは思っていませんでした。
by 夕菅 (2011-11-30 23:54)
盗蜜という行為は聞いたことがありましたが、観察したことはありませんでした、こうしてはっきりと写真で見せていただいて、よくわかりました。おもしろいですね。
分業だとなおおもしろいのですが。
by エフ・エム (2011-12-01 11:40)
盗蜜はよその巣から蜜を盗んでくるのだと思っていましたが、これも確かに盗蜜ですね。送粉者と花は互いに利益を得ながら共に進化をしてきたのだと思いますが、花粉を運ばずに蜜をいただこうとするのは偶然から得た生活の知恵なのでしょうが、ずるい人間のようです。
by satton (2011-12-01 16:23)
エフ・エムさんコメントありがとうございました。
まだ継続して観察するゆとりがなく、1〜2日の観察で記事にしてしまいましたが、幾日か朝昼夕と観察すると面白いかと思います。
これらの写真は昼休みに撮ったものですが、盗蜜ミツバチには花粉団子はもちろんですが花粉も付いていません。
蜜胃がいっぱいになったら花粉を集めるのかどうか、確認したいですね。
by 夕菅 (2011-12-01 21:40)
satton さん ご指摘の通りです。
盗蜜には二つの意味があって、一つはよその巣から蜜を盗むこと、もう一つは花粉に触れずに蜜を吸い取ることです。
前者ではニホンミツバチの巣から蜜を盗むセイヨウミツバチが問題になっているようです。
ミツバチが賢くなって盗蜜派がふえ過ぎたら、花はそうさせまいとして新たな進化を遂げるのでしょうか。
by 夕菅 (2011-12-01 21:57)
アニソドンティアを挿し木したのが初めて花を咲かせ、どんな植物だろうかと検索していて、こちらのブログに出合いました。
内容のすばらしさ・・・・緻密な観察、それを支える美しい写真に驚きました。早速お気に入りに登録し、これからも拝見いたします。
by 703 (2011-12-05 22:19)
703さん ようこそ!
アニソドンティア情報という貴重なコメントもいただきましてありがとうございました。
挿し木成功ですね。すばらしい!!!
実はこの木を何とかつなぎたいという思いで、私も初めての挿し木を試みたばかりです。しかしその時すでに11月末、屋内に入れましたが無理かなと按じていたところです。
私のブログは素人のにわか仕立て、調べた事を書き残しています。
そのため誤りもたくさんあると思います.これからもどうぞいろいろ教えていただけますようお願いします。
by 夕菅 (2011-12-06 08:59)
“素人のにわか仕立て”とはとうてい思えません。
今日もブログを拝見して、ツワブキの花の写真と記述に驚きました。
ツワブキは庭にあって、ブログにも載せたのですが、中央のも花だなんて思いもせず、漫然と写真を撮って、和の感じがいいですね、なんて調子で終わっていました。
すごいです!私なんぞには専門家か研究者に見えます。とてもいい勉強をさせてもらっています。
アニソドンティアは当地(淡路島)ではひょっとしたら冬を越すのじゃないかと思っています。どんな様子か、よろしければ、ブログ「風の通る庭」をのぞいてみてください。
by 703 (2011-12-08 22:46)
703 さん 再訪ありがとうございました。
ブログ、教えていただいたので早速拝見してきました。
オープンガーデンになさってるんですね。すばらしい!
ブログも更新が早いこと!
淡路島ではここ愛知県よりうんと暖かいでしょうね。
アニソドンティア、冬越し出来るんではないでしょうか。
こちらはまだ最低気温3℃くらいでアニソドンティアも咲いていますが、寒にはー3℃くらいになります。
駄目だろうと思いながらも株元にモミを被せてみました。
by 夕菅 (2011-12-09 00:05)