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ナツロウバイ [花木(春)]

ナツロウバイ
   ロウバイ科
   学名 Sinocalycanthus chinensis
   和名 夏蝋梅 
   中国原産の落葉低木 (中国名「夏梅」シャラメイ)

毎年5月中旬になるとナツロウバイが開花します。
早春の芳しいロウバイと異なり、香りは全くありません。

花の直径はほぼ7cm。
ややうつむいて咲く花を見上げると、薄いピンクの厚めの花びらが蝋細工のよう。

夏ロウバイ2wb.jpg    ピンクの花びらには葉脈のような模様がみられます。 夏蝋梅wb4.jpg   葉は長さ15〜20cm。ロウバイより幅広く楕円形。柔らかくやや光沢があります。 ナツロウバイ葉wb3.jpg   植えてから十数年、木の高さは2.5mほどになりました。       ナツロウバイ1wb.jpg               花芯はロウバイと同じでしょうか?    開花直後の花はピンクがやや濃く、花の真ん中に小さいバナナのようなオシベが並び、中心に細い メシベの先が開いています。(画像をクリックすると大きくなります。) 雌性期05.21.80-52.jpg   花の色は日毎に薄くなります。 花芯ではオシベがメシベを囲むように林立し、オシベの上方外側に花粉が付着、花びらやオシベには赤い小さいシミが出てきました。   雄性期花粉800-77wb.jpg   やはり雌性先熟、ロウバイと同じようです。                       (雌性先熟:先にメシベが成熟し、他の株から来た花粉を優先的に受け入れる仕組み)   虫の来訪もありました。 この花は既にオシベの花粉も落ちて、赤いスジ模様が認められます。          雄性期虫wb800-65.jpg    受粉した花は夏にはロウバイの実より大きく長い青い実になります。 夏蝋梅の青い実wb.jpg   葉が黄色になる頃には実もユーモラスな枯れ姿。 夏蝋梅秋実wb.jpg   今、花が咲いていてもまだ去年の実は残っていました。 大小二つ採って割ってみますと小さい方にはまだ種子が1個入っていました。 試しに蒔いてみましょう。 ナツロウバイ種.jpg                                             この花が初めて開花した頃ネット検索しても、鎌倉の明月院とか小石川植物園で写した写真 しか出てきませんでした。 それでも初めて咲いた花が稀少なものとわかり、うれしさもひとしおでした。                                    今では通販などの販売もあり、各地で育てられているとは思いますが、詳しい情報は未だに得られません。                                    今回は自分で観察したままを書きましたが、いろいろ誤りがあるかもしれません。 お気づきになられましたら、ご指摘いただけけますようお願い申し上げます。              追記 2011. 6. 3. 昨日、新しく ナツロウバイ(2)として新たに撮った写真を公開しました。 蕾が開いて雌性期、雄性期を経て果実が実り、種子がこぼれて2世が出来るまでを断片的ながらまとめてみました。合わせてご覧いただければ幸いです。
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コメント 10

ごくり

写真では蝋細工のような花びらの感じが分かりませんが、直径7センチというと結構大きくて、それが蝋のような花びらだなんて・・・実物はちょっと不思議な感じかな?
枯れた実はまさにエイリアン!

夏蝋梅は歳時記には載っていません。かなりたくさーんの花が載っているんですよ。
やはりとても珍しいんでしょうね。

PCの壁紙にしました。今後、ユウスゲさんの四季折々の写真を壁紙にする楽しみを発見。
よろしくお願いします。




by ごくり (2009-05-24 15:35) 

yuusuge

ごくりさん。コメントありがとう!
やはり 歳時記には載ってませんか。

中国原産の植物の中には日本原産かと思うほど古くから在るものも
多いのに、この花が日本に少ないのは何故でしょうね。
中国は浙江省の山岳地帯が原産とのことですが、夏は毎年最高38℃にも上がる当地で放っておいても毎年咲きます。
但し苗から花が咲くまでには数年かかりました。

壁紙にお使いいただけるとは、身に余る光栄。でも自分ではその方法がわかりません..........おはずかしい話。


by yuusuge (2009-05-24 21:00) 

