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モンティア・シビリカ(←この花は何という名前でしょう?) [草花(春)]

5月8日「この花は何という名前でしょう?」という記事を書きました。
やっと花の名前がわかりましたので加筆して再掲します。

淡いピンク色の小花が日陰でどんどん咲いています。
緑色の光沢のある葉が花を引き立たせています。
昨年新たに花壇に植えた1年草がこぼれ種でふえたのです。

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でも悲しいかな、この花の名前がわからなくなりました。
それと思い込んでいた植物は似て非なるものだったのです。
検索・お尋ねなど出来ることは全てしましたがわかりません。
8日、思いきってこのままブログに掲載しました。
その翌日、全くの偶然から花の名前を記したメモが見つかりました。
それが正しく、この花でした! 思いもしなかったスベリヒユ科!
花の名前は モンティア・シビリカ。

モンティア・シビリカ
  スベリヒユ科 モンティア属 
  原産地:北米
  花期:4月〜6月くらい
  草丈:10〜40cm

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芽生えてすぐにはへら状のやや細長い葉が出てきます。
ついでロゼットの中心から葉柄の長い円っこい葉や紅い茎が放射状に伸びます。

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茎は次第に緑色になって対生の葉が開き、1〜3本の花茎が出てきます。
葉は昔の橋の擬宝珠(ギボシ)に似た形で光沢と厚みがあって花とよく調和しています。

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花の大きさは約1cm, 淡いピンク色の花弁5枚。
花弁にはピンク色の筋とサクラのような切れ込みがあります。
雄しべ5本、雌しべの柱頭は3裂します。
左右の花を見ると雄性先熟ですね。
初めに左の花のように雄しべが熟して花粉が出ます。
雄しべが退化すると右の花のように雌しべが3本に開いて他家の花粉を待つのです。

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時には花弁6枚の例外もあります。
この花は花弁が白っぽく花弁の筋模様がよく見えます。

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側面から見た咲いたばかりの花(左)と、雌しべが開き雄しべが伏した花(右)。

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雄しべは花弁に達して萎れます。

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総状花序はナズナに似ていますね。2枚の萼片が子房を包みます。

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この1枚には蕾から果実までが見られます。

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2枚の萼片の間から種子が1粒づつ覗いています。
種子に至るまでの期間が短く、旺盛な繁殖力をもつ植物です。
英名をインディアン・レタスともいい、原産地では耐寒性宿根草となり、野菜としても利用されるそうです。耐暑性がないため日本では一年草となります。
試しに葉と茎を茹でて味見しましたが、個人的にはおいしいとは思えませんでした。

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この花を植えたのは建物の北側で直射日光は当たらず、雨も届きにくい所です。
この辺りは夏の暑さ厳しく、冬の最低気温も−2~3℃になる環境ですが、この花はそれらに耐えて繁殖しています。
増え過ぎて、他の宿根草に悪影響が出るようになるかもしれません。
けれども日陰にも強く手間要らずのこの花はこれからの園芸に有望な品種と言えそうです。

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後 記
初めにお読みいただいた方には一緒に悩ませてしまったかもしれません。
どうぞお許し下さい。
やっとすっきりしてご報告できました。

今後は暑さや日照にどこまで耐えられるか、庭のあちこちで試してみようと思います。
コメント(10) 

コメント 10

エフ・エム

何科の植物なのか、まったく見当がつかず、スベリヒユ科なんて想像もできませんでした。大きな葉に小さい可憐な、しかし整ったかたちの花、やせたホオズキのような実、ちぐはぐな感じなのに、全体を見ると調和がとれている。おもしろい造形です。珍しい植物をありがとうございました。
by エフ・エム (2011-05-11 09:26) 

夕菅

エフ・エムさん、コメントありがとうございました。
やっぱりいろいろお考えいただいたようですね。ごめんなさい。

去年は可憐な花だとは思いましたが、日陰の庭の小さな花は写真が撮りづらく名前の確認もしないで見送ってしまいました。
今春、次々とこぼれ種で芽生え花が咲くようになるとこの花に魅せられ、詳しいことが知りたくなって慌てました。

