ヒロヘリアオイラガ [昆虫]
ヒロヘリアオイラガ
イラガ科
学名 Parasa lepida
このトゲトゲの派手な毛虫はヒロヘリアオイラガの終齢幼虫です。
大きさ 約2cm。
刺されると痛みが長く残ります。
頭は右にありますがいつも内側に隠されています。二つの黒点は目ではありません。
上の1対の朱色の毛束がヒロヘリアオイラガの特徴でアオイラガとの鑑別点です。
尾側には黒い毛束が4個(上の画像では1個見えるだけ)あります。
その周りもトゲ、トゲ、トゲ。
初齢幼虫は葉の裏側の柔らかい部分を食べます。
枯れた若葉があったら要注意です。
2齢幼虫と思われる集団です。
葉の中央に集まっているのでこれから脱皮するところかもしれません。
3齢幼虫と思われる集団が葉の裏側に並んで葉の全層を食べています。
そろそろ単独行動する頃です。
4齢幼虫。刺々しくなりました。もう一度脱皮すると終齢です。
今秋、ヒメシャラの幹に大きな終齢幼虫がいました。
急ぎ足で移動中、珍しく横顔が見えています。
繭を作るところを探しているのでしょうか。
ヒメシャラの幹に繭を見つけました。
すでに中の蛹が羽化して出たのでしょう。穴が二つ開いています。
その下にもいくつか膨らみがあります。
ピンセットで押すと上の穴の開いた繭は剥がれて落ちました。
次に左の膨らみを押すと中から虫体が飛び出しポロリと落ちてしまいました。
あと二つ、今度はそうっと殻を剥がすと中は緑色。
やはりこれはヒロヘリアオイラガの繭のようです。
前蛹でしょうか。まだ背に青い縦模様が見えます。
一番下の繭は殻を剥がす時また落ちてしまい、白い跡が残りました。
ヒロヘリアオイラガは南アジア、東南アジアから中国に自然分布していたものが、1920年頃鹿児島に侵入し、1970年頃には西日本各地に、さらに近年は関東地方にも見られるそうです。
幼虫は多種類の樹木の葉を食べます。
この庭で最も被害が多かったのはケヤキ、次いでモミジ、イチゴノキ、エゴ、ハナミズキ、サンシュユ、ヒメシャラ、ナツツバキ、ロウバイ、ナツロウバイ、ボウガシなどです。
こんなにたくさん羽化しているのに、成虫を見ることは殆どありません。
繭は樹だけでなく土の中に作られることもあります。
これは22年前、土の中の繭をプランターに入れ、羽化を確認した時の写真です。
成虫の翅は緑色で褐色のヘリがありました。右は蛹の殻です。
ヒロヘリアオイラガは「日本の侵略的外来種ワースト100」に選ばれており、無農薬を原則としているわが庭では大敵です。
退治のコツは初期に葉の異常を発見し、集団行動している若齢幼虫を小枝ごと切って処分することです。
しかし今秋最後に発生したヒメシャラでは早期発見を逃し、幼虫が分散してしまいました。こうなると1匹ずつピンセットで捕らねばならずたいへんです。
不幸にして棘が刺さったときは先ず粘着テープを張り、軽く押さえてからそーっと剥がします。
これを数回繰り返せば刺さった棘の大半は除去できます。
追 加
幼虫はたいてい葉の裏に並んで葉を食べ続けています。
表からは見えにくいので、不用意に触ると刺されますからご注意下さい。
*素人の観察記録です。誤りがありましたらどうぞお教えいただけますようお願いします。
イラガ科
学名 Parasa lepida
このトゲトゲの派手な毛虫はヒロヘリアオイラガの終齢幼虫です。
大きさ 約2cm。
刺されると痛みが長く残ります。
頭は右にありますがいつも内側に隠されています。二つの黒点は目ではありません。
上の1対の朱色の毛束がヒロヘリアオイラガの特徴でアオイラガとの鑑別点です。
尾側には黒い毛束が4個(上の画像では1個見えるだけ)あります。
その周りもトゲ、トゲ、トゲ。
初齢幼虫は葉の裏側の柔らかい部分を食べます。
枯れた若葉があったら要注意です。
2齢幼虫と思われる集団です。
葉の中央に集まっているのでこれから脱皮するところかもしれません。
3齢幼虫と思われる集団が葉の裏側に並んで葉の全層を食べています。
そろそろ単独行動する頃です。
4齢幼虫。刺々しくなりました。もう一度脱皮すると終齢です。
今秋、ヒメシャラの幹に大きな終齢幼虫がいました。
急ぎ足で移動中、珍しく横顔が見えています。
繭を作るところを探しているのでしょうか。
ヒメシャラの幹に繭を見つけました。
すでに中の蛹が羽化して出たのでしょう。穴が二つ開いています。
その下にもいくつか膨らみがあります。
ピンセットで押すと上の穴の開いた繭は剥がれて落ちました。
次に左の膨らみを押すと中から虫体が飛び出しポロリと落ちてしまいました。
あと二つ、今度はそうっと殻を剥がすと中は緑色。
やはりこれはヒロヘリアオイラガの繭のようです。
前蛹でしょうか。まだ背に青い縦模様が見えます。
一番下の繭は殻を剥がす時また落ちてしまい、白い跡が残りました。
