SSブログ

ニジュウヤホシテントウ [昆虫]

ニジュウヤホシテントウ(二十八星瓢虫)

今夏の家庭菜園はキュウリ、トマト、ナスなど順調に育ち、豊作を喜んでいました。
ところが7月半ば、ナスだけが早くも枯れ始めました。

ナス090531wb.jpg5.31.→ ナス異変090716wb.jpg7.16.

よく見ると葉は表面がかじられて茶色になり、穴も空いています。
さらに近くで見ると、何だか見たことのない虫がたくさんついているのです。
でもこれってどこかで見た虫に似てます。ひょっとしてテントウムシの幼虫?

ニジュウヤホシテントウ0722wb2.jpg

そういえば最近そよかぜさんのブログに変なテントウムシを見たばかり。
続いて 得意のGoogle検索!
ズバリ、大当たり。これがそのニジュウヤホシテントウの幼虫のようです。

それにしても大発生! わが伝統の無農薬の家庭菜園、ナスは8株です。
薬は使わず、茶色になった葉と幼虫をゴム手袋をして取り除くことにしました。

虫が食べた葉は、噛み痕がまるで棚田を空から見たように並んでいて、民芸品や
モダンアートのよう。思わず見とれました。

噛み痕wb2.jpg
葉ばかりでなく、ナスも器用にかじられています。

ナス噛み跡wb.jpg

このグロテスクな幼虫が本当にニジュウヤホシテントウになるのかやっぱり
この目で見極めたくなります。
幼虫のいる葉とナスをまたルリタテハで用いたハウスに入れました。

翌日ナスについていた幼虫に異変を見つけました。まっ黄色になっています。
近くでみるとどうも羽化のようです。顔だけ出してもごもごしています。

テントウ11:08wb2.jpg

今ある写真の中から成長をたどってみます。
卵から孵化して幼虫となり、3度脱皮を繰り返してサナギになるそうです。

テントウ・卵?@wb.jpgテントウ幼虫1@wb.jpgテントウ幼虫@wb.jpg
サナギテントウ蛹@wb.jpg→羽化 テントウ初めましてwb2.jpg初めまして。

トゲトゲの殻を脱ぎ終えるや黄色の塊となってスタコラ歩き始めました。
次いで大きな羽が出て、それがだんだん短く収納されます。同時に上翅には合計28個と
いわれる褐色の斑紋が現れてきます。

テントウ11:39@wb.jpg テントウ12:11@wb.jpg

さらに全身が赤褐色になり、斑紋が黒くなると成虫完成です。
このニジュウヤホシテントウはナナホシテントウやナミテントウと違って、体表が
細かい灰褐色の毛で覆われているため光沢がありません。

成虫-1@wb.jpg成虫-2wb@.jpg

さらに大きな違いは光沢のあるテントウムシはアブラムシをたべる益虫ですが、
このテントウムシはナスやジャガイモの葉を食べ尽くす害虫だということです。

この道30年、私は今年初めてこのニジュウヤホシテントウの被害を受けました

このテントウムシは近づいてもじっと動かず、羽があるのに飛び立ちもしません。
まことにお気の毒ですが、ナスを生かすためには退治せざるを得ません。

ところが枯れた葉や幼虫をやっと全部取り除いたと思っていても、翌日見ると
また成虫が10匹以上いるのです。
どこで羽化したのか、あるいはどこかから飛んでくるのか、まだわかりません。
でもまたおいしい秋ナスが採れるよう、せっせと生存競争中です。

追記 2011.8.12.
ニジュウヤホシテントウにはほとほと手を焼いています。
昨年はまだ少数の発生で手で虫を捕りながら何とかナスが採れました。
割におとなしいので袋を受けながら落とすと大抵捕まります。
中には機敏に飛び立つものもいますがやむを得ません。
今年は昨年と1昨年の中間くらいの発生です。
このまま枯らしても惜しいので秋なすを期待して枝を切り戻し追肥しました。

昨日コメントをいただいて見直してみたら、写真がボケ気味でしたので5枚ほど色調補正しました。



コメント(6)  トラックバック(0) 

