篠原さんのプラペラ 2 光と影 [庭のプロペラ]
「うちのプラペラ」は風を受けるとゆっくり旋回し始めます。
風が強ければ速く回りますが、一定の回転数以上にはならないよう制御され
ています。この仕組みがはじめから設定されていたのには驚きました。
ここに篠原さんの深慮が在ったのです。
窓から一目みれば「今日は風がない」とか「風が強くなった」とかすぐ
にわかります。
プロペラが回っている時、陽の光を受けると羽に反射して光の束を送ってき
ます。まるで「おはよう」とか「元気になーれ」とか言っているように。
この光が太陽の位置によっては西の窓から居間のソファや壁に届くことがあ
ります。これは予想もしなかったすばらしい光景です。ただし、すべて条件が
そろった時にしか見ることができません。
羽の表側に当たった光が反射する瞬間。

手動で叩いてつくられた3枚の羽の裏側は、はじめは表側と同じようにピカ
ピカに光っていましたが、この6年の間に篠原さんのことばでいうと「時間の
痕跡」をみせつつ変化してきました。たしかに、しみもさびも「時間の痕跡」、
いつまでもピカピカは不自然ですね。
裏側の「時間の痕跡」

午後の楽しみは東側の芝生に写る影です。
晴れて程よい風が吹く日には、芝生の上のプロペラの影ものんびり回っているの
が眺められます。
まさに春風駘蕩。

芝生が緑に変る頃、影は特にくっきり見えます。

夕日とプロペラの取り合わせはまた感動的です。
2004. 4.30.

しかし、この6年の間に、この辺りも宅地化がすすんできました。
田んぼを埋め立てて家が建てられ、それに伴って電柱や電線もふえていきます。
このため悲しいことにプロペラの写真が撮りにくくなってしまいました。
2010. 2.21.

昨秋の素晴らしい夕やけ。
左右前後に移動しつつ、また立ったりしゃがんだりしてなんとか伊吹山が
入った夕焼け空を撮ることが出来ました。

これからはプロペラの近くの四季の花と組み合わせた写真を撮りたいと
思います。
有機と無機と。
いえいえ、そんな大げさなものではなく、その日、その時、デジカメ・
オートが捉えるままに。
2010-02-26 00:27
コメント(2)
ひな祭りも過ぎ、卒業式シーズン 旅立ちの季節です。
yuuzugeさんのお庭では、春の光がプロペラーを輝かせ
柔らかな影と春の花々との交わりのころでしょうか。
おそらく、クリスマスローズやパンジーが咲き乱れ
野菜畑も少しずつ花畑に変わりつつあるころかと、
想像の中でうっとりさせてもらっています。
今回の篠原さんのプロペラーのお話、 興味深く拝見しました。
芸術には疎い私には、今回のように作者の思いや
その楽しみ方の一旦を紹介していただけると
なるほど・・・たしかに、・・・素敵! と心を動かされます。
こちらにも、広大な敷地に野外美術作品が
例えば、札幌芸術の森やイサム・ノグチのモエレ沼公園があり
何度か 見に行きました。
そういえば、モエレ沼公園にあったステンレスの三角錐のオブジェも
夏の光を浴びて、輝いていたな・・・
芸術の森の作品めぐりは、まるで山の中を散歩している感じで
楽しかったな・・・と懐かしく思い出されます。
さて、私、sapporo-mamaとしてのコメントは今日が最後となります。
5日後には、引越しとなりました。
北海道の自然の美しさに魅せられ続けた3年間でしたね。
躍動の春も、輝く夏も、装う短い秋も、
そして、厳しく長い長い雪の冬も、素晴らしいものでした。
幸せな時間でしたね。
次回は、ebisu-mama としてまたお邪魔させてもらいます。
大都会、東京でも 気持ちさえあれば
生き物達の声を聴いたり、見つけたりできると思っていますよ。
落ち着きましたら、きっとyuusugeさんのお庭に行かせてもらいますね。
その時は、よろしくお願いします。
では、また。
by sapporo-mama (2010-03-04 07:06)
sapporo-mamaさん
お引っ越し準備でお忙しい中、すてきなコメント、ありがとうございました。
いつもsapporo-mamaさんの新鮮な北海道便りを心待ちにしてましたので、これが最後と思うとちょっと淋しい春雨の午後です。
札幌芸術の森やモエレ沼公園では広い自然の中にたくさんの大きな作品がのびのびと展示されているのですね。そちらへも何度もいらっしゃったよう、よかったですね。
北海道へ誘われた気分になってHPを開き、札幌芸術の森野外美術館の作品を一回り見てきました。
http://www.welcome.city.sapporo.jp/feature/artpark/art_list._bn.html
風で動くのが2つありますね。電気で動くものより風で動くものの方が自然の中では生きるように思います。
篠原さんのプロペラは私の庭に囲って申し訳ないみたい。
まだ周りは半分田んぼで遠くには伊吹山も見えるから、しばらくは我慢してもらいましょう。
作品にこめた製作者さん達の愛情ともいうべき熱き思い、わかっていただけてこれを書いた甲斐がありました。
次はebisu-mamaさんに変身して、東京便りを寄せて下さい。
この頃吹上御苑の原生林も公開されつつあるみたいですね。
3月に入ると黄色のマーチが始まりました。一番乗りはミニラッパ水仙たちです。どうぞまた遊びに来て下さい。
by yuusuge (2010-03-04 16:34)