ヒロヘリアオイラガは南アジア、東南アジアから中国に自然分布していたものが、1920年頃鹿児島に侵入し、1970年頃には西日本各地に、さらに近年は関東地方にも見られるそうです。
幼虫は多種類の樹木の葉を食べます。
この庭で最も被害が多かったのはケヤキ、次いでモミジ、イチゴノキ、エゴ、ハナミズキ、サンシュユ、ヒメシャラ、ナツツバキ、ロウバイ、ナツロウバイ、ボウガシなどです。
こんなにたくさん羽化しているのに、成虫を見ることは殆どありません。
繭は樹だけでなく土の中に作られることもあります。
これは22年前、土の中の繭をプランターに入れ、羽化を確認した時の写真です。
成虫の翅は緑色で褐色のヘリがありました。右は蛹の殻です。
ヒロヘリアオイラガは「日本の侵略的外来種ワースト100」に選ばれており、無農薬を原則としているわが庭では大敵です。
退治のコツは初期に葉の異常を発見し、集団行動している若齢幼虫を小枝ごと切って処分することです。
しかし今秋最後に発生したヒメシャラでは早期発見を逃し、幼虫が分散してしまいました。こうなると1匹ずつピンセットで捕らねばならずたいへんです。
不幸にして棘が刺さったときは先ず粘着テープを張り、軽く押さえてからそーっと剥がします。
これを数回繰り返せば刺さった棘の大半は除去できます。
追 加
幼虫はたいてい葉の裏に並んで葉を食べ続けています。
表からは見えにくいので、不用意に触ると刺されますからご注意下さい。
*素人の観察記録です。誤りがありましたらどうぞお教えいただけますようお願いします。
2011-10-12 21:00
コメント(8)
いつもながら素晴らしい画像ですね。若齢の幼虫から終齢、蛹、そして成虫とすがた、色彩を変えてゆく様子が鮮明に表されていて、圧巻です。
先日の拙記事「樹幹上の惨劇」からリンクさせていただきます。ご都合がわるければ外します。
by エフ・エム (2011-10-13 09:43)
エフ・エム さん
過分なお言葉をいただきましてありがとうございます。
リンクも光栄です。
今日は仕事が休みです。毛虫嫌いの方からお叱りを受けているかもとおそるおそるコメントを開きました(笑)。
勇気を得てそれでしたらもう少しお役に立てるようにと画像1枚追加しました。
今回はためらいつつも出来るだけ美的な(?)写真を選んだつもりです。
by 夕菅 (2011-10-13 10:41)
庭が最も薮化するのがこの季節。
庭の草取り枝はらいの時には、ひょっこり出会ってしまうかもしれません。
終齢幼虫の水色はカラフルですが、凄味もありますね。しっかり目に焼き付けておきましょう。
いきなりチクッ、ヒリヒリッ、ということよくあります。
昆虫は脱皮するので覚えきれませんが、丁寧に写真に収めてのレポート、貴重ですね。
by とんとん (2011-10-14 20:14)
毛虫は気持ち悪さが先に立ってよく観察したことがありませんが、写真で見ると綺麗なものですね。松の木の剪定ではいつもやられています。木の肌にそっくりで気がつきにくいのです。
by satton (2011-10-14 21:07)
satton さん ヒロヘリアオイラガはまだ北海道にはいないようですね。
松につくのはあの大きなマツカレハでしょうか。
うちには松の木はないのでまだ見たことがありませんが、あのような大物にはやはりお目にかかりたくありません(笑)。
保護色変身が得意なようですから剪定の時はたいへんでしょうね。
by 夕菅 (2011-10-14 22:14)
とんとんさん (訂正後再送信 10-14敬称抜きでごめんなさい。)
こんなにたくさん毛虫を見ていただいて大丈夫でしたか。
私は棘や毛のあるものまではだんだん慣れました。
でも毛のない幼虫やヌメヌメする小動物はまだ鳥肌が立ちます(笑)。
「いきなりチクッ、ヒリヒリッ」ってヒロヘリアオイラガの仕業かもしれませんね。
こちらは毎年大量発生にうんざりしていますが、関東地方にも広がっているようです。どうぞまずは葉の変形にご注意ください。
by 夕菅 (2011-10-22 13:19)
夕菅さん こんばんわ~~
ヒロヘリアオイラガに出合って撮ってました
お尻の方がアタマと大いなる勘違いでした
クッキリハッキリと撮られた(一枚目)ので判明、
朱色の毛束、確かに。
時を追っての観察はいつもながらスゴイです。
最後のお写真がなんともはやカワイイ!!
by わんちゃん (2011-12-21 18:24)
わんちゃん 、コメントありがとうございました。
ヒロヘリアオイラガ、本当にどちらが頭かお尻かわかりにくいでしょう?
見つけるとだれかがひどい目に遭わぬよう処分してきましたが、たいていその過程に自分が刺されました。
最後の写真のように葉影に潜む小悪魔達が犯人!
また卵や成虫の写真を撮って追加したいと思っています。
by 夕菅 (2011-12-21 23:51)