スベリヒユ科というと日本ではマツバボタンやハゼランくらいですが、北アメリカ西部には多様な種が存在するそうです。


by 夕菅 (2011-05-11 18:18) 

satton

何とか名前を見つけようと随分と調べてみましたがダメでした。スベリヒユ科でしたか。アップするとなかなか綺麗な花ですね。
by satton (2011-05-11 19:19) 

夕菅

satton ごめんなさい。随分悩ませてしまったのですね。
スベリヒユ科とは本当に意外でした。
耐寒性はかなり強いようですから北海道でも育つかもしれません。
小さいけど可愛い花ですからもし園芸店に並んだら是非お試しになって下さい。
by 夕菅 (2011-05-11 22:41) 

花咲かばあさん

わからなかった花の名前が解った時のうれしさ、ほっと安堵です。
スベリヒユ科とは、、思いもよりませんでした。
マイズルソウの仲間かとも。可憐で優しい色合いな花が北側のお庭を埋め尽くす景も素的でしょう。
スベリヒユ科は夏の暑さより冬の寒さに弱い植物かと思っていましたが。
冷たい北風は当たらない場所でしたね。居心地がよかったんでしょう。
お庭のあちこちに増えていくといいですね。
by 花咲かばあさん (2011-05-12 15:02) 

とんとん

花の名前が分かって、やっとコメントできます。^_^;
でも、名前は覚えられそうもありません。(^_^;)
スベリヒユのように、ぬるぬるしているのでしょうか。
綺麗な野草で、見つけたら眼を引きますね。

萼が閉じてからその中で実を付けるところは、白山吹と同じですね。
今、庭の白山吹の様子を面白いと思って見ています。

by とんとん (2011-05-12 19:43) 

夕菅

花咲かおばさん きっと一緒に探して下さったのですね。
購入した花屋さんにも写真を持って行ってお尋ねしましたが、一週間過ぎてもお返事がありません。
探し疲れて他力本願になった頃、偶然にも決定的メモが出てきました。やっとわかって本当にすっきりしました。

マイズルソウのように気難しくなく、すぐに開花し寒さや日陰には強く見かけより丈夫な植物のようです。
観葉植物のような葉は直射日光には弱そうですが、今後実験的にあちこちに植えてみようと思います。


by 夕菅 (2011-05-12 21:02) 

夕菅

とんとん さん 悩ませてごめんなさい。
モンティア とは本当に覚えにくい名前ですね。
さらに北アメリカにあるのにシベリアとはどうしてなんでしょう?

「萼が閉じてからその中で実を付ける」シロヤマブキもそうなんですね。はじめ資料がなくて記事を書いたのでこれを萼といってよいのかどうか迷いました。
後でスベリヒユを調べたらやはり萼だったのでほっとしました。
葉は観葉植物のような厚ぼったい感じですが、ぬるぬるはしていません。



by 夕菅 (2011-05-12 21:22) 

わんちゃん

夕菅さん こんばんわ~~

このお花の名前が解ったところで
このblogにお伺いしたんですね、悩んでない、わんちゃんです。

お花のしくみや専門用語には疎いんです
お写真に見入ってしまいました
特に5枚目から8枚目のが好きですねぇ・・・

ウチの庭もちょこっと模様替え中です
物置の引っ越しがありまして、少しお花を植えられるんです。
ちょっとづつ、植え始めてます
この時がとても、楽しみですね、ワクワクします。
by わんちゃん (2011-05-16 23:01) 

夕菅

わんちゃん にも悩んでいただきたかったですねー(笑)。
実はこの花は昨年新しい日陰の花壇を作り、何を植えようかとワクワクしながら選んだものの1つです。
花の色や大きさや咲く季節など考えながら植え込む時はうれしい悩みですね。
by 夕菅 (2011-05-17 00:02) 

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