ごくり

壁紙にするには右クリックです。

写真に矢印(ポインターとかいいましたかね?)を置いて、右クリックです。
そうすると、壁紙にするたらなんたら色々でてますからね。

パソコントウシロウの私なんかは、だいたい左クリックが多くて、右のこと忘れがちですが、これを思い出すと解決!ということ結構ありです。

困ったときの右クリック! おためしあれ。




by ごくり (2009-05-25 21:09) 

yuusuge

ごくりさん。お世話をおかけしました。
実は私が使っているのはMac、右クリックがありません。
あっちのWindowsで試したら、いとも簡単にできました。
どうもありがとうございました。
by yuusuge (2009-05-25 23:33) 

途方にくれるユキコ

プレゼントされたんですが、着払いの送料の金額に驚いた
曰くつきのバレリーナ。。。

引越しの際、瀕死状態・・なんとか頑張って遅ればせながら
花をつけはじめてくれました。
喜ぶのも束の間、よーく見れば小さい毛虫達、発見QQ

あわせて、仕事は休んでいても、決算とやらはやらねばならず
毎日の税理士からの、取立てに?逃げ惑うこの頃・・・

毛虫と税理士 ・・やっぱり好きになれません。 トホホ
by 途方にくれるユキコ (2009-05-27 17:48) 

yuusuge

「バレリーナ」お店の中庭に見事に咲いてたバラですね。
あーあ、毛虫ですか。お気の毒に。

税理の仕事は私も何年経っても苦手です。したくないからつい
パソコンの「お気に入り」なんか開いてしまう。わっかります!
花も待った無し。もひとつ、ブログ書いてからとか。
4か月分ためてあったのをやっと終わったばかりです。

でも毛虫の方がさらに待った無し。最優先です(笑)。
今日捕っても明日もう一度見てね。必ず見残しがあるから。
それからおもむろに「決算」です。がんばって!


by yuusuge (2009-05-27 22:35) 

ふぶき

先日北鎌倉を散策している時、このお花を民家の庭先に見つけました。
とても心惹かれましたが、家で調べても名前が分からず、
「植物園へようこそ」の画像掲示板でやっとこのお花を見つけました。

私の拙いブログに名前の不明のままUPしましたが、
早速名前を入れられました。

こちらで詳しいお花の様子を知ることが出来て、
すっきりできました。

ありがとうございました♪
by ふぶき (2009-05-28 20:35) 

yuusuge

ふぶき様
心惹かれた花の名前がわからないと、やはり落ち着きませんね。
しばしば同じような体験をしておりますので、よくわかります。

このナツロウバイに関しては詳しい資料がなく、今度はちょっと
緊張しながら何日もかけて書きました。

こんなふうにコメントを下さる方は少ないのですが、その甲斐が
あったかなと今夜はうれしくなりました。
私の方こそ、ありがとうございました。



by yuusuge (2009-05-28 22:34) 

Minatoya-Yasuda

拝啓 こんにちわ  真ん中の黄色い花びら状の構造物派なんでしょうか?あるいはこれが、花片? 愕はどうなっているでしょう? 開花期の横姿を見せていただければ幸です。なお1963年に発見された新種ですが、支那の自生分布域で、薬用または食用の歴史があるでしょうか。欧州における支那フローラ導入は、鑑賞と野菜化研究ですから… 教示くだされば嬉しいです。草々
by Minatoya-Yasuda (2014-06-17 18:13) 

夕菅

Minatoya-Yasuda さん 初めまして。
予めお断りしなければなりませんが、私は植物学を学んだことがない素人です。庭の花を楽しみながらパソコン検索をしては記事を書いていますので、誤りも多々あると思います。
このナツロウバイに関しては特に情報が少なく悩みました。
本文下部の追記の緑色の文字で「ナツロウバイ(2)」と書いてある部分をクリックして下さい。
こちらに真ん中の黄色い花弁状の部分はロウバイの花の紫色の部分に相当するものと考え、「内花被片」と記しました。
また萼は外花被片に変化しているかと思います。後姿を写した画像も入っています。
自生地での薬用または食用の歴史に関しては全くわかりませんので、お調べ下さいますようお願いします。


by 夕菅 (2014-06-17 23:12) 

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