コメント 6

そよかぜ

脱皮の瞬間にはなかなかめぐり合えるものではないのですが、「身近なところでの観察」の成果ですね。
幼虫の“棚田”づくりは、どのようにしているのでしょうね。頭部を前後に動かして横移動でしょうか。

by そよかぜ (2009-08-02 18:30) 

yuusuge

そよかぜさん
貴重なコメント、ありがとうございました。
こんなにたくさん幼虫やサナギはいても確かに「脱皮中」は稀少ですね。
もう少し写真がよく撮れているとよかったのですが..........。

“棚田”づくりは結果に見とれてしまい、作業状況は確認していませんでした。今後チャンスがありましたら、その目でまた観察してみます。


by yuusuge (2009-08-02 22:43) 

sapporo-mama

こんにちは
こちら、引っ越し等で忙しく、
新しい環境でのパソコン設定に時間がかかりご無沙汰しておりました

久しぶりにブログを拝見しましたら、
ますます昆虫博士課程に突入なさっていますね。
テントウムシの脱皮まで・・・・すばらしい。


私、虫嫌いではないのですが、
いがいがのある幼虫はちょっとグロテスクに感じ、
鳥肌がいつも立ってしまいます。
(特に群れて暮らしているものが苦手?)
でも、観察をすると色々おもしろいものですね
虫たちが脱皮をして成虫になっていく様子はまさに神秘的です。
蝶やセミ、トンボあたりしか間近で見たことがありませんが・・・・
何故あのような色になるのか・・・不思議です。
無防備の時だからこそ、命の繊細さ・・・(表現が難しい)
                近寄りがたいような尊さを感じます。


今年は、日本全国なにやら天候不順で心配されますね。
北海道も日照不足で、農作物が心配さてていますし、
今東京に来ていますが、
ニュースで野菜の高騰がとりあげられていましたし、
実際、札幌と比べると2,3倍の価格が表記されており
手が出せません。
15年ほど前の米不足のような事態にならないといいですね。

東京ではセミが鳴き競っています。
北海道のセミは、夏のはじめにあらわれ、
真夏は、あまりセミの声を聞くことはありません。
蝦夷ゼミと言うらしく、生態がちょっと違うのかも・・・・
yuusugeさんのように、不思議に思ったことをすぐに調べられず
そのままになってしまっています。
見習いたいところですが・・・これまた意志の弱さと
パソコン等検索力不足です。

東京と札幌を行ったり来たりと落ち着かない生活で
植物や虫たちなどに心を向ける時間が少なくなっている中
唯一、このブログで心を和ませてもらっています。

また、美しい花々や小さき命の輝きを見せて下さい。
楽しみにしています。


by sapporo-mama (2009-08-04 10:39) 

yuusuge

sapporo-mamaさん
お忙しい転居直後ですのに、長文のコメントをありがとうございました。
やはりイガイガ幼虫が苦手のようですね。私も決して平気ではありませんが、植物の母親になると、鳥肌立ちながらもなんとか守れるようになるのかもしれません。
でもそれぞれ特に苦手なものはあって、私はヌメヌメの虫がダメです。
本当はこのブログのために撮った写真の中には、もっと幼虫がびっしり集まっているのもありましたが、アップするのは控えたのです(笑)。
次は虫はいなくてきれいな赤い花の予定ですから、安心して見て下さい。


by yuusuge (2009-08-04 17:42) 

わんちゃん

夕菅さん こんにちわ~~

お見事です
粘り強い観察がスゴイです
大切な茄子をひどい目にあわされて・・・も
冷静に立ち向かうところなど流石です
珍しい写真を見せていただきました。
アリガトウです。
by わんちゃん (2011-08-11 17:48) 

夕菅

わんちゃん 気持ち悪くなかったですか。
あれだけ幼虫を見るとさすがに平常ではいられませんでした。
2年前の記事を見直してみると遠慮して小さめ画像にしてますし、
画像の色調補正もしてなくて見にくいですね。
この頃はだんだん開き直って虫の画像も大写し(笑)。
でも今年もまたこれほどではないけどかなりの数のニジュウヤホシテントウがいて、ナス不作です。

by 夕菅 (2011-08-11 22:20) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0